アイスランド

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アイスランド共和国
Lýðveldið Ísland
アイスランドの国旗 アイスランドの国章
国旗 (国章)
国の標語 : なし
国歌 : 賛美歌
アイスランドの位置
公用語 アイスランド語
首都 レイキャヴィーク
最大の都市 レイキャヴィーク
元首
大統領 オラフル・ラグナル・グリムソン
首相 ゲイル・ホルデ
面積
総計 103,000km²105位
水面積率 2.7%
人口
総計(2007年 309,699人(170位
人口密度 3人/km²
GDP(自国通貨表示)
合計(2005年 9,654億アイスランド・クローナ
GDPMER
合計(2005年 153億ドル(86位
GDPPPP
合計(2005年 143億米ドル(134位
1人当り 43,137ドル
独立
 - 日付
デンマークから
1944年6月17日
通貨 アイスランド・クローナISK
時間帯 UTC (±0)(DST: なし)
ccTLD IS
国際電話番号 354

アイスランド共和国(アイスランドきょうわこく)、通称アイスランドは、北ヨーロッパ、北大西洋にある首都レイキャヴィーク

グリーンランドの南東方、ブリテン諸島デンマーク自治領であるフェロー諸島の北西に位置する。アイスランド島が主な領土であり、イギリスとのタラ戦争の舞台にもなった漁業基地であるヴェストマン諸島、北極圏上にあるグリムセイ島などの周辺の島嶼も有する。

北方にあるためメルカトル図法の地図では広大な島のように描かれるが、実際の面積は102,828km2と、フィリピンルソン島(104,688km2)とほぼ同じで、北海道四国を合わせた程度の面積である。

目次

[編集] 国名

正式名称はアイスランド語で、Lýðveldið Ísland。通称、Íslandイースランド)。

公式の英語表記は、Republic of Iceland。通称、Iceland

日本語の表記は、アイスランド共和国。通称、アイスランド。 旧の漢字表記は、氷島などである。

現在の国名「アイスランド」は、ヴァイキングのフローキ・ビリガルズソンが沿海に流氷が浮んでいるのを見て名付けたと言われている[1]

[編集] 歴史

独立の父・ヨゥン・シグルズソン
独立の父・ヨゥン・シグルズソン

詳細はアイスランドの歴史を参照

[編集] 植民とアルシングの発足

9世紀末から10世紀にかけて、ノルウェー人とスコットランドおよびアイルランドケルト人フェロー諸島を経由して移住し、定住したのが始まりである。それまで島は完全な無人島であった。新しい国を目指した移民たちは、王による統治ではなく民主的な合議による自治を目指した。これが930年に発足した世界最古の民主議会アルシング」であり、これを国家の誇りとしている。

[編集] 新天地と自治の終焉

アルシングによる統治が続いた約300年の間、アイスランド人は更なる新天地を目指した。アメリカ大陸を初めて訪れたヨーロッパ人はアイスランド人のレイフ・エリクソンで、これはコロンブスによる「発見」よりおよそ500年も前のことであった。この事実は長く懐疑的に受け取られていたが、カナダニューファンドランド島にあるランス・オ・メドーの発掘によって、その偉業が証明された。首都レイキャヴィークのハットルグリムス教会には、アルシング発足1000年を記念し1930年にアメリカ合衆国から寄贈されたレイフ・エリクソンの像がある。

11世紀以降はノルウェー及びデンマークの支配下に置かれる。

[編集] 独立運動

19世紀に入り、国民はヨゥン・シグルズソンを中心に独立運動を展開した。結果、1874年に自治法が制定され、1918年デンマーク国王主権下の立憲王国で独立した。そして第二次世界大戦でデンマークがドイツに占領されたのを機に、アメリカとイギリスが駐留1944年共和国として完全な独立を果たした。

[編集] 政治

詳細はアイスランドの政治を参照。また、「もっとも汚職が少ない国」とも言われている[2]

[編集] 政治形態

国家元首である大統領は、国民から直接選挙される。政治的な実権はなく、象徴的な地位を占めるに留まる。1980年、ヴィグディス・フィンボガドゥティルが直接選挙によって選出された世界初の女性大統領となった。

一院制議会であるアルシングは63名の議員で構成されている。議員は4年に一度国民から直接選挙される。議院内閣制が採用されており、通常はアルシングにおける多数党の党首が大統領によって任命される。

