団子

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一般的な団子
花見だんご

団子(だんご)は、などの穀物の粉に水やお湯を加えてこねて、蒸したり茹でたりしてできたを小さくまるめた菓子である。

「串団子」は3–5個の団子をに刺したものであり、それを焼いたものを「焼き団子」、醤油味に味付けをしたものは「醤油だんご」などと呼ぶ。

概要[編集]

今日では「だんご」という呼び名が広く定着しているが、地方によっては「だんす」(東北地方など)、「あんぶ」(新潟県など)、「おまる」(滋賀県・四国地方など)など様々な呼称がある。

古くは焼団子団子汁の形で主食の代用品として食せられ、材料も粒食が出来ない砕米や屑米や、雑穀の場合は大麦小麦キビヒエソバトウモロコシ小豆サツマイモ栃の実などを挽割あるいは製粉したものを用いて団子を作った。今日でも地方によっては小麦粉や黍(きび)粉などで作った米以外の団子を見ることが可能である。

団子との違いについては、「団子は粉から作るが、餅は粒を蒸してから作る」「団子はうるち米の粉を使うが、餅は餅米を使う」「餅は祝儀に用い、団子は仏事に用いる」など様々な謂れがあるが、粉から用いる餅料理(柏餅桜餅)の存在や、ハレの日の儀式に団子を用いる地方、団子と餅を同一呼称で用いたり団子を餅の一種扱いにしたりする地方[注釈 1]もあり、両者を明確に区別する定義を定めるのは困難である。

砂糖を加えて甘味をつけたものが多いが、元々は保存食であるため、醤油で味付けして食べるために砂糖を加えないものもある。また、小豆のや砂糖醤油餡、きな粉をつけたり、汁粉みつまめに入れたりして食べる。

また派生して団子状の丸いもの、もしくは丸まったもののことを団子と呼ぶ場合もある(例えば土団子ダンプリングミートボール肉団子)、クネードルなど)。これらは形状による分類である。

歴史[編集]

月見だんご

団子の由来については、諸説がある。通説によれば、遣唐使が日本に持ち帰ったとされる8種の唐菓子(八種唐菓子)の1つである団喜(だんき、「歓喜団」とも)が由来とされている。その一方で柳田國男神饌の1つである(しとぎ)を丸くしたものが団子の原型であり、「団子」の名称は後世になってから類似の唐菓子の名前が当てはめられたものに過ぎないとしている。

「団子」の名称は平安時代に書かれた『新猿楽記』に登場したのが最古のものであり、一方鎌倉時代後期に書かれた『厨事類記』に記された唐菓子の団喜の形態は今日の団子に近い。南北朝時代に書かれた『拾芥抄』には八種唐菓子として団喜に代わって「団子(だんす)」が登場している。また、ほぼ同時代の『沙石集』や『庭訓往来』にも「団子」の語が登場する。

室町時代になると、「団子」を「だんご」と読むようになり、竹の串に通したものが登場する。宇津ノ谷峠十団子御手洗団子が登場したのもこの時代と言われている。江戸時代になると、都市部や街道筋では甘味付きの団子が作られ、庶民の茶席や行楽の御供としても愛好された。その一方で農村部では主食の代用品や非常食として食べられるなど、その意味合いは異なるものがあった。

保存[編集]

できたての団子はデンプンが糊化してαでんぷんになっているため柔らかいが、時間がたつにつれてでんぷんが老化してβでんぷんになるため硬くなる。これを予防するには蒸した段階で砂糖を入れることと、よくつくことである。これにより日持ちをする団子になる。他にも山芋を入れるとよいとされる。

ただし、砂糖を効かせ過ぎると甘い餡をかけた時にはくどい味に、甘くない味付けにした場合にはそれと相反する味になってしまうので、配慮が必要である。

主な串団子[編集]

3個から5個の団子を串に刺して提供する。餡を付けたり、多くの場合は焼いた物で、タレに浸けてから焼く物もある。2013年現在、関東では一串に4個の団子を刺して販売される団子が多く見られるが、これは江戸時代に四文銭の流通を受け、支払いの利便性のために1個1銭の団子4個を一組として売られるようになったことが発端であるとされている[1]。同様に関西では一串に5個の団子を刺して販売される団子が多く見られるが、これは下賀茂神社に団子で人形を模す礼法があり、5個の団子で頭部と四肢を表したことが発端とされている[1]

醤油だんごは、焼き団子を醤油味に味付けたの団子の事である。海苔を巻いたり、わさび醤油につけたりと磯辺餅に近い食べ方もある。岐阜県飛騨地方みだらしだんご東京都多摩地方や埼玉県入間地方の磯辺団子岩手県盛岡市の醤油だんごなど。「みたらし」との名称がある地では、これをみたらし団子とも呼ぶ。

