iCloud

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iCloud(アイクラウド)は、アップルが提供しているクラウドサービスである。

概要[編集]

2011年4月に、iCloud.comというドメイン名ウェブストレージサービスを提供していたXcerion社から、アップルが450万ドルでドメインを買い取った。2011年6月6日WWDC 2011でiOS 5と同時に発表され、その後開発者向けにベータ版が提供されていた。10月12日に正式にサービスが開始された。

前身のクラウドサービスであるMobileMeが有料であることに対し、iCloudは無料で利用することができる。iCloudの登場によりMobileMeは2012年6月30日で終了した。iCloudに登録すると無料で5GBのストレージが用意され、追加料金を支払うことでさらに多くの容量が使用可能になる。利用料金は、10GB(合計15GB)が年間1700円、20GB(合計25GB)が年間3400円、50GB(合計55GB)が年間8500円。

歴史[編集]

  • 2011年4月 Xcerion社からiCloud.comドメインを取得。
  • 2011年6月 WWDC 2011でiCloudが発表され、開発者向けベータ版が提供される。
  • 2011年10月 iCloudが正式にリリース。

提供サービス[編集]

iTunes in the Cloud
iTunes Storeで購入した楽曲やアプリ、書籍コンテンツを自動的に他のiCloud対応端末にダウンロードできる。購入履歴からアクセスしてダウンロードすることも可能。日本では開始当初は楽曲自動ダウンロードサービスは行われていなかったが、2012年2月22日より対応した。iOS 6.0からはストアアプリでのチェック履歴の共有も可能となる。
iTunes Match
iTunes in the Cloudの有料オプションサービス。年額24.99ドル(日本では年額3,980円)を支払うことで、ユーザーが持っている音楽ファイルとiTunes Storeの販売情報をマッチングし、iTunes Storeで販売されている楽曲の場合は256kbps・DRMフリーの音楽ファイルがダウンロード可能となる。販売されていない楽曲はクラウド上に最大25,000曲をアップロードできる。日本では2014年5月2日よりサービスを開始した[1]
フォトストリーム
iPhoneなどで撮影した写真を自動的に他の端末に転送する。iCloudのストレージとは別にフォトストリーム用の領域が用意され、最新1000件の写真を30日間保存することができる。iOS 5.0.1まではフォトストリーム内の写真の個別削除ができなかったが、iOS 5.1で個別削除に対応した。iOS 6.0からはフォトストリームを複数人で共有できるようになり、対応端末間で画像を閲覧・共有可能なほか、Apple TVやWeb上でも見ることが可能となる。
iCloud Photo Library
iOS 8から対応するサービスで、撮影した写真や動画を自動的にiCloud上に保存でき、iCloud対応端末からどこでもアクセス可能になるほか、フォトレタッチツールなどで編集を行った際にその結果が自動的に同期される。
Documents in the Cloud
iWorkを始めとする対応アプリで作成・編集・保存した書類などのデータをiOS端末や2012年7月に発売されたOS X Mountain Lionを搭載したMacとの間で同期できる。またiCloud.comにアクセスすることでパソコン上にiWorkなどで作成・保存した書類やデータをダウンロードする、またはパソコンで作成した書類などをアップロードすることが可能となる。
iCloud Drive
iOS 8およびOS X Yosemite、Windowsで使用可能になるクラウドストレージサービス。従来までのiCloud対応データだけでなく、様々なファイルをクラウド上に保存・共有できるようになる。FinderWindows Explorerからフォルダやファイルの管理も可能となり、ドラッグ&ドロップで保存できるようになる。
MailDrop
iCloud Driveと連携した電子メール用のストレージサービス。最大5GBでのファイルを送受信でき、添付したファイルはiCloud上に保存され、OS X Yosemiteの標準メールアプリではクラウドを意識する事なくシームレスに扱う事が可能となる。それ以外のメールソフトではiCloudへのリンクとして扱われる。
バックアップ
iOS端末にある各種データをストレージ上にバックアップを行う。通常はWi-Fi及び電源に接続された時に自動でバックアップ作業が行われる。これによって新しい端末を購入した際のデータ移行や、初期化して元の状態に戻す時の復元作業も、Wi-Fiを経由することでパソコンを使わずに行うことができる。
iCloudタブ
iOS 6.0、OS X Mountain Lionに搭載されるSafariで対応する機能で、表示していたタブの同期が可能となる。これにより、自宅のMacで見ていたWebサイトがiPhoneやiPadのSafariに自動的に同期され、外出先でも続きを読むことが可能となる。
iCloudキーチェーン
iOS 7およびOS X Mavericksを対象にしたサービスで、iCloudにアカウントIDやパスワード、クレジットカード情報を登録しておくことで、Safariで指定したパスワードを入力するだけでこれらの情報が自動的に入力される。
ファミリーシェアリング
iOS 8から対応するサービスで、一家庭(最大6人まで)で購入したコンテンツや写真、カレンダー情報、地図での位置情報の共有が可能となる。また、登録したクレジットカード情報を共有し、カードを管理する親アカウントに子アカウントからコンテンツを購入していいか許可を送ることもできる。
MobileMeからの継承サービス
メール(me.com)、連絡先、カレンダー、ブックマーク、メモ、どこでもMy Macがそのまま継続して利用可能となる。iOS端末検索機能の「iPhoneを探す」もそのまま利用できるのに加えて、友人の端末位置情報を検索する「友達を探す」も利用可能となる。なお、iWebiDisk、ギャラリーについては継承されない。なお、Windowsでのブックマーク同期はSafariのWindows版が提供されなくなっているため、当初からはWindows Internet Explorerが、コントロールパネルの3.0からはMozilla FirefoxGoogle Chromeが対応ブラウザとなっている。
iCloud.com
パソコンのウェブブラウザ上でメール、連絡先、カレンダー、iPhoneを探す、iWorksの書類データにアクセスできる。iOS 6.0からはメモやリマインダーへのアクセスも可能となった。
iWork for iCloud
iWorkをWebブラウザ上で利用できるようにしたWebアプリケーションで、書類データの閲覧だけで無く、編集も可能となっている。2012年8月27日よりベータ版が一般公開されている。
Beta.iCloud.com
Appleの開発プログラムに加入しないとログインできなかったが、8月27日にiWork for iCloud Betaを制限するようになってから一般ユーザー(開発者登録をしていなくても)もログイン可能な状態となっている。

システム要件[編集]

アカウント作成には、iOS 5を搭載したiPhone(3GS以降)、iPadiPod touch(第3世代以降)、またはOS X Lion 10.7.2以降をインストールしたMacが必要。MacやPCとの連携には、OS X Lion 10.7.2以降をインストールしたMac、またはiTunes 10.5以降とiCloud コントロールパネルをインストールしたWindows Vista(SP2)・Windows 7(RTMまたはSP1)・Windows 8(RTM)搭載PCが必要。ウェブ版のiCloud.comを利用するには、Safari(6以降)、Internet Explorer(9以降)、Firefox(16以降)、Chrome(23以降)が必要[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]