デイケア

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デイケア: day care)とは、福祉医療関係施設が提供するサービスの一種。

概要[編集]

デイケアは大きく分けて二つ、老人精神科があり、共に利用者同士が交流するということが特徴としてあげられる。昼間レクリエーションなどの活動で人と接することによって社会復帰や入院予防を目標としている。

デイケアの目的は、主に次の三点にある。

  • 決まったリズムのある生活を営むことで、生活時間の管理能力を持たせること。
  • 仲間と一緒に何かをすることで、自主性と協調性を培うこと。
  • ゲームや簡単な手作業を通して、社会復帰の体力と作業能力を維持、向上させること。

また、在宅高齢者を対象として、託老所というかたちで、デイケアが行われることもある。

デイケアは、日本では一般に在宅高齢者、もしくは療養者のケアに使われることが多いが、英語表現ではデイホスピタルがほぼ相当し、幼児保育がデイケアという呼称が用いられる。

老人[編集]

日本の介護保険サービス給付(2013年)[1]
居宅型
3,661億円
(49.2%)
訪問通所
2,880億円
(38.7%)
訪問介護/入浴 789億円 (10.7%)
訪問看護/リハ 1,4億円 (2.5%)
通所介護/リハ 1,688億円 (22.7%)
福祉用具貸与 218億円 (2.9%)
短期入所(ショートステイ 373億円 (5.0%)
その他 373億円(4.9%)
地域密着型
813億円
(10.9%)
小規模多機能型居宅介護 150億円 (2.0%)
認知症グループホーム 482億円 (6.5%)
その他 181億円 (2.4%)
施設型
2,593億円
(34.9%)
介護福祉施設 1,322億円 (17.8%)
介護保健施設 1,003億円 (13.5%)
介護療養施設 266億円 (3.6%)
居宅介護支援(ケアマネ) 368億円 (5.0%)
総額 7,437億円

介護老人福祉施設在宅サービスセンターで行われるデイサービス介護老人保健施設で行われるデイケアに分かれる。両者とも介護保険の対象であるが、前者は認知症専門通所介護、後者は通所リハビリテーションの項目で給付される。他に老人性認知症疾患病院で行われる老人性認知症デイケアがあり、こちらは医療保険で給付される。世界初の高齢者向けデイケア・デイサービスはイギリスオックスフォード1985年に行われた。

介護老人保健施設[編集]

高齢者向けの本格的なデイケアは日本では1965年大阪市立弘済院にて吉田寿三郎のよるものだったが四ヶ月で打ち切られている。その後、1972年東京都老人医療センターが始めた。

老人性認知症デイケア[編集]

認知症の高齢者向けのデイケアは1983年聖マリアンナ医科大学附属病院精神科のものが初めてだと言われている。

精神科[編集]

精神保健福祉センター、公立デイケアセンター、精神科がある医療機関、保健所市町村が行っている。精神保健福祉センター、公立デイケアセンター、精神科がある医療機関のものは精神科デイケアと呼び医療保険の対象となっており、保健所、市町村のものは単にデイケアと呼び事業費等で運営されている。世界で初めての精神科デイケアは1946年カナダドナルド・イーウェン・キャメロン(Donald Ewen Cameron)がアラン記念病院で、イギリスのビエラがマールボロ社会精神医学センターで行い、日本では1953年大阪府堺市の浅香山病院の長坂五郎らによって、退院及び外来患者から希望者を募って試み、その後、1958年国立精神・神経センター(当時の名称は国立精神衛生研究所)で加藤正明らによって研究がなされ、その実績を元に1974年診療報酬で点数化されたものである。診療所によるデイケアは1962年、渋川診療所の桂アグリによるひるま病室とされている。1988年に小規模デイケアとして診療報酬点数化された。

種類[編集]

6時間が標準のものをデイケア、16時以降の4時間が標準のものをナイトケア(1986年より)、デイケアとナイトケアを組み合わせた10時間が標準のデイナイトケア(1994年より)、日中の3時間が標準のショートケア(2006年より)がある。規模によっても区分があり、患者あたりの広さ、専用室の広さ、職員配置、患者数が定まっている。どういった傾向の患者が入所するかは、各施設の方針によって異なっている。

食事の提供[編集]

療養上必要な食事を提供した場合にはデイケアとナイトケアは1食・デイナイトケアは2食または3食が診療報酬の加算対象となっていたが、平成22年度診療報酬改定により食事提供加算は廃止され本体報酬に包括されることになった。これにより利用者の食事の有無にかかわらず負担額が同一となった。

利用者の統計[編集]

2006年の厚生労働省の調査では疾患別ではおよそ7割が統合失調症で占められている。利用の目的(担当者による評価)は回復期リハビリテーションや就労・復職支援などより再発・再入院予防、慢性期患者の居場所としてのほうが多い[2]

参考文献[編集]

  • 『精神科デイケアQ&A』日本デイケア学会編著 中央法規出版 ISBN 978-4805826270
  • 『高齢者デイサービス・デイケアQ&A』日本デイケア学会編 中央法規出版 ISBN 978-4805829264

脚注[編集]

  1. ^ 厚生労働白書 平成26年版 (Report). 厚生労働省. (2013). 資料編p232. http://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/. 
  2. ^ 第18回今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会 資料1 精神科デイ・ケア等について 厚生労働省

関連項目[編集]

外部リンク[編集]