医療
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医療(いりょう)とは、人間の健康の維持、回復、促進などを目的とした諸活動について用いられる広範な意味を持った語である。
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[編集] 概説
医療は人の健康の維持、回復、促進などを実現するための活動で、一種のart(技、わざ)であるともされ、science(学問、知識)である医学とは対比されることがある。
医療の活動は医療活動などと呼ばれ、医療の行為は医療行為と呼ばれる。それに関する技術などは医療技術などと呼ばれる。
医療と一口に言ってもただ患者の病気の治療だけでなく、その病気の予防やリハビリテーションも含める。当然ながら、看護師などによる看護活動(看護過程)、薬剤師の調剤及び服薬指導、医師・歯科医師の指導の下に行われる管理栄養士による疾病者への栄養指導、OTC薬販売における登録販売者の指導や助言なども、医療と呼べるものであろう(医療行為の項を参照)。
さらにさまざまな人によるさまざまな行為が医療に属していると考えられ、例えば心臓発作などは急に発症し、そのままでは死に至ることもあるので、早期の医療が必要であり、無資格者等による気道確保・人工呼吸・心臓マッサージも必要であり、救急車での搬送中には救急救命士による救急医療などが必要となる。
近年では、医療は「通常医療」(conventional medicine)と「代替医療」(alternative medicine)に大分類されることが増えており、両者を統合した医療は「統合医療」と呼ばれている。(→#医療の大分類 )
また、医療はその目的ごとに呼び分けられている。例えば、緊急の処置を行うことを主たる目的とした医療は「救急医療」と呼ばれ、治療よりもむしろ症状の緩和を目的とした医療は「緩和医療」と呼ばれている。
仕事として医療に携わる人々は医療従事者と呼ばれている。(→#医療従事者 )
医療を行うための施設は医療施設と呼ばれている。例えば診療所、病院、助産所、施術所、薬局などがある。(→#医療施設 )
[編集] 医療の大分類
医療は「通常医療」と「代替医療」に大分類されることが一般的である。これら二つを統合したものが統合医療である。学術分野で用いられる正式名称および元になっている英語表現は次のとおりである。
- 通常医療 ( conventional medicine )
- 補完・代替医療 (CAM:Complementary and Alternative Medicine ) (補完医療complementary medicineおよび代替医療alternative medicineをまとめてひとつの語とするのが学術的な表現なのである)
- 統合医療 (integrative medicine)
(欧米から発信されている用語なので)「通常医療」とは、おおむね西洋医学による医療のことを指している[1]。
「代替医療」という表現は、通常医療に代わり得る医療、という意味が込められており、そこには伝統医学から民間療法まで様々な療法が含まれているが、ほぼ共通して見られるひとつの特徴があり、それは人間の持つ自然治癒力を活性化させるのを目的とし、得意としている、ということである[2]。
それに対し、西洋医学のほうはと言うと、それ(自然治癒力を活性化させること)を最も苦手としている[3]
[編集] 通常医療(現代西洋医学)の効果の低さや逆効果の判明と、人々の代替医療へのシフト
まず時代背景について軽く触れておくならば、 20世紀前半(つまり1900年代前半は)、国家は軍事力強化、「富国強兵」などを目指し、国策として、科学技術の興隆に力を入れた。若者を科学や技術系の大学に誘い入れるべく、さかんに科学や技術を美化する宣伝・広報活動が行なわれた[4]。20世紀前半は人々の間で、科学や技術を素朴に崇拝する気分(科学崇拝、科学主義)が非常に広まった時代であった[5][6]。
医療・医学の分野にもこうした動向の影響はあり、もともと「癒しのart(わざ)」であった伝統的な西洋医学は変容してしまい、そこにテクノロジーがさかんに持ち込まれ、いわゆる「機械医療」となっていった[7]。一般の人々の間にも「科学医療」や「機械医療」への素朴な信仰が広がっていた。そのような「科学医療」「機械医療」に対する素朴な崇拝・信仰の状態は、1960年代まで続いた[8]。
しかし、1960年代以降は現代西洋医療の有効性がたびたび疑問視されるようになった。様々なデータが明らかになり、西洋医学の効果が疑問視されたり、「医療は、むしろ健康被害を与えていることのほうが多い」と指摘されることもおき、人々は素朴な科学崇拝の状態から目を醒ますことになったのである。
1971年、アメリカ公衆衛生学会長で、ハーバード大学教授のカースは、衛生統計を詳細に分析し、次のように指摘した[9]。
- "現代医学の感染症予防措置や治療が、人々の平均寿命に寄与した" などと思うのは全く根拠が無い。医学的な措置・治療ではなく、むしろ環境や栄養の改善のほうが大きな役割を果たしたのである。
クエンティン・ヤング博士は、医者らが医療という名目のもとで組織的に大量の人間破壊(大量殺人)を行っていることを指摘して、それを「医療による大量殺戮」と呼んだ[10]。
医師が医療行為を止めると人々の寿命が延びる、ということについて第三者による客観的なデータが現れるようになった[11]。
例えば1976年、コロンビアの首都ボゴタで、医師たちが52日間のストを行い、救急医療以外はいっさいの治療を行わなかったところ、ストの期間中、死亡率が35%も低下した[12]という。コロンビアの国営葬儀協会は「事実は事実である」とコメントした[13]。
同じ1976年、アメリカ合衆国のロサンゼルスでも医者らがストライキを行った。この時は、死亡率が18%低下した。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医療行政研究者ミルトン・レーマー教授が17の主要病院を調査してみると、スト期間中、手術の件数が60%減少していた。そして、医師のストが終わり、彼らが医療活動を始めると、死亡率がスト以前と同じ水準に戻ってしまった[14]、つまりまた死亡する人が増えてしまったという。
1973年にはイスラエルでも同様の現象が起きたとされている。医師のストが決行され、診察する患者の数を1日あたり6万5000人だったところを7000人に減らした。そしてストは1ヶ月続いた。エルサレム埋葬協会によると、医師のストの期間中、人々の死亡率が半減したという。イスラエルでこれほど死亡率が減少したのは、この20年前にやはり医者がストをした時以来なのだという[15]。
ロバート・メンデルソンは「医師のやっていることのかなりの部分が、人を死に至らしめる行為なのである[16]。」と警告した[17]。ただし、ロバート・メンデルソンは医療の中で、救急医療の価値については認めており、「医者はその医療行為の9割は行うのを止めて、救急医療だけに取り組めば、人々の健康状態は間違いなく改善されるはずだ」と述べた[18]。
