ユーティリティコンピューティング

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ユーティリティコンピューティング: Utility computing)とは、リソース(CPUやストレージ)を電気/ガス/水道電話のように使用した分だけ料金を課すようにサービスとしてパッケージ化すること。

概要[編集]

ユーティリティコンピューティングでは、システム構築の初期投資が少ないか、ほとんどかからない。その代わり、計算リソースは基本的にレンタルされる。顧客は急に大規模な計算能力が必要になったり、アクセスが集中して処理能力が必要になった場合でも、新たなコンピュータ群を物理的に調達して配線などを行う時間をとることなく、必要に応じてリソースを追加利用できる。

ホスティングサービスでも、個々のサーバをレンタルして利用可能にすることは素早くできる。例えば、Webサイトの突然のアクセス集中に備えて、Webサーバ群を事前に用意しておくなどの対応が可能である。

「ユーティリティコンピューティング」と言った場合、一般に(ストレージや計算能力の)何らかの仮想化を想定しており、利用可能なリソースは単一のコンピュータシステムよりも大きい。つまり、複数のサーバシステムを使って1つのシステムを構築している。これは例えば、コンピュータ・クラスターをレンタル専用に構築するようなもので、場合によってはスーパーコンピュータを使用することもありうる。このような、複数のコンピュータ上で1つの計算を行う技法を分散コンピューティングと呼ぶ。

グリッド・コンピューティング」という用語も分散コンピューティングの一形態を指すが、利用形態ではなく、物理的構成や組織的構成を指す用語である。

ユーティリティコンピューティングの定義は、Webサービスのような特定の業務と結びつけてなされることがある。

歴史[編集]

ユーティリティコンピューティングは新しい概念というわけではなく、長い歴史がある。1961年、ジョン・マッカーシーマサチューセッツ工科大学の100周年にあたって、次のように述べている。

私が主張した種類のコンピュータが将来現実となるならば、電話が公共設備となったようにコンピューティングが公共設備となる日が来るかもしれない…コンピュータ・ユーティリティは新たな重要な産業基盤となるかもしれない。

1964年のMulticsでも、コンピュータ・ユーティリティの考え方が根本にあった。[1]

IBM は以前から計算能力とデータベース用ストレージ領域を銀行などに提供する事業を行っていた。

2000年、サン・マイクロシステムズは Sun Grid サービスを開始し、最近では時間単位で計算能力を利用できるサービスを提供している[2]InsynQヒューレット・パッカードのコンピュータなどを使い、1997年からユーティリティコンピューティングのサービスを開始した。

2006年夏、Amazon.comAmazon EC2 を開始したが、2007年11月現在でもまだ「ベータ版」である[3]。これは、最小リソースで1時間当たり0.1ドルからのコストでリソースを提供するサービスである。仮想化は Xen を使っている。ストレージ容量とインターネット上のデータ転送量によっても課金される。レンダリングや計算処理だけでなく、Webサーバクラスタなどとしても利用できる。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

技術文書