バズワード

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バズワード: buzzword)とは、人の注目や関心を集めるために、もっともらしい説明を凝らした専門用語のこと。説得力があるように思えるが具体性はなく、明確な合意定義のない言葉。

概説[編集]

知恵蔵の解説によると、バズワードとは「一見、説得力があるように見えるが、具体性がなく明確な合意定義のないキーワード」である。ネット上のIT辞書の説明によると、バズワードとは、頻繁に使われている言葉にもかかわらず、その言葉の使用者同士でもその言葉の意味や定義が不明確で、何を指しているのか曖昧な言葉のことである[1]。さらに別の説明をすると「何だか凄そうだ(と感じられる)けれど、曖昧で、よく分からない」という言葉である[2]

「バズワード」というのは、時代を的確に表現する新しい造語や商品やサービスの特徴を表すキャッチコピーなど肯定的に理解されることのある言葉とは違った位置付けで用いられており、社会に混乱を生みがちな言葉、として否定的にとらえられている[2]

バズワードは、例えば専門用語のようにみえるが定義がはっきりしない語である。だが、最初は明確に定義されている専門用語であっても、流行語となり本来の意味から逸脱して使われることが増えるようになると、それもバズワードと見なされることが増える。その一方で、最初はバズワードであっても、使われているうちに定義がしっかりされるようになり専門用語として定着した場合は、バズワードではないと見なされることになる[2]

buzzword」という用語は、使用されている国・文化圏でニュアンスが異なり、英語圏では文章や講演の印象を飾り立てたり仰々しくするために使われる空虚な言葉を指すために用いられる傾向があるが、日本語では、「バズワード」と言うと、イメージばかりが先行している「宣伝文句」「流行語」といったニュアンスが強い、とも指摘されている[1]

「バズ(buzz)」という言葉は、もともと、のブンブンという羽音のことで、これによって暗に(メタファーで)、群れ(群衆)が用いている耳障りな流行語を指しているのである[2]

事例[編集]

バズワードが用いられているのは主にコンピュータITの世界である[2]。だが、政治の世界や生活関連分野でもバズワードが生まれることがある[2]

IT関連[編集]

代表的なコンピュータ・IT関連のバズワードの具体例を挙げると、「ユビキタス」「クラウドコンピューティング」などの言葉がバズワードだと指摘されている[2]。こうした語を聞かされると、「ITの新時代がやってきた!」などとという壮大な感覚・イメージを抱いてしまうが、さて、その語が具体的に何を指し示しているのか? と検討してみると、定義が不明確なので具体的に特定されておらず、結局、その語によって思い描いている内容・イメージは人ごとにバラバラなのだということが判明するのである[2]。「クラウドコンピューティング」などという用語は、ウェブやネットワークをクラウド(=)に見立てた表現で、一応は新しいIT利用のあり方を示そうという目的で用いられている言葉ではあるが、一体、どんな形式のものをそう呼ぶのか、またどの範囲まで「クラウドコンピューティング」に入れるのか、ということが定義されておらず、使用者同士で合意ができていないのである[2]。また「マルチメディア」という語もバズワードである[2]

政治[編集]

2009年夏の衆議院議員選挙において麻生太郎が唱えた「責任力」なる言葉も、具体性に乏しいバズワードだ、あいまいな言葉だと批判された[2]

経済[編集]

競争力という用語はバズワードであるとの指摘がある。ポール・クルーグマンは、競争力をつけることを目標とするのは根本的に誤りであるとしている[3]。輸出競争力を例にとっても、全ての国が経常収支を黒字にすることはできないとしている[4]。ドイツや日本のように経常収支黒字国があれば米国のように経常収支赤字国もある。また、企業にとっての好都合がさも国家にとって良いことだというのは誤った考えであるとしている。もし競争力至上主義に陥れば、最悪の場合、その誤った考えに基づいた政策が作られてしまうとしている[3]。クルーグマンは「労働力を削減し企業の利潤を拡大させるような企業のリーダー達は成功したことになっている。それで企業収益は記録的になったが失業率が悪化した。果たしてこれが経済の成功と言えるだろうか?」と述べている[3]

バズワード一覧[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「atmarkit」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  2. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「chie」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  3. ^ a b c d The Competition Myth The New York Times, Opinion Pages, Paul Krugman, Jan 23, 2011
  4. ^ 黒字が輸出競争の勝利を意味するわけではない。経常収支の黒字は、国内への投資先が不足していることをも示唆している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]