電車

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電車の一例
南海6300系電車
先頭部の屋根上に見えるパンタグラフ架線から電気を取り入れる。
西ドイツ国鉄(当時)の蓄電池電車ETA150
(参照:en:DB Class ETA 150


電車(でんしゃ)とは、単独または複数の車両に動力となる電動機を配置し(動力分散方式)、 自身の動力で走行する鉄道車両である[要出典]。 電動機を駆動する電力は、集電装置により外部から取り込む場合と、車載の蓄電池から供給する場合の2通りがある。車上の内燃機関発電機を稼動させ、得られた電力で電動機を駆動する車両は電気式気動車と呼ばれ「電車」には含まれない。

もともと「電車」は、自走式の「電動機付き客車(電動客車)」、および事業用車を含む「電動機付き貨車(電動貨車など)」の略称だったが、現在では一般名詞となり、各省庁をはじめ、運輸事業者や車両製造会社でも正式に用いられている。

英名については本文#「EC」と「EMU」で詳述する。中華人民共和国における中国語では、「電車(电车)」と表記した場合はトロリーバスを指すことが一般的であり、日本語の「電車」は「電力動車組(电力动车组)」、あるいは「動車組(动车组)」などと表記される。台湾では「電聯車」あるいは「電車組」と表記する。

歴史[編集]

世界最初の電車(電動車)は、ジーメンス1879年ドイツのベルリン工業博覧会において、今で言う電気機関車が人の乗った客車を牽引して披露されたのが最初とされている[1]

その2年後の1881年、やはりベルリンにおいて世界最初の路面電車が営業運転を開始する。さらにその後1883年フランスイギリスで、1895年アメリカで電車の営業運転が開始される[1]

概要[編集]

日本[編集]

日本における電車はほとんどが旅客用である。旅客用以外では、事業用車、電動貨車(貨物電車)が存在する。事業用車については、部品輸送や事故・災害時の救援が自動車に、レールや砂利の輸送が無車籍のモーターカーにそれぞれ転換され、数が減りつつある。電動貨車はM250系の一系列のみである。かつては荷物車郵便車が存在したが、現在はすべて廃止または転用されている。

日本の旅客輸送では、電化区間では新幹線を始め、都市周辺の通勤路線や地方の在来線に至るまで電車主体の運行であり、非電化路線の気動車とともに動力分散方式が主流となっており、機関車牽引の旅客輸送列車は寝台列車およびイベント用などの一部の臨時列車以外にはほとんど見られない。

日本における名称[編集]

電化路線では、運行される列車がほとんど電車となったことから、「電車」という言葉が「列車」と同義語として用いられることが多い。しかし、後述の通り世代や地域・年代によって、列車を汽車と呼称する例もある。

案内に見られる「電車」の表記
西鉄大牟田駅

私鉄路線や近距離運行の列車については「京急電車」・「阪急電車」・「湘南電車」などのように「電車」が路線名の代わりに用いられることがある。関東地区などの場合一部の看板以外ではあまり用いられないが、関西・福岡地区では案内表示板にも「〜電車」が用いられている。首都圏・近畿圏の国鉄/JRでは、主要駅のみに停車し比較的中・長距離を走るものを「列車」、短距離を走り各駅に停車するものを「電車」と呼んで区別することがある。かつて、前者は機関車が牽引する列車で、後者は比較的早い時期から電車により運転されたことの名残であるが、現在はどちらも電車で運転される。

国鉄が運行していた都市部の電車線の列車は、古くは鉄道院時代の「院電」、鉄道省時代の「省電」を経て、「国電」の通称で親しまれており、昭和30年代頃までは、中・長距離用の列車線に比べ、運転本数が多く便利なことから「便電」、また、職員を中心に「国鉄においても下駄のように気軽に乗れる」ことから「下駄電」の愛称も用いられていた[要出典]国鉄民営化に際してJR東日本管内の「国電」に代わる名称として「E電」という言葉が作られたが定着せず、現在では元の「国電」という言葉も一般的にはほとんど使用されなくなっている。

島根県出雲地域や札幌市など地方の中小私鉄や公営鉄道と国鉄/JRが並立している地方では、国鉄/JRを「汽車」・「列車」、私鉄や路面電車を「電車」として呼ぶことがある。東京でも古くは電車は、路面電車を指すことがあった。北海道東北四国では現在でも、JRの列車については「汽車」「列車」「(単に)JR」とする呼称が一般的である[要出典]。JRによる通勤・通学は「汽車通」と呼ばれる。これらの地域でも、近年は在京テレビメディアの影響で「電車」と呼ばれる機会が増えている[独自研究?]

