日本語能力試験
| 日本語能力試験 | |
|---|---|
| 英名 | Japanese Language Proficiency Test |
| 略称 | JLPT、日能試 |
| 実施国 | |
| 資格種類 | 民間資格 |
| 分野 | 日本語 |
| 試験形式 | 筆記試験 |
| 認定団体 | 財団法人日本国際教育支援協会・独立行政法人国際交流基金 |
| 認定開始年月日 | 1984年 |
| 等級・称号 | N1 - N5(2009年まで1級 - 4級) |
| 公式サイト | http://www.jlpt.jp/ |
日本語能力試験(にほんごのうりょくしけん、Japanese Language Proficiency Test、略称JLPT、日能試)は、財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催の、日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験である。日本を含め世界58カ国・地域(2010年(平成22年))で実施。日本語を母語としない人を対象とした日本語の試験としては最も受験者の多い試験である。
目次 |
[編集] 概要
1984年(昭和59年)開始。最上級のN1から最下級のN5まで5段階のレベルがある(2009年(平成21年)までは1級-4級の4段階)。7月上旬(日本国内及び日本国外の一部の都市のみ)と、12月上旬(全地域)に試験が実施されている(2008年(平成20年)までは年に1度(12月第1日曜日)の実施であった)。
日本国内では日本国際教育支援協会が、海外では国際交流基金が現地の機関と共同で試験を実施している。開始当時は世界15カ国・地域で約7,000人の受験者であったが、年々受験者数が増加し、年2回となった2009年(平成21年)は年間のべ約77万人が受験した。試験が大幅にリニューアルされた2010年(平成22年)は受験者が初めて減少したものの、58カ国・地域で年間のべ約61万人が受験した。
解答はすべて4択のマークシート方式である。問題レベルはすべて日本語を母語としない外国人が日本語を学習するカリキュラムに基準を合わせているため、日本語を母語とする人が通常学ぶ国語の教育カリキュラムとは合わない。
日本語を母語としない者の場合、日本の国立大学への派遣留学には日本語能力試験1級を要求されることが多い(日本人がアメリカ留学に際して、TOEFLで高得点を獲得した証明を要求されるのと同等)。なお、正規留学・私費留学などには日本語能力試験ではなく日本留学試験を受けなければならない(2002年(平成14年)から。ただし一部の志望学校では日本留学試験を行わない国の志望者に対し日本語能力試験の成績を認めるなど例外措置もある)。2008年(平成20年)1月19日、政府は日本へ長期滞在する外国人の査証発給審査で日本語能力試験の成績を要件として加えようと検討中であると発表した。
韓国のYBM Si-saが実施しているJPT日本語能力試験とは異なる。
NPO法人日本語検定委員会が実施している日本語検定は、主として日本語母語話者を対象としている民間の検定試験で、日本語能力試験とは別の検定である。
[編集] 受験級
[編集] 現在の受験級
2010年(平成22年)の改正で、N1-N5の5段階になった。2010年(平成22年)7月はN1-N3レベルのみ、2010年(平成22年)12月以降は全レベルを実施している。「N」は「Nihongo(日本語)」「New(新しい)」を表している。
| レベル | 認定の目安 | 試験科目と時間 | 旧試験との比較 |
|---|---|---|---|
| N1 | 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる。 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解110分、聴解60分 | 旧試験の1級よりやや高めのレベルまで測れる。合格ラインは旧試験とほぼ同じ。 |
| N2 | 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解105分、聴解50分 | 旧試験の2級とほぼ同じレベル。 |
| N3 | 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。 | 言語知識(文字・語彙)30分、言語知識(文法)・読解70分、聴解40分 | 旧試験の2級と3級の間のレベル。 |
| N4 | 基本的な日本語を理解することができる。 | 言語知識(文字・語彙)30分、言語知識(文法)・読解60分、聴解35分 | 旧試験の3級とほぼ同じレベル。 |
| N5 | 基本的な日本語をある程度理解することができる。 | 言語知識(文字・語彙)25分、言語知識(文法)・読解50分、聴解30分 | 旧試験の4級とほぼ同じレベル。 |
[編集] 2009年までの受験級
学習時間数が基準として示されていた。
- 1級 - 高度の文法・漢字(2,000字程度)・語彙(10,000語程度)を習得。社会生活をする上で必要な、総合的な日本語能力。900時間程度学習したレベル。
- 2級 - やや高度の文法・漢字(1,000字程度)・語彙(6,000語程度)を習得。一般的なことがらについて、会話ができ、読み書きできる能力。600時間程度学習し、中級コース修了したレベル。
- 3級 - 基本的な文法・漢字(300字程度)・語彙(1,500語程度)を習得。日常生活に役立つ会話ができ、簡単な文章が読み書きできる能力。300時間程度学習し、初級コース修了したレベル。
- 4級 - 初歩的な文法・漢字(100字程度)・語彙(800語程度)を習得。簡単な会話ができ、平易な文、又は短い文章が読み書きできる能力。150時間程度学習し、初級コース前半を修了したレベル。
日本語教育センター(無所属)が発表している学習時間数:
| レベル | 漢字文化圏の学生 | 他の学生 「漢字圏外の国から」 |
|---|---|---|
| 1級 | 1800-2300 時間 | 3100-4500 時間 |
| 2級 | 1100-1500 時間 | 1400-2000 時間 |
| 3級 | 375-475 時間 | 500-750 時間 |
| 4級 | 200-300 時間 | 250-400 時間 |
全国内生徒の1級取得学習時間数は2017時間でした。 「その中の約93%の生徒は漢字文化圏の学生です。」
[編集] 得点区分と合格点
2010年(平成22年)の改正より、得点はすべて点数等化による「尺度点」によって出されている。このため、試験の難易に関わらずどの回で受験しても同じ能力であれば同じ得点になるとされる。また、得点区分は試験時の試験科目(時間割)と異なっている。N4とN5の得点区分が「言語知識(文字・語彙・文法)」と「読解」で一つになっているのは、2つの能力で重なる部分が多いため、「読解」単独で得点を出すよりも「言語知識(文字・語彙・文法)」とまとめて得点を出す方が良いからとされている。
各級とも総合得点が合格点以上かつ、各得点区分が基準点以上であれば合格となる。合格点は、N1-N3は2010年(平成22年)8月30日に、N4-N5は2011年(平成23年)1月31日に発表された。
N1-N3
- 言語知識(文字・語彙・文法)(0点-60点)
- 読解(0点-60点)
- 聴解(0点-60点)
N4~N5
- 言語知識(文字・語彙・文法)・読解(0点-120点)
- 聴解(0点-60点)
| 総合得点 | 言語知識(文字・語彙・文法) | 読解 | 聴解 | |
|---|---|---|---|---|
| 得点範囲 | 0-180 | 0-60 | 0-60 | 0-60 |
| N1 | 100点 | 19点 | 19点 | 19点 |
| N2 | 90点 | 19点 | 19点 | 19点 |
| N3 | 95点 | 19点 | 19点 | 19点 |
| 総合得点 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解 | 聴解 | |
|---|---|---|---|
| 得点範囲 | 0-180 | 0-120 | 0-60 |
| N4 | 90点 | 38点 | 19点 |
| N5 | 80点 | 38点 | 19点 |
[編集] 出願
日本国内で受験する場合の出願は、7月受験は3月下旬から4月に、12月受験は8月下旬から9月に受け付ける。『受験案内』を大手書店などで購入(500円)し、ゆうちょ銀行または郵便局にて受験料(5,500円)の払い込みを済ませた後、特定記録郵便で必要書類を送付する。協会から受験票を返送するための日本国内の住所を記入する必要があるため、住所がない場合は日本国内に住所を持っている代理人を立てる必要がある。どの級も同じ時間帯に試験を行うので、複数の級をまたがって出願することは出来ない。
受験会場は受験者が願書に記入した「希望受験地区」と住所欄の「郵便番号」を基に協会が指定する。
日本国外で受験する場合は現地機関が独自に受付を行っているため、申し込み方法や締切日などが日本国内で受検する場合と異なっている。また、いかなる理由があっても出願先の国と異なる国で受験することは出来ない。
[編集] 合否結果
試験の結果は、試験の翌々月上旬に日本から発送される。そのため日本国外で受験した場合は到着に多くの日数を要する。日本国内の受験者の場合、「合否結果通知書」と合格者にのみはがき大の「日本語能力認定書」が送られる。また、企業などへ提出するための証明書であるA4サイズの「認定結果及び成績に関する証明書」は、前述の2書類到着後、どちらかのコピーと所定の手数料を払って請求すれば受けられる。日本国外の受験者の場合は成績書類の様式や手続きの方法が異なる。
[編集] 国別受験者数
2010年(平成22年)に実施された日本国外での受験者数は以下の通りである[3]。あくまで受験地別の分布であり、受験者の国籍を表したものではない。
| 国・地域 | 受験者数 | 構成比 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 7月 | 12月 | 合計 | |||
| 中国 | 100,983 | 143,756 | 244,739 | 51.5% | |
| (内訳) | 中国本土 | 97,999 | 133,910 | 231,909 | 48.8% |
| 香港 | 2,984 | 9,602 | 12,586 | 2.6% | |
| マカオ | - | 244 | 244 | 0.1% | |
| 大韓民国 | 44,170 | 49,824 | 93,994 | 19.8% | |
| 台湾 | 15,985 | 37,658 | 53,643 | 11.3% | |
| ベトナム | 2,954 | 12,025 | 14,979 | 3.2% | |
| タイ | 2,715 | 10,978 | 13,693 | 2.9% | |
| インドネシア | 985 | 7,384 | 8,369 | 1.8% | |
| その他 | 2,120 | 43,652 | 45,772 | 9.6% | |
| 海外計(57カ国) | 169,912 | 305,277 | 475,189 | 100% | |
| 日本国内 | 53,100 | 79,682 | 132,782 | - | |
[編集] 出典・脚注
- ^ (財)日本国際教育支援協会2010年 第1回 日本語能力試験 実施案内により作成
- ^ “JLPT学習時間数の比較データ「1992-2010年」”. 日本語教育センター. 2011年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月25日閲覧。
- ^ 日本語能力試験公式ページを参考に作成