衣紋掛け

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衣紋掛け(衣紋掛、えもんかけ)とは、振袖などの衣服(衣紋)を干すために掛けておく際に用いる道具[1]

概要[編集]

和装用の衣紋掛けは、割竹や矢竹などの細い丸竹を材料とし、その中央部に穴を開けて紐を通して一点で吊るすようにしたものである[2]

衣紋棹」あるいは「衣紋竹」と呼ばれることもある[2]

主に、和装をつるすために使われる直線状の棒の中心に吊るすための紐などを結わいつけて有るものをさし、棒の長さは一般的な洋装用のハンガーの倍程度である。

ハンガー[編集]

より広く洋装用のハンガーのことも含めてを衣紋掛けと呼ぶこともあり、衣文掛けあるいはエモン掛けとも表記されることもある。ただし、「ハンガー」という場合には、広い意味では吊り下げる形で保管するための器具をすべて含み、コートを引っ掛けるためのフック付のポールでできているコートハンガー(ポールハンガー、コートツリー)や三角形のハンガー(洋服掛け)を多数掛けられるようにしたパイプハンガー(ハンガーラック)やラウンドハンガーなどを指すこともある。また、ベルトハンガー、ネクタイハンガー、ズボンハンガー、ソックスハンガー、傘ハンガー、ハットハンガー、バッグハンガー、タオルハンガーといったものもあるが、いずれも衣紋掛けとは呼ばれない。

衣桁[編集]

衣桁(衝立式)

衣紋掛けは着物を掛けるために使う衣桁(いこう)のことをさす場合もある。ただし、本来、衣桁は、着物を掛けておくために用いる、鳥居のような形をした家具をいう。1枚の衝立式のものと、中央の蝶番で2枚に折りたたむ屏風式のもの(衣桁屏風)とがある。高さは2mほどで、和室の隅に置く。黒塗りや朱塗りのもの、また蒔絵を施したもの、帽子掛けが付けられたものもある。古くは「衣架(いか)」などと称した。現在 一般家庭では見ることは少ないが、嫁入り道具の一つであった時代もあり、今でも呉服店、またお見立て会などで見ることができる。

脚注[編集]

  1. ^ きもの初心者ガイド えり正
  2. ^ a b 岩井広實監修、工藤員功編 『絵引 民具の事典』 p.163 2008年