交流

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交流の一例。上から正弦波矩形波三角波鋸歯状波

交流(こうりゅう、Alternating Current, AC)とは、時間とともに周期的に大きさと向きが変化する電流のことである。交番電流の略。同様に時間とともに周期的に大きさとその正負が変化する電圧を交流電圧という。特に電流、電圧の区別をせずに交流または交流信号と呼ぶこともある。対義語は直流

交流の代表的な波形正弦波であり、狭義の交流は正弦波を指すが、広義には任意の波形を指し、特に正弦波である必要はない。

目次

[編集] 交流に関連する用語

  • 瞬時値 - ある時刻における交流信号の大きさ。
  • 半波平均値 - 瞬時値の正の範囲を1/2周期にわたって積分し、周期で割ったもの[1]
  • 実効値 - 瞬時値の2乗を1周期にわたって積分し、周期で割ったもの。交流信号の大きさを表すときに最も多く用いられる指標で、例えば日本の一般家庭向け商用電源の電圧は100Vであることはよく知られているが、これは実効値としての値である。
  • 有効電力 - 負荷回路のインピーダンスのうち、抵抗成分にかかる電力。消費電力に等しい。単位はワット (W)。
  • 無効電力 - 負荷回路のインピーダンスのうち、リアクタンス分にかかる電力。電流を必要とするが回路では消費されない。単位はバール (var)。
  • 皮相電力 - 単純に交流の瞬時値電流の絶対値と瞬時値電圧の絶対値の積を1周期にわたって積分したもの。単位はボルトアンペア[2] (VA)。
  • 力率 - 有効電力を皮相電力で割ったもの。無効電力が大きいときに力率は小さくなり、無駄な電流を流していることを意味する。
  • 基本波 - 交流信号の周波数成分のうち、もっとも周期が長い(周波数が低い)もの。
  • 高調波 - 交流信号の周波数成分のうち、基本波を除いたもの。交流信号では高調波のそれぞれの周波数は基本波の周波数の自然数倍になる。純粋な正弦波には含まれない。
  • 歪率 - 高調波の電力の総和を基本波の電力で割ったもの。正弦波では歪率はゼロとなる。

[編集] 交流の三要素

交流信号は以下に示す3つの要素を持ち、これらを特定することで任意の交流波形を得ることができる。

  • 周波数 - 周期的なパターンが1秒間に繰り返される回数
  • 最大振幅 - 瞬時値の絶対値のうち最大のもの
  • 波形 - 横軸を時間、縦軸を瞬時値とする直交座標に表したときの波の形

あらかじめ用意された数種類の波形から1つを選び、周波数と最大振幅を指定して交流信号を発生させることのできる機器を関数発生器(function generator)、任意の波形をプログラミングし、周波数と最大振幅を指定して交流信号を発生させることのできる機器を任意波形発生器(arbitrary waveform generator)という。

なお、これらに位相(1周期のうちの位置)を加えて四要素とすることもあるが、正弦波または余弦波を除く交流では1周期のうちのどの位置をもって位相を0とするかは定められていない。

[編集] 交流発電

交流発電では、一般に正弦波を発生させる[3]

発電所は、通常三相交流発電機を利用する。発電された電力は、特別高圧変圧器変電され交流送電される。海底送電などでは、整流器インバータを使用した直流送電も利用される。

配電で用いられる電気方式は三相4線式三相3線式単相3線式などがある。

電力会社が供給する交流の商用電源の周波数は国によって違い、60Hzまたは50Hzである。日本では歴史的経緯から同一国内に2種類の周波数が混在しており、概ね本州中央部を境に西が60Hz、東が50Hzを採用する。詳しくは商用電源周波数を参照のこと。

[編集] 特徴

  • 変圧が容易である。
  • 交流モーターには整流器が不要である。

[編集] 脚注

  1. ^ 1周期の瞬時値の算術平均がゼロであることが前提
  2. ^ ボルトアンペアをかけたもので、単位の次元としてはワットと同じであるが、皮相電力を表すことを示すために区別して用いられる
  3. ^ 発電ではないが、無停電電源装置には停電時に矩形波を発生させるものもある

[編集] 参考文献

  • 電気回路入門、 槇書店、飯島重孝・西尾和憲、1990年1版4刷、ISBN 4-8375-0541-4
  • 電気回路論改訂版、オーム社、電気学会編、1993年41版(改訂版)

[編集] 関連項目