居酒屋 (小説)

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1879年アメリカで舞台劇として上演された際のポスター、オーガスティン・ダリーの絵

居酒屋』(いざかや、原題:L'assommoir )は、フランスの文豪エミール・ゾラ1877年に書いた自然主義の小説で代表作。20巻シリーズのルーゴン・マッカール叢書の第7巻。原題の「ラソモワール」は、この物語の中で頻繁に登場する居酒屋の名前である。

あらすじ[編集]

若く美しいジェルヴェーズ (Gervaise) は、クロード (Claude) とエティエンヌ (Etienne) という息子2人と恋人のランティエ (Lantier) と一緒にパリに住んでいる。ランティエは何も言わずに稼いだ金を持ったまま失踪してしまい、置き去りにされたジェルヴェーズは貧苦に悩む。しかしジェルヴェーズはクーポー (Coupeau) という労働者を知り、クーポーは彼女を愛し、決して暴力はふるわないと約束し、二人は結婚し、よく働いて3年がたち、ナナ (Nana) という娘が生まれる(のち1879年にゾラは、この娘を小説「ナナ」で書き代表作とした)。ジェルヴェーズは洗濯屋を開く。

ある日、通りから呼んでいるナナを見るために、クーポーは窓の近くに寄り、そこから地上に転落し、働けなくなり、酒びたりになる。ある日の昼飯の時、ランティエが戻ってきて三人が奇妙な同居を始める。クーポーはジェルヴェーズを叩くようになり、ランティエはよく働くジェルヴェーズとの関係を復活させる。ジェルヴェーズの同居は土地の人の反感をかい、店はさびれ、金がなくなり、ランティエは去ってゆき、クーポーは気が狂って病院で死ぬ。ジェルヴェーズは孤独のまま死に、死後2日たって発見された。

日本語訳書[編集]

  • 「酒場」 水上斎訳 天佑社、1923年
  • 木村幹訳 新潮社、1923年、復刻本の友社、1999年
  • 「酒場」 原田譲訳 榎本書店、1926年
  • 河原万吉等訳 潮文閣、1927年
  • 斎藤一寛訳 上下 春陽堂世界名作文庫、1932年-1933年、角川文庫 1956年、復刻ゆまに書房、2008年
  • 田辺貞之助河内清共訳 上下 三笠文庫 1952年、岩波文庫 1955年/集英社・筑摩書房の「文学全集」に所収
  • 戸張智雄訳 三笠書房 1956年
  • 関義安東次男訳 上下 青木書店 1956年、関義改訳、旺文社文庫 1966年
  • 黒田憲治訳 河出書房新社 1961年、新版1967年、1980年
  • 古賀照一訳 世界文学全集 新潮文学全集、新潮社、1970年、新潮文庫 改版2006年
  • 清水徹訳 世界文学全集 集英社、1974年、新版1978年、1990年

映像化[編集]

居酒屋 (1934年の映画)
原題:L'Assommoir
監督:ガストン・ルーデス
主演:リーヌ・ノロ
居酒屋 (1956年の映画)
原題:Gervaise
監督:ルネ・クレマン
主演:マリア・シェル

外部リンク[編集]