ヘイトスピーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ヘイトスピーチ: hate speech)とは「憎悪表現」と訳される概念で[1][2]、特にそうした種類の言論が”地域の平穏を乱すことをもって規制されるべき”と議論する場合には「憎悪を煽る表現」と呼ばれる[3][4]。喧嘩言葉[5]と同様に相手方の内部に憎悪を生み出すような言論(表現)類型と考えられており、話者(表現者)の側の憎悪感情が問題とされる[6]

ある個人や集団を、人種(民族)・国籍・性といった先天的な属性、あるいは民族的文化などの準先天的な属性、あるいは宗教などのように人格との結び付きが密接な特別の属性で分類し、それを有することを理由に、差別・排除の意図をもって、貶めたり、暴力や誹謗中傷、差別的行為を煽動したりするような言動のことを指す[7]。ヘイトスピーチの対象は言論(speech)以外に表現(expression)全般に及び[8]、例えば宗教的象徴を中傷する漫画や動画の公開や[9]、歴史的経緯を踏まえた上で民家の庭先で十字架を焼却する行為[10]なども議論の対象に含まれる。

一般には「差別的表現」と解されることが多いが、人種差別撤廃条約が処罰を求めるのは、その内、「人種的優越又は憎悪に基づく思想の流布、人種差別の扇動、暴力行為又はその行為の扇動」、「人種主義に基づく活動に対する資金援助を含む援助の提供」、および「人種差別を助長し及び扇動する団体及び組織的宣伝活動その他のすべての宣伝活動」に相当する。

概要[編集]

人種民族国籍宗教思想年齢性別性的指向障害職業、社会的地位・経済レベル、外見などを貶め、憎悪、暴力をかき立てるような表現をすることがヘイトスピーチの特徴である。憎悪バイアスをもたらす表現形態としてジェンダー論の立場からはポルノグラフィ規制論とも関係する[11]。個人に対するいやがらせ表現などは侮辱罪ストーカー規制法などの対象となる。

一般的には、「『自ら能動的に変えることの出来ない特質』と関連付けた侮辱的・攻撃的な表現」がヘイトスピーチとされる[7]

論争[編集]

「ヘイトスピーチ」とは、「人種、宗教、ジェンダーなどの要素に起因する憎悪や嫌悪(hatred)の表現」[12]を指すとされるが、その定義および処罰の可否については、古くから論争があった。

もっとも、人種差別撤廃条約制定後は、一義的には、その第4条(a)「『人種的優劣又は憎悪に基ずく思想のあらゆる流布』、『人種差別の扇動』、『いかなる人種若しくは皮膚の色若しくは種族的出身を異にする人の集団に対する物であるかを問わず、すべての暴力行為又はその行為の扇動』、および『人種主義に基ずく活動に対する資金援助の提供』も、『法律で処罰すべき犯罪であること』を宣言すること」および(b) 「『人種差別を助長し、及び扇動するその他のすべての宣言・活動』を、違法であるとして禁止するものとし、このような団体または活動への参加が『法律で処罰すべき犯罪であること』を認めること」の是非、および一定の留保を巡っての論争となっている。

米国では、1990年代以降、「『ヘイトスピーチ』は差別の一形態である」という考え方が、主に国内の大学や放送事業者の間で広まり、それらの発言等を制限する目的を持つ、「スピーチコード」と言われる規則が採用されるようになったことで、「合衆国憲法の保障する言論の自由思想の自由を侵害するものではないか」として論争が起こった。この概念は、口頭や文書によるものだけでなく表現行為一般にも及ぶが、同行為[13]への規制や処罰は一種の思想統制、言論統制として機能することから、ヘイトスピーチの定義を誰がどのように行い、どう規制するのかということから論争の対象とされている。

米国の多くの法廷でも、ヘイトスピーチを処罰する州法の合憲性が争われたが、合憲とされた州法と、「過度に広範な規制を定める」として違憲とされた市条例とがある。合憲とされた例として、イリノイ州刑法に関する1952年ボアルネ事件がある[14]。この事件では、イリノイ州の集団誹謗法における、「人種・肌の色・信条、若しくは宗教を理由として、特定の市民に関する堕落・犯罪・不純若しくは道徳の欠如を描く、或いは特定の市民を侮辱・嘲笑、若しくは中傷にさらす」表現行為を処罰する規定について、連邦最高裁で合憲性が争点となった。連邦最高裁の法廷意見は、同法は1917年6月29日に成立したが、イリノイ州が人種暴動にしばしば見舞われ、集団誹謗が重大な役割を果たした歴史的経緯を踏まえ、「このような歴史的事実と、人種的および宗教的プロパガンダにしばしば伴うものを前にしたとき、・・・人種的および宗教的集団に対する悪質な名誉毀損を抑制するために、イリノイ州議会がとった手段に『正当な理由がなかった』とは言えないであろう。(言論および出版の)自由の行使には限界がある。人種的または宗教的自尊心に基づいて、誤った信念を持つに至った者の威圧的な行動が、他者の自由の行使に対する平等な権利を奪う目的で、暴力を引き起こしたり、平穏を破壊したりするであろうこの頃の危険は、すべての者によく知られている出来事によって強調される。そのように限界を超えて自由を行使した者を、州は適切なやり方で罰することができる」[15]として、これを合憲とした[16]

違憲とされた例として、十字架焼却を犯罪行為としたセントポール市条例の違憲性が問われたR.A.V. v. St.Paul(1992)判決がある。セント・ポール市条例は、「公共的または私的な財産の上に『人種・肌の色・信条・宗教・性別に基づいて、他者に怒り・不安・憤りを生ぜしめる』と知られている、またはそう知られることに理由のあるシンボルなどを設置した者を処罰する」と定めていたが、連邦最高裁は、「手段は必要不可欠なものでない、あるいは過度に広範である」として、合衆国憲法修正第1条に違反し、条例を文面上無効とした。

一方で同様の行為の犯罪性について検討されたVirginia v. Black(2003)ではヴァージニア州法違反とされた十字架焼却について、表現行為そのものの規制については合衆国憲法修正第1条違反としたものの(他人を脅したり威嚇したりする)脅迫の目的で利用した場合、この行為を処罰する箇所の州法の規定は憲法違反とは言えないとした[17]

法的な側面[編集]

1965年12月21日に国連総会で採択された人種差別撤廃条約は、その第4条において、「人種的優越または憎悪に基く思想のあらゆる流布、人種差別の扇動を『法律で処罰すべき犯罪であること』を宣言すること」(a項)と、「人種差別を助長し及び扇動する団体、及び組織的宣伝活動その他のすべての宣伝活動を、『違法であるとして禁止するもの』とすること」(b項)を明記している。日本は当条約に1995年12月15日に加入書を寄託し、加盟国となっているが、「日本国憲法の下における『集会、結社及び表現の自由その他の権利』の保障に抵触しない限度において、これらの規定に基く義務を履行する」という留保の宣言を行なっている。

また市民的及び政治的権利に関する国際規約が第20条第2項で、「差別扇動の言動は法を以って禁止する」、同規約第2条第2項は「規約締結各国は規約で認められる権利を実現するために適切な国内法制がない場合は整備する」と定める。

米国では、合衆国憲法修正第1項において、「連邦政府による言論規制」を強く禁じている。「政府は、その思想自体が攻撃的あるいは不快であるからという理由だけで思想を禁止するべきではない」 という原則を固持している。1992年、アメリカ連邦最高裁は、RAV判決において、憎悪表現規制は違憲であると判断した[18][19]

ドイツ憲法では、自分の意見を発する自由を保障する一方、「治安を妨害するような言論の濫用」を厳しく規制している。また、ナチスによるホロコーストの経験をもつドイツでは、民族集団に対する憎悪を煽動するような行為を、刑法(民衆扇動罪第130条)で特に禁止している。

カナダではヘイトスピーチに刑事罰が規定されているが、正当な言論の自由を制限しないための免責規定があり、免責条件としては「真実性の証明がある場合」「誠意をもって宗教上の題材に関する意見を述べた場合」「公共の利益のためになされた場合」「憎悪感情の除去を目的としていた場合」を規定している[19]。一方、人権法13条に制定されたヘイトスピーチ規制は撤廃された[20]。職場での軽口まで人権委員会に訴えるケースが目立つようになったたり、イスラム社会に対する一般的批評やムハンマドの風刺画が訴えられるようになり言論統制の危険性が顕わになったためである[21][19]

「名古屋大学の浅川晃広講師によれば、オーストラリアで「表現の自由」への萎縮効果を問題視する空気が社会に広がっていて、オーストラリアの反人種差別法改正が審議されている」「現行法では「差別された」と集団が不快感を訴えるだけでヘイトスピーチとされ、改正案では一般社会的に名誉毀損や脅迫に当たる表現のみが反人種差別法の対象になる」と報道されている[21]

その他、ヘイトスピーチの各国における法的な扱い[編集]

  • イギリスでは、公共秩序法 (Public Order Act 1986) の規制する類型のひとつとして、人種的嫌悪を煽動した者、あるいは文書等を所持・頒布等した(例外規定あり)者は、2年以下の拘禁、又は罰金、若しくはその両方、略式の有罪判決による場合は6か月以下の拘禁、または罰金、若しくはその両方(第27条3項目)とされる[22]
刑罰については2001年のアメリカ同時多発テロを受け、反テロリズム犯罪と安全法Anti-terrorism, Crime and Security Act 2001英語版によって、人種的憎悪扇動罪[23](Racial hatred offences)は刑罰を2年から最高7年に引き上げられている[24]
宗教的憎悪は1986年法では定義に含まれていなかったが、2007年に規制対象化。なお本法の保護法益は公共の秩序であり、居室内や閉鎖されたグループ内での行為を制限するものではない。
  • オーストラリアビクトリア州では、人種的宗教的寛容法 (Racial and Religious Tolerance Act 2001)[25] によって、「人種(SECT 7)や宗教(SECT 8)を理由に、人を嫌悪・憎悪・侮蔑・愚弄する行為に関わること」が禁じられている。
  • ホロコースト否認は、多くのヨーロッパ諸国において「ヘイトスピーチの一種」と認識され法的処罰の対象とされている(詳しくはホロコースト否認)。

国連の意見表明[編集]

これらは国連安保理による決議と違い法的拘束力はなく、国際機関としての意見表明に留まる。

  • ホロコースト否認を非難する決議が2007年の国連総会で採択されている[26]。 
  • 2011年5月3日、国際連合自由権規約人権委員会は、言論の自由とその限界を定めた国際人権規約第19条と、差別や暴力を扇動する「国民的、人種的、宗教的憎悪の唱道」を法律で禁止することを求めた同規約第20条との関係について、「『ヘイトスピ-チ』の多くが、同規約第20条の水準にそぐわないことを懸念する」、とした総括所見草案を発表した[27]

スピーチコード[編集]

1990年代、米国やヨーロッパの多くの研究機関が、「ヘイトスピーチは差別行為の一形態である」という主張を展開し、スピーチコード(speech code)を相次いで開発、米国やヨーロッパの一部の教育機関、メディア労働組合などで採用されている。

これらの規則は、意図的であるかないかにかかわらず、ヘイトスピーチにつながる言葉や表現を自主規制する目的を持っている。

各国の現状[編集]

アメリカ[編集]

  • 2013年10月米国ABCテレビの番組で、中国の米国債保有問題の解決法について、子供が「中国人を皆殺しにしよう」と発言した。司会のジミー・キンメルは笑いながら「面白い考えだ」と応じた。在米中国人などからの抗議が殺到し、ABCは「社会全般の気分を害するような内容を意図的に放送することは決してない」として謝罪し再放送の問題部分を削除した。中国人団体はホワイトハウスオンライン請願サイトに、政府による調査・番組の打ち切り・正式な謝罪を求める運動を始め、署名数はサイトの規定数に達した。規定により、2014年1月に米国政府は立場を明らかにした。それによれば、ABCが番組内で謝罪し再発防止策を講じ問題の放送部分を削除していることからABCの対応が十分であるとした。また、中国の平和的台頭を歓迎するという大統領の考えを紹介した。その上で、ABCの番組を打ち切らせるべく政府が介入することを拒否し「他人の気分を害する可能性があったとしても、憲法言論の自由を保証しています」と説明した[28][29]

ドイツ[編集]

2012年9月ドイツの自動車製造会社アウディの中国国内の販売店で「日本人を皆殺しにする」という横断幕が掲げられた。中国尖閣諸島をめぐる反日デモが激化する中で、販売店の社員14人が抗議行動としてこの横断幕を掲げた。アウディ日本法人はすぐに謝罪を発表。「このような行為があったことは誠に遺憾であるとともに、憤りを覚えております」とのニュースリリースを掲載した。ドイツ本社の「(今回の行為は)受け入れがたい」というコメントも含まれていた。ドイツ本社はツイッターで「我々は今回の中国での行動といかなる暴力からも距離を置く。我々は対話と外交を主張する」というコメントを出した。しかし、このドイツ本社のコメントについては他人事のように述べているという批判が日本のネット上で起きた。台湾やアメリカでも「もっと深刻にとらえ、きちんと謝罪すべきではないのか」との批判の声がネット上で起きた[30][31][32]

フランス[編集]

フランス領ギアナ出身のクリスチャーヌ・トビラ法務大臣の政策によって2001年にフランスでは過去の奴隷制度は人道に対する罪であったと認定され、公立学校では奴隷制に関する授業が義務づけられた[33]。しかし、右派の国民戦線などはこうした政策を批判し、2013年10月25日にトビラ法務大臣が11歳の女子に「雌猿」と野次られた事件を受けて、右派の雑誌Minuteは表紙で「猿のように賢いトビラはバナナをみつける」と掲載し、非難された[33]

サルコジ大統領

2007年にはサルコジ大統領がセネガルの植民地支配を認めたが謝罪はせず、「アフリカの悲劇は、人類の歴史のなかでいまだ大きな業績を残していないことである」と述べ、2010年には[暴動を起こしたロマ人に対して強硬策ととるなか、演説でヘイトスピーチ的な内容を語り、非難された[33]

エリック・ゼムール

ジャーナリストのエリック・ゼムールは、テレビやラジオで「ポリティカリー・コレクトなことばかり言っていると論議が発展しない」「イスラム教とフランス共和国法は共存できない」「麻薬の密売をする人のほとんどはアラブ人と黒人、だから彼らが警察の身体検査や身分証明検査の標的になるのは当然」「アラブ人や黒人を雇わないという雇用者側の権利を認めるべきだ」と発言し、人種差別発言として罰金刑を受けた[33]

ジョン・ガリアーノ

ファッションデザイナーのジョン・ガリアーノはディオール在職中の2011年、ヒトラー賛美や、外国人に対する人種差別発言の廉で逮捕され、罰金刑を受け解雇された。

韓国[編集]

  • 韓国では日本や北朝鮮へのヘイトスピーチ的デモがある。反日デモ日韓関係の悪化をきっかけとして日本大使館前でしばしば行われる。大使館や公官庁の周辺などでのデモは原則禁止されているが、大使館前の反日デモは黙認されている。罵倒を書いたプラカードを掲げ、政治家の人形や写真、国旗を燃やしたりするパフォーマンスが行われる。また、ネットでの誹謗中傷がヘイトスピーチの温床となっている。江南スタイルミュージックビデオに出演した韓国人少年は「リトルPSY」と呼ばれ一躍注目を浴びた。しかし、彼の母親がベトナム人であることが分かると、過激なネットユーザーが少年に対して混血であることを理由に誹謗中傷を行なった[34]
韓国在住のジャーナリスト原美和子は朝日新聞社の言論サイト上で、韓国人自身が差別被害に遭うと声高に「人種差別だ、侮辱だ」と反発する一方でネット上では差別行動を行なっており、本末転倒であると指摘する。また同氏はパク・クネ大統領と韓国マスコミの反日姿勢が、韓国のヘイトスピーチや外国人差別を助長しているとも指摘している[34]
  • 韓国でのベトナム人花嫁あっせん広告には「処女紹介」「再婚者、身障者含め100%が成功」などといった文言が並び、運動団体から抗議がなされた[35]。米国国務省の人身売買報告書の中に、韓国の国際結婚仲介業者が掲げた「ベトナム人女性は決して逃げません」という看板の写真を掲載した。また、韓国のチョンガー(独身男性)がベトナム現地で花嫁を選ぶ際に、『裸の検査』までしていた事が分かり問題視された[36]。2007年7月には天安市で19歳のベトナム人新婦が地下室で肋骨18本が折れた状態で遺体となって発見され、犯人は結婚仲介業者を通じて結婚した夫で、家庭内暴力によるものだった[37]。大田高等裁判所は懲役12年の刑を言い渡し「他国の女性を輸入品のように取り扱う乾き切った人間性」と裁判長は述べた。

日本[編集]

法規定[編集]

2013年現在、日本には、ヘイトスピーチ自体を取り締まることを対象とした一般法、特別法、条例は制定されていない。ただ、刑法において、一般的にヘイトスピーチとされる「特定人物や特定団体に対する偏見に基づく差別的言動」は、侮辱罪名誉毀損罪の対象であり、差別的言動の被害が具体的になれば、事例によっては脅迫罪業務妨害罪の対象となる[38][39][40]。しかし、ヘイトスピーチであっても、特定しきれない漠然とした集団(民族・国籍・宗教・性的指向等)に対するものについては、侮辱罪や名誉毀損罪には該当しない[38][40]

差別[41]・人権侵害的言論を規制する意図を背景に、人権擁護法案等で諸々の検討がなされているが、「言論の自由の侵害の危険性」など、法案の合憲性、内容や運用方法、制度の必要性などを巡って議論となっている。

法規制の必要性の是非については、ヘイトスピーチが「表現の自由」を逸脱した人権侵害に当たるとして法規制が必要であるとする意見や、「表現の自由」に基づく正当な言論活動が規制される可能性への懸念から法規制は不要であるとする意見がある[42]

政府の見解[編集]

外務省は、人種差別思想の流布等に対し、「『正当な言論までも不当に萎縮させる危険を冒してまで処罰立法措置をとること』を検討しなければならないほど、現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の扇動が行われている状況にあるとは考えていない」との見解を発表している[43]

2013年5月7日5月9日にかけて参院でヘイトスピーチについて問われ、安倍晋三首相は「一部の国、民族を排除する言動があるのは極めて残念なことだ。日本人は和を重んじ、排他的な国民ではなかったはず。どんなときも礼儀正しく、寛容で謙虚でなければならないと考えるのが日本人だ」[44]と、谷垣禎一法務大臣は「憂慮に堪えない。品格ある国家という方向に真っ向から反する」[45]とそれぞれ語った。さらに谷垣法務大臣は5月10日の記者会見で、ヘイトスピーチについて「人々に不安感や嫌悪感を与えるというだけでなく、差別意識を生じさせることにもつながりかねない。甚だ残念だ。差別のない社会の実現に向け、一層積極的に取り組んでいきたい」と述べた[46]。こういった批判の声に対し、在特会側は「1万3000人に増えた会員数がその成果だ。」と反論した[47]2013年10月7日菅義偉官房長官は、在特会に関する朝鮮学校訴訟の判決についての質問で「最近、ヘイトスピーチと呼ばれる差別的発言で商店の営業や学校の授業などが妨害されていることは、極めて憂慮すべきものがある」と述べた[48]

自治体の見解[編集]

