介護福祉士

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介護福祉士
英名 Certified Care Worker
略称 CCW
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 教育・教養、福祉・医療
保健・衛生、介護・家政
試験形式 マークシート・実技
認定開始年月日 1987年(昭和62年)5月21日
等級・称号 介護福祉士
根拠法令 社会福祉士及び介護福祉士法
公式サイト http://www.jaccw.or.jp/home/index.php
特記事項 職能団体:日本介護福祉士会
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介護福祉士(かいごふくしし、: Certified Care Worker)は、介護を行う人の資格名。また、その資格を所持し介護を行う者。

概要[編集]

1987年社会福祉士及び介護福祉士法が制定され、それにより定められた主に介護を業とする社会福祉業務に携わる人の国家資格である。 和製英語でケアワーカー(CW)と呼称されている。 介護業務は、介護福祉士の業務独占ではなく、現在は訪問介護員2級から業務に携われる[要出典]。 福祉系大学や専門学校などの専門課程を修了すると、国家試験を受験せずに介護福祉士となれる[要出典]。学歴によっては介護福祉士並びに社会福祉士の双方の国家資格取得も可能で、介護福祉士単一資格者は後に社会福祉士取得を、社会福祉士単一資格者は後に介護福祉士取得を目指す者も多い[要出典]特別養護老人ホーム介護老人保健施設病院デイケアセンターや障害福祉サービス事業所などの社会福祉施設が活動場所となることが多い。 要介護者の自宅へ通ってサービスするホームヘルパーにも、介護福祉士資格は有用である[要出典]社会福祉士精神保健福祉士と合わせて、三福祉士という通称を用いる場合がある[要出典]

法律による定義[編集]

介護福祉士は介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう(社会福祉士及び介護福祉士法第二条第二項)。名称独占資格の一つである。

現状と課題[編集]

本職種の専門性深化と共に、様々なコ・メディカル分野の専門職との連携などが望まれている[要出典]。介護福祉学会誕生により介護福祉学の認知も進むが、本資格の社会的地位は高いものではない[要出典]。一例として、厚生労働省グループホーム人員配置規定に介護福祉士の名称が記載されないことがある[要出典]。 また、業務内容の苛酷さから離職率が高い。2007年度雇用統計では、介護職員及びホームヘルパーの離職率は21.6%で、全労働者離職率よりも5.4%多い[1]

2005年に、国は介護に携わる者の資格を介護福祉士に一本化する方向を打ち出した。これにより、都道府県の認定資格である介護職員初任者研修修了者などには高い需要がある[要出典]。一方で、就労条件などから福祉職に就かない者も多く、需給バランスを保ていない[要出典]

近年、国は介護福祉士の処遇改善促進のために、介護報酬の引き上げや介護職資格を介護福祉士へ一本化するための施策「サービス提供体制強化加算」を採り出した[要出典]。サービス提供体制強化加算とは、介護福祉士の配置割合によって介護サービス事業所への報酬に差を出すというものである[要出典]。これは介護保険の一環として利用者の自己負担1割に組み込まれ、介護福祉士が多い事業所は利用料が高くなり、利用者などから敬遠されている[要出典]。また、介護業務は訪問介護員2級から行えるため、利用料を抑えたい事業所から介護福祉士の有資格者が敬遠されている[要出典]

取得方法[編集]

受験資格[編集]

1.厚生労働大臣の指定する養成施設を修了し登録名簿に登録する(2014年(平成26年)度まで)。

2.介護実務経験3年以上(1095日)以上、実働日数が540日以上で実務者研修を修了し介護福祉士国家試験に合格し登録名簿に登録する。

  • 会社や施設から発行される実務経験証明書の原本とコピーが必要(勤務先複数の場合、勤務先ごとの発行が必要である。)
  • 無資格者は450時間、ホームヘルパー3級所持者は450時間、ホームヘルパー2級所持者は320時間、ホームヘルパー1級所持者は95時間、介護職員基礎研修修了者は50時間の実務者研修を修了していることが必須である。
  • 実務者研修を終了した者は実技免除で、介護福祉士試験は学科のみとなる。
  • 老人福祉センター実務経験を積む必要がある。
  • 指定介護療養型医療施設に詳細されている。

3.高等学校又は中等教育学校(それぞれ専攻科を含む)において、福祉に関する所定の教科目(若しくは科目)及び単位数を修めて卒業し介護福祉士国家試験に合格し登録名簿に登録する[1](介護福祉士国家試験は合格基準が問題の総得点の60%程度を基準(絶対評価)としている)。 但し『介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律』による『社会福祉士及び介護福祉士法』改正のため、2016年(平成28年)度(第29回)国家試験から厚生労働大臣が指定する養成施設を修了し名簿登録する取得方法が廃止され、介護実務経験3年の者は、通学のスクーリングまたは通信教育で合計450時間(所持資格による免除あり)の実務者研修受講が義務づけられ、介護福祉士資格取得を希望する全ての者は、実技試験免除事項はあるもののマークシート形式筆記試験を必ず受験しなければならない[2]