1977年にはアメリカの社会評論家イヴァン・イリイチは『脱病院化社会 --医療の限界』という著作を発表し「現代の医学は健康改善にまったく役立っていないばかりか、むしろ病人をつくり出すことに手を貸しており、人々をひたすら医療に依存させるだけである。」と警告し、医療が特定の個人のみならず、人々全体、社会全体の健康に害を及ぼしている状況を「医原病」という名称で呼んだ。[19]
こうした警告を行なったのは、なにもイヴァン・イリイチだけではなく、他にも医療の害を指摘し改善を提唱する学者や社会評論家はいたのだが、それにもかかわらず現代西洋医療関係者による自発的な問題改善は進まなかった。[要出典]
1988年、アメリカの一流医学誌「New England Journal of Medicine」の主幹のインゲルフィンガーは、現代医療が人々の疾病の治療に一体どのような役割を果たしているかを詳細に分析・検討し、次のような結果を得て発表した[20]。
- 医療によって、疾患の予後(※)に何ら影響がなかった(効果がなかった)ケース 80%
- 医療によって疾患の予後が好転または治癒したケース 11%
- 医療によって疾患の予後がかえって悪くなったケース 9%
-
- (※)予後とは、ここでは病気の「経過」あるいは「その後の状態」のこと[21]。
医学誌の(つまり医療関係者側の、多少ひいきめの)データでもこのような程度でしかないことが判明したので、このデータは現代医学の医師らにとっても衝撃があった。こういった様々な真実のデータは公表され欧米の人々に伝わり、現代西洋医学は様々に批判された。それにもかかわらず、現代西洋医学の問題改善は進まなかった。
ついに、1993年には、アメリカ合衆国の人々が代替医療に支払った費用が、西洋医学の病院に支払った費用を上回ったという事実が、ハーバード大学のアイゼンバーグ博士の調査によって明らかになった[22]。つまり、西洋医学の医療(いわゆる「通常医療」)よりも、代替医療のほうを好んで利用するようになったのである。また、学歴が高い人、収入の多い人、知識人層など時代を先導してゆく人たちほど、代替療法のほうを評価し、積極的に利用している、ということも明らかになった[23]。
人々は現代西洋医学に愛想をつかし、伝統医学などの代替医療を好んで利用するようになったのである。[要出典]
[編集] 医療の下位分類
[編集] 医療施設
以下に医療施設の例を示す。
[編集] 関連項目
[編集] 医療従事者
詳細は「医療従事者」を参照
[編集] 歴史
世界の各民族で病気を治療しようとする儀式や処置が古来から自然発生的にみられる。新石器時代のヨーロッパや古代の南米ではてんかんの治療目的のため穿頭術を行っていたものとみられている。また、世界各地で独自の医療がなされてきた。
(「医学と医療の年表」の項も参照可)
[編集] 関連項目
[編集] 研究・育成
[編集] 医療の品質
[編集] 低品質問題
[編集] 品質向上・倫理
- 根拠に基づいた医療 (EBM)
- インフォームド・コンセント
- セカンド・オピニオン
- QOL - 尊厳死 - 安楽死
- 患者の自己決定権
- 生命倫理
[編集] 医療とお金
[編集] 法律
[編集] 医療と行政
[編集] 医療に関連するその他
[編集] 出典
- ^ この「通常」という表現には、何が「通常」なのか、という判断が暗黙裡に含まれているわけであるが、主として欧米において使われている表現であるので、欧米における医療の歴史、および表現が生まれた時点での欧米での利用状況が反映されている。利用頻度が逆転した状況が続けば、将来的には、表現が状況にそぐわないものと見なされる可能性がある。
- ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
- ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
- ^ 池田清彦『科学はどこまで行くのか』、ほか。村上陽一郎などの書籍にもこの手の情報はしばしば書かれている。
- ^ 日野原重明『現代医学と宗教』岩波書店 ほか
- ^ 科学主義(科学崇拝)は18世紀ごろから興ってはいたが、20世紀前半に政治的な理由、軍事的な理由によって、加速したということになる
- ^ 日野原重明『現代医学と宗教』岩波書店 ほか
- ^ 新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。ほか
- ^ 新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。ほか
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
- ^ 医師は、自分にとって都合が悪いデータは、偽りの分類をしたり偽りの報告をすることで隠蔽・改ざんする習性があるので、医師の手によるデータ・統計類は信頼できない、ともいう。(ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』)
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.186
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.186
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.186
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
- ^ メンデルソンの言葉・表現方法は、日本人から見るといささか過激に聞こえるが、アメリカ人の間ではごく標準的なもの。伝えるべきと思う内容を、臆したり口ごもったりせず、はっきりと言葉にしている。
- ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
- ^ イワン・イリイチは著書で「そういった事態に直接の責任を持つ医療従事者の免許制度を廃止せよ」とも述べた。
- ^ 新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。ほか
- ^ 新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。ほか
- ^ アンドルー ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
- ^ アンドルー ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
- ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141