  • 東京都舛添要一都知事は、2014年7月18日の記者会見で、ヘイトスピーチに関して「根本的に人権に対する挑戦」と語り、「人権啓発キャンペーンのようなところで徹底的にこれは、そういうことは止めるべきである」と語った。また「言論の自由はめちゃくちゃ重い」ということに留意しながらも、ヘイトスピーチの規制については、「大体の国民のコンセンサスが生まれれば、これはむしろ、東京都が条例ということよりも国権の最高機関である国会できちんと法律をつくるなり、刑法を改正するなりやっていただくと良いと思います」と語った[49]
  • 川崎市福田紀彦市長は、2014年5月31日の住民座談会の中で、ヘイトスピーチを伴うデモに対して、「ヘイトスピーチの話って聞くたびに、なんていうのか、怒りを通り越して情けないという思いがいたします」と語り、「昔からこういう風に続いてきている差別というのもしっかりと根絶していくには、子どもたちの教育というものもしっかりやっていくということも、私は重要なことだと思っていますので、そういう風に進めていきたいと思っています」と語った[50]
  • 大阪市橋下徹市長は、2014年7月10日の記者会見で、ヘイトスピーチを伴うデモに対して「表現の自由もあり、スピーチ自体の制限や罰則は難しい」としながらも「やり過ぎで問題だ。言葉が表現の自由をこえている」「発言内容を証拠保全し、表現について第三者委員会で議論し、結果を公表する」という考えを示した[51]
  • 大阪府門真市は、特定の人種への差別を扇動するヘイトスピーチを繰り返す排外主義団体には、既存条例を活用し、公民館や公園など市施設を使わせない方針を明らかにしていると毎日新聞は報道した[52]が、市の公式見解としては「日本国憲法を擁護する立場として、表現の自由は保障すべきものと考えており、市内公共施設の使用について、原則的には団体や個人を特定し、使用制限を行うものではありません。そのような中、市民の安全と尊厳を守ることを土台として、公共施設の使用の許可申請書の内容等を総合的に判断し、各施設の管理に関する条例及び規則等に抵触する場合については、不許可とします」と記している[53]。。

ヘイトスピーチの現状[編集]

在特会などの右派系市民団体[編集]

在特会など、「行動する保守」と言われる右派系市民団体が主催する反韓デモにおいて、過激なプラカードや過激なコールが頻繁に行われている。在特会会長の桜井誠自ら「在日韓国人をテポドンにくくりつけ、韓国に打ち込みましょう!」とデモの最中に叫んで[54]おり、これが「ヘイトスピーチ」であると非難されることがある。

2009年12月24日には、在特会関西支部長らが京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)の勧進橋児童公園の不正占用に抗議するとして、同校校門前で街宣を行った。在特会のメンバーらは学校に向けて「日本から出て行け。何が子供じゃ、こんなもん、お前、スパイの子供やないか。」「約束というものは人間同士がするものなんですよ。人間と朝鮮人では約束は成立しません。」等と叫んだ。初級学校側は街宣を行った在特会側のメンバーを刑事告訴し、在特会側のメンバーは逮捕された。2011年4月21日には、京都地裁で街宣を行ったメンバー4名に有罪判決が言い渡された。

また、朝鮮学校側は在特会のメンバーらを相手に民事裁判を行い、京都地裁が2013年10月7日に原告(初級学校側)の主張を認め、街宣禁止(移転後の所在地を中心とした半径200メートル以内も含めて)と1225万円賠償(仮執行宣言付き)を在特会側に命令した。なお本事例は、裁判所が「行動する保守」のデモ活動を人種差別撤廃条約に照らし違法と認めた初めてのことである。

なお、在特会側も初級学校側を告発し、初級学校の前校長が、京都市が管理する公園を無許可で占用したとして、都市公園法違反で書類送検されている。

なお、前述の事件で有罪判決を受けた者のうち2名は、2012年3月2日に大阪市の製薬会社「ロート製薬」を脅迫したとして、大阪地裁で再び有罪判決を受けている。前述の事件で執行猶予付きの有罪判決を受けていた2名は、その執行猶予を取り消されて、刑務所に収監された。

2013年2月9日に東京新大久保で実施された「新社会運動」主催の反韓デモでは、参加者に「死ね」や「殺せ」などというプラカードとコールがみられた[55]。別の日の新大久保では「朝鮮恥獣密集地帯」「韓国人女性=腐れ売春婦」など侮辱的なプラカードが掲げられた[56]

2013年2月24日には、在特会らが大阪鶴橋で行った街宣の中で女子中学生が登場し「まず日本人の人に聞きます。ここにいるチョンコが、憎くて憎くてたまらない人は何人いますかーっ!手ぇ挙げてくださーいっ!」「南京大虐殺ではなく『鶴橋大虐殺』を実行しますよ」などと叫んだ[57]。この件に関しては、英国の大衆紙「デイリー・メール[58]台湾の大手ニュースサイトの「東森新聞雲」[59]など、海外でも報じられた。

行動する保守系の団体が2013年3月に大阪で行った日韓国交断絶国民大行進というデモではコーラーが「石を投げつけ朝鮮人の女はレイプしてもいいんですよ」と叫んでいる。このことは日本では勿論、韓国国内でも報じられ、強い非難の声が上がった[60]

ナチス・ドイツヒトラーを賛美する集会などを行う者[61]までいる。

なお、在特会のヘイトスピーチの対象は在日韓国人だけでなく、被差別部落出身者にも向けられている。在特会副会長の男が2011年に奈良県御所市の水平社博物館の前で街宣と称して「この目の前にある穢多博物館ですか、非人博物館ですか、水平社博物館ですか、なんかねえ、よく分からんこの博物館」「「いい加減出てきたらどうだ、穢多ども。」と叫んだ際には、水平社博物館側が後日に民事訴訟を起こして、在特会側が敗訴している。

また、在特会は在日中国人に対するヘイトスピーチを行っているとも指摘される。2012年10月には在特会らは「史上最大の反中デモ」と称して池袋でデモを行っているが、参加者の中には「ゴキブリシナ人を日本から叩き出せ」などと叫ぶものもいた。デモ終了後に桜井誠らは「パトロール」と称して、華僑の商店の多い一角に向かって、そこで「日本が戦前大陸に行ったことが侵略なら、てめえらが日本にいること自体が侵略なんだよ!」と叫んでいる[62]

2009年4月には、埼玉県蕨市では、在特会がフィリピン出身の不法入国者の家族に対して、その家族の娘が通う中学校前でデモ行進を行い「犯罪フィリピン人○○一家を叩き出せ」などと集団でシュプレヒコールをあげている。これに関してはデモの主催者側は「差別」ではないと主張するが、異論の声もある[63]

公安調査庁は『内外情勢の回顧と展望(平成23年1月)』において、「排外的主張を掲げ執拗な糾弾活動を展開する右派系グループ」とするコラムにおいてこれらの動きを紹介している[64]

長崎県対馬島[編集]

