キャンピングカー

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キャンピングカー
(RV / モーターホーム)
キャンピングカー
いすゞ・ロデオキャブコンタイプ)
キャンピングカー
マツダ・ボンゴキャブコンタイプ)
キャンピングカー
トヨタ・ハイエースバンコンタイプ)
1981年、ニュージーランドのNambassa(ヒッピーの祭典)で目撃されたキャンピングカー

キャンピングカーは、一般的には、寝泊りできる設備を備えた車の日本での呼称である。 広義では米国Recreational vehicle(RV)、狭義では同様に米国での大型自走式「Motorhome(モーターホーム)」と同義。ま た欧州ではドイツ語で牽引タイプをWohnwagenやキャラバン、自走式をWohnmobilと呼んでいるが、これらを日本ではすべてキャンピングカーと呼ぶ。フランス語ではCamping-carは自走式のキャンピングカーを指す。

日本における概要[編集]

日本の道路運送車両法においては、特種自動車の使用目的3-4の「キャンプまたは宣伝活動を行うための特種な設備を有する自動車」(ここではキャンピング車と定義される)に該当すれば特種用途自動車に区分され、いわゆる8ナンバー登録が可能である。

以下架装形態での区分の一例。専門誌では「コンバージョン」の“バージョン”を削って「フルコン」「バンコン」と呼ばれたりもする。

フルコンバージョン
専用のシャーシに架装したもの。フルコンなどと呼ばれる場合があるが、シャーシを含めて自製されており、他社の完成車を改装したものではないため、正確にはコンバージョンでは無い。米国ではRVと呼ばれ、クラスAに相当する。ドイツではVollintegriertes Wohnmobil相当。全長は7メートルを超えるものもある。日本ではあまり普及していなかったが、昨今[いつ?]は自作するビルダーが日本にも増えてきた[要出典]
キャブコンバージョン
キャブ付きのシャーシに架装したもの。一般的にはトラックを改造したものが多い。昨今はワンボックス車のBピラーより後ろをボディカットして作られるものも多い。通称キャブコン。米国のクラスC相当。ドイツでは架装によりバンクのあるAlkovenやバンクのないTeilintegriertes Wohnmobilに相当。
バンコンバージョン
キャンパーバンともよばれる、ワンボックス車などの内装、屋根等を加工して架装したもの。乗車定員が10名以下で普通免許で運転できるものが多い。一般的にバンコンと呼ばれる。米国ではクラスB相当。ドイツではKastenwagen
バスコンバージョン
マイクロバスなどのバスに架装したもの。バスコン。窓が大きいため断熱性が低いと言われる。ドイツではWohnbusse
軽自動車キャンピングカー
軽自動車をベースにしたキャンピングカー。近年[いつ?]のキャンピングカーブームや団塊の世代の余暇で注目を浴びている。ベース車両の価格の低さ、低維持費、取り回し易さ、駐車場を選ばない、夫婦2人での使用が可能など、日本での使用スタイルにマッチしていることが人気の理由。このジャンルの中でもフルコンバージョン、キャブコンバージョン、バンコンバージョン、軽トラック用トラックキャンパーに分かれる。なお、軽登録のトラベルトレーラーも日本国産で少数ながら存在する。

法律上の区分[編集]

特種用途自動車の一種としてのキャンピングカー[編集]

キャンピングカーは法律上の特種用途自動車である必要はない。よって設備が必須かどうかは使用者の判断による。

一般的なキャンピングカーという定義は上記されているように寝泊りするための自動車である。これとは別に、日本では公道走行可能な車両の区分の一つの分類として道路運送車両法において、特種用途自動車という分類中に「キャンピングカー」という車両区分が定められている。あるカテゴリーの車両が、税金など法令上の諸条件の取り扱いを他のカテゴリーと区分して取り扱えるようになっているためのものである。

キャンピングカーが特種用途自動車の一種類として定められたのは、「所有者が日常的に頻繁に使うものではなく常用の車両を別途所有して納税している者がさらに追加で所有する車両である」といった認識から、日常的利用の乗用車や商用車とは税体系が異なる車両とされる免税措置的観点からであった。ところが、1980年代のRV(現代のSUV/ミニバン/ステーションワゴン相当)の流行時に、日常的利用の車両でも「キャンピングカー」として登録できることが一般に知れ渡り、これがRVの販売促進につながったことから、実質的には「特種用途自動車のキャンピングカー」に該当しない車両までもがこれを取得する状況が増加した。多くは単に税負担軽減目的での取得だった。このため、改正された法令が2003年に施行され、より厳密な構造要件が制定され、また排気量別の税体系に変更されたことにより税軽減のメリットは無くなり、先の状況は解消されている。

