電話

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ダイヤル式黒電話(壁掛け型)
公衆電話(中国CNC)

電話(でんわ)は、電気通信役務の一種で、電話機音声電気信号に変換し、電話回線を通じて離れた場所にいる相手方にこれを伝え、お互いに会話ができるようにした機構および、その手段のことをいう。

現代の電話回線は電話交換機で世界的に相互接続され電話網を形成している。また、技術の進歩に伴い、固定電話間の通話にとどまらず、携帯電話自動車電話)・PHS衛星電話・などの移動体通信IP電話などとの相互間通話や、無線呼び出しへの発信も可能になっている。インターネットへのダイヤルアップ接続など、コンピュータ間のデータ通信にも応用されるようになり、社会における重要な通信手段の一つとなっている。

目次

[編集] 電話が社会に与えた影響

すべての人間が同じ時間を分け合いながら発信し受信する。言葉の壁はあるが遠隔地に直接、自分の考えを伝えられ情報をとりだせる。技術的な問題を意識することなく老若男女が同じ方法でサービスを利用できる。この結果として電話はサービスに対する概念を変えることになる。利用者は受益者で、かつ負担者のためサービスの対価として「時間による課金」を意識させられることになる。

また電話のできた当初はサービスを享受できる側と享受できない側が、時間のずれという面から発生した。これを積滞と呼ぶ。自宅へ電話網をつなげることで個人が「局」として好きな時間に利用できるメリットは生まれるが、局と局を繋いで経路(route)を作るための交換局(exchanger)が電話には不可欠であり長距離になれば交換局と交換局を結ぶ必要が出てくる。

サービスが拡大すれば必要な施設を設置する投資も不可欠だが、投資を回収するまでの時間が生まれれば全ての利用者に一度にサービスを提供できないことで積滞が生まれた。しかし、郵便と違って利用者を拡大すれば、相対的に個人が負担する費用は段々減る法則が電話にはある。言い換えれば、ひとつの事業者の電話線の接地面積が拡大すればするだけ、利用者の負担は一定の水準まで軽くなる。同時に運営事業者が過当競争で倒れた場合は利用者へデメリットが生まれる。

この結果として積滞率解消、かつ公共サービスのコストの面から電話の事業体は公益性を追求する官営(BTグループ登場以前のイギリス方式)か、ローカル地域と基幹網を分けた上で後者についてはある程度まで行政の裁量で独占を許す形の民営にするかの(分割以前のアメリカのAT&Tがこの役割を担った)選択を国は迫られることになり、敗戦後の日本は事業体の形態を公社とすることに決定した。1980年代の通信自由化においてこの論争は再燃することになるが、日本における電電公社民営化の過程については井上照幸著『電電民営化過程の研究』(エルク ISBN 978-4434001475)が詳しい。インターネット時代の到来によりまた新展開が拓けていった。

1950年代には、商店・企業の連絡手段として必要不可欠なものとなった。そのころ一般家庭では、「呼び出し電話」と呼ばれる、電話を持っている人のを着信させ、電話を受けた人が呼び出す人をその人の家まで呼びに行くものであった。そのため、電話機は玄関に設置された。また、発信には、公衆電話が利用された。

日本で一般の家庭にも普及しはじめたのは1970年代以降である。ほとんどの家庭で1台のみが居間などに設置されており、家族が共同で使用するものであった。

1990年代には、親子電話・コードレス電話などにより、個室からの通話が可能となった。親が知らない交友関係ができる、長電話で高額の通話料金となるなど親子関係の摩擦の原因となることもあった。

1990年代後半に入り、各国での携帯電話の普及により、移動中・在宅を問わず直接個人に連絡できる手段となっている。

[編集] 電話の発明

グラハム・ベル自ら電話機で話す様子(1876年)

1854年フランスブルサールが理論的な提案をし、1860年ドイツフィリップ・ライスが実際に製作した、豚の腸の膜を利用した音声を電流の断続に換える装置が、ベルの発明の先駆的なものとされる。ドイツ語でこれを"Telephon"と呼んだことから、ドイツでは彼の発明とする意見もあるが、他国で広く認められたものではない。なお、ほぼ同時期にイタリアのアントニオ・メウッチも音声=電流変換装置を作っている。