実務経験に数えられないもの

1.社会福祉施設の

  • 生活支援員(生活指導員)、生活相談員などの相談援助業務を担当する者(障害者自立支援法関係の施設・事業において業務分掌上介護等の業務を行なうことが明記された、主たる業務が介護等の業務である者を除く)
  • 児童指導員保育士として入所者の保護に直接従事した後児童指導員となり、その後も引き続き同じ内容の業務に従事している方を除く)
  • 心理指導担当職員、作業指導員、職業指導員

2.社会福祉施設や病院・診療所の

  • 医師、看護師、准看護師
  • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの機能訓練担当職員(当該業務を補助する方を含む)
  • 介護支援専門員、調理員、栄養士、事務員、運転手、計画作成担当者等

3.法人の代表者、施設長、所長など代表者(ただし、代表者が介護等の業務に従事している場合は、その期間と日数が対象になる)

介護福祉士養成施設の教育内容[編集]

科目[3][4]
  • 人間の尊厳と自立
  • 人間関係とコミュニケーション
  • 社会の理解
  • 人間と社会に関する選択科目
  • 介護の基本
  • コミュニケーション技術
  • 生活支援技術
  • 介護過程
  • 介護総合演習
  • 介護実習
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ

社会福祉士・精神保健福祉士との関係[編集]

社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士は、いずれも福祉系の国家資格である。各福祉士の互いの相互関係を上下関係で説明する者もいるが、適当ではない。法的には各福祉士の資格間に上下関係などは存在せず、社会福祉士・精神保健福祉士は『相談援助』、介護福祉士は『介護等』という業務内容で区分されているのである。テキスト販売等で『福祉系資格の中で社会福祉士が最上位』などと謳われているものがあるが、介護福祉士のみ専門学校等の養成課程を修了すれば国家試験を受けなくても資格を取得出来てしまう点が要因となっている。

国外からの介護福祉士受け入れ[編集]

日本政府はタイとのFTA(自由貿易協定)締結に伴い、タイ国介護福祉士有資格者を受け入れるか否か検討している[5]

実施された規制緩和[編集]

  • 日本政府はフィリピンとの経済連携協定(EPA)で、フィリピン共和国国家資格の介護福祉士[要出典]が日本の介護施設への受け入れの方向で合意され、厚生労働省は2年間で1000人(看護師400人、介護福祉士600人)[6]の上限を設け受け入れることとした。調印は2006年9月9日に行われるもフィリピン側の批准遅延により2009年度以降にずれ込む予定である。
  • 日本とインドネシアとの経済連携協定が2007年8月20日に調印され、日本の国家資格の取得のための必要な知識及び技術の習得を目的とした介護士候補者の受け入れ、資格取得後の就労が可能となった。2008年4月17日の衆議院本会議で可決され、同年7月に看護師候補者200人、介護士候補者300人が入国しEPA活用による外国人労働力受け入れ初事例の予定である。人数枠は2008年度から2年間で合計1000人(看護師候補者400人、介護福祉士候補者600人)で、介護士候補者は日本の受入先介護施設で3年間の介護実務経験を経て日本の国家試験に合格すれば介護福祉士として日本で働き続けられるが働きながら滞留の認められる短期間に受験するため合格率は低い。
  • 2009年4月14日より韓国からインターン300人を受け入ることになっており、人材派遣側の釜山市は毎年300人以上を日本で就業させることを目標としている[7]

受験機会拡大を総務省が斡旋[編集]

現在、介護福祉士国家試験の実施は年1回である。これに対し、総務省行政評価局が、「介護福祉士の確保・育成を推進する観点から、介護福祉士国家試験について、試験の実施回数や試験実施都道府県数を増やすなど受験機会の拡大について検討することが必要」(2007年8月6日「介護福祉士国家試験の受験機会の拡大」)との内容を厚生労働省に対し斡旋している。

この総務省の斡旋に対し厚生労働省は、筆記試験の試験地は、2007年に埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、京都府、兵庫県、岡山県、平成21年に岩手県、岐阜県、愛媛県、熊本県、2012年に静岡県、高知県、長崎県、大分県が追加され、2013年から秋田県、宮崎県の2県を追加するものの、試験回数の改善は未だ行わず、総務省の斡旋は放置(事実上無視)された状態のままとなっている。

介護の日[編集]

11月11日(「いい日、いい日」に掛けている)[8]

脚注[編集]

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  1. ^ 厚生労働省・政策レポート「福祉・介護人材確保対策について」(平成20年8月)(2012年12月2日閲覧)/【出典】介護職員+ホームヘルパー:「事業所における介護労働実態調査」(平成20年7月)(介護労働安定センター)全労働者:「雇用動向調査(平成18年)」厚生労働省
  2. ^ 国家試験必須化は当初2012年(平成24年)度(第25回)国家試験から実施予定である。
  3. ^ 別表第四(第五条―第七条関係)
  4. ^ 社会福祉士介護福祉士養成施設指定規則(昭和六十二年十二月十五日厚生省令第五十号)
  5. ^ 日タイ経済連携協定(付属書7 自然人の移動に関する約束) (PDF) 外務省
  6. ^ 日・フィリピン経済連携外務省
  7. ^ 介護ヘルパー研修生300人日本に派遣…釜山 聯合ニュース 2009/04/14
  8. ^ 厚生労働省:「介護の日」について

関連項目[編集]

外部リンク[編集]