宿泊施設

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

宿泊施設(しゅくはくしせつ)とは、人間が泊まるための設備を備え、寝具を提供する施設を言う。

宿泊施設の定義[編集]

基本的な定義として日本においては、旅館業法の第二条に規定された旅館業で、施設の構造や設備によってホテル営業・旅館営業・簡易宿所営業・下宿営業に分類しており、それぞれの内容、および「宿泊」の定義は次のような規定となっている。

  • 「ホテル営業」とは、洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
  • 「旅館営業」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
  • 「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多人数で共用する構造および設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。
  • 「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。
  • 「宿泊」とは、寝具を使用して上記各項の施設を利用することをいう。

法律の定義以外にも、施設の収容人数・目的等によって様々な形態がある。

なお、寝具を使用しない仮眠等の設備を備えた施設は、各種営業法や法で定める構造上の制限が異なり、旅館業法の第二条に規定された旅館業ではない。

一方、日本標準産業分類の事業区分では、「大分類M-飲食店、宿泊業」としてくくられており、宿泊業の下に旅館業やホテル業、その他の宿泊施設(会員制リゾートクラブなど)が分類されている。

用途[編集]

主に旅行や仕事に関連し、旅先や出張先で利用される。 施設によっては人間と行動を共にする動物(盲導犬などのほかにも、ペット)等が宿泊できる場合がある。

施設の種類[編集]

日本においては次の種類が挙げられる。

  • 基本的に食事が宿泊料金に含まれない宿泊施設
    • 都市型
      • シティーホテル
      • ビジネスホテル - 宿泊に特化。手ごろな料金で宿泊可能
      • カプセルホテル - 法的には簡易宿所営業。大都市の駅前歓楽街に多く立地する。当該歓楽街の中心的客層が、深夜割増料金タクシーで自宅に帰るのに必要な金額とほぼ同じかやや安く中心価格帯が設定されている。
      • 簡易宿泊所 - 通称「どや」、スラム街の簡易宿泊施設。法的には簡易宿所営業。大阪市の通称「釜ヶ崎」、東京都の通称「山谷」等日雇労働者の集まる街に多い。日雇労働者用語で「宿(やど)」を逆さ読みしたのが由来とされ、釜ヶ崎、山谷のように簡易宿泊所が集まる街を「どや街」とも呼ぶ。最近では、宿泊料金の安さ(1泊3000円台程度)から、外国人バックパッカーの利用者が増加している。このきっかけは、2002年日韓共催のFIFAワールドカップ大会の観戦に来日した外国人サポーターが、南千住周辺の簡易宿泊施設を利用してメディアに取り上げられた[1]のが始まりのほか、不景気から本来宿泊するはずの日雇労働者が宿泊できなくなっている影響もある。
      • ウィークリーマンション・マンスリーマンション - 下記「コンドミニアム」の都市型廉価版をいう。シングルからダブル程度のベッド数と、最低限の自炊機能や電化製品が設置してあるため、長期出張や単身者の短期利用などに利用される。料金はホテルやコンドミニアムに比べ割安である。ウィークリー・マンスリーの相違は主に契約日数単位による分類。ホテル営業の許可を得ている場合と、賃貸住宅の扱いの場合とがある。
    • 都市および郊外型
      • ラブホテル(ファッションホテル、ブティックホテル) - 性行為目的主体。風俗営業の扱いを受ける。駐車場を設置しているところでは、車で旅行するカップルの利用も多く、旅行中に予約無しでいつでも入れるホテルと認識されている。
      • モーテル - 自動車等からの利便性にすぐれ、手ごろな料金(40~50ドル程度)のアメリカ型宿泊施設。日本ではラブホテルの意味で使われる場合もある。
      • ゲストハウス - 一般の一戸建て・アパート・マンションなどを改装して簡易宿泊施設としたもの。外国人向けとして始まったが、現在は日本人の利用者が多い。宿泊料金が格安なために長期利用者も多く、ルームシェアの一形態と見なされる場合もある。
    • 観光地型
      • リゾートホテル - リゾート地にあるホテル。
      • コンドミニアム - アメリカなどでは「分譲マンション」のことだが、日本では、台所や洗濯機などがあり、食料品などを持ち込みが可能な「リゾートマンション」のことをいう。家族やグループ単位の長期休暇に適した施設
      • コテージ - 自炊機能がついた小型の家のような宿泊施設。
      • 自炊宿 - 食事付きの旅籠に対し、自炊宿は木賃宿と呼ばれた。現在は、温泉地の木賃宿を自炊宿と称し、長期滞在や湯治用として安く供している。調理場などの水回りは共同の場合が多い。
      • バンガロー - 水回りが共同である小屋のような施設
      • ヒュッテ - 洋風の休憩用山小屋。緊急避難用から宿泊機能が充実したものまである。
      • ライダーハウス - オートバイや自動車で旅をするための宿泊施設で、雑魚寝をする畳敷きやドミトリー形式のものがある。
  • 基本的に食事が宿泊料金に含まれる施設
    • 場所によらない
      • 旅館 - 和風または和洋折衷(和風主体)の中~大規模の宿泊施設。都市部・観光地ともに立地する。
    • 観光地型
      • 国民宿舎 - 自然公園や国民保養温泉地等の景勝地に立地する宿泊施設。
      • 民宿 - 和風の小型宿泊施設(個人経営で自宅を兼ねているところが多い)
      • ペンション - 洋風の小型宿泊施設(個人経営で自宅を兼ねているところが多い)
      • ロッジ - 洋風の山荘風宿泊施設(個人経営で自宅を兼ねているところが多い)
      • ユースホステル - 青少年育成を目的に少年少女の為に低廉な料金で利用できる宿泊施設。法的には簡易宿所営業
  • 高級な食事がついてくる宿泊施設
  • その他

宿泊施設を併設しているところなど[編集]

宿泊施設と同様の目的に利用可能な施設[編集]

宿泊施設と同様の設備を備える交通機関[編集]

  • 寝台車 (鉄道) - 日本のJRについては、寝台列車の製造費が高額である事や乗務員が長時間労働になることから、運賃・料金や所要時間からみて割安とは言えず(一番安いB寝台料金でも\6300円かかり、ビジネスホテルと同レベルかやや高い)、動くホテルに相当する北斗星カシオペアトワイライトエクスプレスの3列車及び列車速度の速いサンライズエクスプレスを除けば利用客の減少に歯止めがかからず、廃止に追い込まれた寝台列車もある。睡眠時間を移動時間として利用できる。とシーツ、毛布ハンガー寝間着を各寝台に備える。開放型寝台のほか、個室もある。
  • 船舶
    • 旅客船の特等室 - 豪華客船は海に浮かぶ一流ホテルと形容される。
    • フェリー - 長距離フェリーの場合、スイート・特等・一等・二等寝台・二等和室など多様な選択肢を持つ。一般的に一等以上は1名~4名の個室となりシティーホテル並みの設備を持つ。二等寝台は開放式の二段ベッドが一般的となる、個室でこそないもののカーテンなどで遮蔽され一定のプライバシーを保つことができる。二等和室はカーペット敷きの大部屋で横になって寝ることができる。

また上記以外にも航路・船会社によって異なる設備を持つ場合がある、短距離の航路では二等以外全くない場合もある。

その他の形態[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ [1](2004年3月1日時点のアーカイブ

外部リンク[編集]