待機電力

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待機電力(たいきでんりょく)あるいは待機時消費電力(たいきじしょうひでんりょく、Stand-by power)とは、コンセントに接続された家電製品が、電源の切れている状態(機器の使用を円滑にするための待機状態を含む)で消費する電力のこと。待機時の代表的な例として、リモコン入力等の操作に備えて待機するオーディオ・ビデオ製品や、給湯器、エアコンなどがある。2007年時点で、日本の一般家庭における待機電力量は一世帯あたり平均年約180KWhとされており、これは年間の電力消費量のほぼ1ヶ月分に相当する[1](但し、待機電力の定義は明確ではなく、冷蔵庫・電話機・警報機・ポット・タイマー予約時など、人が実際に使用していなくても必要な消費電力を含む場合があり、電力量の合計数値はその見方により大きく変動する)。

待機電力は、家電製品によっては数ワットに及ぶものもあるが、家電新製品(特に日本製)は年々省エネルギー化が進み、待機電力も低く抑えられているものが多い。

概要[編集]

最も待機電力の多い家電製品の一つがブラウン管テレビである。ブラウン管テレビは主電源を切ると電力はほとんど消費しないが、再度電源を入れたとき正常に見られる状態になるのに数十秒かかるため、あらかじめ10W程度電流を流しリモコン等の操作ですぐに見ることができるようにしている。現在、ブラウン管テレビの製造はほとんど行われておらず、現在販売され普及している薄型テレビでは待機電力をほとんど消費しない。

現在普及している家電製品で待機電力が大きいものが、HDDを内蔵したDVDレコーダーである。1秒程度で録画が開始できる設定(クイックスタートモードなどと呼ぶ)では10ワット程度の電力を消費しており、これを解除しても数ワットの待機電力を消費している。

これら個々の待機電力はかなり小さいが、常時通電したままだと長期間で相当量の電力の無駄となる。例えば1Wの待機電力で1年間機器を全く使用しなかった場合 8.76kWhを消費し、電気代では年間約193円(1kWh=22円換算)の損失となる。家庭内に多数の該当機器があれば全体ではかなりの消費量になる。このため、地球環境保全の観点から、長期間使わない機器あるいはプラグを抜いても問題のない機器のコンセントを抜く省エネが呼びかけられている。また、電気器具の集まっている場所では、スイッチ付きテーブルタップも推奨され、コンセントを抜き差しすることなく目的の箇所だけ切れるので、待機電力の節約に有効である。

(単位:W)
給湯器(ガス床暖房あり) 11.0
給湯器(ガス床暖房なし) 6.4
モデム 6.0
充電式掃除機 4.1
HDD/DVDレコーダー(録再機) 3.4
電話機(FAXあり) 3.4
オーディオ(一体型) 2.9
電話機(FAXなし) 2.8
ビデオデッキ 2.6
温水洗浄便座 2.6
エアコン 2.4
デスクトップパソコン 2.0
空気清浄機 1.7
テレビゲーム機 1.4
ノートパソコン 1.2
電話機子機・充電器 1.1
電気炊飯器 1.1
テレビ(ブラウン管) 0.9
加湿器 0.9
食器洗乾燥機 0.8
シュレッダー 0.7
布団乾燥機 0.6
扇風機 0.5
電気ストーブ 0.2
テレビ(液晶) 0.2
テレビ(プラズマ) 0.1
プリンター(レーザー式) 0.0
洗濯乾燥機 0.0
洗濯機 0.0
電気カーペット 0.0
電気毛布 0.0
電気こたつ 0.0
電子レンジ 0.0
コーヒーメーカー 0.0
ジューサーミキサー 0.0
フードプロセッサー 0.0
ドライヤー 0.0

省エネルギーセンター「平成20年度 待機時消費電力報告書」より抜粋

待機電力節約時の注意[編集]

節約術の専門家の中には、家庭で使用していない全ての電気製品のプラグコンセントから抜くと全消費電力の約10%の節電になると指摘する人がいるが、機器によってはプラグを抜くと時計やタイマーなどの設定がリセットされ利便性を著しく害すことがある。デジタルテレビはメーカーから送信される更新ファームウェアが受け取れない。また、待機電力を全く消費しない電気製品も多い。その他、プラグの抜き差しを頻繁に繰り返すと電圧変動などで製品そのものの寿命を短くする恐れがあるだけでなく、主電源を切らずにプラグを抜いたり、主電源を切っても機器の動作が完全に停止する前にプラグを抜いたりすると故障の原因になることがある。地球環境を考える上での節電にはなっても総合的に金銭的な節約になるとは限らない(新しい機器に買い換えれば、製造・運搬・購入の段階において新たにエネルギーが消費されるため、二酸化炭素の排出量がさらに増加し環境面でもマイナスとなる)。また、プラグの抜き差しを頻繁に繰り返すとコンセントとの接続部が緩んでプラグが外れやすくなり、接触不良での出火や漏電感電の原因ともなる。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ 財団法人 省エネルギーセンター 平成19年度 待機時消費電力調査報告書