2006年4月1日一畑電気鉄道が鉄道事業を子会社の一畑電車に分離して、「電車」を社名に含む鉄道事業者が久々に復活した(戦前には大津電車軌道など、「電車」を社名に含む鉄道会社がいくらか存在した)。

東南アジア[編集]

東南アジア諸国の国鉄に関しては、都市近郊線も含め主要幹線に非電化区間が多く、2つの例外を除けば電車は存在しない。その例外とは、マレーシアクアラルンプール近郊の電化区間におけるKTMコミューターと、インドネシアジャカルタ首都圏におけるKRLジャボタベックである。一方で、タイバンコクシンガポールなどの大都市では、電車を使用した地下鉄や高架鉄道などの都市鉄道網が整備されている。

ヨーロッパ[編集]

電車の発展が生んだ変り種
ブライトンダディー ロング レッグス
(1896 - 1901)
英国ではトラムに分類されている。

ヨーロッパ大陸各国では、長距離や主要路線の列車は機関車の牽引する客車列車が主体だったことから電車の採用例は少なかったが、近郊輸送においては、パリ・ベルリンなどの大都市周辺で日本同様の国鉄近郊電車網が構築されていた。

フランス・ドイツを始めほとんどの国の長距離列車や国際列車は、長らくのあいだ機関車牽引列車か気動車列車が中心だったが、勾配や急カーブの多い路線を有するということで日本と共通するイタリア国鉄では、1930年代半ばより高速電車列車の開発に力を注ぎ、1936年には、世界最初の本格的な長距離高速特急型電車であるETR200形を製造した。この電車は流線型をした3両連接構造で、台車装荷の電動機(いわゆるカルダン駆動)を持ち、最高運転速度は160km/hだったが、1939年の高速度試験運転では203km/hの速度を出している。この電車の成功により、1953年には高名なETR300形セッテベロ、1960年にはETR250形アレッチーノが製造された。これらの特急用高速電車はカルダン駆動と連接構造を基本とし、通常の電車のALeという電車形式に対し、特急電車という意味のETRという独自の形式が付けられた。イタリアの電車は、その後ETR400/450ペンドリーノ、ETR460/480ユーロスターイタリア、ETR470チザルピーノなどに発展した。

また、国土が狭く路線の大半が電化されているベネルクスの鉄道(特に、NSオランダ鉄道、SNCB/NMBSベルギー国鉄)は、電車によるインターシティー網が国土中に張り巡らされており、JR九州近鉄の特急電車網に近い姿である。ドイツやフランスでは、長らく中距離列車・地方都市圏の近郊列車では客車と機関車で固定編成を組んだプッシュプルトレインが主流だったが、近年はこういった列車でも急速に電車が増加している。こういった路線は、地方線向けの新型電車(中にはLRTのような電車もある)や大都市圏で使われた中古の通勤電車の転用が多い。

都市鉄道では、ホームの有効長に限りがあり高加速が必要な地下鉄、都市中心部の中量輸送手段であるピープルムーバー、近年急速に導入が進むLRTなどの例がある。LRTに関してはヨーロッパのメーカーが低床の技術に長けていることから、日本でもヨーロッパ製のLRVを購入している事業者が多い。

英国の電化区間においては、ヒースロー・エクスプレスをはじめとした短・中距離輸送において電車が積極的に用いられている。第三軌条を用いながら160km/hにも及ぶ高速運転を行うのもイギリスの電車の特徴である。

高速鉄道においては、ICETGVをはじめとした動力集中式が主流だったものの、ドイツでは近年の高速鉄道網拡大においては建設コストを低減するために急勾配の路線を採用する箇所があり、そのような線区ではICE3などの動力分散式車両を用いている。一方フランスでは高速試験に使用されたV150編成において機関車方式でありながら中間車にもモーターを搭載する準動力分散式を採用している。ヨーロッパでは今後の高速化・路線網の拡大につれて動力分散式の高速電車が普及していくと思われる。

アメリカ[編集]

