バベルの塔
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バベルの塔(バベルのとう、ヘブライ語:מגדל בבל、英語:Tower of Babel)は旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔。保守的なキリスト教会以外では史実ではなく伝説上の話とされる。
古代メソポタミアの中心都市であったバビロン(アッカド語で「神の門」の意味)にあったといわれ、古代メソポタミアに多くみられたジッグラトという階段状の建造物だとも言われる[1]。
実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画はバベルの塔ともいわれる[2]。
西洋美術上の題材の一つであり、16世紀の画家ピーテル・ブリューゲルが描いた絵画が有名である。
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[編集] 出典
[編集] 旧約聖書
バベルの塔の記事は旧約聖書の「創世記」11章にあらわれる。位置的にはノアの物語のあとでアブラハムの物語の前に置かれている。そこで語られるのは以下のような物語である。
もともと人々は同じ1つの言葉を話していた。シンアルの野に集まった人々は、煉瓦とアスファルトを用いて天まで届く塔をつくってシェム(ヘブライ語、慣習で「名」と訳されている。名誉・名声の意味も有る)を高く上げ、全地のおもてに散るのを免れようと考えた(偽典の「ヨベル書」によれば、神はノアの息子たちに世界の各地を与え、そこに住むよう命じていた)。神はこの塔を見て、言葉が同じことが原因であると考え、人々に違う言葉を話させるようにした。このため、彼らは混乱し、世界各地へ散っていった(『創世記』の記述には「塔が崩された」などとはまったく書かれていないことに注意)。「創世記」の著者は、バベルの塔の名前を「混乱」を意味する「バラル」と関係付けて話を締めくくっている。
原初史といわれ、史実とは考えられないアブラハム以前の創世記の物語の中で、バベルの塔の物語は世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であると考えられている。と、同時に人々が「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを」用いたという記述から、古代における技術革新について触れながらも、人間の技術の限界について語る意味があると考えられる。
“かつて人間は、皆一つの同じ言葉を使い、同じように話していた。彼らは東方に移動し、南メソポタミア地方のシンアルの地に平野を見つけて、そこに住みついた。彼らは石の代わりにレンガを、しっくいの代わりにアスファルトを用いることができるようになった。 彼らは言った。 「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」 こうして人々は、天まで届く、高くて大きな塔の建設に着手した。だが、このような人間の企てを神が見過ごすはずがなかった。神は下ってきて、人間が建てた塔のあるこの町を見て言った。 「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているからこのようなことをしはじめたのだ。これでは、彼らが何を企てても妨げられない。ただちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」 この神の決断によって、人々は同じ言葉で話せず、相互に意思疎通を図ることができなくなってしまった。言語による人々の統制も不可能になった。その結果、人類は全地に散っていかざるを得なくなった。こうして人々は、この町の建設をやめたという。
塔の建設を企て、神の怒りを買ったこの町は、バベルと呼ばれた。神がそこで言葉を混乱(バラル)させ、またそこから人々を全地に散らしたからである。 この物語は、バベルの塔を建てようとした人間のおごりに対して、神が審判を下した結果であり、世界中に多くの言葉が存在することの理由として、しばしば語られている。 しかし、この物語が持つメッセージは、それだけではない。 この町の名であるバベルは、古代メソポタミアにおいて絶大な権力をふるったバビロニアの首都バビロンのヘブライ語の形であり、アッカド語では「神々の門(バブ・イリ)」を意味した。そして、そのバビロンには実際に、巨大な塔がそびえ立っていたのである。この塔は、ジックラトと呼ばれる階段状の建造物であった。バビロンは、当時まさに神々の世界と地上とをつなぐ、世界の中心と理解されていた。 古代イスラエルの人々は、このバビロニアのジックラトを知っていた。そして、バビロンに対する強烈な批判を、この物語に込めたのである。絶大な権力と文明を誇るバビロンは、世界の中心として人々を統治するかに見えて、実は「混乱」の源にほかならないと。 この教訓があるにもかかわらず、人類は、いつの時代にも巨大な建物を建てようとする。それは、建物の威容が権力の象徴と容易に結びつくからかもしれない。”(『図説 聖書の世界』P36~38 月本昭男・山野貴彦・山吉智久著 学研)
