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(りょう)は、学校学生のため、会社社員のためなどに設置する、多人数の住居である。

学生寮、社員寮、職員寮、僧寮などのほか、社会福祉政策としての母子寮などもあり、そのほかに救護施設も寮という呼称のものが多い。

共同生活を営むものが多く、法律上は寄宿舎に分類される。概ね、トイレ・浴場は共同である。食事食堂で朝晩、賄い人がついて提供される。そうでない場合は、各部屋ごとにバス・トイレ・キッチンがあり、自炊が可能である。寮費は、市中の不動産仲介業者を通して借りた部屋やアパートよりも、格安に設定されている(派遣での事例を除く)。

学生寮[編集]

社員寮[編集]

企業によっては、福利厚生の一環として、従業員に寮を提供している場合がある。未婚で一定年齢以下の従業員を対象に、「独身寮」と呼ばれる建物・施設が設置される場合が多いが、これに準じて単身赴任者を対象とした「単身赴任寮」が設置されている場合も多く、休日家族を呼び寄せ可能な構造となっている場合もある。また、独身寮に単身赴任者を居住させる場合もある。この場合、年齢制限は単身赴任者には適用されないのが一般的である。

寮の設置方法については、当該企業がその敷地内に設置しているものと、民間の不動産会社を通じて借り入れるものがある。前者の場合は賄い人により設備の維持管理が行われ、食事も支給されるところが少なくないが、後者の場合は賄い人がつかないため、設備の維持(主に修理)に関して企業を通じて交渉する以外、従業員が独自で対応するなど、賃貸契約設備保守に伴う費用負担以外(光熱費電話の契約など)は従業員自身で行う。この場合、賃貸料は企業・従業員の折半(給与から差し引く)とする場合が多い。前者の例は近年減少傾向にあり、設備の維持管理が外部委託される例が増えている。給食サービスなどは社員食堂の営業時間変更で対応されることもある。

企業が「社員寮」を設置するのは、主として人材確保や人材の定着、規律や研修などが目的であることが多い。バブル経済崩壊の金融ビッグバンの中で減損会計制度が導入され、多くの大企業は保有している不動産資産や維持コストの削減に迫られ、「社員寮」を売却処分した。

派遣での社員寮[編集]

製造業派遣などでよく見られる、派遣元会社が登録派遣社員に対して入居させている寮については、通常のアパート / マンションを、派遣会社名義で通常の賃貸契約でただ単に借り上げており、敷金礼金や退出費や更新料も請求され、普通に個人が賃貸をする場合と変わりがない料金である場合が多い。

給与水準から見て明らかに不釣り合いな高額なマンションがあてがわれても拒否することはできないなど、居住先に選択の自由はなく、家賃などは寮費と称して強制的に給与から天引きされる。場合によっては相場より高額の家賃が寮費や諸経費の名目として引かれて差額は派遣会社のマージンとなっており、福利厚生という意味合いとはかけ離れている場合も多い。

突然の「雇い止め」などが生じた場合、即時あるいは1ヶ月程度以内に退居せざるを得ず(派遣元からもそのように通告される)、社会問題化している[1]

新潟・某スキー場バイト寮(1991年1月)

脚注[編集]

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  1. ^ 「ワーキングプアと偽装請負」しんぶん赤旗日曜版取材チーム(著)、朝日新聞2013年9月24日東京本社版朝刊「リーマンショックから5年 派遣切りの記憶 今も」

関連項目[編集]