炎上 (ネット用語)

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炎上(えんじょう、: flaming)とは、サイト管理者の想定を大幅に超え、非難・批判のコメントやトラックバックが殺到することである(サイト管理者が企図したものは「釣り」と呼ばれる)[1]

目次

[編集] 概要

ブログソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)内の日記は、別途設定をしない限り、誰でもコメント欄にメッセージを残すことができる。ブログ執筆者の発言や行動に反応して、多数の閲覧者がコメントを集中的に寄せる状態を炎上と表現する。このとき、コメントにはサイト管理者側の立場に対する賛否の両方が含まれていたとしても、否定的な意見の方をより多く包含するものを炎上と表現し、応援などの肯定的な投稿だけが殺到するものは普通は炎上とは呼ばない[2]憲法学者キャス・サンスティーンは、個人がインターネット上で自分自身の欲望の赴くままに振舞った結果として、極端な行動や主張に行き着いてしまうという現象をサイバーカスケードと呼んでいるが、炎上もこの現れの一種といえる[3]

日本国外でも炎上と同様の現象が発生しているが、英語圏ではFlare(燃え上がる)と表現されており、炎が燃える様子を表す言葉が使われることは共通している[4]弁護士小倉秀夫は、掲示板上で投稿が殺到することをフレーミング・炎上と呼び、ブログ上でコメントが殺到することをコメントスクラムと呼ぶという使い分けをしている[5][6]。外部の掲示板での批判コメントの殺到とブログのコメント欄における批判コメントの殺到を比較すると、前者は批判の対象となっている者が比較的無視しやすいのに対し、後者では私的領域にまで踏み込まれている印象を受けるため無視するのが心理的に難しいという違いがある[7]

日本では、炎上はブログが一般に認知されはじめた2004年頃から発生するようになった[8]。2005年1月頃に朝日新聞の記者のブログが炎上した際、それに言及した山本一郎のブログで「炎上」という語が使用されており、小倉秀夫がコメントスクラムと呼んでいたものが炎上と呼ばれるようになっていった[9]。自身もブログ炎上経験を持つウェブコンサルタントの伊地知晋一によれば、炎上の発生件数は調査方法が確立されていないため正確には不明であるとしながらも、おおよそ年間60-70件程度と述べている[8]。また、炎上の発生から終息までの期間は、2週間から6か月程度であるという[10]。ネット上では炎上中のブログを探して楽しむ炎上ウォッチャーと呼ばれる人がおり、炎上中のブログをまとめたウェブサイトも存在する[11](外部リンクも参照)。

ゼロ年代末からは1回の投稿につき140字までという制限のあるミニブログであるTwitterが台頭しているが、Twitter上でも失言やなりすましなどに起因する炎上騒ぎが発生している[12]。他方、Twitter上で特定個人への批判が殺到するような事例は、ブログや掲示板が舞台となる場合と比べると炎上が起こっているということが閲覧者にとって直感的にはわかりにくい。その理由として、ある特定の利用者に対する他の利用者たちの反応を確認するには通常のタイムラインではなく検索機能を使用する必要があるため炎上に近い現象が起こってもそのことに気づきにくいこと、また各ツイートは(記録としては保存されているとはいえ)時間がたてば流れて消えていくという感覚を強調した設計になっていることが考えられる[13]。つまり、Twitterは炎上を抑制する方向に設計されたアーキテクチャであるともいえる[14]

[編集] 炎上のプロセス

炎上の発生から激化までのプロセスには、大型掲示板やニュースサイトが一役買っていることが多い。前者のパターンとしては、ブログやSNSなどに批判が集まる中で、批判者の中の一人が2ちゃんねるなどのネット上の大型掲示板にそのことを書き込み、それによってさらに多くの人の書き込みが元のブログ・SNSなどに集中するというものがある。後者のパターンは、ブログ・SNSなどで起こった小規模な炎上が、ネット上の様々な出来事を紹介する中規模なニュースサイトに掲載されて炎上が加速し[注 1]、さらにそれによって大手メディアで紹介されることにより炎上の被害が拡大していくというものである。この両者が複合してきわめて大きな炎上に至るケースや、発火点がブログなどの書き込みではなく現実世界でのなんらかの出来事となり、そこから大型掲示板やニュースサイトでの報道を経由するケースもある。[17]

