クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティング(英: cloud computing)とは、ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュータの利用形態である。ユーザーはコンピュータ処理をネットワーク経由で、サービスとして利用する。
目次 |
[編集] 名称
「クラウド」(雲)は、ネットワーク(通常はインターネット)を表す。従来より「コンピュータシステムのイメージ図」ではネットワークを雲の図で表す場合が多く、それが由来と言われている。「クラウドコンピューティング」という用語がバズワードであるという議論は、後述の類似用語を参照。
[編集] 概要
従来のコンピュータ利用は、ユーザー(企業、個人など)がコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身で保有・管理していたのに対し、クラウドコンピューティングでは「ユーザーはインターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う」形になる。
ユーザーが用意すべきものは最低限の接続環境(パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くブラウザ、インターネット接続環境など)のみであり、加えてクラウドサービス利用料金を支払う。実際に処理が実行されるコンピュータおよびコンピュータ間のネットワークは、サービスを提供する企業側に設置されており、それらのコンピュータ本体およびネットワークの購入・管理運営費用や蓄積されるデータの管理の手間は軽減される。
クラウドコンピューティングは、従来から存在するネットワーク・コンピューティング、ユーティリティコンピューティング、SaaSなどを言い替えたもの、あるいはこれらの要素を含み更に発展させたもの、などとされる。
定義としては、アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) による以下の定義が引用されることが多い。
- Cloud computing is a model for enabling convenient, on-demand network access to a shared pool of configurable computing resources (e.g., networks, servers, storage, applications, and services) that can be rapidly provisioned and released with minimal management effort or service provider interaction. This cloud model promotes availability and is composed of five essential characteristics, three service models, and four deployment models.[1]
- (参考直訳)クラウド・コンピューティングとは(以下の)利便性を可能にするモデルのことだ、(以下とは)コンフィグレーションが可能なコンピューティング・リソース(例えばネットワーク/サーバー/ストレージ/アプリケーション/サービス)で構成される共有層への、オン・デマンドのネットワーク・アクセス。それらのリソースは、急速に、最小の管理努力かサービス・プロバイダー相互とのやり取りで、供給しリリースすることができる。 このクラウド・モデルは5つの本質的特質、3つのサービス・モデルおよび4つの配備モデルからなり、それによって有効性を促進する。
クラウドコンピューティングは、以下の3種類に分類される場合が多い。また以下を総称してXaaSと呼ぶ場合もある。
- SaaS
- インターネット経由のソフトウェアパッケージの提供。電子メール、グループウェア、CRMなど。セールスフォース・ドットコムのSalesforce CRM、マイクロソフトのMicrosoft Online Services、GoogleのGoogle Appsがある。
- PaaS
- インターネット経由のアプリケーション実行用のプラットフォームの提供。仮想化されたアプリケーションサーバやデータベースなど。ユーザーが自分のアプリケーションを配置して運用できる。セールスフォース・ドットコムのForce.comプラットフォーム、GoogleのGoogle App Engine、AppScale、マイクロソフトのWindows Azureなど。
