宗教的迫害

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宗教的迫害(しゅうきょうてきはくがい)とはある個人もしくは集団がもつ信仰を理由に、その個人や集団を差別することに始まり、社会権の制限などの軽微なものから、強制改宗虐殺などを加えることである。迫害の対象となる信仰の内容は、諸宗教無神論、その他の無宗教的有神論など多様で、多岐にわたっている。

近代に至って世界の各国で信教の自由が保障されるに至り、宗教的迫害は許されないものであるという合意が出来上がっているが、現在でも発展途上国イスラーム国家などでの宗教的迫害が問題になっている。近代と比較して穏健化したキリスト教諸国においても散発的に迫害が起きており、宗教的迫害の解決策は見えていない。

宗教的弾圧の事例[編集]

日本において[編集]

近代[編集]

第二次世界大戦時、当時の東条内閣神道国家主義に反対したり、疑義を唱えたりする思想、また、教義を説く宗教団体に対して弾圧を加えた。昭和17年6月26日の一斉検挙に始まる出来事である。

それに先立って、政府は国体(天皇制)を護持するために、共産党等の結社を禁止することなどを目的とした治安維持法を制定したが、それを拡大解釈して、キリスト教会の中では、政府の指導によって生まれた日本基督教団に統合された第6部会(日本聖教会)、第9部会(きよめ教会)、宗教結社東洋宣教会きよめ教会の教会の牧師たち96名を逮捕するに至った。最終的には逮捕者は133名にのぼった。直接的理由は、それらの牧師がキリストの再臨を聖書から説教したことにあるとされている。日本基督教団統理富田満牧師は日本基督教団を守るため、この牧師たちに辞職を勧告した。

起訴された75名に関しては、第一審が開かれたが、その判決を不服として原告、被告の双方から上告がなされていた。しかし、結審しないまま終戦を迎え、裁判はうやむやになったままで閉じられた。巣鴨拘置所に拘留された牧師の中には、獄死、またこれに準ずるかたちで死亡した者が7名いた。

弾圧はキリスト教の他に、大本教、ひとのみち教団(現パーフェクト リバティー教団)、天理本道、新興仏教青年同盟、創価教育学会にも及んだ。

現代[編集]

オウム真理教の主張[編集]

近年ではオウム真理教の起こした一連の事件に際して、無関係の一般信者及び関係者に対する弾圧、迫害、逮捕、投獄が国家的規模で行われ各国の知識人の反発をかう事になった。
オウム真理教の信者であるという理由で、最も基本的なインフラである電気・水道・ガスの開栓すら拒絶され、小売店では信者に対する物品の販売を拒否、役所は住民票の受理を拒絶、公立学校は信者の子供の受け入れを拒絶する等、基本的人権を侵害する教団の信者であるとは言え、このような基本的人権の保障すら行わない対応は、欧米をはじめとする海外では驚きをもって報道され、日本は警察国家であると批判される事になり、結果としてオウム真理教に対する破防法の適応は見送られる事となった。

統一教会の主張[編集]

世界基督教統一神霊協会の信徒に対して家族が脱会説得工作の専門家を通して脱会説得することを、統一教会が「拉致・監禁であり信仰の自由を侵害されている」と主張している統一教会信徒の拉致監禁問題が継続して発生している。この問題に関しては国際人権NGOと称した国境なき人権が、日本政府に対応を勧告した[1]。 また、大学における新宗教系サークル原理研究会(CARP)に対する対策が、世界日報など統一教会系のメディアに多く登場するジャーナリスト室生忠によって問題視され、「憲法違反も何のそのと信仰の個人情報を父兄に密告する広島大学職員」と題したレポートが月刊誌「財界にっぽん」に掲載された[2]

参考資料[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]