無料

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無料(むりょう)とは、そのサービスの提供について、受益者に代価を求めないという意味である。無償(むしょう)、(ただ)などともいう。

概要[編集]

完全に無料のものというのはなかなか存在しないものであるが、輸送業の発達や第三次産業の高度化に伴って、無料で提供されるサービスは近年増加している。インターネット上の日本語検索エンジンでも、最も多く入力されるキーワードの一つが「無料」である。

ドイツの絵葉書には、切手を貼る場所に「frei machen」という言葉が印刷してある。「frei」は、「自由」の意味だからといって「無料で好きにやって」という意味にとってはならない。この場合は、「(所定の料金を払うという)義務を果たして」という意味である。ヨーロッパ人にとっては「自由」がいかにその対価と裏表であるかという例であるが、無料も本来は、それ相応の対価があるべきもので、完全に無前提の「無料」というものは、絵空事に近いものである。

実際に、一切対価を求めない「無償」という意味での無料は非常に少ない。「ただより高いものはない」と俗にいうように、別の側面で金銭での対価を求めたり、金銭以外の代償を求める無料は多く存在する。

無料を餌にした詐欺や悪質な訪問販売による被害も多く発生している。 例えば、インターネットに於ける出会い系サイトアダルトコンテンツは、よく「完全無料」などと表記しているが、これはアクセス自体は無料だが、パケット通信料・電子メール文の閲覧・送信、アダルト画像を閲覧するのに、別途の法外な料金を課されるなどの詐欺的な内容のものである。実際に、被害にあった人々は、「ただより高いものはない」とか、「ただほど高いものはない」などとよく口にする事がある。

広告に関して、例えばソフトバンクモバイル携帯電話通話料などを「¥0」と大きく書いた上で、欄外に消費者が認識しづらいほど微小な文字で例外を書いた広告を掲載し、批判を浴びるとともに公正取引委員会から景品表示法違反の疑いで警告を発した例がある。

オンラインゲームの類では、グリーがソーシャルゲームのCMで「無料です。」という案内を強調していたが[1]、実際はコンプガチャなどの課金要素が導入されている。またこれを使用してレアアイテムを入手するには、数万~数十万円を注ぎ込まなければならない例が多発したため、無料というのは乏しいものとなっている[2]

無料を意味する「ロハ」という俗語は、漢字の「只」(ただ)を片仮名に分解すると得られることから来た俗語である[3]。指揮者の小澤征爾の著書「ボクの音楽武者修行」の章タイトルに「インドでのロハ入場」という用例がある。

中国語では、「無料」ではなく、「免費」(ミエンフェイ miǎnfèi)と書くのが普通である。

分類[編集]

今日無料で提供されるサービスの多くは、慈善活動・ボランティアとして提供されている物、広告収入によって費用が賄われているもの、顧客獲得の手段として企業の宣伝活動の一環で提供されるもの、政府や自治体、公共団体による費用負担で費用が賄われているもの、有用資源利活用による収入によって費用が賄われているものに大別できる。以下に日本国内において無料で受けることの出来る財・サービスの一例を列挙する。

社会貢献・ボランティアとして提供されるもの[編集]

フリーソフト 
しばしば「自由な」ソフトウェアという意味のフリーソフトウェアと混同されるが、「無料の」ソフトウェアであるフリーソフトは、作者の意志により無料で提供されている。作者へメールを送るメールウェアや、任意のカンパウェアもフリーソフトである。
ウィキペディア 
ウィキメディア財団が運営するオンライン百科事典のウィキペディアは「無料で」提供されているが、「自由な」使用を認めるGNU Free Documentation Licenseはその成果物を有料で提供することを妨げていない。詳細はWikipedia:著作権を参照されたい。またウィキペディアの維持費用は、寄付によって賄われている。寄付に関するページもあわせて参照されたい。

広告収入によって賄われているもの[編集]

テレビジョン放送ラジオ 
民間放送局の多くは広告収入を元に番組を制作し、視聴者に視聴料を求めていない。
フリーペーパー 
雑誌新聞の中には、無料で配布されるものがある。
アドウェア 
フリーソフトの中には、画面上に表示される広告を収入源に制作されているものもある。
インターネットサービスプロバイダ 
インターネット接続サービスを、専用のソフトウェアを導入させることで画面の一部に広告を表示させ、無料で提供する企業が複数存在する。インターネット上のコンテンツの多くも、広告収入を元に提供されている場合が多い。例としてライブドアがある。また、駅などにおいて一定時間広告を出し、後にインターネットの接続が無料となるサービスも普及している。例としてFREESPOT等がある。
ウェブサイトメールマガジン 
ウェブサイトやメールマガジンは企業運営、個人運営を問わずフリーで提供されることが多く、広告収入を主な収入源としているものが多い。
ポケットティッシュ 
都市の駅前や街角で無料で配られる。企業の広告が袋に印刷されていたり、挟み込まれたりしており、この受け取り、閲読をしてもらうためにティッシュペーパーがつけられている。

顧客獲得の手段として提供されるもの[編集]