取得

道路運送車両法では、車両の「構造要件」が決められている。「特種用途自動車のキャンピングカー」にも特有の構造要件が定められている。

構造要件

寝台が必要である。乗車定員の3分の1以上の人数分の平坦な寝台の面積が必要である。走行中に寝台を使用してはいけない。よって寝台自動車として利用してはいけない。ただ、可動式であっても良く、通常は座席の状態となっているものが多い。

調理設備が必要である。最低でも「湯が沸かせること」が必要。流し台や、調理スペースと、調理をする人間がそこに立つことのできる空間が必要である。この点は先の構造要件改正時に厳密に再規定され具体的な寸法が要求されている。熱源(電気かガス)と水道設備(清水(=ホワイトタンク)と汚水(=グレータンク)の貯蔵設備と、その供給設備)が必要である。

権利義務

取得した区分に応じて、車両それぞれには法的な権利と義務が生じる。これは各区分に対して生じるものであるため、先のとおり寝泊りするためのキャンピングカー(実質上のキャンピングカー)は、それぞれが取得している車両区分によって法的権利と義務をもつものとなる。その車両が「特種用途自動車のキャンピングカー」であればそれに応じたものとなり、そうでなければ、それ相応の区分のものとなる。

「特種用途自動車のキャンピングカー」を取得しいわゆる8ナンバーを取得している車両であるのに、上記構造要件が揃っていない場合、つまり、取得時は構造要件がそろっていたにもかかわらず、ある時点で、寝台が使えないまたは湯沸しが出来ないなどの状態となっているのであれば、程度にもよるが、違法な状態とされ、摘発される可能性がある。このように取得時と実走行時の車両管理上違いがあれば8ナンバーに限らずすべて公道を走行する車両において道路運送車両法上の義務違反である。また同様に、保険会社との契約上では、8ナンバーの車両が8ナンバー構造要件を満たしていない状態で事故を起こした場合は申請時の内容と異なる条件であるため同様に8ナンバーにかかわらず保険金の支払には問題が生じることが考えられる。

「特種用途自動車のキャンピングカー」でないキャンピングカー[編集]

「特種用途自動車のキャンピングカー」でないキャンピングカーの場合は(たとえば1ナンバー、3ナンバー、4ナンバー、5ナンバーなどであれば)道路運送車両法上、上記「特種用途自動車のキャンピングカー」の構造要件の義務を負うことはなく、装備の有無は公道走行の可否に関連しない。近年は軽自動車のキャンピング仕様の完成車の販売も増加し、8ナンバーを取得せず、税や取得要件など軽自動車のメリットを生かしながら、ユーザーにキャンプ利用や長期旅を提供するような車両がメジャーなキャンピングカーメーカーから(当然ながら合法的に)販売されている。同様に8ナンバーでの税の恩恵の享受度合いも少なくなったため、自身でキャンプを楽しむ、旅を楽しむ車両仕様とした際にもその他の区分(1, 3, 4, 5ナンバー等)での登録も増加している。このようなキャンピングカー車両が法令上適法であるかどうかは「特種用途自動車のキャンピングカー」の構造要件ではなく、取得している区分の構造要件との比較となる。

近年[いつ?]の傾向[編集]

車中泊[編集]

本来の用途としての使用は大幅に減り、車中泊の可能な車という使用法がメインになってきている。この用途においてはバンコンバージョンに大変な人気があり、それ以外のタイプが用いられることはほとんどない。

設備も、シャワーやトイレが搭載されるケースは皆無で、温水ボイラーなども搭載されない。一般的なワンボックス車よりもフラットになるシートの搭載がメインとなり、他の装備は申し訳程度となったものが多い。よって、一般的なワンボックス車とあまり変わらないキャンピングカーも増えている。

こうしたキャンピングカーが増えた背景には道の駅の整備がある。風呂やトイレ、食事などは外部施設を利用し、寝る場所だけを確保する、といったように、キャンプとは関係なく、通常の旅行に用いられる。

オール電化[編集]

日本においては、プロパンガスの取り扱い基準が厳しく、補充に問題が出るケースもあることから、オール電化を目指す傾向がある。カセットコンロの採用、電気ボイラーの採用、ガスを用いない冷蔵庫ガソリンFFファンヒーターエアコンの採用などによって、車内で使用するエネルギー源を代替している。

設備[編集]

