世界人権宣言

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エレノア・ルーズベルトと世界人権宣言(1949年撮影)。

世界人権宣言(せかいじんけんせんげん、Universal Declaration of Human Rights、略称:UDHR)は、1948年12月10日の第3回国際連合総会で採択された、すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての宣言である(国際連合総会決議217(III))。正式名称は、人権に関する世界宣言

世界人権宣言は、この宣言の後に国際連合で結ばれた人権条約の基礎となっており、世界の人権に関する規律の中でもっとも基本的な意義を有する。

これを記念して、1950年の第5回総会において、毎年12月10日を「世界人権デー」とし、世界中で記念行事を行うことが決議された。日本は、この日に先立つ1週間を人権週間としている。

宣言の内容[編集]

すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。

—世界人権宣言 第1条
  • 自由権的諸権利(第1~20条)
  • 参政権(第21条)
  • 社会権的諸権利(第22~27条)
  • 一般規定(第28~30条)

法規範性についての争い[編集]

世界人権宣言は、条約ではなく、総会において採択された決議である。国際連合総会決議勧告であり法的拘束力がないために、世界人権宣言も拘束力がないのではないかという問題がある。

これに対して、慣習国際法を明文化したものであり、慣習国際法としての拘束力があるとする説がある。しかし、宣言がみずから前文で、「権利を創設する」としており、また、当時の人権状況をみれば慣習国際法とはいい難いと批判されてもいる。

そこで、宣言に法的拘束力を認める有力説として、現在では、慣習法になる手前の段階である「ソフト・ロー」として法的拘束力があるとする説や宣言が採択された当時は拘束力がなかったものの、その後に宣言を基礎にした各種人権条約の発効や各国の行動によって現在は慣習国際法になっているとする説がある。後者が多数において支持されている説になる。

なお、世界人権宣言の内容の多くは、国際人権規約などによっても明文化されており、その後の国際人権法にかかる人権条約はすべてその前文において国際連合憲章の原則と共に、世界人権宣言の権威を再確認している。しかし、人権状況に問題がある多くの国は、これらの条約に署名していないことが多い。そのため、世界人権宣言そのものの法的拘束力を認めるための論議が行われるのである。

しかしながら世界人権宣言を根拠とした「人権と基本的自由の保護のための条約」は欧州人権裁判所によって加盟国の憲法をも上回る法的拘束力を与えられ、欧州連合加盟国によって議論された「欧州憲法」中にもこの世界人権宣言が含まれている。

関連項目[編集]

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