- HaaSまたはIaaS
- インターネット経由のハードウェアやインフラの提供。仮想化サーバーや共有ディスクなど。ユーザーが自分でOSなどを含めてシステム導入・構築できる。Amazon.comのAmazon EC2、Amazon S3など。
クラウドコンピューティングの形態で提供されるサービスを「クラウドコンピューティングサービス」または単に「クラウドサービス」、そのサービス事業者を「クラウドサービスプロバイダー」または単に「クラウドプロバイダー」とも呼ぶ。
インターネット経由の一般向けサービスを「パブリッククラウド」、業界内・企業内(ファイアーウォール内)などのサービスを「プライベートクラウド」、両者を組み合わせたサービスを「ハイブリッドクラウド」とも呼ぶ [2] [3] [4]。特にプライベートクラウドはアウトソーシングの一形態とも言える。
クラウドコンピューティングはコンピュータ処理の使用形態であり、それ自体は新しい技術ではなく、特定の技術を指す用語でも無い。しかし、この形態の普及を可能にした背景には、インターネットや各種技術の進歩がある。ユーザーとプロバイダの間は、通常は標準化されたインターネットの技術が使用されるが、専用の技術(プロトコル、ソフトウェア、ハードウェア)を使用するものもある。プロバイダの内部(データセンターやサーバ群)で使用する技術は問われないため、通常はオープン標準に準拠したソフトウェアや、ユーザー数や処理量の増減に対応できる仮想化技術が使用されるが、Googleなどはスケーラビリティ確保のために自社独自開発されたグリッドコンピューティング技術などを多用している。
[編集] 歴史
「クラウドコンピューティング」の用語は、2006年のGoogleのCEOであるエリック・シュミットによる発言が最初とされ、Google App EngineやAmazon EC2などが登場した2006年から2008年頃にかけて普及した。
しかし「コンピュータ処理をネットワーク経由でサービスの形で提供する」という形態自体は従来より存在している。1960年代からのタイムシェアリングシステムなどのデータセンター利用(中央の仮想化環境をリモートからネットワーク経由で共有し、従量制または定額制でサービスとして課金する)、1980年代のVAN、1991年頃からのインターネットをベースとしたASP、更にはSaaSなどである。一般的には、クラウドコンピューティングのうち、主にパッケージソフトウェアの利用を提供するものをSaaSと呼ばれるようになってきた。
歴史的なコンピュータの利用形態の変遷は、以下とも言われる。
- メインフレーム全盛期の集中処理
- 分散システム(オープンシステム)の抬頭によるクライアント・サーバなどの分散処理
- インターネットに代表されるネットワーク中心の、新しい集中処理
- 世界に分散したユーザーがサーバを意識せずサービスを受ける、クラウドコンピューティングの処理形態
SaaSの用語が一般化した以降の年表を下に示す。
- 1999年、セールスフォース・ドットコムが設立され、CRMアプリケーションのSaaS形態の提供であるSalesforce CRMを開始。
- 2002年、Amazon.comがAmazon Web Services (AWS) を開始。
- 2005年11月13日、インテル バーチャライゼーション・テクノロジー(x86仮想化。PopekとGoldbergの仮想化要件を満たした)をサポートしたCPUを発表。
- 2006年8月9日、GoogleのCEOであるエリック・シュミットが、米国カリフォルニア州サンノゼ市 (San Jose, CA) で開催された「検索エンジン戦略会議」 (Search Engine Strategies Conference) の中で「クラウド・コンピューティング」と表現。これが最初とされる。
- 2006年8月25日、Amazon EC2 のパブリックβ開始。
- 2007年7月、セールスフォース・ドットコムが「SaaSからPaaSへ」というコンセプトを発表。
- 2007年11月15日、IBMが現時点で実用可能なクラウド・コンピューティングとしてBlue Cloudの計画を発表[5]。
- 2008年3月4日、Yahoo!とインドのComputational Research Laboratories (CRL) が、クラウドコンピューティングの研究支援を発表[6]。
- 2008年5月27日、Google が Google App Engine (GAE) の一般公開を発表。
- 2008年8月20日、Amazon EC2 が Elastic Block Store 対応。
- 2008年10月23日、Amazon EC2 からβの表記が外れ、正式版となる。
