生命倫理学
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生命倫理学(せいめいりんりがく)とは、生命に関する倫理的問題を扱う研究分野。生物学、医学、政治学、文化人類学、法学、哲学、経済学、社会学など様々な分野と関連がある。ヒトの生命すなわち人命に限らず、全ての生命体を対象とする。ただし医学的な側面が強調されることが多い。
原語の「バイオエシックス」(bioethics) という言葉は、「生命」を意味する「バイオ」と「倫理(学)」を意味する「エシックス」を結びつけた言葉で、ガン研究者のポッター (Van Rensselaer Potter) が、「生存の科学」(the Science of Survival) としての「バイオエシックス」を提唱した。1970年代初めにアメリカで使われ出し、実際の意味から離れて広まっている[1]。
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[編集] 概要
1970年頃アメリカで作られたバイオエシックス(bioethics)という概念を日本に導入する際に当てられた訳語。安楽死に関する医学的論議は古くから行われてきた。また、最近の医学、遺伝子工学の発達により、倫理学的な考察を必要とする診断、治療、実験が多くなってきている。バイオエシックスは,バイオテクノロジーの発展により生命の意味が揺らぎ始めたことから,新たな倫理を構築しようとする運動として始まった。人工妊娠中絶問題は,欧米のバイオエシックスではそもそものバイオエシックスの形成を促した重要なトピックスだが,日本の生命倫理では中絶についてはほとんど議論が行なわれない一方,脳死問題が重要視されてきた。人の生命に関わる倫理的問題としては遺伝子診断、人工妊娠中絶、脳死、臓器移植、安楽死・尊厳死、がん告知、末期医療、看護倫理、ヒトクローン研究などがある。より生物学的には実験動物の扱い、遺伝子組換えによるバイオハザードの規制、遺伝子組換え作物による遺伝子汚染などがある。
医学や生命についての知識が必要なことから、医療関係者の意見が重視される。正しい知識をもたない者が、誤解から生じた誤った信念に基づきマスコミ等においてことさらに恐怖心を煽ったり、感情的な判断で世論を誘導したりし、問題が混乱させることがないようにするためである[2]。従来生命科学領域は医学や歯学、薬学などの研究領域であり、明確な資格などが存在するため、必然的に資格所持者の割合が多くなる。
学術団体としては、日本生命倫理学会などがある。
[編集] 人物
[編集] 脚注
- ^ Van Rensselaer Potter, Bioethics, Prentice Hall, 1971 ISBN 0130765139 なお、提唱者ポッターと、その後のバイオエシックスの語義の拡大、日本へのこの語の「輸入」については、土屋貴志「『bioethics』から『生命倫理学』へ - 米国における bioethics の成立と日本への輸入 - 」、加藤・加茂編、世界思想社、1998年、に詳しい。
- ^ このような専門知識における専門家(医師)と素人(患者)の知識格差をめぐる関係については、パターナリズム論において議論されている。本田裕志「医療におけるパターナリズム」、篠崎・加茂編、世界思想社、1989年、を参照。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 星野一正著 『医療の倫理』 岩波新書、1991年、ISBN 4004302013
- 篠崎智・加茂直樹編『生命倫理の現在』、世界思想社、1989年 ISBN 4790703533
- 加藤尚武・加茂直樹編 『生命倫理を学ぶ人のために』、世界思想社、1998年 ISBN 4790706907

