超高層マンション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

超高層マンション(ちょうこうそうマンション)とは、従来のマンションと比べて際立って高い住居用高層建築物俗称。その外観の形態からタワーマンションとも言う。

日本では超高層マンションに対する法的な定義はないが、建築基準法などの構造基準の違いから「高さ60m以上」とする場合、環境アセスメント条例が適用される「高さ100m以上」とする場合が見られる。また、「階数が20階以上」とする場合や、単にその都市の平均的なマンションの高さと比べて際立って高い場合に広告としてこの名称が用いられる例も見られる。

目次

[編集] 世界

[編集] 世界最高層の超高層マンション

2007年11月現在、世界最高層の超高層マンションは2005年オーストラリアゴールド・コーストに竣工した『Q1・タワー』(地上80階建・323m)である。2003年竣工のアラブ首長国連邦ドバイの『21st Century Tower』(地上59階建・269m)、2004年竣工の韓国ソウルの『Tower Palace Three - Tower G」(地上69階建・264m)などがそれに次ぐ。

[編集] アメリカ合衆国

ニューヨーク市では、早くも20世紀前半・世界大恐慌の前後には高層アパートメントの建築ラッシュを迎えている。同時期、同市セントラル・パークの西側沿いには、「サン・レモ(The San Remo)」(1930年、27階建て)、「エルドラード(The Eldorado)」(1931年、30階建て)、「センチュリー・アパートメント(The Century Apartment)」といった、主にアールデコ様式を用いた何れもツイン・タワー形式のアパートが計5施設完成している。これらのアパートは現在でも歴史的建築物として保存され、ステータスを備えた超高級アパートメントとして高額で売買が行われている。

第二次世界大戦後には、同市マンハッタンミッドタウンアッパーイースト地区には無数の高層アパートメントが林立するようになった。欧米における集合住宅の居住形態ではベランダバルコニーが必要とされないため、それらの建物の外観はオフィスビルホテルなどとの区別が付き難いことが多い。

2001年、マンハッタン東部、国際連合本部ビルの正面に完成し、不動産王ドナルド・トランプが所有する「トランプ・ワールド・タワー(Trump World Tower)」(262m、72階)は、1990年代以降に西半球で建設された高層ビルとしては最高の高さである。住居専用の建築としては現在でも西半球で最高層となっている。同ビル1階には日本料理店が入居するほか、日本人MLB選手が居住していることでも知られる。

[編集] 日本

第二次世界大戦後の日本では戸建の持ち家に住むことへのこだわりが強く、災害(地震火災)の面からも高層居住への不安が強かったため、高層マンションはなかなか受け入れられない傾向にあった。また、高層建築物に対応できる消防車(高機能なポンプ車・高層用はしご車など)が配備出来ていない自治体も多かった(現在は11階以上にスプリンクラー設置が義務化)。

1974年、鹿島建設が自社の社宅椎名町アパート」(18階建て)をRC構造で建設したことにより、マンションの高層化が可能であることが立証され、1976年住友不動産さいたま市中央区(当時の与野市)に建設した「与野ハウス」(高さ66m、21階建て)が一般向けの第1号といわれる。なお、100m以上の超高層マンションの第1号は、1987年大阪市都島区ベルパーク内に建設されたベル・パークシティ・G棟(高さ116m、36階建て)である。当初は、容積率日照権などの問題から、超高層マンションを建てるには広い土地が必要であり、土地取得のし易い郊外河川沿いなどに立地する例が多かった。

1997年第140国会において、規制緩和の流れから、容積率上限を600%まで、日影規制の適用除外とする「高層住居誘導地区」が導入され、また、廊下・階段等を容積率の計算から除外する建築基準法の改正案が成立した。これにより、地価が下落した都心において、超高層マンションが充分にペイするようになり、景気の回復も後押しして超高層マンションの建設ラッシュが起きた。さらに、大量に都心に住居が供給されたことにより、都心回帰と呼ばれる現象も惹起した。近年では、開発業者が都心での超高層マンション適地の取得が困難になってきたことや、一般に超高層マンションが浸透したこともあり、大都市近郊でも住宅の超高層化が進んでいる。

現在日本で最も高い超高層マンションは、大阪府大阪市中央区高麗橋(最寄駅:北浜駅直結)に2009年3月竣工されたThe Kitahama(設計:三菱地所)であり、高さ209mで54階建てとなっている。