[編集] 軍事

詳細はアイスランドの軍事を参照

NATOの原加盟国であるが自国軍は所持しておらず、世界でも希少な「常備軍を持たない国」である。国土防衛は警察隊と沿岸警備隊が担っている。歴史上、一度も軍隊を保有したことがなく、徴兵制を施行したこともない。

かつてはアメリカ合衆国と国防協定を締結してアメリカ空軍基地(アイスランド防衛隊)を設置し、冷戦下の重要な戦略拠点になっていた。しかし冷戦終結から10数年を経た2006年、米国の「地球規模の戦力再編成の一環」による米軍の完全撤収が両国で合意に至り、約1200名の将兵とF-15戦闘機4機が段階的に撤収、ケフラヴィーク米軍基地が閉鎖された。

[編集] エネルギー政策

1980年代からクリーンエネルギー発電への切り替えを推し進め、エネルギー政策先進国として世界から注目を浴びている。現在では国内の電力供給の約80%を水力、約20%を地熱から得ており、火力原子力発電所は一切ない。2050年までには化石燃料に頼らない水素エネルギー社会を確立することを標榜しており、既に燃料電池自動車のバスの運行、水素ガス供給ステーションの建設が始まっている。

[編集] 捕鯨

世界でも数少ない捕鯨賛成国で、強い国際世論の反発の中で2006年に商業捕鯨を再開している。

[編集] 地理

アイスランドの国土
アイスランドの国土
世界の海流図(アイスランドを取り囲むように暖流が流れている様子が見て取れる)
世界の海流図(アイスランドを取り囲むように暖流が流れている様子が見て取れる)

[編集] 地勢

アイスランドは大西洋中央海嶺の直上に位置している。このため海洋プレートの生成が地上で見られる珍しいで、この大地の裂け目を「ギャオ」と呼ぶ。ヘクラ山を含む多くの火山が活動し、多くの間欠泉が見られる。その間欠泉の中でも最大のものがゲイシール間欠泉で、その名前が英語で間欠泉を意味する単語geyserの語源になった。アイスランドではこの地熱による豊富な温泉を利用し、電力や住宅の暖を安価に得ている。また、世界最大の露天風呂「ブルーラグーン」もある[2]

最高峰は南東部にそびえるクヴァンナダルスフニュークル(海抜2,106mないし2,210m)である。地表の約10%は氷河に覆われており、中でも最大のヴァトナヨークトル氷河は面積が8,100 km²で単独でも国土の8%以上を占めている。沿岸には多数のフィヨルドがある。火山性の土壌で大地は肥沃とは言えず、森林面積は国土の0.3%しかない。

主な湖
主な山

[編集] 気候

アイスランド本島は北緯63°~66°に位置し、国土の一部は北極圏にかかっている。しかし、冬の寒さはそれほど厳しくはなく、同緯度にあたるフィンランドスウェーデンの北部の2月の最低気温が平均-20℃近くであるのに対し、アイスランドのそれは-3℃でしかない。これは、アイスランドが火山島(世界最高緯度)であること(温泉も多い)、アイスランドを囲むようにして暖流メキシコ湾流)が流れていることなどに由来する。そのため、オーロラを観測することのできる地域の中では最も暖かい地域となっている。

温泉を活用した暖房設備なども整備されたり、お茶を沸かすにも温泉が使用されるなど、石油資源を使うことが少なくなっているため、首都レイキャヴィークは世界的にも「空気のきれいな都市」とされている。

[編集] 都市と交通

都市のほとんどが島の沿岸に点在しており、島の中央部は舗装路も無い無人地帯である。主な都市は首都であるレイキャヴィークケフラヴィーク国際空港のあるケフラヴィーク、国内第2の都市のアークレイリなどである。都市人口率は2000年時点で92.4%に達し、モナコやシンガポールなどの都市国家を除けば世界で最も高い。

鉄道は無く、国内の交通手段は専ら自動車飛行機である。物価が高い傾向にあるアイスランドだが、航空運賃は安く設定されている。また道路網は比較的整備されており、国道1号線(リングロード)が、一部未舗装だが約1,400kmで国内を一周している。氷河に閉ざされている内陸部にも、国道26号および35号が貫通しており、4WDのビッグクルーザーの運転を楽しむメッカとなっている。ただし冬季は通行禁止となる。道路は右側通行。

