電機メーカー

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電機メーカー(でんきメーカー)とは、家電と呼ばれる軽電製品(テレビ洗濯機電気調理器具空調機器 など)や重電製品(発電機変圧器などの電力設備)、LSIなどの半導体、産業用電気製品(産業用電動機産業用ロボット など)、航空宇宙機器(民間用航空機人工衛星宇宙探査機ロケット など)、兵器(軍用機、ミサイル など) これらの電気製品をどれか一つでも手掛けているメーカーのことである。

2013年3月現在、世界第2位の規模の企業はゼネラル・エレクトリック社(第1位は金融業のHSBC[1]であるが、同社も電機機器を主体としたコングロマリットである。 自動車産業では、欧米にも技術力の高い大手メーカーが多数存在するが、電機産業においては、日本企業が世界トップクラスの技術力を持つ。

幅広い製品の製造や研究開発などの視点から多額の資金及び多数の従業員が必要なため、一般に非常に大規模な企業である。例えば電機メーカー国内首位である日立製作所の場合、連結ベースで約32万人もの従業員を保有し、これは中規模都市の人口に匹敵する規模である。また、日本企業(全業種)の連結従業員数で上位15社のうち、実に9社が電機メーカーである。2位 日立製作所、3位 パナソニック、4位 東芝、6位 キヤノン、9位 富士通、12位 ソニー、14位 デンソー、15位 日本電気(NEC) [2] となる。こういった点からも日本の基幹産業であるという事実がうかがえる。

以上の製品のうち多くの分野を手掛けているものは、総合電機メーカーといい、主に家電製品を手掛けているメーカーは家電メーカーと呼ばれる。いわゆる中小企業の電気部品メーカーなどは該当しない(ただ、電子部品の大手企業では東京一部上場企業も多い)。

企業の事業内容によって以下に分類される。

  • 事業内容が以下の分類において多岐に渡っているものについては収益の高い事業について分類している。

日本の電機メーカー[編集]

併記の売上高は特筆がない限り2013年3月期決算(連結)である。

報道等による総合電機3社とは、日立製作所東芝三菱電機を指す。電機大手8社といった場合は先述3社に加え、パナソニックソニーシャープNEC富士通を指す。

総合電機メーカー[編集]

総合電機メーカーは、個人向けの製品(家電など)を多く製造する一方、それらの全体に占める売上は下記3メーカーとも10%~20%と他分類に比べ少ない。製品は、電化製品だけにとどまらず、情報技術工作機械FA製品産業用ロボット電子デバイス半導体通信物流金融リース建設昇降機ビル管理建機化学鉄鋼金属、防衛製品、宇宙産業鉄道車両などの分野をグループ傘下に持つ場合が多く、業種を超えた幅広い技術がグループ内に存在し、融合製品(例えば、ビル+IT+通信、家電+通信など)を生み出す事が、他社の技術を使わずに出来ることが総合電機最大の強みである。しかしながら、幅広い技術が全体の競争力につながる反面、グループ内の競争力のない技術、分野、事業を一部の高収益分野が支える面があり、連結売上高はあってもグループ全体の利益率を押し下げる結果となる。デファクトスタンダード製品で高い市場占有率を持たない日本の総合電機メーカーは総じて利益率が低い。また、総合電機各社は企業規模が非常に大きいため、小回りが利きにくいという面もある。また、総合電機は自動車産業と並んで日本経済および社会基盤を支える屋台骨であり日本を代表する企業である。 バブル景気崩壊後の1990年代、「総合電機の終焉」や「事業の選択と集中」が叫ばれている。1980年代前半に富士電機製造(現・富士電機)は総合電機の看板を下ろし、重電製品の製造に専念している。

以下の各社は総合電機メーカーと呼ばれる。

  • 日立製作所 (日本国内最大手 売上高:9兆6162億円)
  • 東芝 (売上高:6兆5025億円)
  • 三菱電機 (売上高:4兆0543億円)

総合家電メーカー[編集]

総合家電メーカーの多くは、電器店の特約店ネットワークを持っている場合が多く、これら電器店は1メーカーに依存しながら繁栄する上で、メーカー側に幅広い商品の開発と製造を、消費者のニーズとして求めたため、乾電池から白物家電を経て娯楽家電に至るまで、幅広い製品層を維持している。しかし1990年代には、この幅広い製品層が、総合家電メーカーの収益率悪化を招いている部分があり、生活に必需ながら利益の上がらないコモディティ化した分野の製品に見切りをつけ、海外生産拠点の統廃合やOEM製品の取り入れといった動きを見せている。

以下の各社は総合家電メーカーと呼ばれる。旧三洋電機(→パナソニック)を含め、関西を拠点とするメーカーが多いのも特徴である。

総合エレクトロニクスメーカー[編集]

各種半導体、コンピュータ、情報通信機器を主に製造・販売。

音響、映像系メーカー[編集]

映像・音響機器は1980年代より急速に日本国内の市場が活性化、娯楽家電の一般大衆への普及を契機にその業績を伸ばしている。しかし製品の売れ行きに流行・時流があり、これに乗り遅れたメーカーが、急激に業績悪化するケースも少なくは無い。このため商品開発は熾烈を極め、各メーカーごとに企業色が出やすい傾向が見られる。2000年代では娯楽家電からデジタル家電へのニーズの強まりもあり、そちらへ全面的にシフトする企業と、旧来からの映像・音響機器部門に注力する企業との差異が出始めている。

以下の各社は主に、音響映像 (AV) 機器を主力とするメーカー。

重電メーカー[編集]