現在のアムトラックの列車にあたる通常鉄道(ヘビーレール)の分野では、ニューヨークシカゴなどの大都市近郊輸送を除いて電車列車が使われてきたケースは極めて少ない(それ以前に、電化区間そのものが少ない)。西海岸の主要都市が集まるカリフォルニアでも、近郊列車はディーゼル機関車牽引の客車列車である。電化区間であるニューヨーク - ワシントンDC間を走る特急メトロライナーは、登場時日本の新幹線同様の200km/h対応の電車列車だったが、故障が頻発したために程なく電気機関車牽引列車に置き換えられた。過去から現在に至るまで、アメリカの幹線鉄道路線においては電車は主要な役割を担うことはなかったのである。

アメリカの電車で特筆すべきは、インターアーバン(都市間電気鉄道)の存在である。これは20世紀初頭のアメリカの至る所で敷設された高速運転を特徴とする都市間電気鉄道群である。インターアーバンは通常鉄道(ヘビーレール)とは独立した存在であり、アメリカの電車はこのインターアーバンで発達した。1930年代以降の急激なモータリゼーションの発展により、インターアーバンは激減し、アメリカでは現在わずか2本しか路線が残っていない。インターアーバンは現在のアメリカの鉄道界からはほぼ消え去った存在であるが、草創期の日本の電気鉄道の手本となった存在であり、また戦前までの日本の電車の多くはアメリカのインターアーバンで採用された技術を用いており、歴史上極めて重要な存在である。特に1941年WH社の技術で開発されたWN駆動装置を搭載して登場した、シカゴ北海岸線のエレクトロ・ライナー型高速急行電車は、初の本格的な高性能高速電車として、アメリカ電車史上最高の傑作車両として現在でも高く評価されている。

地下鉄や路面電車/LRTの分野ではもちろん電車が主力である。LRTに関しては、インターアーバン激減期からあまりにも製造が途絶えたためにアメリカの電車製造技術が大幅に停滞したので、日本やドイツの技術を用いて作られた電車も多い。

中南米[編集]

中南米では、旅客鉄道は衰退傾向にあり、国鉄ではあまり電車は使われていない。各国の首都など人口規模の多い大都市が多いため、中南米には地下鉄が多い。フランス製のゴムタイヤ地下鉄の採用例が多い。アルゼンチンブエノスアイレスの地下鉄は、日本の地下鉄と同じ規格だったことから、営団地下鉄(現、東京メトロ丸ノ内線名古屋市営地下鉄の中古電車が輸出されて使われている。

「EC」と「EMU」[編集]

ケルン中央駅に並ぶ
ICE 3(左)とタリス 2
ロシアの新旧EMU
ER2K(左)とER2
西ドイツ国鉄(当時)の蓄電池電車ETA150

電車は、2通りの英訳がなされる。

  1. Electric Car 略称:EC
  2. Electric Multiple-Unit 略称:EMU

「Electric Car」は、通常、路面電車等で用いられる単行、もしくは2、3両程度の、軽便な軌道用の車両を指す。しかし、日本ではその導入の由来、発展の経緯から、すべての電車を「Electric Car」としている。

一方、「Electric Multiple-Unit」は、主にヨーロッパ圏で使用される言葉である。「Multiple-Unit」は、動力分散方式と訳されることが多いが総括制御方式というような意味もあり、TGVとその派生車両や、ICE 1、2のように、無動力の客車を編成両端の機関車とも言える動力車ではさんだもの、またスイス国鉄のRAe1050TEEⅡ型電車のように、逆に中央にのみ集中型の動力車を置くもの、さらにはスイスオランダ国鉄のように、客車列車の一端の電気機関車にも若干の客席を設けたものなど、日本の電車の概念には当てはめ難いものも多く含む。

TGVやICE 1・2の中間車は、通常の機関車による牽引、推進運転には対応しておらず、必ず専用の動力車との固定編成が組まれるが、日本では通常、この形態は「電気機関車 + 客車」の、動力集中方式として認識される場合が多い。[2]

なお、新幹線用電車は「Trunc line Electric Car」(略称:TEC)である。

構造[編集]

走り装置[編集]