[編集] 地方行政区分

アイスランドの州
アイスランドの州

かつては23の(sýslur)に、現在では26の州に分割統治されている。州の下には、98の自治体と14の独立都市 (kaupstaðir) がある。行政区分ではないが、8つの地方にも分けられる。

14の独立都市

[編集] 経済

クレジットカードインターネットバンキングなどによりキャッシュレス決済が進み、現金決済が著しく少ない(GDP比1%以下)ことで有名である[2]。背景には、1980年代に経済の中心が漁業だったため、水産物の価格に振り回され物価インフレとなったため、決済が不足気味の現金から小切手へ切り替わっていったことが挙げられる[2]

[編集] 国家経済

全体のGDPは少ないが、国民一人当たりでは世界でもトップレベル(2006年時点で世界5位)に位置する。さらに国際競争力も高く、世界4位、ヨーロッパ1位となっており[3]、小国ながら特筆すべき経済力を持っている。

産業としては、金融部門の伸びが著しく、金融不動産がGDPにしめる割合は、26%に達している。一方、従来の主力産業であった漁業は、GDPに占める割合は6%となっている(2006年時点)。そのため、アイスランド政府は投資家の関心に対し注意を払っており、例えばサブプライム問題で世界中で金融不安が囁かれた時も、不安を払拭すべくエコノミストによる自国金融機関の安全性に関するレポートを出すなど対策を行っている[4]

政府の財務体質は良好で、1998年以降は黒字となっている[5]。今後も外国からの借金の返済、インフレーション抑制、農業や漁業に関する法整備、経済の多様化、国家事業の民営化などを続けるとしている。失業率は低く、2005年は2.6%となっている[5]

[編集] 資源

漁獲資源が豊富で、漁業が古くから盛ん。それ以外の天然資源は乏しく、が唯一産出する鉱物資源である。

森林資源は、かつてはカバ林が存在したが、開拓の時代に燃料資源として使い尽くされた。現在、国土に占める森林面積はわずか0.3%に過ぎず、矮小なポプラトネリコが残るのみである。かつての自然を復活させようと、懸命な植林活動が各地で行われている。

[編集] 漁業

漁業が雇用の8%をまかなっている。漁獲量は多いが、近年はタラなどの漁獲量地球温暖化の影響と思われる理由で減少している。そのため市場に出回るの価格は上昇を続けており、国民が魚を口にする機会は昔に比べると減っている。漁業資源の統制を失うことへの懸念から、EUへの加盟を拒否し続けている。捕鯨国である。

レイキャヴィーク郊外にある地熱発電所
レイキャヴィーク郊外にある地熱発電所

[編集] エネルギー

国内の電力は、ほぼ全てが水力発電地熱発電によって発電されている(水力が8割、地熱が2割[2])。家中の電力やシャワーを温めるエネルギーを全て地熱発電でまかなったり、地熱発電所の温排水をパイプラインで引き込んでそのままお湯として利用出来る家や施設もある。

また、政治でも述べたとおりバスや空港で水素燃料電池の導入実験を行うなど、新エネルギー導入に積極的な施策を打ち出している[5]

[編集] 製造業

近年、工業の多様化に努め、ソフトウェア産業やバイオテクノロジー医薬品の輸出が盛ん)の他、豊富な電力を利用したアルミニウム精錬産業が盛んである。さらに天然資源の加工品としてコンクリートがあり、非常に高価な輸入木材に代わって殆どの建築に利用されている。

[編集] サービス業

金融サービスなどが盛んになってきている。観光も拡大し続けており、エコツーリズムホエールウオッチングなどが流行している。2003年には日本からチャーターでの直行便が就航され、年間日本人観光客数は就航前の約3倍となった。

[編集] 貿易

主な貿易相手国は、

となっている[6]

主な輸出品目には、金額ベースで6割以上を占める魚と魚の加工品、ついで2割を占めるアルミニウム及び同製品である。金額ベースでは2~3%を占めるに過ぎないがケイ素鋼などの原料となるケイ素鉄 (FeSi)は特徴的である。ウール製品も評判が高い。主な輸入品目は、自動車など。

[編集] 国民

[編集] データ

アイスランドは地理的に孤立していることもあり、ここ100年の人口推移はわずかな移民と世代交代による増加があるのみ。2001年時点の出生率は14.4‰、死亡率は6.1‰、乳児死亡率2.4‰。平均寿命は男性78.0歳、女性81.4歳であり、世界第8位である。男女の平均寿命の差が小さいことが特徴。

