差別
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差別(さべつ)とは元来、差をつけて区別することであるが、社会一般においては特定の人々に対して不当な扱いをすることを意味する。
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[編集] 語源・定義
- 仏教世界において、全ての物が一如平等であることに対する高下、善悪などを持つ特殊相のこと(しゃべつ)。
- ある物と別の物の間の差異のこと。または取り扱いにおいて他と差をつけること。
- 正当な理由によらず偏見や先入観に基づいて、あるいは無関係な理由によって特定の人物や集団に対して不利益・不平等な扱いをすることを指す。
戦後民主主義の普及と共に3の意味でより頻繁に使用されるようになった。3の意味での差別は人間の扱いに不当な差をつけることが良くないとする平等思想が含意されている。現代では、「差別」と言えば不当という認識が一般的。ただし何をもって不当な差別とするかは、個人的な主観に委ねられてしまう部分も大きい。
なお現代の北京語では「差異」の意味で用いられている。
[編集] 差別の種類
一般に差別として認知されてきたものとしては以下のものがある。
[編集] 身分に関する差別
前近代社会においては身分制を敷いた社会が多くある。近代化の過程で社会契約論などによって身分制は再編成され、階級制へと移行した。法学者ヘンリー・サムナー・メインは「身分から契約へ」という有名な言葉を残している。
[編集] 階級と職業に関する差別
[編集] 民族に関する差別
[編集] 言語に関する差別
言論や創作活動において、差別を受けているグループを取り上げる際にその用語や言葉遣いが問題化されることがある。
詳細は「差別用語」を参照
[編集] 性に関する差別
[編集] 能力に関する差別
ほか、低所得層への差別や学歴差別・学力差別、老人差別、病人差別なども能力による差別と考えられる。
[編集] 病人に関する差別
[編集] その他
- 年齢差別
- アメリカでは雇用における年齢差別禁止法(ADEA)によって、年齢差別が厳しく規制されている。面接において年齢をきくことも違法であり、履歴書に年齢を記載する必要も無い。EUも2006年末、すべての加盟国が年齢差別を禁止する法律を制定した。日本ではこれまで年齢差別は禁じられていなかったが、2007年に改正された雇用対策法10条で「事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」との条文が規定され(改正前までは努力義務)、新たな規制が行われるようになった[1]。ただし、募集の際の制限が撤廃されたのみであり、実際には年齢による選別が行われている[1]。
- 思想差別
- 山口県・会津地方間の相互対立・相互差別
- 被疑者・被告人差別
[編集] 逆差別
詳細は「逆差別」を参照
従来差別を受けていたグループに対して優遇政策がとられることがあるが、これに対して「過剰な優遇となっている」などの批判がなされることがある。
[編集] 日本における差別
日本では、たとえば江戸時代の身分制社会にも実質的には身分差別が一般的であったが(エタ・非人)、それが社会問題化されるのは明治以降である。1868年の明治維新を経て、翌年、徳川時代の身分制が再編成され、新たに華族・士族・平民の別が定められる。1871年には穢多・非人の呼称が廃止される。だが後に新平民として新たに差別される。これに対しては全国水平社の運動によって改善されていくものの、名称を特殊部落から被差別部落へと変えてもなお差別意識は残存していく。また、西欧の平等思想などを日本へ導入した福澤諭吉は「天の下の平等」を訴え近代化をすすめたが、他方、貧民切り捨て論や特に東アジア諸国を「亜細亜東方の悪友を謝絶する」とした脱亜論などを展開した(なお、脱亜論については、さまざまな解釈が存在しており、これを差別的な論説ととらえるのが適切かどうかという問題は残る。詳しくは脱亜論を参照のこと)。
その他の差別については上記「差別の種類」の各項目、および穢れ、賤民を参照。
[編集] 法律による差別の対応
現代においては、多くの国で憲法などにより人権の保障と平等が謳われている。より直接的に差別をした者を処罰する法令がドイツやアメリカ合衆国などでは整備されつつある。日本でも障害者差別禁止法などの制定を求める声があるが、「かえって差別を固定する結果を招き適切でない」との反対意見もある。これらの規定にもかかわらず依然として差別は存在しており、いまだ対応が十分とはいえないのが現状である。
日本国憲法では、憲法14条1項において「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と規定している。この規定を受けて戦前には認められていなかった女性参政権が認められ、また男女雇用機会均等法などの法令が制定されている。2002年3月には人権擁護法案が国会に提出された。男女平等の観点から夫婦別姓や強姦罪や売春防止法の位置づけなどについても現在議論がなされている。
「すべて国民」との記述は日本国民が対象とされるため、日本国民と同様に納税している日本在住外国人いわゆる在日外国人が含まれないのは民族差別だという見方もある。永住権と市民権の格差は他国にもみられるが日本ではそれが顕著に大きい(憲法の規定(原案は英文)が人民ではなく国民と訳されたのは、この差別を正当化するためだとの論がある)。
[編集] 脚註
- ^ a b 『雇用における年齢差別の法理』 柳澤武 ISBN 4-7923-3220-6