[編集] ラビの伝承
ラビ伝承によるとノアの子孫ニムロデ(ニムロド)王が、神に戦いを挑む目的があり、剣を持ち、天を威嚇する像を塔の頂上に建てたという。
[編集] 絵画
前述のように、西洋美術上の題材の一つであり、下記の画家による作品などが知られている。
[編集] タロットカード
タロットカードで最も悪い札とされる「XVI 塔」は、このバベルの塔がモチーフになっているという説がある。[要出典]
[編集] 音楽
- バベルの塔をテーマした7つの楽章からなる組曲。総演奏時間は約12分。初演は2006年にレメンス音楽院シンフォニックバンドで、作曲者の卒業作品として自作自演された。日本では秋山和慶指揮・大阪市音楽団のライブ録音が2007年にCD化されている。
- 2008年現在、全日本吹奏楽コンクールでは中高生を中心に人気を集めている楽曲の一つとされている。
[編集] その他のフィクション作品
[編集] 映画・ドラマ・アニメ・漫画・小説
- 相棒
- 2007年の新春スペシャルのタイトル。冒頭での語りや最後の杉下右京の話にも登場する。
- ギャラリーフェイク
- 22巻「メソポタミアを統べる者」
- ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密〜銭形姉妹への挑戦状
- ケータイ刑事 銭形シリーズの映画版第1作目のタイトルの一部と主役が監禁された施設の名前。作中のバベルの塔は塔ではなく1階建ての建物でありキングアンドリウ曰く縦ではなく横に建てたということになっている。
- ナイトウィザード The ANIMATION
- 魔王エイミーが大魔王(破壊神)シャイマールを召喚するための装置として建設した塔。建設中で召喚を強行するが、最終的に破壊される。
- バビル2世
- アニメ版ではバビルの塔と呼ばれる。古代に地球に漂着した宇宙人が、母星と連絡を取るために現地人に建てさせた通信施設だったが工事ミスにより崩壊したという設定。主人公のバビル2世は、普段はこの塔に住んでいる。
- ふしぎの海のナディア
- バベルの塔は古代に恒星間通信を行う施設として複数本存在したとする設定。太古の戦争において反射衛星砲に改造され兵器として使用された。
- ブラックロッド
- ブラッドジャケット、ブライトライツ・ホーリーランドと続く、古橋秀之のSF小説。バベル型積層都市と呼ばれる、巨大な塔型の都市「ケイオス・ヘキサ」を舞台としている。「神(天)にいたる塔」という暗喩がこめられている。
- メトロポリス
- 1926年エリッヒオ・ポマー製作、フリッツ・ラング監督、ドイツ・ウーファー社の無声映画「メトロポリス」でラング監督はバベルの塔の寓話を象徴的にヒロインのマリアに語らせている。
- モンタナ・ジョーンズ
- 第12話でバベルの塔の財宝について調査する話が存在する。この中ではバベルの塔が地下に埋もれたという設定になっていた。
- ルパン三世 バビロンの黄金伝説
- メソポタミアの古代都市「バビロン」において、都市滅亡前に神の手によって国内の財宝を全て集めて作られた黄金の塔として登場する。
[編集] ゲーム
- アクトレイザー2 沈黙への聖戦
- アクションステージの1つに「バベルの塔」という塔がある。ボスは人間が作った機械の神「デストラクター」
- 巨人のドシン
- バルド島の島民達が最後に造り上げるモニュメント。
- シムシティ+(都市開発シミュレーションゲーム 日本語版はハドソン)
- 携帯電話版で、フリープレイモードのモニュメントとして登場、選択できるようになっている。
- DOOM
- エピソード2ボス、サイバーデーモンのステージ名が「Tower of Babel(バベルの塔)」
- 女神転生IMAGINE
- 東京大破壊から逃れた人々が、「七人の賢者」の導きにより建築した巨大な建造物を「新宿バベル」と呼んでいる。
- バベルの塔
- 1986年にナムコが発売したファミコン用アクションパズルゲーム。L時のブロックを組み合わせてフロアを脱出し、塔頂上にあるという空中庭園を目指す。
- ロストワールド(カプコンのアーケードゲーム)
- ステージ8のボス「風神・雷神」の戦闘シーン背景、次の最終ステージ背景、及びラストボス「天帝バイオス」の戦闘シーン背景が、ブリューゲルの描いたバベルの塔がモチーフと言われている。
- ワイルドアームズシリーズ
- ダンジョン名に「カ・ディンギル(シュメール語での「バベルの塔」の意)」や「エ・テメン・アン・キ」といったバベルの塔に関する単語が登場する。
[編集] 注釈
- ^ いのちのことば社刊 新キリスト教辞典(著:宇田進)、みすず書房刊 聖書の考古学 ノアの箱舟とバベルの塔(著:アンドレ・パロ)。
- ^ 岩波書店発刊 広辞苑-第四版-2095頁、項目「バベルの塔」より。