炎上が激化すると、抗議はブログ・SNSのコメント欄や掲示板への書き込みの殺到に留まらず、より多様な方法がとられるようになる。一般的な流れとしては、コメント欄の次にまずはメールによる抗議が行われ、それが電話による抗議(いわゆる電凸)になり、さらに発展すると関係者(個人であれば学校・職場などの所属先、企業であれば取引先など)への抗議や直接訪問・デモといった事態に至る[18]。その途中で、有志がまとめサイトと呼ばれるしばしばWiki形式のサイトを立ち上げることがある。そこでは、炎上に至った事件とその後の経過が整理されて解説されているほか、電話やメールなどで抗議する際のテンプレートまで用意されており、まとめサイトが設置されるようになると炎上はかなり深刻な事態に達しているといえる[19]。企業ではなく一般の個人を対象とした炎上であっても、それまでのブログやSNSの日記における様々な日常生活の記述を総合し、住所や勤務先などが集合知的に暴かれてしまうことがある[20]。企業の場合は取引先にまで抗議が及んで営業に支障をきたす場合もある[21]。また、触法行為を自慢するネット上の書き込みによって炎上を誘発してしまった従業員がそれを理由に会社から解雇されるような事例もある[22]

ブログ炎上の場合、最終的な結果としては、元の状態に戻るケースとコメント欄は廃止するがブログ自体は継続するケース(双方向性は失われ一方的な情報発信となる)、そしてブログ自体が閉鎖してしまうケースの3つがありうる[23]

[編集] 予防・対処法

炎上を発生させないためのもっとも確実な方法は、ブログならばコメント欄、企業のウェブサイトであれば問い合わせフォーム・掲示板といった「炎上が発生しうるような場」をはじめから設定しないことである[24]。コメント欄などを設置する場合でも、炎上につながるような発言(無礼・不謹慎な発言、犯罪行為の告白、上から目線の意見、価値観の押し付けや否定、意見が対立しやすいトピックへの言及など)をしないように注意することで、ある程度は炎上を予防することができる[25][26]

炎上が発生してしまった場合は、まずはじめに実際に自分に非があったと認めるかどうかを判断するべきだと炎上に関する書籍などでは指摘されている[27]。非を認める場合、早急に誠意のある簡潔な謝罪コメントを発表して様子を見るのがいいとされる。このときに謝罪文に謝罪以外の要素(言い訳や抗議など)を含めるとかえって反発を招く可能性があるため、そういったことは書かずに法的な問題があると考えられる脅迫・中傷への対応が必要であれば警察へ通報したり弁護士に相談するなどの対処を淡々と行う。非を認めない場合、断固として批判に対して反論を続ける方法と無視し続ける方法がある。個人のブログであれば炎上後も高い頻度でブログを更新することによって、(過去のログまで丹念に調べるような閲覧者を除けば)火種となった記事が閲覧されにくくなるので、そのまま終息する場合もある[28]。サイトやブログを閉鎖してしまうという対処法もあるが、炎上発生直後の閉鎖はかえって事を大きくしてしまう危険性があり、またネット上での抗議先がなくなったことにより現地訪問を試みる動きが加速する可能性もある。特にブログなどで炎上の火種となった記事だけを削除するなどの対処は隠蔽行為と解釈されて批判の激化を招きかねず[29]、Googleのキャッシュなどから削除した内容がすぐに復元されてしまうこともある[30]後述する伊地知晋一による分類に沿って考える場合、批判集中型については率直に謝罪するか持論を継続し、議論過熱型は静観し、荒らし型は黙々と削除して対処するのが望ましい、という[31]

対処が適切であれば、かえってブログや企業などのイメージが向上することもある[注 2]

[編集] 分類

[編集] CIECでの分類

コンピュータ利用教育学会(CIEC、シーク)では、炎上の発生する原因に注目し、以下のような5種類に分類している[32]

反社会的な行為の告白
窃盗器物破損や未成年者の飲酒喫煙といった触法行為を武勇伝的にネット上で報告してしまったために炎上するというもの。一度注目されるとブログの過去ログなどを徹底的にチェックされてさらに揚げ足取りが行われる可能性もある。
知ったかぶり
著名人・知識人が専門外の話題に言及するなどして知識不足を露呈してしまった場合に、その権威を挫くためにここぞとばかりに批判が殺到するというもの。
特定ターゲットへの悪口・軽蔑
国籍学歴趣味などの属性について、特定の対象へ否定的な言及をしたために反感を買って炎上するというもの。
提灯記事
企業が著名なブロガーに金銭的報酬を与える代わりにその企業の商品をブログで取り上げてもらうといった商行為が行われる際に、それが金銭のやりとりを伴ったものであるということをブログ上できちんと公表していなかった場合(いわゆるステルスマーケティング)、ブログの読者から裏切り・騙しとみなされて非難されやすい。
利益誘導
自分や自分が所属する組織に対する肯定的な言及を自身の身分を隠して行ったことにより、自作自演として非難の対象となる、というもの。

[編集] 小林直樹による分類

日経デジタルマーケティング記者の小林直樹は、炎上のパターンを以下の6つに分類している[33]

やらせ・捏造・自作自演
CIECでの分類にもあるように、企業側が自らにとって好都合な内容の情報を他者を騙って発信していることが暴露された場合など。
なりすまし
別人がソーシャルメディアのなりすましアカウントを取得し、本人の知らないところでトラブルを引き起こして炎上にいたるケース。
悪ノリ
例えば飲食店の従業員がふざけて食品を不衛生に扱う動画を動画共有サービスに投稿することによって企業に批判が集中するというように、悪ノリがきっかけとなって炎上に至るケース。
不良品、疑惑、不透明な対応
企業が提供するサービス・商品の品質に問題があったり、それを疑われたり、そのときの釈明に問題があったために批判が集中するケース。
コミュニティー慣習・規則の軽視
企業がMixiTwitterといったソーシャルメディアを利用したマーケティングを行う際に、担当者がそのコミュニティの暗黙の規範などに疎かったために反感を買ってしまうようなケース。
放言・暴言・逆ギレ
アルバイトから幹部まで、その企業に属する誰かがソーシャルメディア上で迂闊な発言をしたことがきっかけとなるケース。ネット上での投稿だけでなく、現実世界での失言がきっかけとなって炎上に至ることもある。

[編集] その他

伊地知晋一は、炎上を反社会的な行為の自慢や、非常識・幼稚な主張を行ったりして批判が殺到する「批判集中型」のほか、「議論過熱型」「荒らし」の3種類に分類し、実際にはそれらが複合的に組み合わされて炎上が起こるとしている[34]

ライターの中川淳一郎は、炎上を「義憤型」「いじめ型&失望型」「便乗&祭り型」「不満&怒り吐き出し型」「嫉妬型」「頭を良く見せたい型」の6つに分類している[35]

[編集] 派生用語

炎上から派生したネット用語として以下のようなものがある。

燃料投下
サイト管理者側が炎上をさらに加速させてしまうような発言・行動をとってしまうことを「燃料投下」という[36]。中途半端な弁解・謝罪や、炎上中に寄せられた過激なコメントに対する「法的措置をとる」などの発言、炎上のきっかけとなったブログのコメントの削除やサイトの閉鎖といったもの燃料になりうる[37]
鎮火
コメントの殺到を一通り終息させることを「鎮火」という[38]
類焼
なんらかの対象への批判が起こる中で、全くの別の対象までもが誤認によって批判されて炎上してしまうことを類焼と呼ぶことがある[39]
延焼
ある対象が批判され炎上した際に、その対象を擁護した別の人物にまで批判が及ぶことを延焼ということがある[40]
炎上係数
その話題に言及した場合に炎上が発生してしまう可能性の度合いを表す言葉で、例えば「韓国」「オタク」といった炎上を誘発しやすいトピックは「炎上係数が高い」といわれる[41]。ほかにも皇室関係や宗教政治問題といった話題は炎上につながりやすい[42]。取り扱う話題だけではなく発言者自身の属性(国籍性別キャラ)も炎上の発生のしやすさに影響しており[43]、「学歴・社会的地位の高い人」「社会に対して意見・批評を述べる立場の人」「(一般人より)芸能人」が炎上の対象になりやすい[44]。企業(のウェブサイトやブログ)を対象とした炎上の場合、BtoC企業とBtoB企業では、専門知識の無い一般ネットユーザーでもとっつきやすい話題になりやすいことからBtoC企業のほうが炎上しやすい[45]
炎上マーケティング
話題性を獲得するためにあえてトラブルになりそうな話題に言及するなどして意図的に炎上を発生させるマーケティング手法を炎上マーケティングという[46]

[編集] 炎上についての考察・分析など

日本のインターネット上のコミュニティ(2ちゃんねるなど)では、しばしば(内容そのものよりも)形式的な作法や感情の盛り上がりに従ってコミュニケーションを連鎖させていくこと自体を重視する現象(つながりの社会性)がみられると論じられるが、炎上についても当初は内容面であった対立が次第に語り口などの形式面への批判へスライドしていくという傾向が見られ、この枠組みで捉えることができるといえる[47]。2004年から2年間にわたって開催されたised(情報社会の倫理と設計についての学際的研究)の倫理研では、日本においてはインターネット・携帯電話などの情報技術の発展が新たな民主主義の可能性や電子公共圏の構築には寄与せず、炎上・コメントスクラムを含むつながりの社会性による無内容コミュニケーションを増幅させるにすぎないのではないかという問題意識から様々な議論を行っている[48]

伊地知晋一は、大手メディアが取り上げなくとも炎上がきっかけとなって政治家や大企業が公式に謝罪発表するというような事例はインターネットの台頭以前には考えられなかったことであるとし、ネット上で個人が意見を発表して問題点を共有するネットデモクラシーの動きの象徴として炎上を捉えている[49]

評論家荻上チキは、炎上を含むサイバーカスケード現象について考察する中でイラク日本人人質事件後のネット上でのバッシングや自作自演説の発生の社会的背景などについて考察した。ライターの中川淳一郎は、荻上のこの考察や前述の伊地知晋一について2007年頃まではほぼ同意していたが、自身もネットニュースの編集に携わる中で炎上をウォッチしたり炎上予防に神経をすり減らしたりしているうちに、やがてそれらの意見に疑問を持つようになったと述べている。すなわち、炎上として寄せられるコメントの中にも参考となる意見はあると信じたり、その背景を分析とする立場はとるのは困難であり、匿名で罵詈雑言を浴びせかけるのに理由も正義もなく、単に炎上に加担しているネットユーザー達は「バカか暇人」だと考えるだけで解決がつくという。[50]

[編集] 炎上の実例

[編集] 芸人名誉毀損一斉検挙事件

2009年2月5日警視庁は、“スマイリーキクチ女子高生コンクリート詰め殺人事件に関与した”という前提でブログのコメント欄に誹謗中傷する書き込みをした18人の男女を名誉毀損被疑で書類送検し、それとは別に脅迫を行った1名を脅迫被疑で書類送検し、最終的にはその多くが不起訴となった。

スマイリーキクチや所属事務所は事件とは無関係であり事実無根であると一部のネットにて表明し、刑事告訴を明言していたとしている。書き込んだ者たちはを真に受けていたとみられるが、書籍などでスマイリーキクチのかかわりを匂わす物もある[51]

警察の検挙を受け、スマイリーキクチは「10年間もの間、事実無根の噂で誹謗・中傷を受けた。家族や友人に被害を受けるのではと思い被害届を出した[52]。今後はこのようなことが無いようにしてほしい[53]」とコメントした。

ブログ炎上で一斉検挙となった初のケースである。

[編集] その他の「炎上」の事例

  • 2004年10月、ライブドアと楽天プロ野球新規参入騒動の際、弁護士紀藤正樹がブログ上において楽天側がプロ野球組織からのヒアリングに対して嘘をついたのではないかという記事を掲載し、多くのコメント・トラックバックがあった。伊地知晋一は、この事例を(2007年時点で)現存する中でも初期の事例として挙げている。[54]
  • 2005年11月、ソニーが発売した新型ウォークマンAシリーズのモニターによるプロモーションブログについて、不審な点が多くやらせではないかという指摘がネット上で相次ぎ、3日後には閉鎖されることになった。この事例は、企業がソーシャルメディアを利用したプロモーションを試みたが失敗して炎上した最初のものとされる。[55]
  • 2006年1月、当時話題になっていた堀江メール問題についての言及がきっかけとなって政治家の長島昭久のブログが炎上した。しかし、その後の本人の対応が適切だったことから終息後にはむしろブログの人気が高まる結果となった。[56]
  • 2006年1月に証券取引法違反の容疑でライブドア家宅捜査が入った際[注 3]、当時のライブドア社長堀江貴文のブログにコメントが殺到した(2日間で1万件程度)。伊地知晋一はこれを「史上最大の炎上」であると述べている。[57]
  • 2006年6月、NTTドコモが新サービスプッシュトークのPRのためにMixiにコミュニティを立ち上げたが、管理人が制定したMixiの理念に沿わない独自のルール運用がユーザーの反感を買った。コミュニティはすぐに炎上し、10日後には閉鎖することとなった。[58]
  • 2006年7月、市民参加型ニュースサイトオーマイニュースの日本版(現在は閉鎖)の開始に先立って初代編集長の鳥越俊太郎ITmediaでのインタビューに応じたが[59]、そこで2ちゃんねらーに対して否定的な発言を行ったことから準備中であったオーマイニュース日本版のブログが炎上した。その後もオーマイニュースでは、市民記者が執筆した記事に対する批判が巻き起こって炎上する事態が頻発した。[60]
  • 2006年8月、モーグル選手の上村愛子が、亀田興毅ファン・ランダエタボクシングの試合に感動したと述べたことが原因となってブログが炎上した。この試合では、亀田興毅の勝利とする判定を疑問視する声が試合を放映したTBSに対して多くあがっており、その矛先が上村愛子にも及んだ形となる。翌日には謝罪のコメントがあったことから炎上は早期に終息した[61]
  • 2006年9月、党名が記載されたうちわを持ってサッカーの試合を観戦し、スポーツ政治を持ち込んだとして神奈川県議のしきだ博昭のブログが炎上した。実際には「自民党の政治家」「横浜」といった共通項があったことによる誤認であり、しきだ博昭は批判に相当する行為は行っていなかった。[62]
  • 2006年9月、作家の乙武洋匡が自身のウェブサイトで悠仁親王誕生後の祝賀ムードの違和感について言及した際、コメント欄に無神経・不敬であるとの批判が殺到して炎上した[63][64]
  • 2006年9月、経済学者植草一秀迷惑防止条例違反で逮捕された際に、植草一秀を応援するブログ(植草は以前にも同条例違反の疑いで逮捕されており、それが冤罪であると主張していたブログ)が炎上した[65]
  • 2006年10月、評論家の池内ひろ美のブログ記事の中に期間工を侮辱するような表現があったとして炎上が発生した[66]
