アルジャジーラ

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アルジャジーラالجزيرة 、または「衛星局アルジャジーラ」 قناة الجزيرة الفضائية)は、アラビア語英語ニュースを24時間放送している衛星テレビ局。アラビア語原音により正確に表記するとアル=ジャズィーラとなる。本社はカタールドーハにある。

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[編集] 名称の由来

「ジャジーラ」はアラビア語で「」および「半島」を意味する。「アル」は定冠詞であり、アラブ地域ではアル・ジャジーラとはアラビア半島をさす代名詞として用いられている語である。

ロゴデザインディーワーニー体アラビア書道における書体のひとつで、日本書道における草書体にあたる)で雫状に「アルジャジーラ」と書かれている。

なお、サウジアラビア新聞など、中東諸国にはこれ以外にも「アルジャジーラ」の名をもつ報道機関が存在するが、それらとの直接的な関係はなく、まったく別の組織である。

[編集] 沿革

  • 1996年カタール首長より1億5000万USドルの支援を受けて設立。放送機材はソニーが全て請け負った。2001年までに広告収入などによる独立採算を目指していたが、完全には達成できず、ワシントンタイムズ紙によると、2004年時点でも年間3000万ドルの支援を受けているという。また、イギリス人ジャーナリスト ヒュー・マイルズ著「アルジャジーラ 報道の戦争」によると収益の多くを日本の日本放送協会(NHK)を中心とした海外メディアからの「映像使用料」が占め、特にNHKが払う金額が一番大きく、同局の大きな助けとなっている。また同著によると同じニュース専門局CNNと比較してCMの放送時間が異様に少ないという。
  • 2001年アメリカのアフガニスタン侵攻の報道において、タイシール・アッルーニー特派員の活躍により、アルジャジーラの名が広く知られるようになる。アルカーイダから送付された、オサマ・ビンラディン容疑者のメッセージの映像を独占放映したり、アフガニスタン国内から戦争実況を中継したりなどの報道活動により一躍注目を集め、「中東のCNN」と形容された。
    同年12月15日、アフガニスタンに入国しようとしたサミ・アルハジカメラマンが、パキスタンの入国管理で拘束され、アメリカ軍(米軍)に引き渡された。米軍はアルハジの容疑を「ビンラーディンのビデオを撮影した」「アフガンにミサイルを買いに行った」「9.11テロ後、アルカーイダに資金援助していた」などコロコロ変えたが、いずれも立証することはできなかった。しかし、米軍は現在でもアルハジカメラマンを「敵性戦闘員」と見なして裁判に掛けることなく、グァンタナモ米軍基地に拘束している。アルハジの弁護士によれば、彼が拘束されている罪状は全くの口実で、取り調べの内容はアルジャジーラとアルカーイダの結びつきについて自供させようとするものであり、またアルジャジーラの内情をスパイとして提供するなら釈放すると持ちかけられたという。
  • 2001年11月日本のスカイパーフェクTV!でも一部日本語同時翻訳付きで無料放送されていた(スカイサービス 202ch)が、試験放送のまま1年後の2002年9月に放送終了した。尚、現在はNHK-BSが世界のニュースのひとつとして枠を設けて日本語同時翻訳放送を行っている。
  • 2003年イラク戦争では、イラク市民の戦争被害やアメリカ兵の遺体映像などを流すなど、欧米メディアとは異なる視点のニュースを伝える姿勢は中東、ムスリム社会に於いて存在価値をますます高めている。この戦争では、米軍のミサイルがアルジャジーラのバグダッド支局に命中し、特派員タリク・アイユーブが死亡している。
  • 2004年2月日本に東京支局が設立された。アジアでは北京支局に続いて2局目となる。中東地域に向けた日本文化の発進基地としての意味合いも強く、東京秋葉原メイド喫茶を交通経路付きで紹介するなどもされた。また、情報の素早さと正確さに対しては定評があり、日本で起きた新潟県中越地震では海外メディアの中で一番早く第一報を世界中に発信するなど、世界情勢を知る上では重要なメディアとなっている。
    なお、この一件に限らず世界の地震速報には非常に力を入れているイメージが強く、少なくとも世界のどこかでマグニチュード5クラスの地震が発生すると、概ね日本の報道機関が取り上げるよりも早く報じているほか、日本で発生した地震報道では、日本独自の地震単位である「震度」の概念を用いて紹介するといった特徴も見られる。地震報道に対する積極的な態度は2006年の、初の英語放送にも窺える。
  • 2005年6月、リニューアル開局。これまで使用してきたアラブ調のアイキャッチ等を一新した。
  • 2006年11月1日、開局10周年を迎え、これまでの局の足跡を辿る番組のほか、子供と大人が討論する番組など、様々な特別記念番組を放送。また、これまでに殉職したスタッフに対して社員一同による黙祷を行った。この他、開局10周年にちなみ、多くの新しい企画が開始された。