- 2008年10月27日、マイクロソフトが Microsoft Professional Developers Conference 2008 (PDC 2008) で、クラウドコンピューティング用のプラットフォームであるMicrosoft Windows Azureを発表[7]。
- 2008年11月17日、マイクロソフトがクラウドコンピューティング型のグループウェアサービスであるMicrosoft Business Productivity Online Suiteのサービスを開始。
- 2009年3月18日、サン・マイクロシステムズがクラウドコンピューティングサービスであるOpen Cloud Platformを発表[8]。
- 2009年3月29日、IBM、サン・マイクロシステムズ、Cisco、SAP、EMC、AT&T、Novell、OMG、Red Hat、VMwareなどがOpen Cloud Manifestoを発表 [9]。なお、Amazon、Google、マイクロソフトの不参加も話題となった [10]。
- 2009年4月1日、IBMがソーシャル・ネットワーキングとコラボレーションを統合化したクラウド・サービスLotusLive Engageを発表[11] 。
- 2009年7月30日、IBMがパブリック・クラウド・サービスであるIBM マネージド・クラウド・コンピューティング・サービス (IBM MCCS) を発表[12]。
- 2009年10月29日、クラウド開発環境「Ubuntu Enterprise Cloud」(UEC) を搭載したOS、Ubuntu 9.10 (Karmic Koara) Server Edition がリリースされた。またデスクトップ版において、オンラインストレージサービス「Ubuntu One」のクライアントソフトが標準搭載となった。
- 2009年11月19日、富士通が運用管理技術および仮想化技術に関する国際標準化団体DMTF (Distributed Management Task Force) におけるクラウドコンピューティング間連携標準化グループ「Open Cloud Standards Incubator」のリーダーシップボードに就任を発表。
- 2010年4月、IEEE computer societyが月刊誌「Computer(ISSN 0018-9162)」に「ECONOMICS AND THE CLOUD」の特集記事を掲載。
- 2011年6月6日、WWDC 2011の基調講演においてAppleのCEO、Steve Jobsが「iCloud」を発表。
[編集] 詳細
[編集] 特徴
クラウドコンピューティングの定義や説明には多数のものがあり明確な意味を持たず、ほぼ共通する概念はインターネットを利用するということだけである。今日見られるいくつかの主張を以下に示す。
- クラウドコンピューティングの本質は、従来からのユーティリティコンピューティングという概念に等しいとする主張。ただし、YahooやGoogleやamazonなどの消費者向けのWebサービスなどで、多数の利用者によって培われた技術を、法人や公共機関向けのITサービス向けに進化させたものを言う。消費者向けをConsumer Webと呼び、法人向けをBusiness Webという定義もある。後者のBusiness Webのことをクラウドコンピューティングとしている場合もある。
- 従来、YahooやGoogleなどは、無料で提供するサービスの対価として、企業からの広告収入が事業の基本にあったが、クラウドコンピューティングでは、その技術を使い、セキュリティやプライバシーなども強化して、法人向けのサービスとして提供し始めたことが、従来のWebと大きく異なるとする主張。
- クラウドコンピューティングは、ハードウェア・ソフトウェアに限らず、データベース・ソフトやビジネス・ロジックやAPI、ユーザインタフェース、セキュリティ、バックアップ、災害対策システムまで、標準のサービスとして提供されており、しかも、その上でのシステムを、ユーザが独自にカスタマイズや、アプリケーションを開発することも出来るようになっているものとする主張。これによって、コスト削減や、開発期間の短縮が、実現できるとも言われている。
- クラウドコンピューティングと従来のネットワークサービスとの最も大きな違いはその幅広さにあり、従来はネットワークを介することが考えにくかったストレージなどもそれに含まれるとする主張。逆にいえば、クラウドコンピューティングと呼ばれるサービスの種類は非常に多岐にわたるため、個々のサービスが何を実現しているのか注意する必要がある。
[編集] 利用技術
クラウドコンピューティングはネットワーク・コンピューティング、ユーティリティコンピューティング、SaaSなどの要素を含み、それをさらに発展させたものと考えることができる。