その他の団子[編集]

  • 小豆 - 練ったこしあんやつぶあんを団子の上に乗せて食べる。蓬団子はこのように食べることが多い。
  • きな粉 - きな粉に砂糖を混ぜたものを団子にまぶして食べる。
  • ずんだ - 枝豆をすりつぶして、砂糖を加えた緑色の餡。
  • くるみ - くるみ粉末と砂糖とを水に溶いたもの、または、ペースト状にしたものいずれかを団子にまぶす。
  • ごま - きな粉と同様に粗挽きの黒ゴマと砂糖を混ぜたもの、ゴマ粉末と砂糖とを水に溶いたもの、こしあん風にペースト状にしたものなどいずれかを団子にまぶす。
  • 三色団子 - ピンク(食紅などの着色料)、緑(ヨモギ着色料)、白の団子を同じ串に刺した団子。花見だんごとして食べるほか、地方によっては左義長の火で焼いて食する。

色々な団子[編集]

  • 月見だんご - 十五夜に供える団子。団子粉で作った丸い形のもので団子をピラミッド状に重ねたものや、関西で多くみられる細長い団子にを巻いて「芋名月」にお供えする「衣被(きぬかつぎ)」(里芋の子の小芋を皮付きのまま蒸したもの)を模したもの、名古屋市近辺で多くみられる白・ピンク・茶色の3色で、餡を巻かずにサトイモの形に似せて丸めたものがある。
  • 花見だんご - 花見のときに食べる。通常、三色団子が用いられる。本来メインである花見よりその際に食べる団子(それに付随する酒宴)に興味を持つ様に由来する、「花より団子」のことわざがある。
  • よもぎ団子(草団子) - 草餅のように、すりつぶしたヨモギを加えてこねた団子。きな粉や砂糖、小豆餡をつけて食べる。
  • 白玉団子 - 白玉粉で作った団子。主に汁粉やみつまめ等に入れる用途で使われる。
  • みたらし団子 - 全国的に一般には、甘味を付けていない団子3–5個を串に刺し、少しあぶり焼きにして、砂糖醤油の葛餡をかけたもの。岐阜県飛騨地方では、白い団子の串団子に、砂糖の入っていない醤油をつけてから、あぶり焼きにしたもの。
  • 糸きりだんご
  • 蕎麦団子
  • 吉備団子(きび団子) - キビで作った団子。おとぎ話の『桃太郎』にておばあさんが作り、桃太郎に持たせたものは「黍団子」でありこれとは異なる。
  • 羽二重団子 - 羽二重のようにやわらかいことから命名された団子。
  • 笹団子
  • いきなり団子 - 小麦粉を使用して作る。
  • 郭公だんご - 岩手県一関市厳美渓で作られる団子。販売方法であるので正しくは団子単体ではない。
  • ごま摺りだんご
  • 鶯だんご
  • すはまだんご
  • 茶団子
  • 南湖だんご
  • 坊っちゃん団子
草だんご 
餡をのせただんご 
胡麻だんご 
だんごを焼いている様子 

民俗[編集]

  • 団子は、日本民俗においてしばしば登場する。正月20日の二十日団子、春と秋の彼岸団子、4月8日の仏生会の団子、8月15日の月見団子、葬儀の枕団子などである。一般に、米を粒のまま蒸してついたものを餅、粉をこねて丸めたものを団子というようである。
  • 千葉県の香取神宮では12月7日に団碁(だんき)祭が執り行われ、祭典後参拝客にだんごが配られる。

団子にまつわる言葉[編集]

  • 花より団子 - 風流より実利を取るたとえ。
  • 団子に目鼻 - 顔が丸いこと。
  • 団子レース ‐五十歩百歩の争い。
  • だんごで負ける(俗語) - テニスの試合で、0-6で負けること。同義語に「ベーグル」がある。
  • 団子の串刺し - シナリオ等の構成の一種。複数のエピソードを無意味に連ねるもので、よくない見本とされる。
  • 団子運転 - 路線バス、ビルのエレベータ等において発生する現象で、複数の車両が間隔をあけずに続行運転となってしまう状態のこと。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 前者の例として新潟県の「あんぶ」は団子・焼餅両方を指す。後者の例として東京周辺では「だんごもち」の呼び名が用いられる場合がある(ともに『日本民俗大辞典』「団子」項目より)。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 俵屋吉富 『和菓子の絵事典 - 五感で味わう「和の文化」』 PHP研究所、2008年ISBN 9784569687957

関連項目[編集]