以下のメーカーは主に重電製品(電力機器)を手掛けているメーカーである。富士電機、明電舎、日新電機のように重電製品を総合的に製造しているメーカーもあれば、ダイヘンの変圧器、日東工業の分電盤のように一部の重電製品に注力して製造しているメーカーもある。基本的にBtoBが中心。

光学系メーカー[編集]

従来はカメラコピー機などの光学関係の機器や、それを制御する電子回路の設計・開発・製造から電子機器関連のメーカーへと発展していった。これらでは1990年代中頃より、写真フィルムを使うカメラを見限り、デジタルカメラへとシフトする企業や、または従来はカメラ制御用に擁していた集積回路部門を更に発展させ、携帯電話市場に食い込みを掛けたり、またはパーソナルコンピュータ関連の本体や周辺機器に注力する所も見られる。

以下の各社は、主にコピー機デジタルカメラ等、光学機器を主力とするメーカーである。

精密電気機器メーカー[編集]

照明器具メーカー[編集]

空調系メーカー[編集]

これらはエアコンなどの、従来は施設空調分野から一般家庭に普及した空調機器を通して家庭向け市場にも動きを見せ、空気清浄機のような製品ではオフィスビル用の什器から家庭向けの製品まで提供する。2000年代では、喫煙健康増進法に絡み、喫煙室の設置やオフィス環境の設備工事といった需要も発生している。

ゲーム系メーカー[編集]

以下の各社はゲーム機本体などのゲーム機器(家庭用、業務用問わず)を製造しているメーカーである。これらはコンピュータゲーム市場の発展に絡み、アーケードゲーム市場からコンシューマーゲーム市場まで、主にゲーム機の開発・製造・販売を手掛けている。その一方で、これら製品が玩具でもあるため、元々は玩具メーカーから発展してきた企業も多い。アーケードゲーム関係では、遊園地の設備の開発・施工を手掛けていた企業が、同市場に参入してきた経緯も見られる。これらではコンピュータゲームが、娯楽文化メディアとしての側面も持つことから、放送出版関係のマスメディア関連企業との、太いパイプを持つ企業も少なくない。

ゲームソフトなどの専門メーカーは、ハードウェアには関与しないため電機メーカーとは呼ばず、従ってこの項にも含まれない。

重工系メーカー[編集]

一般に電機メーカーとは呼ばないが、重電製品や宇宙産業航空機も手掛けているのでこの項に含む。建設機器や各種プラント、更にはロケットなどの防衛産業も手掛ける分野では、その前身に造船などの産業分野からの発展である場合も見られるが、特に機器の制御などで非常に高度な情報処理技術を必要とする事から、独自に情報処理系の関連会社を擁している場合も多い。電子機器関連では他企業と提携する場合も多く、自社製の重機・重電機器に加え、制御用の電子機器ハードウェア(部品や基本構成)は提携企業より、ソフトウェアはグループ企業内で調達して、これを組み上げて製品とする所も見られる。

  • 三菱重工業(航空宇宙分野等の一部事業で三菱電機と技術提携している。また、三菱電機とエアコンなど複数の事業で競合している) (売上高:2兆8,209億円)
  • 富士重工業 (売上高:1兆5,171億円)
  • 川崎重工業 (売上高:1兆3,800億円)
  • IHI(旧石川島播磨重工業、一部事業で東芝と技術提携している)
  • 三井造船

メカトロニクス系メーカー[編集]

元来は機械製品を製造していたメーカーであるが、機械製品が複雑な動きや高性能化すると旧来の機構部品(リンク機構や歯車、カム など)を大量に組み合わせるようになったが、それでは機器自体の大型化や複雑化、高価格化、耐久性などが問題となる。そこであらゆる制御部分を電子回路化して、センサアクチュエータなどと組み合わせることによって、複雑な動作を簡単に実現したり、機械要素の組み合わせだけでは実現できないような機能を持たせることが可能になる。今日では、制御にマイクロプロセッサを用いることによって、自動化や適応制御など、より豊富で便利な機能を実現している。

電子部品メーカー[編集]

トランジスタLSIなどの半導体、進行波管などの電子管といった能動素子、コンデンサー抵抗器などの受動素子、部分品としてのモジュール部品など電子部品を製造するメーカがある。能動素子は総合電気機器メーカーが自ら手がけていた場合が多かったが、内容の高度化などで他社との統合子会社に事業を移管したところも多い。受動素子やモジュール部品などは専業メーカーも多く、上記電気機器メーカーに製品(部品)を供給している場合が多い。

ほか

信号機及び道路・鉄道交通関連機器メーカー[編集]

※以前は松下通信工業も信号機を製造していたが、「パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社」と社名変更したのに伴い信号機製造からは撤退した。

日本以外の電機メーカー[編集]

アメリカ[編集]

ドイツ[編集]

フランス[編集]

オランダ[編集]

  • フィリップス(日本ではコーヒーメーカーやシェーバーなどで有名)

フィンランド[編集]

スウェーデン[編集]

スイス[編集]

韓国[編集]

中国[編集]

台湾[編集]

ほか

関連する団体[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Forbes Global 2000 より
  2. ^ 1位:トヨタ自動車 約33.3万名
    2位:日立製作所 約32.6万名
    3位:パナソニック 約29.4万名
    4位:東芝 約20.6万名
    5位:日本電信電話 約20.5万名
    6位:キヤノン 約19.7万名
    7位:本田技研工業 約19.0万名
    8位:ヤマトホールディングス 約17.5万名
    9位:富士通 約16.9万名
    10位:住友電気工業 約16.5万名
    11位:日産自動車 約16.0万名
    12位:ソニー 約14.6万名
    13位:ブリヂストン 約13.6万名
    14位:デンソー 約12.2万名
    15位:日本電気(NEC) 約10.2万名

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]