クラウド・コンピューティング・サービスを提供する側のデータセンターでは通常、ユーザー数やデータ数の変動を吸収できる仮想化技術を使用し、インターネットを通じて世界中のどこからでも・誰でも利用できるようにしている。商業利用に際してはQoSを利用することもできる。
これらの技術・サービスを支えているのは公開された標準規格とオープンソース系のソフトウェアであるが、データセンター内部では独自技術を使う事もある。たとえば、Googleの大規模分散データベースであるBigTableは独自のファイルシステムとDBMSにより構成されている。
クラウドの本体・部品・素材の技術開発及び生産はすべて欧州と北米で行われているともいわれたが、現在では主要プロバイダーのセンターや開発拠点は世界各国(中国、インド等)に展開されている。
なおプライベートクラウドの場合は、イントラネットと同様にインターネット上で一般公開はされず、企業内(企業グループ内)のセキュアなネットワーク内にクラウドサービスの技術を活用する。実際には各種のWeb(Web 2.0)技術、仮想化、プロビジョニング、サービスレベル管理、課金などの技術が使用される [13]。
[編集] 利点
プロバイダ側は仮想化技術などを使用してデータセンターのコンピュータ等を多数のユーザーで共有させ、スケールメリットや、設計・開発・運用の標準化・共通化、ピークの平準化によるリソースの利用率向上などを実現する事によって、コストの低減や、相対的に安価なサービス料の設定などが可能である。
ユーザー側は、自前のコンピュータや、そのハードウェア、ソフトウェア、設備などを保有・設計・開発したり、更に保守・管理する必要が無くなる。ユーザー自身で購入した場合と比較して、陳腐化が進まず、最新のバージョンのアプリケーション・ソフトウェアが利用でき、財務上は資産が削減でき、必要に応じた規模の拡大・縮小や中断などが比較的容易に行える。またユーザーデータもクラウド側に保存する場合は、ユーザーはネットワークに接続すれば場所を問わず自己のデータにアクセスできる。各業界による業界クラウドなどでは、関連会社や提携組織などとの間の標準化やデータ連携などが容易となる場合もある。
ニコラス・G・カーは著書『クラウド化する世界~ビジネスモデル構築の大転換』で、クラウドコンピューティングの本質は「ITの所有から利用へ」とした。従来はITに企業の競争力・差異化を求められたが、コンピュータのハードウェアやソフトウェアのコモディティ化が進んで再販価値が減少した現在では、ITは電力や上下水道や公共交通機関や金融システムなどと同様に社会基盤のひとつになり、その道具をどのように効率的、効果的に使うかという知恵が経営に重要とした。
なお上記への反論や疑問には以下などがある。
- 企業がどの業務を投資・差別化するかはビジネス戦略であり、ITはそのツールにすぎない。「全企業・全業務で差別化は不要」とは限らない。またパッケージで足りる業務は既にパッケージ(ソフトウェアパッケージおよび汎用的なハードウェア)採用が、インフラの運用はホスティングや外部委託なども進んでいる。例えば日本の地方銀行は、2008年10月時点で全108行のうち約8割は基幹業務(勘定系)を共同化し、ネットワーク経由で使用しており、既に自社保有はしていない[14]。
- 本当に低価格となるかはプロバイダ次第である。ITのインフラがユーザー側からプロバイダ側に移っただけで、必要な作業やコストが消えた訳ではない。プロバイダ内ではハードウェアや設備の購入を行うため、直後から陳腐化も発生し、需要予測次第ではインフラの不足や過剰が発生しコストとなる。ソフトウェアは多数のユーザーの要件を集約し開発するため、機能の不足や過剰、不適合(アンマッチ)、ユーザーごとの個別バージョンなどが発生すると、費用対効果が低下する。更にセキュリティや監査対応を含めた全体の運用管理コスト、営業や契約管理のコスト、そしてプロバイダの利益を上乗せする必要がある。スケールメリットは得られるが、従来の共同センターやアウトソーシングと比較して低価格化が実現できるとは限らない。
[編集] 問題点
コンピュータシステムを自前で保有し、修正(カスタマイズ)や運用変更もできる場合と比べると、通常のシステムインテグレーターやアウトソーシング以上にブラックボックスとなり、同業他社との差別化は困難で、独自の仕様の変更に対処できない(サービス提供業者に拒否される)リスクがある。
基本的にはすべてのデータがクラウドに集約されるため、クラウド提供側やネットワークの障害や、あるいはクラウド提供側の倒産やサービス終了などでクラウドのサービスが使用できなくなると、クラウドコンピューティングを利用する企業の経営も停止する恐れがある。
