中国大陸

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中国大陸

中国大陸(ちゅうごくたいりく、Mainland China)とは、アジア大陸ユーラシア大陸東部)の広い陸地(亜大陸)である。古くは日本列島と地続きであった。本項では、日本語圏の中国関連分野と中国語圏での政治的な意味合いを含む用法について詳述する。

政治的な「中国大陸」[編集]

呼称[編集]

中国語圏では単に「大陸」とも言い、他の呼称が持つ政治的要素を避ける婉曲語という性質があるため、広く受け入れられている。日本で見られる用例として「大陸中国」、「中国本土[1]」とされることもある。

範囲[編集]

中華人民共和国による実効支配が直接及んでいる領域を指す。

中華民国では公式には「台湾澎湖金門馬祖を除く中華民国の領土」[2]と説明されてきた。しかし実態としては中華人民共和国の実効支配下にある領域を指し、2002年以降、両岸人民関係条例(臺灣地區與大陸地區人民關係條例)にいう「大陸地区」は、同条例施行細則第三条により「中国共産党のコントロール下にある地区(中共控制之地區)」を指すようになった。

特別行政区である香港澳門(マカオ)は、植民地統治終了後も一国二制度により中央政府のコントロールが直接及んでいないことと、相互に出入国管理にあたる出入境管理が行われていることなどから、一般に「中国大陸」に含めないことが多い。ただし中華民国の実効支配地域としての台湾と対置する意味合いを含むので、香港・澳門を含める場合もある。中華民国行政院大陸委員会は、香港・澳門についての事務も管轄する。

類語[編集]

特別行政区を除く中華人民共和国の実効支配地域に関しては、「中国大陸」のほかにもいくつかの呼称が用いられる。香港・澳門では「内地」(Inland)も使われることがある。例えば、香港、澳門住民が大陸地区を訪問する際に使用する身分証は「港澳居民来往内地通行証」である。

台湾では、台湾海峡を挟み向かい合うことから「対岸」、中国共産党政権の統治下であることから本来は同党の略称である「中共」が同義語として使われ、台湾独立派には、あえて台湾がそれに含まれないことを強調する政治的意図から「中国」と呼ぶ向きがある。

内地」は台湾人には歴史的な背景もあり植民地宗主国を思わせる上、中華人民共和国や特別行政区の体制側がよく使うために媚びが感じられ、台湾のみならず香港や澳門でも受け入れられないことがある。「対岸」は台湾でのみ使える相対的で場面を選ぶ用語である。「中共」は、中華人民共和国を認めないニュアンスを含むため、当の中国当局がこの用法を拒否している。「中国」は、香港・澳門を含むと考えられるので多くの場合「中国大陸」と範囲が異なるほか、中国語圏で台湾を含まないことを念頭に使用する(たとえば「中国」と「台湾」を同格に並べる)場合は、中華民国体制・一つの中国論を否定する政治的な意味が強い。このため消去法で、比較的中立である「中国大陸」が選ばれる面がある。

ただし、香港では返還後に大陸部から押し寄せた旅行者や移民への反感により、「大陸」の言葉自体が些か侮蔑的意図を含むようになってしまった。「大陸仔」(大陸から来た男性)「大陸妹」(大陸から来た女性)などが完全に侮蔑的表現として定着した他、「大陸」という言葉自体が形容詞として「マナーの悪い」、「汚い」などの意味で用いられるようになったため(例として「道端で立ち小便するなんて、彼はなんて大陸なんだろう」など)、香港政府は「大陸」や「中国大陸」という表現を避け「内地」を好んで用いることが多い(大陸人→内地人、内地同胞など)。これは元々差別用語でなかった「支那」という言葉が現代の日本語で差別的とされ、「中国」が好んで用いられるのと同じケースである。

日本語における旧称[編集]

第二次世界大戦の戦前および戦中には「支那大陸」(しなたいりく)という用語が一般的であったが、第二次世界大戦後には「支那」という用語を避けて、「中国」という用語が奨励されたため、2013年現在では「中国大陸」という用語が一般的である。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 北京オリンピックに関するサイトで、国内外のリレー実施エリアにおいて中国大陸を指した呼び方
  2. ^ 中華民國教育部國語推行委員會編、教育部重編國語辭典 「中國大陸」の項による。ただし、中華民国政府が領有権を主張してきた「中国大陸」には、中華人民共和国の実効支配地域から外れる地域も含まれる。詳細については中華民国#地理を参照