SaaS
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SaaS(Software as a Serviceの略、サース)とは、ソフトウェアをネットワーク経由のサービスとして提供・販売する形態である。
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[編集] 発音
SaaSの発音は、「サース」とする場合が多い。SaaSの登場初期には「サーズ」と濁って発音することが多かったが、SARSとの混同を避けるために「サース」と発音する。日本経済新聞の用語解説でも「サース」の発音を採用している。
[編集] 概要
従来のソフトウェア販売の中心は、ソフトウェアをパッケージ製品としてユーザーにライセンス販売する形態であり、ユーザーは自分の持つコンピュータでそのソフトウェアを稼働させた。
SaaSでは、ソフトウェアを提供者(プロバイダ)側のコンピュータで稼働させ、ユーザーはそのソフトウェア機能をインターネットなどのネットワーク経由でサービスとして使用し、サービス料を支払う形態(ビジネスモデル)である。
SaaSの利点として、ユーザー側としては、使用した期間・量だけのサービス料で済む、ユーザー側のコンピュータ導入・構築・管理などが不要(または最小限)になる、このため短期間での利用開始や、ユーザー数や処理量の急な増減にも対応しやすい、常に最新のソフトウェア機能を使用できる、などがある。またプロバイダ側としては、新規ユーザーの獲得が容易、ソフトウェアのみの販売よりも売上の向上・平準化になる、コンピュータ運用はスケールメリットと自社要員が生かせる、各ユーザー固有の導入や保守のサポートが軽減できる、などがある。
デメリットには、プロバイダ側やネットワークの障害時には使用できない、セキュリティ上の懸念、ユーザー固有の仕様変更や運用変更は困難、長期利用の場合に割高となる可能性、などがある。
SaaSは、ネットワーク経由という面ではネットワーク・コンピューティングの一形態であり、従量制課金の場合はユーティリティコンピューティングの一形態であり、またSaaSプロバイダはASPと同義語である。また最近はクラウドコンピューティングの1種類とも言われている。
なお、SaaSに類似した形態としては、各種のホスティングサービスやアウトソーシングサービスなどがある。これはプロバイダ側にハードウェアとソフトウェアがあり、ユーザーはネットワーク経由で使用しサービス料を支払う点ではSaaSと同じだが、ホスティングではハードウェアとソフトウェア、アウトソーシングでは契約によってはソフトウェアなどを、ユーザーが購入する必要がある。例にはIBMのApplications on Demand (AOD) [1]などがある。
[編集] 歴史
ソフトウェアをネットワーク経由でサービスとして提供する事自体は、ASPとして、従来より行われている。有料の電子メールサービス、各種の検索サービス、オンラインゲームなどである。
1999年に設立された米国のSalesforce.com社は、SaaSを提唱し、SaaS専業ベンダーとして、従来はパッケージ販売される事が多かったCRMソフトウェアのSaaSによる提供を開始した。この1999年がSaaSという言葉が登場した年とされる。同社は2004年に株式公開を果たした。
2006年にはクラウドコンピューティングという言葉が普及し、SaaSはその一形態と呼ばれるようにもなった。
[編集] 主なプロバイダ
米国での主なSaaS専業ベンダーには以下などがある。
- NetSuite
- Salesforce.com
- Zimbra (2007年9月Yahoo!が買収)
- Everdream社(2007年12月Dellが買収)
- PostPath社(2008年8月,Ciscoが買収)
専業ではないがSaaSに参入したベンダーには以下などがある。
- オラクル(2006年 Oracle CRM On Demandの提供 [2])
- IBM(2009年 LotusLiveの提供)
- マイクロソフト(2009年 Microsoft Online Services)
- 富士通(SaaSサービスの提供[3])
- サイボウズ総合研究所(ガルーンシリーズのSaaSサービス)
- 東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(2009年 MCFrame online原価管理の提供)
なお、日本国内のSaaS専業ベンダーには以下などがある。
- アスタリクス株式会社
- インフォテリア・オンライン株式会社
- 株式会社ソーシャルグループウェア(SaaS型グループウェアであるiQubeの提供)
- 三三株式会社(SaaS型の名刺&営業管理サービスの提供)
- アジルネットワークス株式会社(バーチャルPBXサービスの提供)
- 株式会社アクアライズ(SaaS型会計システムであるWeb会計簿、グループウェアのWOMの提供)
[編集] 動向
[編集] 業界の動き
日本国内ではSaaS専業ベンダーや、基幹システム関連でのSaaS提供はまだまだ少数だが、製造業向けERPコンサル大手、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社が2009年1月から、日本初の製造業向けSaaS型原価管理サービスとして、MCFrame online原価管理を提供開始している。
また、キャリア各社もSaaS提供インフラの構築に積極的である。KDDIは、2007年6月に米マイクロソフト社との包括提携を行った。また、NTTコミュニケーションズは、SaaSをNGNの展開における重要なサービスと位置づけている。
[編集] 政府の動き
2008年1月、経済産業省は「SaaS向けSLAガイドライン」を定め、サービス利用者が安心して利用するために、利用者とSaaSベンダー間で認識すべきサービスレベル項目や確認事項等について明示した。また2008年2月、総務省は「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」を定め、組織・運用と、物理的・技術的側面からSaaS提供のための指針を示した。例えば、組織内での情報管理責任者を定め、その利用範囲を明確にし、文書化することや、物理的な措置として、利用者の利用状況や例外処理、情報セキュリティ事象のログ保存期間などを明示している。 2008年7月、経済産業省は「中小企業向けSaaS活用基盤整備事業」を開始した。これは、アプリケーションソフトウェアをSaaSとして提供することで、情報技術を活用するための経営基盤が必ずしも充実していない中小企業・小規模企業の競争力を強化すること目的としている。2009年4月より、財務・会計、社会保険手続き等を扱う18社のソフトウェアが提供される予定である。
[編集] 業界団体
業界団体として、「特定非営利活動法人 ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム」(略称:ASPIC)がある。ASPICは1999年11月に任意団体として設立された後、2002年にNPO法人の認証を取得し、活動している、ASP・SaaSを推進する団体で会員企業が約170社(2008年5月現在)ある。ASPICでは「ASP白書2003」においてASPの定義を「特定及び不特定ユーザが必要とするシステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス、あるいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデル」としており、ASPとSaaSを同意語として扱っている。
[編集] 関連項目
- アプリケーションサービスプロバイダ
- ユーティリティコンピューティング
- クラウドコンピューティング
- 仮想アプライアンス
- PaaS
- IaaS (HaaS)
- Remote Video Application
- ウェブデスクトップ