黎明期の小型車や路面電車では、単車とも呼ばれる二軸式が普及したが、現在の高速電車では、連接式を含め、ほとんどが二軸のボギー式である。

バリアフリー化を目的とした超低床電車では、通しの車軸を持たない左右独立車輪で首を振らない台車や、一軸台車なども使われている。

直流電動機の直並列制御を用いるのが一般的な電車においては、電動機が偶数個である必要があり、動軸も偶数である。また駆動システムでモノモーター方式を採用する場合にも、空転を防ぐため二軸駆動とすることが求められる。このため、軽便鉄道の気動車などに見られる片ボギー式の採用例は、過去に栃尾電鉄で見られたように、気動車エンジンを撤去し、そこに電動機を装架する、といった特殊なケースを除くと事実上皆無である。

動力[編集]

線路上空に設けられた架線、または線路脇に設けられた第三軌条に接した集電装置(架線の場合は大半がパンタグラフで、ごくまれにトロリーポールまたはビューゲル、第三軌条方式の場合は集電靴)から、また、蓄電池式のものは蓄電池から電流を車両内の回路へと取り入れる。取り入れられた電流はまず断流器を通り、主制御器へと流れる。交直流型電車交流電流を使用する場合は、主制御器に入る前に変圧器特別高圧から高圧に電圧降下された後、整流器で交流を直流に整流する。交流型電車では、変圧器特別高圧から高圧に電圧降下された後、主制御器であるVVVF制御サイリスタ位相制御に送られ、整流の機構が主制御器と一体化している場合もある。

電流は続いて主制御器で電圧を制御した上で駆動系へと流れ、動力台車に装荷されている主電動機を駆動する。主電動機は、回転運動を歯車により車軸へ伝達し、車軸が回転する。リニアモーターを用いた電車は、動力台車内の電磁石と線路上の固定電磁石(リアクションプレート)の間に生じる力によって走行する。

制御[編集]

複数車両が連結された場合、総括制御が行われる。すなわち、先頭車両の運転席に設けられたマスター・コントローラー(マスコン)を操作することにより、2両目以降の車両にも指令が電気信号によって送られ、編成中のすべての車両の電動機の駆動や電気ブレーキを操作する。直接制御方式の場合は2両目以降の車両にも運転士が乗り、先頭車の運転士からの指示に従い、協調運転を行う必要がある。

電気信号は、車両の連結面の下部に設けられているジャンパ栓や連結器下部に備わる電気連結器(電連)を介して送られる。

ブレーキ[編集]

日本の鉄道車両は法規上、2系統以上のブレーキを装備することが義務付けられており、電車には鉄道車両で一般的な留置用の機械ブレーキと、制動用の空気ブレーキが備えられている。超低床電車の一部では、圧縮空気を利用した機構を一切用いないエアレス式のものがあり、その場合は電気ブレーキのみを常用して停車直前に機械式ブレーキを用いる(他に、例外的なものとして、動態保存された明治期の電車が手動の機械式ブレーキを常用している)。

電車の空気ブレーキは、単行電車では直通ブレーキ、連結運転では自動ブレーキが用いられる。大都市近郊の通勤電車などでは長編成で高密度運転をするために、一部では電磁自動ブレーキも用いられた。いわゆる高性能電車・新性能電車では電磁直通ブレーキが一般化し(日本では1950年代から)、その後電気指令式ブレーキに移行した。現役車両では主に後2者が用いられている。現在では、これらの常用ブレーキのほか、常用ブレーキの異常に備え、別系統の空気ブレーキである、直通予備ブレーキが設置されている。これは事業者によっては保安ブレーキなどの名称で呼ぶ場合がある。

その他に、走行用電動機を利用した電気ブレーキを持つものが多く、電動機の発生電流を車上の抵抗器で熱に換える「発電ブレーキ」と、架線や第三軌条に返す「電力回生ブレーキ」に大別できる。このほかの電気ブレーキには、電磁誘導を利用した「渦電流ブレーキ」、電磁石レールに吸い付ける「電磁吸着ブレーキ」などがある。

電車には2通りの止まり方ある。高い段階のブレーキをかけて徐々に緩めて、低い段階のブレーキをかけた状態で止まる方法と(関東地方の私鉄に多く見られる止まり方なので通称「関東式」)と、高い段階のブレーキをかけてから中段階のブレーキを一定にかけて、停車寸前でブレーキを解放して止まる方法(近畿地方(関西)の私鉄の多く見られる止まり方なので通称「関西式」、または「余圧止め」)の2つである。

動力以外の電源[編集]

制御系機器の電源として、また室内灯や冷暖房などのサービス電源用として、架線から取り入れた電力により電動発電機または静止形インバータ装置を作動させる。

長所・短所[編集]

