省エネルギー

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省エネルギー(しょうエネルギー)とは、同じ社会的・経済的効果をより少ないエネルギーで得られる様にすることである。略して省エネと言われることも多い。

経緯[編集]

日本では、オイルショックのときにエネルギーの安全保障の面から始められた。一般的な省エネの目的としては費用(コスト)の低減が主であるが、限りあるエネルギーの使用量削減やエネルギー利用に伴う環境負荷削減を通した環境保護、経営管理や安全保障の観点におけるエネルギーリスクの低減も挙げられる。

1990年代以降、地球環境問題、特に温室効果ガスの削減が社会問題化して以降、その手法のひとつとして重要なものとなっている。

経済・産業活動や市民生活に大きな影響を与えずに行う為には、技術開発や各業界の強力な自主的取組・市民の協力が必要である。補助金などによる経済的な後押し政策も行われている。

2004年 - 2008年頃にかけて起こった原油価格高騰では、光熱費の大きな値上げによって企業や家庭で省エネムードが高まった。また、2011年3月以降は、東日本大震災によって東京電力東北電力の電力供給力が大幅低下したことにより、両社管内において需要が供給を上回らないようピークカットに主眼を置いた節電が推進されているが、これには全体のエネルギー消費量が増えるため省エネにあたらないような、「電気以外への代替」も含まれる。

日本の消費エネルギーの内訳[編集]

部門別エネルギー消費割合(2009年度)

GDPを生み出すのに投入するエネルギーの量を日本とアメリカ・EU、中国・インドとで比較するとアメリカ・EUは2倍、中国・インドは9倍となり、日本のエネルギー効率はきわめて高いことが解る[1]

オイルショック以降、日本の産業界の石油消費量は減少しているが、一般家庭が使用する電気・車のガソリン需要などが増えており、日本全体のエネルギー消費量は1980年以降では、20-30%伸びている[2]

2009年度の実態
産業部門35%、運輸部門27%、業務部門ほか22%、家庭部門16%[3]
(参考:2005年度)産業部門46%、運輸部門24%、業務部門13%、家庭部門12%、その他2%[4]
家庭部門の内訳
電力44%、都市ガス18%、LPG12%、灯油25%、太陽熱1% [5]
家庭部門、用途別内訳
照明・家電・調理等39%、給湯33%、暖房26%、冷房2% [6]
家庭の消費電力内訳
エアコン25%、照明16%、冷蔵庫16%、テレビ10%、電気カーペット4%、温水洗浄便座4%、衣類乾燥機3%、食器洗浄乾燥機2%、その他20%[7]

手法[編集]

次の順番で行うと費用対効果が高いとされている。

  1. 不要な機器の停止。
  2. 温度照度などの設定の見直しや、運用方法の改善。これに関連して「クール・ビズウォームビズ」の取組みもある。
  3. 製造業などでは、工程・製造方法の見直し。
  4. 設備・機器の補修、効率的な設備への取替え。
  5. 電力をできる限り節約

機器の省エネ性能は年々向上し続けており、古い機器ほど更新による省エネ効果は高い。また、古いものでは設置環境が変化している場合があり、更新の機会に台数を減らしたり能力の低いものに替えることで大きな効果が得られる。

具体的方法[編集]

運用改善
補修
  • 汎用部品の修理・交換→機器効率の再向上
  • 配管の断熱保温(貯湯式給湯器太陽熱温水器、大規模施設の冷熱源設備など)→放熱損失低減による電力・ガス削減
  • 建物の断熱化(外断熱、内断熱)→空調負荷低減による電力・ガス等削減
  • エアコン室外機の風通しを良くする→冷房負荷低減による電力削減
  • 発泡材による浴槽保温→給湯器負荷低減によるガス等削減
  • 複層ガラス熱線反射ガラスによる遮熱・断熱→空調負荷低減による電力・ガス等削減→
  • タイムスイッチ人感センサ、照度センサなどによる照明制御→照明の電力削減
  • 保温・保冷の補助にヒートシールドを用いる
  • (既存施設利用・大規模施設での新規)地域熱供給への転換
機器の交換
  • 白熱電球から電球型蛍光灯LED照明への交換→照明の電力削減
  • 多用途場所における、調光可能な照明器具への交換→照明の電力削減
  • 小型電気機器への交換→電力削減
  • ヒートポンプ給湯暖房機器への交換。冷房では気温が低い時間帯に、暖房では気温が高い時間帯に運転させる。→電力・ガス等削減
  • コジェネレーション給湯暖房機器への交換。給湯能力が高く床暖房など熱を多く用いる用途に適している。→電力・ガス等削減
  • 潜熱利用給湯暖房機器への交換。→電力・ガス等削減
  • 省エネ効果が高いエアコンや冷蔵庫への買い替え→電力削減
  • 古いデスクトップパソコンからノートパソコンや低消費電力型デスクトップパソコンへの買い替え→電力削減

トップランナー制度の導入により、技術向上が著しい。製品カタログや広告には統一省エネラベルが掲載され、ラベルの年度・星5段階の省エネ性能表示・メーカー名・機種名・省エネ基準達成率・年間消費電力量・1年間使用した場合の目安電気料金が表示されている。これらは、省エネ型製品情報サイトから誰でも検索・印刷することが可能である。また、省エネルギー型製品販売事業者評価制度に基づき、優良店は省エネ型製品普及推進優良店ロゴマーク(eShop)を使用できる。

法規[編集]

エネルギーの使用の合理化に関する法律により、各種措置が定められている。

  • エネルギー使用の合理化の判断基準: 各種手法の適用方法が示されている。
  • エネルギー管理指定工場 : 一定以上のエネルギーを使用する工場・事業所の行うべきことが定められている。
  • エネルギー管理士・エネルギー管理員 : エネルギー管理指定工場でのエネルギー管理を行う資格

省エネルギーの日[編集]

財団法人省エネルギーセンター1977年より毎年2月を「省エネルギー月間」、また1980年4月より毎月1日を「省エネルギーの日」としていて、その内毎年8月1日は「夏の省エネルギー総点検の日」、毎年12月1日には「省エネルギー総点検の日」として重点的に実施されている。

関連用語[編集]

省エネルギー法に導入されている、電気製品・自動車の省エネ基準を、市場に出ている製品の中で最高のレベルに設定すること。
特定の種類の電気製品等のエネルギー効率・燃費等を、ランク付け(5段階評価)して認定製品に表示する制度。
OA機器の省エネ性能を認定する国際的な規格。
国土交通省主導で開発され改良の進められている、建築物の環境負荷低減と居住環境の快適性を総合評価するシステム。省エネ・省資源・リサイクル性能などを中心にした多岐にわたる基準で評価を行い、新築・既存・改修それぞれを対象としている。
ビルの機器・設備等の運転管理によってエネルギー消費量の削減を図るためのシステム。

関連項目[編集]

出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 竹中平蔵 『竹中教授の14歳からの経済学』 東京書籍、2009年、39頁。
  2. ^ 栗原昇・ダイヤモンド社 『図解 わかる!経済のしくみ[新版]』 ダイヤモンド社、2010年、186-187頁。
  3. ^ 2009年度「総合エネルギー統計」 経済産業省/EDMC
  4. ^ 「総合エネルギー統計」経済産業省/EDMC
  5. ^ 「総合エネルギー統計」経済産業省/EDMC
  6. ^ 「家庭用エネルギー統計年報(2005)」住環境計画研究所
  7. ^ 「電気需要の概要(2005)」

外部リンク[編集]