長崎県対馬では、韓国人が神社の絵馬に「地震起きて死ね」「竹島は韓国領 対馬まで韓国領土わかったか」「津波がまた来ますように」「慰安婦に謝罪と賠償を」「過去を反省しろ、中韓を見習え」「日本征伐」といった落書きをする事例が後を絶たない[65]

沖縄県 [編集]

沖縄県では、在日米軍基地に反対する団体の一部構成員が、アメリカ軍兵士やその家族、子供に対して「ファック・ユー!(「くたばれ」の意。元々は「お前を強姦してやるぞ」という意。)や、「ヤンキー・ゴー・ホーム!(1952年の流行語)」などの罵声を浴びせる活動を続けているとされる。これは米軍兵だけではなくその家族に対しても向けられているとされ、この行動に対して沖縄の警察は対処していないという[66][42]。この件に関して、ジャーナリストの大高未貴は、反韓デモが盛んになるにつれて「ヘイトスピーチ」という言葉はマスコミにより盛んに使用されるようになった(2013年の新語・流行語大賞でトップテンになる[67])が、その一方、それ以前からあった沖縄の米軍兵士やその家族・子供に対するヘイトスピーチやヘイトクライムについては、そういったマスコミが取り上げることはないと、その偏向ぶりを指摘している[66]。在沖縄海兵隊バトラー基地の政務外交部の次長は大高の取材に対し、基地のゲートを通過する車両に向けヘイトスピーチを繰り返す抗議団体の実情を見せた上で「われわれは兵士ですから耐えられます。しかし、家族はそうではありません。勤務地更新のとき、妻や子供たちに『もう日本は嫌だ』とせがまれる兵士が増え、沖縄での更新を希望する兵士は激減しています」と述べた[66]


反ヘイトスピーチ活動[編集]

排外主義・レイシズム反対集会

2013年3月14日に参議院議員の有田芳生(民主党)らが呼びかけ人になり、参議院会館で排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会が実施され た[68]5月7日には第二回目の集会が実施された。参議院議員の大野元裕や参議院議員の小西洋之らが登壇した。学術界からは師岡康子(大阪経済大学)が報告を行った[69][70]11月28日には第三回目の集会が実施された。この中で有田芳生は、超党派議員による包括的人種差別禁止法を議員立法で提出し、法整備を行いたいと語っている[71][72]

なお、このような活動を行う有田芳生の事務所やツイッターには「殺すぞ」という殺人予告や「朝鮮へ帰れ」などという批判が殺到していると有田は主張している[73]

有志の弁護士らの活動

2013年3月29日日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児ら有志の弁護士12人が、新大久保での反韓デモに対して「これ以上放置できない」として東京弁護士会に人権救済を申し立てた。また弁護士らは「警察には外国人の安全を守る責任があるというのに、適切な対策を取っていない」として、警視庁に対して周辺住民の安全確保を申し入れた[74]

のりこえねっと

2013年9月25日には、「在日韓国・朝鮮人らに対するヘイトスピーチに対抗し、乗り越えよう」と呼びかける団体のりこえねっと (ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)が結成され、東京・新大久保で発足会見が開かれた[75]。共同代表は石井ポンペ(アイヌ運動)、上野千鶴子女性学)、宇都宮健児(弁護士)、雁屋哲(漫画原作者)、北原みのり(コラムニスト)、河野義行松本サリン事件被害者)、佐高信(評論家)、辛淑玉(コンサルタント)、鈴木邦男一水会)、高里鈴代(平和市民連絡会)、田中宏(一橋大学名誉教授)、田中優子法政大学)、知花昌一(平和運動家)、中沢けい(作家)、西田一美(労働組合役員)、前田朗(法学)、松岡徹部落解放同盟)、村山富市(元首相)、リリアン・テルミ・ハタノ(近畿大学)、若森資朗(パルシステム生活協同組合連合会会長[76])、和田春樹(歴史家)[77]

のりこえねっと設立宣言では、現在の日本における「在日韓国・朝鮮人を標的とするヘイトスピーチ」は「ナチス時代のユダヤ人などへの迫害、かつての南アフリカでのアパルトヘイトやアメリカ南部におけるKKK団のリンチを想起させるような激しい侮辱と憎悪表現」であるとし、日本の「戦後体制が政策的に作り出してきた差別そのもの」と主張している[78]辛淑玉共同代表は日本のヘイトスピーチ団体は「反論できない立場の相手に、ウソついて陥れる」と批判している[79]

ニューズウィーク日本版2014年6月24日号の「『反ヘイト』という名のヘイト」記事で「ヘイトデモ」参加者が「反ヘイト活動家」に殴られたと書かれ、また「ヘイトデモ参加者」が「反ヘイト団体からの暴力を恐れて」いることなどが報道された。これについてのりこえねっとは、殴ったのではなく「顔を押さえた」ことが事実であり、ニューズウィーク日本版は「嫌韓記事を掲載し、問題のある雑誌」であり、ヘイトスピーチの側に立っており、許せないと抗議した[80]

反ヘイトスピーチを呼び掛けるパレードや街頭アピールなど。
  • 2013年7月14日には、関西で反ヘイトスピーチを呼び掛ける有志が「仲良くしようぜパレード in 大阪」と称すパレードを実施した。 和服、チマチョゴリ、沖縄のエイサー隊など様々な民族衣装を着た参加者が集まって御堂筋を歩いた。参加者は主催者発表で約700人[81]
    • 2014年7月20日には、2回目となる「OSAKA AGAINST RACISM 仲良くしようぜパレード2014」が開催された。パレード参加者は約1500人[82]
  • 2013年9月22日には、ヘイトスピーチと人種差別の撤廃を訴える「東京大行進」と称されるデモが新宿で開催され、ツイッターなどでの呼びかけに応じた約1200人が参加した[83]。2014年秋には、第2回を行う見込み。
  • 2014年4月27日に開催された東京レインボープライド2014に東京大行進の公式フロート車『TOKYO NO H8』が参加している[84]
  • 2013年10月から週1回のペースで反ヘイトスピーチを呼び掛ける有志、40名ほどが集まって、東京都庁前でヘイトスピーチへの行政対応を求める趣旨の街頭スピーチ(「都庁前アピール」と称される)を行っている[85][86]
  • 2014年6月28,29日には、反ヘイトスピーチを呼び掛ける有志が「ヘイトスピーチ―闘う市民たち―」と称するプラカード展を東京都三鷹市国際基督教大学で行った[87]

反ヘイトスピーチを掲げ罵声や暴力を以って対抗する運動[編集]