顧客データを獲得する為、顧客に対象商品を購入させる為、顧客に付随商品を購入させる為、顧客に商品購入のおまけとして与えるものがある。

試供品 
化粧品など実際に試用することで継続利用の意志が生まれる商品の通信販売においては、初回のサービスを無料とする企業が多く存在する。
体験版 
PC用のゲームソフトアプリケーション、またはコンシューマーゲーム機用ゲームソフトなどで用いられる形態。内容・機能の一部をカットする、または試用期間を定めるなどの制限が設けられている。
ウェブブラウザ電子メールクライアント 
マイクロソフトのブラウザ、Microsoft Internet Explorerが無料で提供されたことで、Netscape Navigatorは市場シェアを大きく失った。その他にもインターネットに関係するコンテンツやソフトウェアの中には、市場開拓の手段として無料で提供し、将来的に付加サービスなどを有料化するものがある。この手法については寡占状態を利用した市場独占であるとして、企業対企業、あるいは企業対国家の訴訟が起こっている。
サービス品 
ポケットティッシュや旅館、店舗銘のマッチ。広告を兼ねている。
電話帳 
NTTが発行する物は加入者に無料配布。NTTが発行する以外の電話帳には店舗名などの広告で収入を得て無料配布されている物もある。
プロ野球Jリーグの観戦チケット 
スポンサーが顧客に配っている。
宿泊チケット 
イベントのサービスとして配る場合がある。
携帯電話 
旧型機や販売促進時の本体のみ
招待券 
映画コンサート等各種イベントのチケット
還元品 
商品購入の対価として顧客に対して配るもの。その店舗やサービスを今後とも利用してもらう為、顧客を放さない為の意味合いが強い。
無料パス、無料タクシー 
お台場や、日本橋では、企業がスポンサーとなる無料バスが走っている。他にも、駅から遠い場所に立地するオフィスビル、ホテル旅館日帰り温泉などの施設に、来客者の便を図り、集客率を上げるために無料のバス、タクシーサービスを用意している例が各地にある。

公共団体の費用負担によって賄われるもの[編集]

ごみの処分 
多くの自治体では税金を元にごみを処分しているが、一部の自治体ではこれを有料化する動きがある。もちろん元々税金で処分されていたものであるから、当初から有料ではあるのだが、利用量に応じて費用を別途負担する制度に移行することを、「有料化」と呼ぶことは多い。
義務教育 
教育基本法第4条2項により、義務教育にかかわる授業料は無料である。
公衆トイレ 
実質、地方自治体や公共団体で賄われている。中には有料のものもある。海外の温暖な地域では公衆トイレに無料の冷水シャワーを設置している例もある。
公園の飲用水 
実質、地方自治体や公共団体で賄われているが、ジュース類は別。
入浴施設 
温泉地では、地元住民専用の無料入浴施設を設置している例が少なくない。近年では、誰でも無料で利用できる足湯を設置している観光地もある。
保育園児又は幼稚園児の保育園費、幼稚園費 
一部自治体において無料。
小学生以下の医療費 
一部自治体において無料。
高齢者の医療費 
一部自治体において無料。
無料パス、無料タクシー 
身体障害者、知的障害者、戦傷病者、原爆被爆者、高齢者などに一部自治体から与えられている鉄道バス等の交通機関料金が無料。ごみの処分同様に、公営バスの高齢者無料制度も、自治体によっては廃止、または一部負担制度への移行が進んでいる。
自治体のスクールバスも同様。
役所申請書
インターネット接続サービス
図書館などでの無料利用。公共施設内のフリースポットなど。

有用資源利活用による収入によって費用が賄われているもの[編集]

資源の回収 
江戸時代等では、紙や有機物から糞尿に至まで、様々な資源が広く利活用され、ごみとして処分される資源はほとんどなかった。日本には古来、適材適所という言葉がある。また、イギリスのCivil Amenities Actでは、アメニティを“the right thing in the right place”と定義している。[4]  もったいない(勿体無い)とは、仏教用語の「物体(もったい)」を否定する語で、物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ、嘆く気持ちを表している。「物の価値を十分に生かしきれておらず無駄になっている」状態やそのような状態にしてしまう行為を戒める意味で使用される日本語の単語である。
都市鉱山(英語:urban mine) 
都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てたものである。そこから資源を再生し、有効活用しようというリサイクルの一環となる。
都市林業(英語:urban forestry)
自治体や造園会社等では、緑化樹木維持管理の発生材を廃棄物として処分しているが、近年、それらが重要な木材資源であるという認識が高まって来ており、最近では、特定の樹木の剪定を無料で行う事例も見られる。*樹木の剪定 無料で承ります。

日本国内で当然無料と思われているもの[編集]

日本ではレストランの「お冷」は無料で提供されるものと思われている。ただし、ミネラルウォーターを注文すれば勘定につけられるし、自宅で使用する水は水道料金の内(但し、安全な水を家庭などまで送り届けるサービスの対価であると解釈することもできる)。
日本国外では、レストランや喫茶店等で「お冷」を注文すれば、当然の事ながら「有料」である。
道路
日本では国道/都道府県道/市町村道/国道に指定されている高速道路などは無料であるが、ガソリン税による道路特定財源制度がある。また、多くの有料道路が存在する。
割り箸
飲食店における割り箸の提供は、日本と中国では原則無料である。中国の飲食店では有料となっている場合もあるが、その場合、洗って繰り返し使っているプラスチック箸を用意してあり、無料で使える。
レジ袋
スーパーマーケットが用意するプラスチック製の袋は、無料で提供する店が多いが、環境への配慮や、コスト削減の目的で、有料としている店もある。

脚注[編集]

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関連項目[編集]