精神障害者保健福祉手帳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

精神障害者保健福祉手帳(滋賀県発行のもの)

精神障害者保健福祉手帳(せいしんしょうがいしゃほけんふくしてちょう)は、1995年(平成7年)に改正された精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)に規定された手帳制度。

目次

[編集] 概要

1995年の法改正で規定された手帳制度である。障害者自立支援法が正式に施行されることとなった2006年10月1日からは、軽度発達障害者に対しても交付される。 例:大阪府 http://kokoro-osaka.jp/dl/pdd/pdd_techou.pdf

本制度の施行により、障害者基本法に規定された身体障害知的障害精神障害すべてに手帳制度が整った。

[編集] 様式

手帳の表紙には「障害者手帳」とのみ表示され、表紙を見ただけでは精神障害の手帳であることが分からない[1]ようになっている。これは被交付者のプライバシーに配慮したもので、他の障害よりも深刻とされる偏見・価値観の相違による無理解がなお強く残存する社会情勢を鑑みたものである。表紙の色は自治体により異なり、例えば東京都は緑色、千葉県は濃緑色、神奈川県では濃青色である。

手帳には写真が貼付される。これは2006年(平成18年)10月1日申請分から改訂[2]されたもので、当初は既存の2制度と異なり写真の貼付は不要であった。更新義務のない身体障害者手帳と異なり2年の手帳有効期限が定められているため(障がい内容によっては、更新が必要な場合もある)、写真の添付されていない旧様式の手帳は、順次写真添付の新様式に更新される。このため、当分の間、写真が添付されている手帳とされていない手帳が混在することになる。

[編集] 等級

手帳には障害の程度により、重い順に1級・2級・3級があり、手帳の等級によって受けられる福祉サービスに差がある。

  • 1級:概ね「日常生活が一人では出来ず、他人の援助や介護を受けないと生活が出来ない人」
  • 2級:概ね「日常生活に著しい困難があり、時に応じて他人の援助が必要な人」
  • 3級:概ね「労働に著しい困難があり、社会生活に制限を受ける人」

本手帳の1級は障害基礎年金の1級に、2級は障害基礎年金の2級にほぼ比例する。3級については障害基礎年金の3級よりも幅が広い。

[編集] 扶助・優遇・支援の内容

等級によって受けられる福祉サービスは各発行自治体によって異なるが、共通して下記の福祉サービスを受けることができる。

自治体における福祉サービスは、自治体運営交通機関の運賃減免・公共施設等の利用料減免・自治体運営住宅への入居優先などがある。民間事業者にあっては、携帯電話料金・映画料金・テーマパーク利用料金などに割引制度が存在するほか、運賃・料金に割引制度を定める交通事業体も一部に存在する。自治体におけるサービスは等級によって免除・割引率が違う場合もあるが、民間福祉サービスにおいては概ね等級における変化はない。

手帳を提示することにより受けられる優遇対象は、公共の施設・制度を主としたもので、実質的な優遇内容は被交付者が居住する地域の施設・制度の整備度合いに依存する。制度の適用範囲に自治体間で相違があることから、他地域へ転居した場合など、他の自治体発行手帳では利用できないサービスも存在する。

今まで精神障害者は法定雇用率の対象とされていなかったが、障害者自立支援法施行(2006年4月1日)に伴い精神障害者保健福祉手帳所持者については法定雇用率の対象とされるようになった。これは雇用義務の効力をもつものではなく[要出典]、障害者団体からの問題提起もあって、今後の法整備を含めた対応が課題となっている。

[編集] 脚注

  1. ^ 他の2手帳ではそれぞれ「身体障害者手帳」(身体障害者)「療育手帳」(知的障害者)と表紙に記載があり、これらの状況から「障害者手帳」が精神障害の手帳であると憶測される場合もありうる。
  2. ^ 当初の厚生省(現:厚生労働省)方針では手帳に写真を貼付する予定であったが、社会的偏見が大きく紛失や手帳提示をしたことにより、差別等の不利益を得る可能性が大きいと一部精神障害者団体が反対したため、写真の貼付を見合わせた経緯がある。
[ヘルプ]

[編集] 関連項目