一部のプロバイダはSLAで所定の稼働率を達成できなかった場合の返金や繰越を行っているが、メリットとリスクとの比較衡量は必要である。
また、集中的なデータの管理はクラウドに銀行/ビジネス/医療などの情報を完全に把握されてしまうためハッカーの格好の攻撃(a hack attack)の標的となり、個人情報を含む顧客情報や経営情報の流出のリスクがある。また企業はクラウドに依存的になり、開発者らの「利用する事で収益を上げ、中毒症状にさせることで、ますます顧客を増やせる」という発言[15]のとおり、依存度が高まれば通信不能が営業不能に直結するという事態も発生する。
さらに、クラウドはその破壊や政治的利用など存在自体が極めて大きな危険性をもつ。ITの発達は将来の見通しが立たないが、最も重要な人権の一つのプライバシーの保護の観点からはクラウドにどこまでの支配を許せるかは難しい問題とされる[16]。
また2008年9月にFSFのリチャード・ストールマンは、クラウドコンピューティングは既存の技術を呼び変えただけであり、ユーザーがプロプライエタリ(ベンダー独自)なソフトウェアに囲い込まれてしまう危険性があると指摘している[17]。
クラウドサービスの事業者が日本国内にサーバを設置し、著作権を第三者が有する著作物をクラウドサービスにユーザーが保存した場合、当該ユーザーのみが当該著作物を利用できる仕組みであっても、事業者によるクラウドサービスの提供行為が公衆送信権の侵害行為となる可能性がある[18][19]。
[編集] 類似用語
クラウドコンピューティングに類似する概念や用語はかねてより多く、単なる用語の言い換えやバズワードという指摘も多い。2008年4月にサン・マイクロシステムズのCEO、ジョナサン・シュワルツは「クラウドとは、ネットワーク・コンピューティングを新しい言葉で言い換えたものだ」と発言している。2008年9月にオラクルのCEO、ラリー・エリソンは「既に我々が行っている事で、宣伝文句が変わっただけ」と批判している[20]。
実際、「何だかよくわからないが業界トレンドらしいから」というだけの根拠で経営陣が主導となって推し進めている企業が多く、直接現場に携わっている技術者を振り回している傾向も見られ、バズワードという指摘はこの辺りにも要因がある。[21]。
クラウドコンピューティングは具体的な技術や実装ではないが、システム構成の観点ではネットワーク・コンピューティング、ソフトウェア提供方法の観点ではSaaS、支払い方法の観点ではユーティリティ・コンピューティング、あるいはサービス提供事業者を意味するASPなどを、ユーザーの視点から見た用語(総称)であるとも言われる。
ただ最近では、クラウドコンピューティングは従来の概念とは異なり、大規模インフラの活用機会が個人や小さいグループにも開かれたとして、社会変革につながるのではないかという見方も一部にはでてきている[22]。
既存の類似用語と、その比較としては、以下が挙げられる。
- ネットワーク・コンピューティング(ネットワーク・セントリック・コンピューティング)
- ネットワークを中心に置いた考え方、または処理方式。クラウドコンピューティングはネットワークコンピューティングの1形態ともいえる。
- ドットコム (.com)
- サン・マイクロシステムズ提唱のインターネットを活用した電子商取引などのビジネス。必ずしもインターネットを経由したサービス提供では無く、コンピュータなどは自社で持つ場合が多い。
- e-ビジネス (e-business)
- IBM提唱のインターネット技術を既存の基幹業務にまで適用したビジネス。必ずしもインターネットを経由したサービス提供ではなく、コンピュータなどは自社で持つ場合が多い。
- ユーティリティ・コンピューティング
- コンピュータのハードウェアやソフトウェアの利用を買取やリースではなく、電気・水道・ガスのように従量制で支払う考え方。クラウドコンピューティングはユーザーにはサービスの形で提供するため、ユーティリティ・コンピューティングの一形態ともいえる。
- グリッド・コンピューティング
- 多数の小型のコンピュータをネットワーク経由で協調処理させる形態。主な視点は処理性能とスケーラビリティにあり、多数のコンピュータが世界中にある事を前提としている。クラウドコンピューティングからみれば、採用できる有力な技術の一部だが、極論として「雲の向こうには超高性能のコンピュータが世界で5台だけ」でも良い。
- ユビキタス
- 多数の装置がネットワーク上に遍在する点ではクラウドコンピューティングと共通するが、必ずしもインターネットを経由したサービス提供ではない。
- Webサービス