レイシストをしばき隊

在特会などの行動する保守のデモが表出してきたことに対し、それらをヘイトスピーチとして位置付け、対抗しようとする行動団体が活発化している。野間易通が主宰する「レイシストをしばき隊」は「死ね」等の罵声のみならず掴み掛かったり物を投げつけるなどの暴力を用いて保守系デモへの過激な対抗運動を行っている。汚い罵倒の応酬ではなく他の手段を取るべきとの指摘に対し、野間は差別的表現に対しては上品で冷静な議論ではなく怒りを持って叫ぶのが正常であるとしてこのような運動の正当性を主張している[88]

男組

しばき隊とともに対抗活動を行う団体の中には、ヤクザのような体裁を取る団体もある。「男組」を名乗る団体は、「組長」「若頭」等の呼称を使用し、和彫りの入れ墨を見せ威嚇する行動を取っている[89][90]。野間は男組のような団体の暴力性が対抗運動には必要であるとし、運動により多くの暴力的団体が現れるべきと指摘している[91]。これらの団体は在特会等と度々衝突を起こしている。2013年9月には、男組のリーダー格である「組長」高橋直輝と「本部長」木本拓史の二人がデモ参加者の顔を叩き首を絞めたとして、暴行罪で逮捕された[92][93][94][95]

同年11月には二人はデモ参加者を執拗に付きまとい殴ったとして傷害罪で逮捕・起訴され有罪判決を受けている[96][97][98][89]

2014年7月16日、「男組」の高橋、木本ら主要メンバー8名は暴力行為処罰法違反容疑で大阪府警警備部などに逮捕された。大阪市内の駅構内で、デモに参加しようとしていた男性を集団で取り囲んで壁に押し付け、大声で恫喝するなど暴行脅迫を加えた疑い。また、府警はメンバーの自宅などの関係先である大阪、東京、静岡など7都府県10カ所を家宅捜索した[99][100][101]。その後、逮捕された内数名が罰金刑となった[102]

友だち守る団

2014年6月には対抗運動団体「友だち守る団」の元代表の韓国人の男が脅迫の疑いで逮捕された。大阪市内で集会をしていた在特会メンバーに「この世におれんようになるぞ」と脅した疑い[103][104]。その後、脅迫の罪起訴された[105]。脅迫での逮捕以前に、この韓国人の男は生活保護費およそ112万円を不正に受け取ったとして詐欺罪で逮捕・起訴されている[106][107]

対抗運動関係者からの賛同・支援

ヘイトスピーチに対して、法規制の実現を目指す参議院議員の有田芳生は、しばき隊らと連携している。有田は既存の運動体・政党を「合法主義(法規に反しない手段で社会変革を成す立場)の余り闘わない」「きれい事と口先だけの人権派」と批判し「ぎりぎりまでやってくれる」しばき隊らを称賛している[21]

2014年6月、運動団体のりこえねっとの集会に参加した男組の高橋は「逮捕上等」「(警察の判断によって)逮捕されるかもしれないので支援をお願いします」などと語った。集会の司会を務めるのりこえねっと共同代表辛淑玉は笑い出し、司会者としても聴衆に男組への支援を求めた[108][109]

在特会側の反応

在特会の桜井誠は、こうしたしばき隊らの活動こそが「日本人に対する差別」(日本人差別)であると主張している[110]。また、しばき隊・男組の構成員は「不逞鮮人」であるとも主張している[111]