搭載される設備には、以下のようなものがある。

トイレ
個室がある場合とない場合があり、個室の場合もスペース効率の関係で、トイレとシャワー室を兼用したものが多い。臭気の問題や処理の容易さから、あくまで簡易な構造のものが多く、このトイレの汚物タンクを“ブラックタンク”という。また、据え付け型もあれば、溜めておく容器のついたポータブルトイレが設置されることがある。汚物の処理は煩雑であるが、トイレが無い場所でのキャンプなどでは重宝される設備である。
シャワー
シャワールームが無く、キッチンからシャワー水栓を車外に伸ばして、車外でシャワーを利用する簡易なタイプも多い。ただし、シャワーは使用水量が多く、大きな清水タンクが必要なためこれを取り付けないユーザーも多い。
シャワールーム
大型車両に装備される洗面台とトイレ、シャワールームを1つにまとめた設備。
冷暖房設備
エンジン付きの車両は、走行中はエンジンにより稼働するエアコンで冷暖房するケースもある。就寝時など、走行用エンジンを停止した場合や、走行用エンジンを持たないトレーラーでは、発電機を使用するか、キャンプサイトの商用電源を外部電源として利用し、ルームエアコンを稼動するものもある。暖房はFF式が一般的で、発電機やバッテリーでファンを回す強制循環方式と、電気を使用しない自然対流方式がある。
ギャレー(シンク
一般的な四角いものから、2つ付いているもの、球型もある。コンパクトな車種に装備する場合、座席下に引き出し式で装備して車外で使用する構造のものも存在する。特種用途自動車(8ナンバー)にする際、構造要件における必須装備のひとつであるが、2003年以降は、これ以外の必須要件も満たさないと、8ナンバー取得は不可である
冷蔵庫
ガスとバッテリー、AC100Vの3ソースがあるものを3way冷蔵庫と呼ぶ。何らかの方法でタンクに封入してあるアンモニアを熱し、それが気化する際の温度低下(気化熱)を利用し庫内を冷やす。気化後のアンモニアは冷えることによって液化しタンク内に戻る。このような構造のため冷却開始に時間がかかるため、家庭用とおなじコンプレッサー式の冷蔵庫もある。
ダイニングテーブル
ベッドを格納して、ダイニングルームとする場合が多いが、大型車両では専用のスペースとテーブルを持つものもある。
テレビビデオDVDプレーヤー
山間部や走行中等で電波状態が悪い場合もあるため、ビデオも搭載される場合が多い。ブラウン管式テレビデオが主流であったが、最近は薄型テレビDVDプレーヤーが小型で安価となっているため、それらが搭載されるケースが多い。
充電システム
エンジンルームの物とは別にバッテリーを備えているものが多く(同一物を使ったりすると、キャンプを楽しんでいざ撤収・帰宅という場合にバッテリーあがりでエンジン始動不能の憂き目に遭う)、エンジンがかかっている時の自車オルタネーター、発電機、外部電源(ランド、陸電)からの入力を切り替えるスイッチと、複数のバッテリー(サブバッテリー)への充電を制御するアイソレーターを持つものが多い。太陽電池パネルや風力充電するものもある。
発電機
大電力が必要なクーラーや電子レンジは、バッテリーでの駆動は難しく、大きなバッテリーであっても、極めて短時間な駆動が限界である。キャンプサイト等で外部AC電源が装備されている場合は問題ないが、外部電源をとれない場所でのキャンプは発電機を使う場合が多い。小型発電機を荷物室に積んでおいて、使用時に外に出して稼働させるケースが一般的であるが、小型発電機室を設け、そのまま発電させることがで出来るように、キャンピングカーメーカーが自ら設計・搭載した車種もある。
サイドオーニング
車体に取り付けられている、日避けテント
サイクルキャリア
自転車を積む設備。

これらの装備品は、ボートの呼び名に倣って、キッチンをギャレー、リビングをダイネット(ダイニング)ということもある。

類似車両[編集]

1966 Airstream Overlander International
トラベルトレーラー
トレーラーとその名の通り牽引タイプ。欧州、米国では従来このタイプが一般的であり、日本でも欧州や米国からの輸入が多い。日本でもそこそこ普及しているが、製作する日本の業者は極めて少ない。欧州ではWohnwagenもしくはキャラバンCaravanと呼ばれる。日本ではキャンピングトレーラーと言う呼び方が一般的である。
トラックキャンパー
ピックアップトラック・トラックの荷台や乗用車の荷室に載せるタイプのもの。着脱可能。キャンピングは可能だがキャンピングカーではない。車両に搭載した貨物扱いなのでナンバー変更不要。他の架装形態車より内部スペースが取りにくいと言われる。
プレジャーボート (Pleasure craft) などと同様、インフラの違いも含め、日本国外と日本国内を直接比較することは出来ない。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]