[編集] 特徴

従来からの欧米中心の視点とは異なるアラブ系メディアであり、アメリカのテレビがアメリカ社会に偏向しているのと同様、アルジャジーラも当然イスラム社会に偏向しているが、これが直ちにアルジャジーラが反米メディアである事を意味しない。 カタールは、欧米諸国に対しては、イラク戦争では基地を提供する程度には比較的に穏健な姿勢であり、このアルジャジーラはカタール政府が西洋の近代的メディアを手本に創設したものである。また、パレスチナ自治政府汚職などの問題を追及したり、イスラエル人が出演してヘブライ語で話すなど、他のアラブのメディアがやらなかったような事も積極的に取り上げる。

アルジャジーラは、「公正で政治的圧力を受けない、中東で唯一の報道機関である」と自称している。実際に英国のIndex on Censorship検閲に関する問題を扱う雑誌。1972年創刊)では、2005年に「アラブ諸国における自由な情報交換を促進し、検閲を拒否する勇気」の一例として紹介されているし、アメリカにおいても1999年のニューヨーク・タイムズ紙に「アラブ諸国で、最も自由で最も広い観点を持つテレビネットワーク」と評されている。ともするとワシントン発の情報ばかりになる中東情勢について、逆の視点から見られる事で、一部では“中東のCNN”と評する声もある。

一方、2001年9月11日以降の対テロ戦争を国策に掲げる際の米国などにおいては、ビンラディンからのテロを正当化するメッセージをそのまま放送したことから、敵対勢力(テロ組織)の主張を発信し、宣伝しているとして問題視された。アルジャジーラ側はあらゆる観点を取り上げているだけだと反論したが、これによって、アルジャジーラとタイアップしていたCNNなどのいくつかの報道機関に政治的圧力が加えられ、その放送割り当て時間が削減された。更には2005年11月22日付の英大衆紙デイリー・ミラーによると、アメリカのブッシュ大統領が、イラク戦争のファルージャ攻撃において、ドーハのアルジャジーラ本部にも空爆を意図していた、としている。これに伴い、アルジャジーラはスタッフやキャスト、あるいはその家族を揃えての批判キャンペーンを行った。

また、イラク戦争中に米兵の遺体を放映したことでアメリカ証券取引所への立ち入りを禁止されたほか、最近ではチュニジアの反体制運動家へのインタビューが原因で、在カタールのチュニジア大使館員が全員引き上げるなど報道内容が政治問題化してしまう事もしばしばある。

アルジャジーラのテレビ番組は報道だけではなく、時には出席者すべてが途中退席してしまうほど白熱する討論番組「反対意見」、聖職者がイスラムの教えにのっとり、法から性生活まで忌憚ない意見を述べる宗教番組「宗教と生活」も高い評価を受けている。また、全世界に情報を発信するアルジャジーラ・インターナショナルをはじめ、常に検閲の無い生放送を提供するアルジャジーラ・ライブ、数少ないアラビア語のスポーツチャンネルであるアルジャジーラ・スポーツ、子供向けのアルジャジーラ・チルドレン・チャンネル、ウルドゥ語のアルジャジーラ・ウルドゥといった多くの放送チャンネルも抱えている。

また、同局の成功を見本として、ベネズエラ政府の主導のもと、キューバアルゼンチンなどの政府が参加して同国の首都カラカス2005年7月24日に設立されたTeleSURがある。

一方、アルジャジーラのインターネットウェブサイトにあるニュース記事は、特集記事などの企画ものや、風刺評論社説、あるいは後述のテレビ放送のストリーミング等を除くと、多くは記者による解釈といったものの含まれない、事実を淡々と書き綴ったものが主流となっている。なお、日本発のニュース記事は写真ソースの多くをロイター通信やフランス通信社に頼っているが、アーカイブに乏しいらしく、文面はともかく、視覚的には誤解を与えかねないものが顕著な傾向にある。

アルジャジーラ英語チャンネルなどでは、人材の多くを欧米などから積極的にヘッドハンティングしており、元BBC記者や元米軍報道官などもおり、海外から多くの人材を取り入れている。 元米軍報道官は、イラク戦争においての米軍の世論操作と米系メディアもそれをそのまま伝えているだけといった事態に危惧を感じアルジャジーラの記者になったと話している。

またアルジャジーラが急速に配信力を拡大する事ができた背景として、アジア、アラブの経済発展やオイルマネーによる豊富な資金がそれを支えているともいわれる。

[編集] 日本での視聴方法

アラビア語放送に関しては、http://www.jumptv.com/ で視聴可能。また、英語放送に関しては、http://uk.real.com/partners/aljazeera/ord_redirect.html?pcode=news_aj&cpで視聴可能(どちらも有料)。また、livedoorニュースが英語電子版を日本語に翻訳した記事を掲載していたが2007年3月31日以降は更新がされていない。

このほか、アルジャジーラのサイトではالفضائية(アルファダーイーヤ、「宇宙」)というウェブページにおいて放送された看板番組やトップニュースを音声ファイルや動画ファイルで配信しており、これらをダウンロードすることで視聴することもできる。アラビア語放送をそのまま収録したものであり、アラビア語の聴き取り能力は必須であるが、過去の放送分も検索して視聴することが可能であり、放送アーカイブとしては非常に膨大かつ貴重なものといえる。

[編集] 著名な記者

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク