クリ

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ニホングリ
Japanese Chestnut04.jpg
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ブナ目 Fagales
: ブナ科 Fagaceae
: クリ属 Castanea
: クリ C. crenata
学名
Castanea crenata Siebold & Zucc.
和名
クリ
英名
Japanese Chestnut
日本グリ、生[1]
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 686 kJ (164 kcal)
炭水化物 36.9 g
- 食物繊維 4.2 g
脂肪 0.5 g
- 飽和脂肪酸 0.09 g
- 一価不飽和脂肪酸 0.05 g
- 多価不飽和脂肪酸 0.25 g
タンパク質 2.8 g
水分 58.8 g
ビタミンA相当量 3 μg (0%)
- βカロテン 24 μg (0%)
ビタミンB1 0.21 mg (16%)
ビタミンB2 0.07 mg (5%)
ビタミンB3 1.0 mg (7%)
パントテン酸(ビタミンB5 1.04 mg (21%)
ビタミンB6 0.27 mg (21%)
葉酸(ビタミンB9 74 μg (19%)
ビタミンB12 (0) μg (0%)
ビタミンC 33 mg (40%)
ビタミンD (0) μg (0%)
ビタミンE 3 mg (20%)
ビタミンK 1 μg (1%)
カルシウム 23 mg (2%)
鉄分 0.8 mg (6%)
マグネシウム 40 mg (11%)
リン 70 mg (10%)
カリウム 420 mg (9%)
塩分 1 mg (0%)
亜鉛 0.5 mg (5%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。

クリ(日本栗・学名Castanea crenata)とはブナ科クリ属の一種。日本朝鮮半島南部原産。中華人民共和国東部と台湾でも栽培されている。クリのうち、各栽培品種の原種で山野に自生するものは、シバグリ(柴栗)またはヤマグリ(山栗)と呼ばれる、栽培品種はシバグリに比べて果実が大粒である。また、シバグリもごく一部では栽培される。

目次

特徴 [編集]

落葉性高木で、高さ17m、幹の直径は80cm、あるいはそれ以上になる。樹皮は灰色で厚く、縦に深い裂け目を生じる。葉は長楕円形か長楕円状披針形、やや薄くてぱりぱりしている。表はつやがあり、裏はやや色が薄い。周囲には鋭く突き出した小さな鋸歯が並ぶ。

雌雄異花で、いずれも5月から6月に開花する。雄花は穂状で斜めに立ち上がり、全体にクリーム色を帯びた白で、個々の花は小さいものの目を引く。また、香りが強い。非常によく昆虫が集まる。ブナ科植物は風媒花で花が地味のものが多いが、クリやシイは虫媒花となっている。なお、この花の香りは芳香成分としてスペルミンを含むため、ヒトの精液の臭いに似た独特の香りを放つ。

一般に雌花は3個の子房を含み、受精した子房のみが肥大して果実となり、不受精のものはしいなとなる。9月から10月頃に実が成熟すると自然にいがのある殻斗が裂開して中から堅い果実堅果であり種子ではない)が1 - 3個ずつ現れる。

果実は単にクリ(栗)、またはクリノミ(栗の実)と呼ばれ、普通は他のブナ科植物の果実であるドングリとは区別される(但し、ブナ科植物の果実の総称はドングリであり、広義にはドングリに含まれるとも言える)。また、毬状の殻斗に包まれていることからこの状態が毬果と呼ばれることもあるが、中にあるクリノミ自体が種子ではなく果実であるため誤りである。毬果とは、松かさのようなマツ綱植物の果実を指す。

香りの主成分はメチオナール(サツマイモの香りの主成分)とフラノン(他にはイチゴパイナップルに含まれている)。

シナグリなどと比較して、渋皮剥皮が困難であり、生食用用途では渋皮を直下の果肉とともに削り取る作業が必須である。特にこのことが近年の家庭におけるニホングリの需要を低下させる原因となってきた。そのような中、近年独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所において、シナグリ並に渋皮剥皮性の優れるニホングリ品種「ぽろたん」(2007年10月22日品種登録)が育成された。

生態 [編集]

北海道西南部から本州、四国、九州に分布。国外では朝鮮中南部に産する。暖帯から温帯域に分布し、特に暖帯上部に多産する場合があり、これをクリ帯という。ただし、現在では広く栽培されているため、自然分布との境目がわかりにくい場合がある。

種内変異 [編集]

ヤツブサグリ Castanea crenata f.foemina . 花穂に多くのイガをつける。
タンバグリ Castanea crenata f. gigantea  別名オウグリ 栽培品種としては銀寄と呼ばれる。
ハゼグリ Castanea crenata f. imperfecta  別名ハダカグリ 果皮が縦に裂けて内部が見える。
シダレグリ Castanea crenata f. pendula  樹幹や枝が屈曲し垂れ下る。
ハコグリ Castanea crenata f. pleiocarpa シノニム Castanea crenata var. pleiocarpa ひとつの殻斗に果実が6 - 8個入る
ハナグリ Castanea crenata f. pulchella  シノニム  Castanea crenata var. pulchella 花とイガは赤い。
トゲナシグリ Castanea crenata f. sakyacephala シノニム Castanea crenata var. sakyacephala 殻斗のイガが極端に短い。
※約200種類以上あり、シバグリが改良されたものが主ではあるが、海外産のクリ類と交雑されたものも存在する。栽培品種は収穫期により早生、中生、晩生に大別される。
以下代表的品種
  • 早生栗: 丹沢(たんざわ)、国見(くにみ)
  • 中生栗: 筑波(つくば)、銀寄(ぎんよせ)、利平栗(りへいぐり)
  • 晩生栗: 石鎚(いしづち)、岸根(がんね)

栽培 [編集]

日本のクリは縄文時代人の主食であり、青森県三内丸山遺跡から出土したクリから、縄文時代にはすでに本種が栽培されていたことがわかっている。

年間平均気温10 - 14℃、最低気温氷点下20℃をくだらない地方であれば、どこでも栽培が可能で、国内においてはほぼ全都道府県でみられ、生産量は、茨城、熊本、愛媛、岐阜、埼玉の順に多い。また、名産地として丹波地方(京都府大阪府兵庫県)や長野県小布施町が知られる。

クリの害虫被害については、平成初期までは、中国より持ち込まれたクリタマバチの被害が最も問題であり、農水省果樹試験場(現 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)でもクリタマバチ抵抗性品種の育成を主に育種を行ってきたが、クリタマバチの天敵であるチュウゴクオナガコバチがクリの主産地で放飼されたことにより、被害が激減し、現在ではあまり問題となっていない。 次に問題となっているのが、クリシギゾウムシによる果実被害である。これまでは、収穫後の臭化メチルによるくん蒸を主として防除がなされていたが、臭化メチルガスは温室効果が高いため、2012年までに全廃される(2005年に全廃であったが、現在まで不可欠用途申請されている分量のみが使用されている)。したがって、現在、臭化メチルくん蒸の代替技術の確立が必須である。

日本のクリはシナグリに次いでクリ胴枯病に対する抵抗性が高い。

日本国内の収穫量 [編集]

2011年度 19,100 t(前年比 81%)[2]

天然記念物 [編集]

長野県上伊那郡辰野町の小野のシダレグリ純林は国の天然記念物に指定されている。

材木としての用途 [編集]

堅くて腐りにくいので、建物の柱や土台鉄道線路枕木家具等の指物に使われたが、近年資源量の不足から入手しづらくなった。成長が早く、よく燃えるので昔は薪木としても使われていた。

縄文時代の建築材や燃料材はクリが大半であることが、遺跡出土の遺物から分かっている。

伝承・言葉遊び [編集]

ギャラリー [編集]

脚注・出典 [編集]

  1. ^ 五訂増補日本食品標準成分表
  2. ^ 農林水産省 平成23年産西洋なし、かき、くりの結果樹面積、収穫量及び出荷量

参考文献 [編集]

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]