在特会は2013年4月26日に、警察に許可を得たデモであるにもかかわらず、デモに抗議する者たちから妨害を受けたとされることや、「ヘイト」「レイシスト」と批判されたことが、人権侵害に当たるなどと主張し、日本弁護士連合会人権救済を申し立てた[112]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 「憎悪表現とは何か」菊池久一(頸草書房2001)
  2. ^ 「ヘイト・スピーチと「表現」の境界」梶原健祐(九大法学2007.2.26)[1]P.67,脚注10,PDF-P.20
  3. ^ 「憲法理論Ⅲ」阪本昌成(成文堂1995,P.63)
  4. ^ 梶原健祐(九大法学2007.2.26)P.67,脚注10,PDF-P.20
  5. ^ 米国のケースでは「『言葉自体が侵害を与え、あるいは平和の破壊を即座に引き起こす傾向にある』表現を指し、連邦最高裁の先例のなかで、わいせつや名誉毀損と並んで表現規制が許されるとされる表現領域」とされる。「憎悪表現(ヘイト・スピーチ)の規制の合憲性をめぐる議論」小谷順子(SYNODOS,2013.5.23)[2]
  6. ^ 梶原健祐(九大法学2007.2.26)P.67,脚注10,PDF-P.20
  7. ^ a b 知恵蔵mini朝日新聞出版
  8. ^ 「人種差別的ヘイトスピーチ」長峯信彦(早稲田法学1997.1.30)[3][4]P.186、PDF-P.10
  9. ^ 「デンマークの風刺画事件2005年-2006年」ニルス・ヘンリック・グレーガーゼン(一神教学際研究5,2010年2月,同志社大学)[5][6]、脚注20
  10. ^ 「米国におけるヘイト・スピーチ規制の背景」榎透(専修法学論集 2006-03-00)
  11. ^ 「ヘイト・スピーチと「表現」の境界」梶原健佑(九大法学2007)
  12. ^ 小谷順子「米国における表現の自由とヘイトスピーチ規制 : Virginia v. Black, 123 S. Ct. 1536(2003)判決を踏まえた検討」、『法政論叢』第40巻第2号、日本法政学会、2004年5月15日、 149-167, A17-A18、 NAID 110002803938
  13. ^ そもそもヘイトスピーチが「行為」であるか「内心の表出」であるかも重要な観点である。
  14. ^ Beauharnais v. Illinois 343 U.S. 250(1952)
  15. ^ 「米国におけるヘイト・スピーチ規制の背景」榎透(専修法学論集 2006-03-00)[7]P.75、PDF-P.7
  16. ^ なお、このフランクファーター判事による法廷意見について、表現の自由の保障の観点から、反対意見が記述されている。詳しくは榎透(専修法学論集 2006-03-00)P.76、PDF-P.8
  17. ^ 「米国におけるヘイト・スピーチ規制の背景」榎透(専修法学論集 2006-03-00)
  18. ^ ヘイト・スピーチ規制論について――言論の自由と反人種主義との相克 桧垣伸次 SYNODOS JOURNAL
  19. ^ a b c 憎悪表現(ヘイト・スピーチ)の規制の合憲性をめぐる議論 小谷順子 SYNODOS JOURNAL 記事
  20. ^ Hate speech no longer part of Canada’s Human Rights Act カナダ ナショナル・ポスト
  21. ^ a b c ニューズウィーク日本版 2014年6月24日号 p32-35「反差別」という差別が暴走する
  22. ^ 「現代イギリスにおける公共秩序法の研究」元山健(早稲田法学1988-12-25、早稲田大学法学会)P.108、PDF-P.52[8][9]
  23. ^ 邦訳については元山(1988)[10]P101、PDF-P.45
  24. ^ Anti-terrorism, Crime and Security Act 2001. Part5 Race and Religion. 40 Racial hatred offences: penalties In section 27(3) of the Public Order Act 1986 (c. 64) (penalties for racial hatred offences) for “two years” substitute “ seven years ”.(legislation.gov.uk)[11]
  25. ^ Racial and Religious Tolerance Act 2001
  26. ^ 「ホロコーストの否定」に対する非難決議、全会一致で採択 - 米国|AFPBBニュース。なおここでいう「全会一致」とはネガティブコンセンサス方式を指す。詳しくはリンク先記事参照
  27. ^ Draft general comment No. 34
  28. ^ 米番組で子どもが「中国人皆殺し」発言、ABCテレビが謝罪 AFPBB News 2013-10-31
  29. ^ 「中国人皆殺し」発言の番組、ホワイトハウスが打ち切り強制を拒否=「言論の自由ある」―中国メディア Record China 2014-01-13
  30. ^ 中国アウディ販売店で「我々は日本人皆殺しにする」 怒りの声にアウディ日本法人は謝罪 J-cast 2012-09-19
  31. ^ 「日本人は皆殺し!」の横断幕を掲げた中国のアウディディーラーに米でも批判の声 Livedoor News 車カテゴリー(Autoblog JP)2012年09月25日
  32. ^ ユニクロに「尖閣は中国領」、アウディに「日本人皆殺しに」 中国の店舗で掲載されたメッセージ WSJ日本語版 Japan Real Time 2012-09-19
  33. ^ a b c d 「黒人女性大臣への差別発言が示すフランスの人権感覚」Global Press,Web Ronza,朝日新聞,2013年12月13日
  34. ^ a b 韓国のヘイトスピーチ 根強い外国人への偏見 対日デモには冷ややかな視線も 朝日新聞社GlobalPress 原美和子 2014-02-22
  35. ^ 「100%後払い制 ベトナム花嫁広告の差別表現に批判」=韓国 newsclip 2006/7/ 9。
  36. ^ オンライン経済新聞のe-today2007/04/25。「ベトナムでの集団見合いで『裸の検査』 」(韓国日報 韓国語 2007/04/26)
  37. ^ 朝鮮日報 2008/03/14
  38. ^ a b  ヘイト・スピーチ規制論について――言論の自由と反人種主義との相克 桧垣伸次 シノドス・ジャーナル 2013年7月24日
  39. ^ 憎悪表現(ヘイト・スピーチ)の規制の合憲性をめぐる議論 小谷順子 シノドス・ジャーナル 2013年5月23日
  40. ^ a b 「表現の自由」割れる賛否 ヘイトスピーチ規制 京都新聞 2013年10月7日
  41. ^ 人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向に対する差別。
  42. ^ a b 敵意をむき出しにした「ヘイトスピーチ」 新たな法律で規制すべきか?”. 弁護士ドットコム. 法律事務所オーセンス (2013年5月23日). 2013年12月22日閲覧。
  43. ^ 人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本政府の意見の提出
  44. ^ 安倍首相、ヘイトスピーチに「極めて残念」 参院予算委](朝日新聞) 2013年5月7日 [リンク切れ]
  45. ^ ヘイトスピーチ「憂慮に堪えない」 谷垣法相(朝日新聞) 2013年5月9日[リンク切れ]
  46. ^ ヘイトスピーチ「残念」 谷垣法相(産経新聞) 2013年5月10日 [リンク切れ]
  47. ^ 「皆殺し」「追放」と過激化=ヘイトスピーチに非難強まる―コリアンタウン排斥デモ(時事通信) 2013年5月11日[リンク切れ]
  48. ^ 内閣官房長官記者会見・2分50秒以降 2013年10月7日
  49. ^ [http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2014/140718.htm ヘイトスピーチ「基本的人権に対する挑戦だ」 舛添知事定例記者会見平成26年7月18日
  50. ^ http://www.city.kawasaki.jp/160/cmsfiles/contents/0000054/54988/saiwai_gizi.pdf 第5回区民車座集会意見交換内容
  51. ^ 「ヘイトスピーチ、やり過ぎで問題」橋下市長が対策指示[http://www.kanaloco.jp/article/72279/cms_id/83867 中学校給食の自校方式「可能性あれば検討」 区民車座集会で川崎・福田市長 2014.06.01 神奈川新聞
  52. ^ 毎日新聞 2014年04月09日 地方版
  53. ^ http://www.city.kadoma.osaka.jp/news/201404_49.html 毎日新聞4月9日付け朝刊掲載の報道について