機関車客車を牽引する列車の方式(動力集中方式)に比較して、以下のような特徴が挙げられる。

主な長所[編集]

  • 動輪など走行装置を多数分散させていることからのメリット。
    • 重量あたりの牽引力を大きくでき、加速性能が良い。
    • MT比にもよるが、両数の増減による編成としての出力特性の変化が少ない。
    • 一部の電動車が故障しても、運転が続けられるため冗長性が高い。
    • 動力車の重量が分散するため、線路に掛かる軸重が抑えられ、軌道破壊力が低い。線路敷設や保線のメンテナンスコストが低減できる(新幹線が欧米の主流である機関車牽引の客車方式ではなく、電車方式で計画されたのは島秀雄がこの点を推したためといわれている)。
  • 電動機を制動用発電機として使えるため、ブレーキシューやパッドの交換周期が延長でき、ブレーキダストも低減できる。また、回生ブレーキとすることで、運動エネルギーの一部を回収できるため省エネ効果が高い。
  • 自走でき、始発駅や終着駅で方向転換(折り返し)の際に機回しが不要なため、運行効率が高い。

主な短所[編集]

  • 動力を客車の床下に搭載しているため騒音や振動が客車に比べ多い。
  • 機器類の分散配置は、特に長大編成の場合、動力集中方式に比してイニシャルコスト、メンテナンスコスト共に大幅に増大する。
  • 車両ごとに役割と搭載機器が決められたユニット方式の場合、需要に応じての増車、減車が難しい。
  • 現役の電車の空気ブレーキは、ほとんどが電気指令式電磁直通ブレーキであるが、両者が混在する場合には読み替え装置が必要である。また、電車以外では現在も一般的な自動空気ブレーキの鉄道車両と電車(203系以前の国鉄型電車などを除く)とを連結する際も、読み替え装置を用いるか電車側に自動ブレーキ機器を仮設する必要がある。
  • ブレーキ系以外に、制御回路やサービス系機器の引き通し線の規格が違っていると相互の連結が出来ないので、営業列車の分割・併合を頻繁に行なう事業者では、異系列の電車の間でこれらの規格を統一するか読み替え装置を搭載しておかないと、車両運用に大きな制約を受ける。
  • 電化されている必要があり、基本的には同一の電気方式による電化区間しか走行できない。多種の電源を使用可能にする車両もあるが、単一のものに比べてコストが高い。また、電車による直通運転を行う場合、コスト回収の期待が出来ない末端閑散線区まで電化されている必要がある。

電車の分類[編集]

制御方式 電化方式 電動機 速度制御の方法 回生ブレーキ 摘要
定トルク制御域 定出力制御域
抵抗制御 直流・(交流)* 直巻 抵抗制御
(+組合せ制御)
分流回路による
弱め界磁
一般に不可
チョッパ制御
(電機子チョッパ)
チョッパ装置による
電圧制御
他励界磁制御
界磁チョッパ制御
複巻 抵抗制御
(+組合せ制御)
分巻界磁の制御
による弱め界磁
直巻他励界磁制御
界磁添加励磁制御
直巻 界磁接触端子を用いた回路形成による
電流の添加による弱め界磁(※)
※界磁の位相制御に別途三相交流電源が必要。
タップ制御 交流 直巻 変圧器のタップ切換
による電圧制御
分流回路による
弱め界磁(※)
不可 ※定トルク制御のみとする場合もあり。
サイリスタ位相制御 位相制御による
電圧制御

(要サイリスタ
インバータ)
インバータ制御 直流・(交流) かご形誘導 可変電圧
可変周波数制御
すべり周波数制御

その他[編集]

日本の都道府県では唯一徳島県のみ電車列車(電気機関車含む)が過去をさかのぼっても存在しない(かつて「阿波電気軌道」という会社が存在したが、非電化のまま国有化されている)。

脚注[編集]

  1. ^ a b 福原俊一 『日本の電車物語 旧性能電車編』 JTBパブリッシング、2007年、35頁。ISBN 978-4533068676
  2. ^ ウィキペディア英語版等、英語圏ではこの種類の列車は「Push Pull Train」と認識される。

関連項目[編集]

電車の前面を構成するものの例。
A 通過標識灯
B 行先表示器
C ワイパー
D 車両番号表記
E 前照灯
F 尾灯
G アンチクライマー
H 連結器
I 電気連結器
K 排障器
L 非常口