トラックバック

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  1. ブログの主要機能のひとつ。本項で詳述。
  2. 映像の撮影においてカメラを後退させながら被写体を撮影する手法。対義語はトラックアップ。

トラックバックTrackback)とは、ブログの主要機能の一つ。ある他人のブログの記事に自身のブログへのリンクを作成する機能のこと。またトラックバック機能を利用する行為自体を指すこともあり、その場合は「トラックバックする」のように表現される。

概要[編集]

一般的にトラックバックとは、他人のブログの記事の内容を引用・参照した時、あるいは他人のブログの記事が自身のブログの記事と関連性のある話題を書いている場合などに、自身のブログの記事が引用・参照した事や関連性がある事を通知する目的で行なわれるものである。ただし、トラックバックの意義については、ブロガーの間でも考え方に相異があり、意義や許容範囲に関する部分で食い違う事がある(この点については、下記の「トラックバックの意義についての考え方の相違」参照)。

この機能を利用するためには、自分のウェブサイトがトラックバックPingを送信でき、且つリンクを作成したい相手のウェブサイトがトラックバックPingを受信できる必要がある。自身のウェブページのリンクや、概要を載せたい相手のウェブページのトラックバックURLをコピーし、自身のウェブページからトラックバックPingを送信する方式が多い。

トラックバック機能が出現する以前も、コメント欄や掲示板などに書き込んで、他人のウェブサイトリンクを張ったり、自分のウェブサイトの概要をまとめて通知する事はできた。しかしトラックバックの機能は、そのようなやり方に比べて、かなり簡単にそれらと同じ結果が得られる点が、非常に画期的である。

トラックバックスパムの問題から、ブログの管理者が容認しないとトラックバックの結果を表示しないブログもある。

トラックバックは、ブログで使われることが一般的であるが、最近ではブログ以外にも、Wikiやニュースサイト、掲示板などでも利用されている。

プロトコル[編集]

トラックバックに使用されるプロトコルは、RESTアーキテクチャを採用している。また送信にはHTTPのPostメソッドが、返信にはXMLメッセージが使用される。

トラックバックする側の記事(参照する側の記事)のページからトラックバックされる対象である記事(参照される側の記事)へ送信されるリクエストは、トラックバックPingと呼ばれる。この時トラックバックされる対象である記事(参照される側の記事)を指定するために使われるURLは、トラックバックURLあるいはトラックバックPing URLと呼ばれる。

サービス[編集]

ブログの世界では、トラックバックに関するサービスがいくつか存在する。そのなかで、自分のブログをより多くの人に見て貰うための様々なサービスがウェブには存在する。 しかし、不必要、邪魔なことでも書き込めるのが欠点だ。詳しくはトラックバックスパムへ。

トラックバックサービス[編集]

トラックバックサービスはブログを更新するたびに特定のサイトに、トラックバックを送ることで、自分のブログを宣伝し注目度を高める効果を期待でき、SEOにもなる。これらのサービスの中にはランキングシステムやカテゴリ毎にトラックバックPing送信指定を導入しているところもあり、それによってさらにブログの宣伝をする効果を期待することができる。

特定の話題毎にトラックバック送信先を用意し、その話題に関するブログ記事をリンクして、一種のコミュニティを構成するようなサービスもある。 また、トラックバックスパムを減らすために登録制にしてトラックバック送信先URLをブログ毎に異なるものに変えているサービスも存在する。

歴史[編集]

Six Apart社のブログツールMovable Typeで実装され、プロトコルとともに公開される。その後、他のブログツールでも次第に導入されるようになり、最近ではブログ以外にも、wikiや掲示板などのウェブページにも実装されている。

諸問題[編集]

トラックバックスパム[編集]

概要[編集]

コンテンツの中身を参照せずに、無作為もしくは機械的な手順によってトラックバックをする行為。「迷惑トラックバック」とも言う。 トラックバックスパムを行なっているウェブサイトは、アダルトサイトや商品販売を目的としているサイト、アフィリエイトの効果を高める為に行なっているサイトなど、様々である。SEOの一環として行われる場合もある。

また「トラックバックは、記事参照を通知する為の機能だ」と考えている人の中には、その人のウェブページを参照していなかったり、あるいは参照しているページへのリンクが張られていないウェブページからのトラックバックを、「トラックバックスパム」とみなす者がいる(この点については、下記の「トラックバックの意義についての考え方の相違」参照)。

対策[編集]

トラックバックスパム対策として、様々な機能が出現している。例を挙げると、下記のようなものがある。

  • ブログの管理者が承認しない限り、トラックバックの結果を表示させない。
  • DNSブラックリストやURLブラックリストに載っているトラックバックを禁止する。
  • 特定のURLからのトラックバックを禁止する。
  • 特定のIPアドレスからのトラックバックを禁止する。
  • 特定のキーワードを含むトラックバックを禁止する。
  • シングルバイト文字(半角英数字)のみのトラックバックを禁止する。日本語や中国語などのマルチバイト文字によるスパムには無力である。
  • URLを自動リンクしないか、してもrel=nofollowしておく。
  • 自動トラックバック用のURLを記述しない(当然自動トラックバックできなくなる)。
  • 各種ブログサービスやブログツールが提供するブラックリストプラグインを使用して、スパムを自動的にスパムリストに移動し、トラックバックの結果表示を保留する(例: Movable TypeのMTBlackListプラグインなど)。

大量にトラックバックを送ってくるウェブサイトなどに対しては、ブログサービスを提供している会社がまとめて受信拒否したり、あるいはそのウェブサイトからのトラックバックを削除してしまう場合もある。

受信側ではなく送信側への対策として、以下のようなものが考えられる。

  • 誘導先サイト/ページのホスティング運営者に通報
  • トラックバック発信元ISPに通報
  • アフィリエイトASPに通報

トラックバックの意義についての考え方の相違[編集]

「どういったケースに、トラックバックをすべきか?」または「トラックバックが認められるのは、どのようなケースか?」という点については、共通認識と言えるものがない。また意見の相違を反映してか、ブログサービスの提供会社のトラックバックに関するガイドラインも、まちまちである。そのため利用者が自分の考えに基づきトラックバックを行った時に、その是非をめぐって論争が起こる事もある。

この点についてのトラックバックに対する考え方は、主に次の2つに分けられる。

  • 記事参照通知を重視する考え方。
「トラックバックとは、『あなたの記事を参照(または引用)して記事を書きましたよ』と伝えるための機能である」という考え方。このような考え方を持っている人からは、トラックバックをする場合にはトラックバック先の記事を参照して記事を書いていることが、当然の前提とされる。また「参照していることを明確にすべきだ」として、参照元へのリンク(言及リンク)を張る事を求めることも多い。
  • 関連性を重視する考え方。
「トラックバック元の記事は、トラックバック先の内容を参照して作成されている必要はなく、関連のある記事内容であれば構わない」という考え方。そのため参照元のリンクを張る事も、特に求めないことが多い。

トラックバックの文字化け[編集]

トラックバックの文字コードが送信先ブログシステムのそれと一致しないために起きる現象。例として、トラックバック送信側のブログがEUC-JPなのに対し受信先のブログはUTF-8を用いているため文字が判読不能になる、といったケースが該当する。

この問題は、多バイトでかつ複数の文字コード体系を持つ地域特有の問題ともいえる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]