  • 2007年1月、アイドルの杏野はるなスーパーファミコンのカセットの耐久性を試すとして過激な実験(冷凍庫で冷やす、火であぶるなど)を行った。それに対してゲームソフトの製作にかかわった安田朗がブログ上で批判を行い、双方のブログに大量のコメントが殺到した。[67]
  • ネット書店Amazon.co.jpのサイト上で、2006年に書籍化されたケータイ小説の『恋空』のカスタマーレビュー欄に、作品内容の稚拙さを非難・揶揄するレビューが殺到したことがある[注 4]
  • AKB48のメンバー大島麻衣が、2008年1月14日放送の日本テレビ系『オジサンズイレブン』で、「オジサンにミニスカートから出ている足を見られただけでチカンと思う」と発言。放送後、大島のブログに「自分から見せといて痴漢呼ばわりか」などと批判する書き込みが殺到して炎上した。この件について大島はブログで謝罪した[68]爆笑問題がこの炎上を書籍や漫才のネタにしている)。
  • 2008年夏、毎日新聞社が配信していた毎日デイリーニューズのコラム内で低俗な記事がみられたことが問題視されて批判が集中した[注 5]小林直樹は、これをネット上の「炎上」「祭り」騒動の中でもっとも大規模かつ長期間に及んだ事例として挙げている[69]
  • サイバーエージェントが2009年5月13日水曜日に女性の婚活をサポートするために始めたモバイルサイト『男の子牧場』は、サービスの開始直後から個人情報の侵害などを指摘され、同社の広報担当者のブログが炎上する事態となった[70][71]。同社は直ちに「男の子牧場」のサービスを見直した。週明けの2009年5月18日(月)に新規会員登録を停止し、その翌日の2009年5月19日火曜日にサービスを停止した[72][73]。同社は「サービスを再開する予定はない」としているとのこと(産経新聞の報道[73])。同社のプレスリリースには「ご提供頂きました登録情報、および男性プロフィール情報につきましては、当社で責任をもって廃棄させて頂きます」と明言されている[72][73]
  • 2009年6月、お笑いコンビはんにゃ川島章良がテレビ番組『いきなり!黄金伝説。』において飲食店の女性店員に暴言を吐いたとして批判するコメントがブログに殺到した[74]
  • 三洋電機が防水型デジタルカメラの発表会を行った際、参加者の不手際によってカメラが浸水してしまい、防水を標榜している商品なのに浸水してしまったということでネット上で炎上した。しかし、企業側がすぐに発表会で用いた機器は試作品であり、防水のためのロックを確認する表示に問題があったことを発表し、素早い適切な対応を評価する動きもあった[75][76]
  • 2009年8月、よしもとばななのエッセイの中に登場する居酒屋でのエピソードがきっかけとなって2ちゃんねる上で批判的な書き込みが相次いだ。さらに、問題エッセイが収録された書籍『人生の旅をゆく』のAmazonの商品ページのカスタマーレビュー欄にも露骨な最低評価のレビューなどが多数書き込まれたが、批判の矛先はよしもとばななやその著書だけでなくそれに対して好意的な評価をつけた一般のレビュアーにまで及んだ。[77]
  • 2009年9月、八ッ場ダムの工事に関して当時国土交通大臣だった前原誠司が持ちかけた対話を地元側が拒否したため、長野原町のウェブサイトの掲示板に批判が殺到し炎上した[78]
  • 2009年11月、サッカーJリーグ川崎フロンターレがJリーグカップの決勝戦で敗北した際に選手が悪態をついたことが非難の対象となったが[注 6]、このときにフィジカルコーチだった里内猛のブログ上の発言がきっかけとなり彼のブログが炎上した[79]
  • 2011年4月20日の甲子園球場の阪神戦において、巨人の脇谷亮太のプレーを巡って誤審が発生。これに関連して、脇谷が試合終了後に不適切な発言をしたことで、脇谷の本人のツイッターに批判が殺到。この発言には他球団のファン、巨人ファン両方からも批判が殺到した[80]