[編集] 現在の超高層マンション

2009年4月時点での全国の超高層マンションの高さの順位は以下の通り。


名称 所在 高さ 階数
1 The Kitahama (北浜タワー) 大阪市中央区 209m 54階
2 パークシティ武蔵小杉・ミッドスカイタワー 川崎市中原区 203m 59階
3 クロスタワー大阪ベイ 大阪市港区 200.4m 54階
4 THE TOKYO TOWERS MID TOWER 東京都中央区 193.5m 58階
4 THE TOKYO TOWERS SEA TOWER 東京都中央区 193.5m 58階
6 汐留H街区超高層棟 東京都港区 190.25m 56階
7 エルザタワー55 埼玉県川口市 185.8m 55階
8 大川端リバーシティ21
センチュリーパークタワー
東京都中央区 180m 54階
9 パークシティ豊洲 東京都江東区 179m 52階
10 Wコンフォートタワーズ 東京都江東区 178.48m 54階
11 The Tower Osaka 大阪市福島区 177m 50階
11 シティタワー西梅田 大阪市福島区 177m 50階
13 パークアクシス青山一丁目タワー 東京都港区 172.39m 46階
14 シティタワー大阪 大阪市中央区 170m 51階
15 芝浦アイランドエアタワー 東京都港区 169.9m 48階
16 芝浦アイランド・グローヴタワー 東京都港区 168.8mm 49階
17 芝浦アイランド・ブルームタワー 東京都港区 167.4m 48階
17 オークプリオタワーレジデンス 大阪市港区 167.4m 50階
19 キャピタルマークタワー 東京都港区 167.31m 47階
20 アーバンビューグランドタワー 広島市中区 166m 43階
21 晴海アイランドトリトンスクエアビュータワー 東京都中央区 165m 50階
21 東京ツインパークス・レフトウイング 東京都港区 165m 47階
21 東京ツインパークス・ライトウイング 東京都港区 165m 47階
24 岐阜シティ・タワー43 岐阜県岐阜市 163m 43階
25 ステーションフォレストタワー 川崎市中原区 162.8m 47階
26 赤坂タワーレジデンス〜Top of the Hill 東京都港区 162m 45階
27 ザ・ライオンズ ミッドキャピタルタワー 名古屋市熱田区 161.85m 47階
28 シティタワーグラン天王寺 大阪市阿倍野区 161.775m 43階
29 リエトコート武蔵小杉・ザ・クラッシィタワー 川崎市中原区 161.77m 47階
30 リエトコート武蔵小杉・イーストタワー 川崎市中原区 161.14m 47階

[編集] 建設中の超高層マンション

今後、竣工する超高層マンションの高さの順番は以下の通り。40階を超える超高層マンションが次々と完成する予定。

名称 所在 高さ 階数
竣工予定
御影タワーレジデンス 神戸市東灘区 170m 47階 2010年3月
ザ・千里タワー 大阪府豊中市 164.8m 50階 2009年6月
晴海三丁目西地区
第一種市街地再開発 A1棟
東京都中央区 169m 49階 2009年度
大阪福島タワー 大阪市福島区 160.46m 45階 2011年3月
八王子駅南口第一種市街地再開発 東京都八王子市 158m 41階 2010年11月
シティタワー大阪天満・ザ・リバー&パークス 大阪市北区 155.5m 45階 2009年6月
CHIBA CENTRAL TOWER 千葉市中央区 151.5m 43階 2009年度
二子玉川東地区再開発住宅棟 東京都世田谷区 151m 46階 2009年

[編集] 計画中の超高層マンション

現在計画中の超高層マンションの高さの順位は以下の通り。着工の目処が立っていないものもある。

名称(仮称) 所在 高さ
階数
竣工予定
西新宿三丁目西地区再開発・北住宅棟 東京都新宿区 245m 66階 着工目処立たず
西新宿三丁目西地区再開発・南住宅棟 東京都新宿区 245m 66階 着工目処立たず
西富久地区再開発 東京都新宿区 225m 47階 未定
横浜市中区北仲通北地区再開発[1] 横浜市中区 220m 52階 2010年度
武蔵浦和第3街区再開発 さいたま市南区 210m 60階 未定
旧大阪府立産業技術
総合研究所跡再開発
大阪市西区 198m 56階 2012年度
旭通4丁目再開発 神戸市中央区 195m 54階 2012年度
東池袋四丁目第2地区市街地再開発 東京都豊島区 195m 53階 2011年度
広島駅南口Bブロック
第一種市街地再開発事業・西棟[2]
広島市南区 190m 54階 2012年度
勝どき駅前地区第一種市街地再開発 東京都中央区 190m 55階 2010年度
晴海三丁目西地区
第一種市街地再開発 A2棟
東京都中央区 180m 51階 2012年度
晴海三丁目西地区
第一種市街地再開発 A3棟
東京都中央区 180m 51階 2012年度

[編集] 問題点

[編集] 長周期地震動との共振の可能性

超高層建築物の固有振動周期は低層の建物に比べ長いので、地震動の周期の長い海溝型巨大地震の地震動との共振の可能性が最近は指摘されるようになった。日本の超高層ビルの歴史は浅く、実際の海溝型巨大地震を経験した超高層ビルはない為に経験的予測はできず、シミュレーションに頼るしかない。 尚、超高層マンションの高層階では海溝型巨大地震の長周期地震動との共振に備えて家具の固定が推奨されている。

[編集] 脚注

[ヘルプ]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク