キャンピングトレーラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
キャンピングトレーラーの一例
ドイツ・エイフェルラント社製

キャンピングトレーラーとは、箱型の居室にドア、ベッドダイニングテーブルキッチントイレシャワーなど生活に必要な装備を一通り整えたトレーラーを言う。トラベルトレーラー (Travel trailer) とも言う。欧州ではWohnwagenもしくはキャラバンCaravanと呼ばれる。牽引する車両をトラクターと呼ぶ。

目次

[編集] 制動装置

牽引時短距離で停止するためにはトレーラーの制動も必要となるが、トレーラーの制動装置には、トラクターからの指令方式で大きく分けて3つの方式がある。主制動装置のほかに、駐車用の制動装置も備える。

ブレーキ無し
トラクターの主制動装置だけに頼る制動方式で、日本では総重量750kg以下のライトトレーラーのみ許可される方式。この場合、トレーラーの総重量はトラクター重量の半分以下であることが条件になっている。ボートバイクなど比較的軽量な物を運ぶトレーラーに多くみられる。ヨーロッパ製のトレーラーでは、軽量な小型車での牽引を想定していることから、安全上ブレーキ無しは少ない。
慣性ブレーキ式
ヨーロッパ製トレーラーで主流の制動方式で、トラクターが制動をかけ減速するとき、トレーラーがトラクターを押す力が発生し、その押す力によりトレーラーの車輪にブレーキをかける。駐車制動装置と主制動装置は同じ制動装置であることが多い。
制動方式にはテコの原理で慣性そのものを制動力とする方式と、独立したブレーキシステムを作動させる方式とが存在する。
電磁ブレーキ式
トレーラーの電磁ブレーキをトラクター側よりコントロールする。運転席でトレーラーのブレーキの利き具合を容易に調整できる。指令方式・ブレーキの機械的構造には数種類ある。発電ブレーキも存在する。

[編集] ヨーロピアンスタイル&アメリカンスタイル

制動方式のほかに、ヨーロッパ製トレーラーとアメリカ製トレーラーでは以下の相違がある。

カプラーボール径
アメリカ式のボール径は2インチ(50.8mm)であるが、ヨーロッパ式のボール径は50mmである。カプラー側が2インチのものであれば締め込み調整で50mmのボールに対応できてしまうが、規格が違い危険な為、専用品を使用しなければならない。アメリカ式の一部には、大型トレーラーと同様の5thホイール式や、3インチか2・5/16インチをピックアップトラックの荷台に設置したグースネック式のものもある。
電装コネクター
アメリカ式とヨーロッパ式ではトレーラーとトラクターを電気的に接続するコネクターの形状が異なる。トラクター側に両方式のコネクターを備えたものもある。
日本国内には統一規格がないためメーカーや輸入代理店ごとに異なる場合がある。
ヨーロッパ式はアクリル樹脂製の断熱2重構造の窓を採用するものが多いが、アメリカ式はガラス1枚の窓で冬季暖房時には結露することがある。

など

また、日本製も存在するが、大量生産ではなく極少数であることから、どちらかにあわせている(主にアメリカンスタイルが多い)。ただし、車体の構造は軽量化のため、アルミFRPを多用し、内装には断熱製の高い木材や樹脂が多用される、という特徴がある。

[編集] 装備

トイレ
シンク
冷蔵庫
ダイニングテーブル
  • トイレ
    • 薬剤を使用して消臭衛生処理を行う簡易式トイレを備える。大型ではカートリッジ式かダンブ式の排泄物タンクを用いるものが多く、処理の手軽さで開口した汚水マスに直接投棄出来るダンブ式が好まれてきている。
  • 暖房設備
    • 灯油もしくはガソリン使用のFF式暖房であるが、バッテリーでファンをまわす強制循環方式と電気を使用しない自然対流方式がある。
  • 冷房設備
    • 装置の小型化が進み常備するものも多いが消費電力が高いため、移動中は自然換気のみで商用電源完備のキャンプサイトなどの外部電源に頼るか、または発電機を装備して使用する場合ある。
  • シンク
  • 水栓
  • ガスコンロ
  • 冷蔵庫
    • ガス、バッテリー、商用電源(日本国内はAC100V)の3ソース対応のものが主流である。ガス方式はアンモニアの気化熱を利用したもので電源を必要としないためキャンピングトレーラーに最適な装備となっているが50L弱の小型のものになる。
  • シャワー
  • 洗面台(シャワーとトイレの兼用が殆ど)
    • 電動ポンプによりシャワーが使用可能。ボイラーにより温水を供給できるものもあるが、給湯量は少ない。排水タンクはシンク用と共用もしくは個別。
  • ダイニングテーブル
    • 小型のトレーラーではダイニングテーブルとベッドを兼用するものがほとんどである。
  • テレビビデオ
  • 電源装置
    • 50Ahから100Ah程度のディープサイクルバッテリーを電源として積載する。2-3日の滞在であれば補充電することなく過ごすことが可能。また、商用電源がある場所では接続して車内へ電気を供給することも可能。
  • 走行充電システム
    • 自動車走行中に充電する走行充電システムや、ソーラーバッテリーから補充電するシステムがついていることもある。
  • 発動発電機
    • 商用電源が利用できない、またはバッテリーだけでは容量が不足する場合に装備する。
  • サイドオーニング(外部の雨よけ日よけテント
  • サイクルラック(前部や後部に自転車を積む設備)

[編集] 日本国内での運行事情

トラクターに接続されたキャンピングトレーラー

[編集] 普通免許で牽引できるトレーラー

連結時全長12m以下、車両総重量750kg以下のトレーラーは普通免許で牽引できる(750kgを越えるものは牽引免許が必要)。 中には軽自動車で牽引可能なほど軽量なキャンピングトレーラーもある。

[編集] 牽引車登録

キャンピングトレーラーを牽引する際には、最寄の陸運支局でトラクターの牽引能力の書類審査と車検証への記載、またはトレーラーの車検証に牽引可能なトラクターの車種を記載する必要がある。近年規制緩和の一環として、ライトトレーラー(総重量750kg以下(慣性ブレーキ付きは1990kg))まではトラクター側の車検証備考欄の記載変更で不特定のライトトレーラを牽引できることになった。

[編集] 注意事項

キャンピングトレーラーに人を乗せたまま走行することは、総重量2000kg未満の場合、保安基準で規制されている為できない。2000kg以上のものでも、車検証に定員が記載されていない場合はできない。

牽引時にトラクター側に取り付ける牽引装置(ヒッチ)は、市販品が数多く取り揃えられ、ドリル等でトラクターの車体に穴を開け簡単に取り付けできる。

[編集] 自動車保険

車検時に責任保険はトレーラー自体で加入する必要があるが、任意保険についてはトラクターの任意保険でカバーされる場合がある。トラクターの任意保険がトレーラーに有効かどうかは個々の任意保険会社へ問い合わせ確認が必要である。自損事故に備える場合は車両保険に加入する必要があるが、トレーラーの保険金は割高である。

[編集] その他のライトトレーラー

グライダートレーラー

キャンピングトレーラーに類似したライトトレーラーとして、ボートヨットオートバイグライダーなどを運ぶものがある。

[編集] 関連項目

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語