- インターネット技術を使用したメッセージの送受信を行う技術、またはサービス。クラウドコンピューティングからみれば採用できる技術の一部といえる。
- SOA
- Webサービスの技術をベースにしたアプリケーション・サービスの疎結合の形態。クラウドコンピューティングからみれば採用できる技術の一部といえる。
- SaaS
- ソフトウェアをパッケージ販売ではなくサービスとして提供する。ソフトウェアベンダーからの視点といえる。クラウドコンピューティングでのソフトウェア提供方法といえる。
- Web 2.0
- 複数のWeb技術を総称したもの。クラウドコンピューティングからみれば採用できる技術の一部といえる。
- ASP
- ネットワーク(特にインターネット)経由でサービスを提供する事業者。クラウドコンピューティングの事業者ともいえる。
[編集] 脚注
- ^ “NIST.gov - Computer Security Division - Computer Security Resource Center”. Csrc.nist.gov. 2010年11月30日閲覧。
- ^ 企業ITは数年で「プライベート・クラウド」へ向かう――ガートナーが予測
- ^ 内輪ゆえの強固なセキュリティが強み:「プライベート」クラウドコンピューティングが人気上昇中
- ^ Microsoft、仮想化をプライベートクラウドの基盤と位置付け
- ^ IBM、現時点で実用可能なクラウド・コンピューティングを発表
- ^ 米ヤフー、クラウドコンピューティングの研究支援でインドの研究機関と提携
- ^ マイクロソフト、Professional Developers ConferenceにおいてWindows Azureを発表
- ^ 米国サン、「Open Cloud Platform」を発表
- ^ Open Cloud Manifesto
- ^ 「Open Cloud Manifesto」の行く手に立ち込める暗雲
- ^ IBM、企業にクラウドのソーシャル・ネットワーキングとコラボレーション・サービスを提供
- ^ IT資源を従量制で提供する新たなパブリック・クラウド・サービス - IBM
- ^ プライベートクラウドはコスト削減をもたらす「魔法の杖」-- IBM
- ^ 知られざる先進業界「地銀」に見るシステム共同化の真実 - ITPro
- ^ 2008年10月15日放送のNHK『クローズアップ現代』「新情報革命 “クラウド”の衝撃」で、セールスフォース・ドットコム社技術者の発言を和訳したテロップが表示された。
- ^ 「大切な住民データを国外に出して良いのか」
- ^ 「愚かな考え」--R・ストールマン氏、クラウドコンピューティングを一蹴
- ^ 大滝均 「まねきTV(ソニー・ロケーションフリーテレビ)事件その後 ―公衆送信権侵害の行為主体について―(PDFファイル)」『パテント』2007年9月号、日本弁理士会、2007年。
- ^ 「ネット上にデータを保存するサービスはすべて著作権侵害で違法です」 GIGAZINE、2007年5月26日。
- ^ OracleのエリソンCEO、「クラウドコンピューティング騒ぎ」をこき下ろす
- ^ ニコラス・G・カー『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』青土社、2010年 ISBN 4791765559
- ^ 森正弥「クラウドは人類社会の変革を加速」
[編集] 参考文献
- 日経BP社出版局編『クラウド大全 The Complete Cloud Computing <サービス詳細から基盤技術まで>』(日経BP社、2009年) ISBN 978-4-8222-8388-9
[編集] 関連項目
- SaaS
- オンプレミス
- クライアント・サーバ
- ネットワーク・コンピューティング
- Webサービス
- セールスフォース・ドットコム
- Amazon.com
- Microsoft Online Services
- Microsoft Windows Azure
- MapReduce
- OAuth
- シンクライアント - ネットワークを介したサーバに処理やストレージ機能を任せることを前提とした、簡略化された端末。
- pogoplug
[編集] 外部リンク
- ZDnet クラウドコンピューティング に関する情報
- ITpro エンタープライズ・クラウド
- Topics : クラウド・コンピューティング - 新たなITパラダイムの実像をとらえる - Computerworld.jp
- クラウド・コンピューティング/SaaS - CIO Online
- Cloud Computing World Tokyo 2010 - IDGジャパン
|
||||||||||||||||||||||||||||||