外国人

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外国人(がいこくじん、Alien=#英訳を参照)とは、居住または滞在している国の国籍または市民権を有しない者のこと。

概要[編集]

外国」人と言っても、通常は、外国の国籍を有しているか否かではなく、自国の国籍を有しているか否かを問題にする(日本国籍法でもこの定義である)。そのため、自国との多重国籍者は外国人に含まれず、無国籍者や、国家と認められていない地域の市民は外国人に含まれる。

外国人は一般に、就職や財産の所有、参政権などにおいて制約を受けるが、基本的な権利については多くの国で保障されている。外国人は帰化してその国の国籍を得て国民になれば、国民としての全ての権利を基本的には享受できるようになる。ただし旧国籍法下の日本、アメリカ合衆国など帰化国民の権利(主に被選挙権、公務就任権)を一部制限する国も存在する。

外国人は滞在期間中、母国ではなく滞在する国の法律に従うことが求められ(治外法権が認められている在外公館などを除く)、在留外国人登録することが義務づけられている。犯罪を犯した外国人は国外追放される場合がある。1950年前後のマッカーシズム赤狩り)時代のアメリカでは政治的理由で多くの共産主義者無政府主義者の外国人が国外追放された。

外国人は犯罪歴や病歴、出身国によって入国を拒否される場合がある(アメリカにおけるナチ関係者の入国拒否)。交戦中の国の場合、敵国の国民は入国拒否され、時には収容所へ隔離・収容されることもある。ギリシャ内にあるアトス自治修道士共和国は宗教上の理由から女性と21歳未満の男性を特定の日を除いて入国を禁じている。

外国人は、滞在先の国で迫害を受けたりした場合には、母国に助けを求めることがある。例えば1913年にアメリカで可決された外国人土地所有禁止法に対して当時の日本の大使が日系移民を保護するために抗議している。その一方で、外国人にとって滞在先の国は母国における政治的迫害貧困から逃れる場、難民をかくまってくれる場になることもある。

永住外国人、定住外国人[編集]

多くの政府は、旅行客などの短期間の滞在者と長期間滞在して就業する外国人とを区別し、後者により多くの権利を享受できるように配慮している。居住資格を得た外国人その国の国民と同等の権利を享受できる。ただし、外国人参政権、公務就任権、福祉サービス(特に現金受給型のもの)の受給権などは制限されることが多い。

戦前から日本に居住している平和条約国籍離脱者(朝鮮人・韓国人及び台湾人)とその子孫を対象とする制度は、特別永住者を参照。

外人という略称についての批判[編集]

外国人を省略した外人(gaijin)という言葉が批判の対象になることがある。本来、外国人の略語[1]に過ぎずなんら差別的な意味合いはない[2]のだが、一部に不快に感じる外国人が存在する。彼らへの配慮から、日本人でも外人という言葉を避けて、外国人を使うケースが見られる。外国人が不快に感じることがある理由として、英語などの外国語では言葉の短縮形が蔑称としてとらえられる(例:Japanese→Jap)ことがあるため、日本語でもそうであると誤解されているケースや、単純に外人であることで日本社会から疎外されていると感じるケースなどがある。

英訳[編集]

和英辞典ではその種類によって選択される訳語が異なる(例:Exciteの翻訳ではForeigner、Yahoo! JAPAN及びInfoseekの翻訳ではa foreigner、Googleの翻訳ではalienになる)。なお、ジーニアス英和辞典におけるalienの項目では、alienは法律上の公式的な言葉で、foreignerが一般的と解説されている。法律上の場合の訳も国によって異なる。米国ではalienもforeign nationalも使われているのだが、英国の場合はalienが使われておらずforeign nationalを使うことになっている。そして英語圏ではalienの一般的な意味が「宇宙人」や「異星人」なので注意が必要なのである。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 外人は、外国人を略した俗語 (類語研究会『似た言葉使い分け辞典』、創拓社出版、1991年、652 ページ より引用)
  2. ^ 「外人墓地」や「外人部隊」など公的な名称としても長く使われており差別的な意味合いはなかったことは明らかである。これらも外国人に配慮して外国人墓地、外国人部隊と呼び変えることがあるが、伝統を重視して旧来の呼び方もされる