[編集] 宗教

ルター派キリスト教信者が多く84.1%に達する。

[編集] 言語

アイスランド語が話されるが、英語デンマーク語を小学校から習うため、国民の大半はトリリンガルである。識字率が99%と高水準である。

サーガ
サーガ

[編集] 文学

民族の生い立ちをつづった一大叙事詩サーガと、北欧神話詩詩のエッダ散文のエッダが特に有名。語学研究の点においても非常に貴重な資料である。

ハルドール・ラクスネス1955年ノーベル文学賞を受賞した。

[編集] 文化

文化的には北欧圏に属し、特に宗主国であったノルウェーデンマークの影響が強い。しかしケルト系のアイルランド人が開拓を行った歴史もあり、血統や言語にはその影響も色濃く残されている。そのためスカンジナビア諸国とは似て非なる独特の文化を持つ。また独立後から冷戦の間はアメリカ軍が駐留していたため、近年はその影響も大きい。

冬場は極夜となることなどから、外出は少なくなり、家にこもり読書に耽る人々が増える。そのため、1人あたりの書籍の発行部数は世界的に見てもかなり多い。

多くの人々が文学や詩に親しむ環境にあり、人口数十万の国ながら多くの文学者や音楽家を輩出している。近年はビョークシガー・ロスらアイスランド出身の音楽アーティストたちが世界的に人気を集めている。

[編集] 独自の姓名

アイスランド人の名前はファミリーネームが無いという特徴を持つ。名前は「ファーストネーム+父称」で構成され、アイスランドの電話帳はファーストネーム順に編集されている。 ここで言う「父称」とは、男性の場合「父親の名の属格+ソン(-son)」に、女性の場合「父親の名の属格+ドッティル(-dóttir)」になり、それぞれ「~の息子」「~の娘」という意味がある。例えば、同国出身の著名な歌手、ビョークの本名「ビョーク・グズムンズドッティル」は「グズムンドゥルの娘ビョーク」という意味になる。 古くは他の北欧諸国も同じように命名をしていたが、現在は「ヨハンソン」といった姓に名残を残すのみで、現在この習慣はアイスランド独自のものである。

[編集] 祝祭日

祝祭日
日付 日本語表記 現地語表記 備考
1月1日 元日
移動祝祭日 聖木曜日 復活祭の前の木曜日。
移動祝祭日 聖金曜日 復活祭の前の金曜日。
移動祝祭日 イースター・マンデー 復活祭の次の月曜日。
移動祝祭日 夏の始まりの日 4月19日から25日までの間の木曜日。
5月1日 メーデー
移動祝祭日 主の昇天 聖木曜日の6週間後の木曜日。
移動祝祭日 聖霊降臨祭 復活祭の7週間後の日曜日。次の日の月曜日も休日。
6月17日 独立記念日 ヨゥン・シグルズソンの誕生日から制定。
移動祝祭日 商業の日 8月の最初の月曜日。
12月24日 クリスマス・イブ 午後から休み。
12月25日 クリスマス
12月26日 ボクシング・デー
12月31日 大晦日 午後から休み。

[編集] 出身人物

ビョーク
ビョーク
エイドゥル・グジョンセン
エイドゥル・グジョンセン
映画監督
音楽

ジャズ・ミュージシャン:

  • シグルズール・フロサソン/Sigurður Flosason
  • ギター・イスランシオ/Guitar Islancio
  • ヨーエル・パルソン/Jóel Pálsson
  • クリスチャーナ/Kristjana
  • ヤコブ・フリーマン・マグヌッソン/JFM
  • メゾフォルテ/Mezzoforte

クラシック:

スポーツ

[編集] 出典

  1. ^ Intel Sol.Inc
  2. ^ a b c d e 『アイスランド:グローバリゼーションの波に乗る環境問題先進国』2008年2月7日付配信 日経ビジネスオンライン
  3. ^ 『2005年度版 世界競争力年鑑』スイスIMD
  4. ^ 『アイスランド、急成長のツケ』2007年12月10日付配信 日経ビジネスオンライン
  5. ^ a b c 外務省ホームページ
  6. ^ アイスランド統計局

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィクショナリー
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旅行
その他



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