  54. ^ 朝日新聞2013年4月28日朝刊、35面「敵がいる」
  55. ^ NEWSポストセブン|続く「嫌韓デモ」 国会で排外・人種侮蔑デモ抗議集会開催
  56. ^ 2013/04/07 IWJ特報 81号 ― 【IWJルポルタージュ】「『射殺せよ!』と叫ぶデモが吹き荒れたあとの街で」(後編)
  57. ^ 東京・大阪の「差別憎悪扇動行動」の現場を行く1 2013年4月 2日 15:46アジアプレス・ネットワーク
  58. ^ I hate Koreans so much! Japanese girl's anti-North Korea rant goes viral after rogue state threatens to nuke the West2013年4月8日 デイリー・メール
  59. ^ 「像南京大屠殺一樣」 日高中妹大阪街頭嗆殺韓國移民 2013年04月3日 東森新聞雲
  60. ^ 日本の嫌韓デモで衝撃発言「韓国人女性を強姦してもいい」=韓国 2013/04/03(水) サーチナ
  61. ^ ヒトラー生誕パーティー呼びかけ 2014年2月14日配信しんぶん赤旗。
  62. ^ 在日中国人に罵詈雑言を展開するも取材は拒否――在特会が池袋で「反中デモ」2012年10月17日
  63. ^ 「在特会」ら、ノリコさんが通う中学前でデモ行進 「カルデロン一家を日本から追放しろ!」2009年04月12日日刊ベリタ
  64. ^ 『内外情勢の回顧と展望(平成23年1月)』 (PDF) 公安調査庁
  65. ^ 対馬の神社で奉納絵馬に韓国人が反日落書き 「地震起きて死ね」「対馬まで韓国領土」「慰安婦に謝罪せよ」… J-CASTニュース 2014年5月23日
  66. ^ a b c 大高未貴 (2013年11月19日). “【暗躍列島を暴く】沖縄の自称・市民活動家たちが展開する常軌を逸したヘイトスピーチ”. 夕刊フジ. http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131119/dms1311190734004-n1.htm 2013年11月22日閲覧。 
  67. ^ 嫌韓デモの「ヘイトスピーチ」日本の流行語トップ10に-聯合ニュース2013年12月03日閲覧
  68. ^ 危ない動きに国会議員らが立ち上がる | ニュースのフリマ
  69. ^ 日지식인들 ‘배외주의자들과의 전쟁’선포(日本の知識人‘排外主義者との戦争’宣言) 2013年5月8日配信 東亜日報(朝鮮語)
  70. ^ ヘイトスピーチで院内集会「『表現の自由』の国際基準、”他人の人権を侵害することは許されない”」 ~差別主義者・排外主義者によるデモに抗議する 第2回国会集会 インディペンデントウェブジャーナル
  71. ^ 統一日報 : 第3回差別撤廃国会集会 2013年12月4日配信
  72. ^ 2013/11/28 ヘイトスピーチは「表現の自由」か。レイシストによって「表現の自由」が奪われたマイノリティ ~差別撤廃国会集会 | IWJ Independent Web Journal
  73. ^ 何が起きた?有田議員に“殺人予告” | 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社
  74. ^ 朝日新聞デジタル:新大久保の反韓デモ、救済申し立て 「身に危険の恐れ」2013年3月29日21時59分
  75. ^ 朝日新聞デジタル:反ヘイトスピーチ団体が発足 デモなどの差別運動へ警告 - 社会
  76. ^ [12]農業協同組合新聞2011.04.06
  77. ^ 共同代表,ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク公式サイト、2014年6月27日閲覧
  78. ^ 設立宣言,ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク公式サイト、2014年6月26日閲覧。
  79. ^ のりこえねっと編「ヘイトスピーチってなに? レイシズムってどんなこと? 」七つ森書館、2014年04月
  80. ^ ニューズウィーク日本版への抗議声明文,ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク公式サイト、2014年6月26日閲覧。
  81. ^ 仲パレ公式サイト2014年7月20日閲覧。
  82. ^ 多様性を祝おう! "OSAKA AGAINST RACISM 仲良くしようぜパレード2014" 2014年07月23日(水)現代ビジネス
  83. ^ 朝日新聞デジタル:ヘイトスピーチやめよう 差別反対訴え新宿でデモ - 社会 2013年9月22日
  84. ^ 東京レインボープライド2014 公式サイト 2014年7月20日閲覧。
  85. ^ 「なんで止めないんだよ!」 ヘイトスピーチへの行政対応を求める「都庁前アピール」2013年12月30日弁護士ドットコム
  86. ^ 東京新聞「こちら特報部」 2014年5月28日版。
  87. ^ お勉強してね! 差別デモ反対のパネル展 2014 年7月14 日週刊金曜日ニュース
  88. ^ (インタビュー)ヘイトスピーチをたたく 「レイシストをしばき隊」野間易通さん 朝日新聞 2013年8月10日朝刊
  89. ^ a b 男組公式ページ(http://otokogumi.org/) 「構成員一覧」に組長・若頭など肩書きとメンバーの名前。「活動履歴」には逮捕や刑事裁判のことも書かれている。
  90. ^ 週刊金曜日 2013年9月27日号 見開きp10-11 右上に高橋、木本他二人が上半身裸で刺青を誇示するポーズを取る写真。左上に注釈『入れ墨を入れた「男組」。「在特会は肉弾戦でぶっつぶす」。』
  91. ^ 男組Webへの感想 男組 公式サイト アナウンスページ 2013-11-09
  92. ^ 嫌韓デモに暴行容疑、対立グループの2人逮捕 サンスポ 2013-09-29
  93. ^ 反ヘイトスピーチの男ら逮捕 デモ参加者暴行容疑テレ朝news 2013-09-29
  94. ^ 排外デモ参加者に暴行=容疑で反対グループ男ら逮捕-警視庁時事ドットコム 2013-09-29
  95. ^ 在特会デモ:参加者に暴行の2容疑者逮捕 警視庁毎日新聞 2013-09-29
  96. ^ 在特会VS反在特会:山本議員抗議デモでトラブル3人逮捕 毎日新聞 2013-11-18
  97. ^ 山本太郎参院議員の辞職求める抗議行動の際に殴り合い 3人逮捕 FNNニュース 2013-11-18
  98. ^ 男組組長 高橋直輝、本部長 木本拓史の公判における弁護側弁論要旨 男組 公式サイト アナウンスページ
  99. ^ 【逮捕】ヘイトスピーチ参加者を暴行容疑 朝日放送 2014-07-16
  100. ^ <暴行容疑>嫌韓デモ反対団体8容疑者を逮捕 大阪府警 毎日新聞 2014-07-16
  101. ^ [13]
  102. ^ 男組公式サイト 2014年7月25日
  103. ^ 「反差別」元代表を再逮捕 佐賀新聞 2014年06月04日
  104. ^ 【脅迫】ヘイトスピーチした男性を脅した男を逮捕 朝日放送 2014年6月5日
  105. ^ 大阪地裁で在日韓国人生活保護不正受給詐欺裁判即日結審判決は8月8日 やまと新聞 2014-07-11
  106. ^ ヘイトスピーチ反対の市民団体元代表を逮捕、生活保護費の不正受給容疑 大阪府警 産経新聞 2014-04-15
  107. ^ 【逮捕】「収入あった」のに…生活保護費112万円受給 朝日放送 2014-04-15
  108. ^ ニューズウィーク日本版 2014年6月24日号 p68
  109. ^ 2014 06 11 のりこえシンポ 男組の高橋
  110. ^ 9・22 有田ヨシフ差別デモに抗議される皆様にお願い 2013年09月19日(木)桜井誠公式ブログ
  111. ^ 埼玉移民反対デモへの襲撃事件について 2014年05月29日(木)桜井誠公式ブログ
  112. ^ 在特会、人権救済申し立て「デモで抗議側から妨害受け」 2013年4月28日閲覧

参考文献[編集]

  • 「ヘイト・スピーチと「表現」の境界」梶原健佑(九大法学2007-02-26)[14]
  • 「米国におけるヘイト・スピーチ規制の背景」榎透(専修法学論集 2006-03-00)[15]
  • 「ヘイト・スピーチの規制と表現の自由」藤井樹也(大阪大学大学院国際公共政策研究科 国際公共政策研究2005.3)[16][17]
  • 「現代イギリスにおける公共秩序法の研究」元山健(早稲田法学1988-12-25、早稲田大学法学会)[18][19]
  • 「憎悪表現(ヘイト・スピーチ)の規制の合憲性をめぐる議論」小谷順子(SYNODOS JOURNAL2013.5.23)[20]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]