高層建築物

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高層建築物(こうそうけんちくぶつ)は、高さによって建築物を区分する際の一区分で、中層建築物を超える高さを有する建築物を指す。超高層建築物と区別する場合には、中層と超高層の間の高さを有する建築物を指す。高層ビル(こうそうビル)ともいう。

定義[編集]

高層建築物は、高さによって建築物を区分する際の一区分であるが、具体的にどの範囲の高さの建築物を指すかについては種々の定義がある。一般的には、国土交通省の法令の運用などに基づき、6階以上の建築物を高層建築物と呼ぶことが多い。主要な定義には以下のものがある。

都市計画法施行令では、一団地の住宅施設の都市計画については、住宅の低層、中層又は高層別の予定戸数を定めることとされており(第6条第1項第7号)、実務上、低層は1~2階、中層は3~5階、高層は6階以上とされている。

建設省が1995年に策定した「長寿社会対応住宅設計指針」(建設省住備発第63号)[1]においても、「6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置するとともに、できる限り3~5階の中層住宅等にもエレベーターを設ける」と規定されており、6階以上が高層住宅とされている。指針であるので、法的拘束力は無いが、条例等策定の根拠となっている。

消防法では、高層建築物を「高さ31mを超える建築物」と定義している(第8条の2)。

建築基準法では、高層建築物についての定義はない。ただし、高さ60mを境にして建築物の構造耐力について異なる基準を定めているため(第20条)、高さ60mを超える建築物が超高層建築物であると解釈する場合がある。この場合には、高層建築物の上限は高さ60mであると考えることができる。ただし、超高層建築物はより高い建築物(高さ100m以上、高さ150m以上など)として定義されることもある。

地方公共団体では、条例などによって高層の定義をそれぞれ決めていることもある。

歴史[編集]

日本[編集]

出雲大社の本殿は社伝によると初期創建当時には32丈(約96m)の高さであったという。その後、16丈(約48m)の高さにされ、11世紀から13世紀の間に11回倒壊したと伝えられている。法隆寺五重塔(高さ31.5m)も約1500年ほど前に建てられた高層建築物である。東大寺の七重塔は70m以上の高さであったとされる[2]平安時代の1083年に建立された法勝寺の八角九重塔(室町時代に焼失)は約81mの高さであったと推定されている[3]

足利義満により建立が進められた京都相国寺の八角七重塔は、高さ360尺(約109m)あったとされる。応永6年に完成したこの塔は、応永10年、落雷によって焼失し、極めて短命であった。

明治23年に建てられた高さ52mの浅草凌雲閣が日本で最初の西洋式高層建築といえる[4]。大阪にも明治21年に浪速区に建てられた高さ31mの眺望閣、明治22年に北区に建てられた高さ39mの凌雲閣があり、「キタの九階、ミナミの五階」と呼ばれた[5]

中間階機械室[編集]

マンションホテルオフィスビルなど10階建て以上の建築物では、建築設備上の要求から、中間階に空調設備やエレベータ設備のための機械室が設けられることがある。このような場合には、通常の利用者はその階で乗降する必要はないので、旅客用エレベータは停止せずに素通りし、その階の表示もしていないケースが多い。このように、実際には存在していても、一般には利用されずに、エレベーターの行き先にも表示されない階のことを「ゴーストフロア」と呼ぶことがある。

特に、13という数字は世界的に見ても縁起の悪い数字であり、13階は中間階機械室を設けるのに適した高さでもあることから、このような機械設備を13階に設け、通常の利用者が13階を利用しないようにすることも多い。この場合には、エレベーターの行き先にも13階という表示がないことになる[6]

脚注[編集]

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  1. ^ 長寿社会対応住宅設計指針
  2. ^ 一部文献には「33丈」(約100m)としたものがあり、これに近い復元もなされていた。2004年に研究者が発表した論文ではこの復元通りの建築は当時困難であったことが指摘され、別の文献にある「23丈」(約70m)と推定している(箱崎和久「東大寺七重塔考」『東大寺創建前後 ザ・グレイトブッダ・シンポジウム論集第二号』東大寺、2004年)
  3. ^ 「法勝寺八角九重塔」はどっしり型?京都新聞2011年7月28日
  4. ^ 高層建築研究会編 『巨大高層建築の本』 日刊工業新聞社 2003年7月31日初版1刷発行 ISBN 4526051624
  5. ^ 大阪NOREN百年会 瓦版第2号
  6. ^ 2008年9月13日放送 世界一受けたい授業

関連項目[編集]