1876年2月14日午前11時頃、弁護士のG.G.ハバードがアレクサンダー・グラハム・ベルの特許明細書を提出、同日午後1時頃にはイライシャ・グレイが予告記載書を提出した。米国特許法の先発明主義(出願申請の日付ではなく発明成立の日付が早いほうに特許が与えられる)により、1876年3月7日に米国特許174465号としてグラハム・ベルが取得した。

3月10日マサチューセッツ州ボストンで、グレイ考案の液体抵抗型送話器の実験時に希硫酸をズボンにこぼした際の「Mr.Watson , come here , I want you!(ワトソン君、用事がある、ちょっと来たまえ)」というグラハム・ベルの音声が初めて通じた。これが特許紛争の一因となった。

1877年4月27日トーマス・エジソンが、研究員に開発させた炭素式マイクロフォンを特許申請した。また、ベルの会社はエジソンの炭素式のマイクロフォンに似たものの特許を2週間前に取得していた技術者のエミール・ベルリナーを雇い入れた。

そのため、ダウド裁判と呼ばれる特許紛争がおこった。その結果、1879年ウェスタン・ユニオンが所有するエジソンの炭素式マイクロフォン、グレイの液体抵抗型マイクロフォンの米国特許と電話事業とをベル電話会社(現在のAT&T)に譲渡し、ウェスタン・ユニオンは電話事業に進出しないこと、ベル電話会社は電信事業に進出しないことと電話事業の利益の20%を17年間ウェスタン・ユニオンに支払うことで和解が成立、この結果、アメリカの電話事業、俗にいう「ベル・システム」における特許下の独占時代が始まっていく。

[編集] 電話の歴史

電話による男女の会話風景(1910年)

[編集] 電話の種類

日本のデジタル公衆電話(2005年撮影)
  • 固定電話…家庭やオフィスなど家屋に固定して設置され、月毎に通話料金を支払う有線式電話。
    • 単独電話…加入者線を一つの加入者で占有するもの。
    • 共同電話…電話交換機の出線を有効活用するため複数の加入者で加入者線を共同利用するもの。
  • 公衆電話…街頭などに設置され、硬貨・トークン(電話専用コイン)やプリペイドカードクレジットカード (日本)等で利用可能な電話。
    • 委託公衆電話…公共施設・・店舗などの構内に電気通信事業者によって設置され、施設の管理者に管理を委託しているもの。
    • 特殊簡易公衆電話…ピンク電話とも呼ばれる、店舗内などに店舗などの運営者によって設置されるもの。
    • 特設公衆電話…災害時に避難場所などに設置される無料公衆電話。
    • 新幹線公衆電話・船舶公衆電話・航空機公衆電話・衛星公衆電話・列車バス公衆電話…日本の公衆電話の項を参照。

電話ではないが、類似のものとして以下のものがある。

  • 伝声管…船舶内などにおいて、金属の管により音声の空気振動を拡散させずに少ない減衰で相手に伝達する。
  • 糸電話…玩具のひとつ。音を電気信号に変換せず、膜と糸を媒介として機械的な振動により伝える。紙コップの底に糸を張り、他の紙コップとつなぐことで作ることができる。会話をする時には糸を真っ直ぐ張り、口や耳を紙コップに触れさせて、声の振動がよく伝わるようにする。糸の代わりに針金を使う事で、様々に曲げても振動伝達は可能(但し余り太い物だと当然減衰する)。

[編集] 通話の種類

ドイツの公衆電話(2006年撮影)
  • 市内通話単位料金区域 (MA) 内発着の固定電話による電話のこと。市内電話ともいう。
  • 市外通話…市内電話領域外(国内)への電話のこと。市外電話。
  • 国際電話…国外へ電話をかけること。国際通話。
  • コールバック…発信側が呼び出しを行い、着信側が発信側の電話番号を得た後一旦回線の開放を行い、着信側が発信側を呼び返す通話。

[編集] 機器

[編集] 用品・用語

プッシュ式電話機

[編集] 資格・要員

  • 電気通信主任技術者 : 事業用電気通信設備の工事・維持・管理の監督の資格
  • 電気通信設備工事担任者 : 端末設備の工事の監督の資格。通称“工担者”。
  • 交換手:自動交換機が普及する前、相手までの経路を繋いでいた人。現在でも代表番号・大代表番号を持つような大企業・団体では、代表番号にかかってきた電話を内容に応じた担当部署に回す専従者が、主として総務部門などにいる。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 電話の仕組み・種類・相互接続

[編集] 電話番号

[編集] その他

[編集] 外部リンク