[編集] 脚注

[編集] 注釈

  1. ^ 例えばJ-CASTニュースは、ネット上の炎上事件を積極的に取り上げることから「炎上メディア」と呼ばれることがある[15]。このほか、探偵ファイルガジェット通信Narinari.comトレビアンニュース(現在は終了)といったニュースサイトや各種2ちゃんねる系ブログなどで炎上の話題が取り上げられる[16]
  2. ^ 具体例としては、#炎上の実例の節の長島昭久三洋電機のケースを参照。
  3. ^ 詳細はライブドア事件を参照。
  4. ^ 恋空#作品への評価を参照。
  5. ^ 詳細は毎日デイリーニューズWaiWai問題を参照。
  6. ^ 2009年のJリーグカップ#表彰式での悪態騒動も参照。

[編集] 出典

  1. ^ 「ブログ炎上」『学びとコンピュータハンドブック』68-72頁。
  2. ^ 「ネット公共圏と炎上をめぐる問題」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』238頁。
  3. ^ 『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』34-36頁。
  4. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』84頁。
  5. ^ 「ネット公共圏と炎上をめぐる問題」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』245頁。
  6. ^ 小倉秀夫 (2005年4月16日). “コメントスクラムについて”. 小倉秀夫の「IT法のTop Front」. Wired Vision. 2008年12月27日閲覧。
  7. ^ 「ネット公共圏と炎上をめぐる問題」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』245-246頁。
  8. ^ a b 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』47頁。
  9. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』25-26頁。
  10. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』28頁。
  11. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』136頁。
  12. ^ 『ソーシャルメディア炎上事件簿』18頁・60頁など。
  13. ^ 「ポストised、変化したことは何か1」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』472頁。
  14. ^ 「ポストised、変化したことは何か1」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』474頁。
  15. ^ 蜷川真夫 『ネットの炎上力』 文藝春秋、2010年、128頁。ISBN 978-4166607396
  16. ^ 『ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」』165頁。
  17. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』102-105頁。
  18. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』107-108頁。
  19. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』17頁・20-22頁。
  20. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』67-68頁。
  21. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』46-47頁。
  22. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』65-66頁。
  23. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』21-22頁。
  24. ^ 『ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」』153頁。
  25. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』98-101頁。
  26. ^ 『ソーシャルメディア炎上事件簿』148-149頁。
  27. ^ 以下、この段落は『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』110-116頁、『ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」』134頁を参照。
  28. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』81頁。
  29. ^ 「ブログ炎上」『学びとコンピュータハンドブック』71頁。
  30. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』45頁。
  31. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』19-20頁。
  32. ^ 「ブログ炎上」『学びとコンピュータハンドブック』69-71頁。
  33. ^ 『ソーシャルメディア炎上事件簿』第2章。
  34. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』18-20頁。
  35. ^ 『ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」』145-150頁。
  36. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』20頁。
  37. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』19-20頁・61頁・79頁・113頁。
  38. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』などで使用されている
  39. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』66-68頁。
  40. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』70-71頁。
  41. ^ 『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』40-41頁。
  42. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』63頁。
  43. ^ 『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』41頁。
  44. ^ 『ネット炎上であなたの会社が潰れる!―ウェブ上の攻撃から身を守る危機管理バイブル』94-96頁。
  45. ^ 『ソーシャルメディア炎上事件簿』166-167頁。
  46. ^ 藤代裕之まんべくん騒動にみる「炎上マーケティング」の教訓日本経済新聞 (2011年9月1日)
  47. ^ 北田暁大「ディスクルス(倫理)の構造転換」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』159頁。
  48. ^ 濱野智史「まえがき」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』4頁。
  49. ^ 『ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス』146-148頁。
  50. ^ 『ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」』64-70頁。
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  52. ^ “ブログ炎上事件でスマイリー「被害に遭ったのは自分」”. スポーツニッポン. (2009年2月5日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/flash/KFullFlash20090205099.html 2009年2月6日閲覧。 
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[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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