夫婦別姓
夫婦別姓(ふうふべっせい)とは婚姻時に両者の氏(姓)を統一せず、夫婦双方ともに婚姻前の氏(姓)を保護する婚姻及び家族形態、またはその制度のことである。夫婦別氏とも呼ばれる。実態としては、夫婦ともに改姓しなくとも婚姻を認める不改姓婚である。
目次 |
[編集] 概要
日本の民法は婚姻時に夫または妻のいずれかの氏を選択する「夫婦同氏原則」(民法750条)を規定している。これにより夫婦の一方の改氏による夫婦同氏は届出の際に必須の形式的要件となり(民法750条、戸籍法74条1項)、また婚姻期間中は公文書において夫婦が異なる氏となることはない(効果となる)。なお、これらの規定は夫婦ともに日本国籍を有する場合に適用される。
夫婦がともに婚姻前の氏を継続使用しようとする場合、婚姻届を提出せず改氏を回避する「事実婚」や婚姻届を提出した上で片方が旧姓を使う「通称使用」などの手段を採るほかない。しかし、前者は民法739条による婚姻関係と扱いが同一というわけではなく、後者は通称の氏(旧姓)と公文書が異なる。現状では法律的な(内縁、事実婚ではない)夫婦と別氏は同時には成立しない。
婚姻時の改氏に不都合を訴える人が実在するため、夫婦同氏の原則の緩和を求める声がある。そこで、選択的夫婦別氏制度の導入など民法750条の改正が提案されている。その実態は、自らが、そして相手方も改姓したくない結果としての夫婦別姓であり、夫婦別姓を求めることは、夫婦が別の姓でありたいということを意味するわけではない。 一方で、日本では同姓婚であるべきだとして現状制度の維持を望む人も存在するため、民法750条改正の是非を争点として以下に示すような論争が続いている(論争を参照)。
[編集] 別姓か別氏か
法律用語としては夫婦別氏が正しい。
家制度廃止後の氏姓を表す法律用語をどのようにするべきかということに関し、戦後の民法成立過程では、家制度を想起させる「氏」の使用を避け、家という語感の薄い「姓」の使用を勧める動きもあったが、結局従来からの氏を法律用語とすることに落ち着いた。しかし一般には用語としての氏と姓の使い分けは曖昧なままになり、同様に夫婦別姓と夫婦別氏も並存が見られた。
その後、1980年代後半から現在まで続いている夫婦別姓制度導入を推進する市民運動の中で、積極的に夫婦別姓と呼ぶようになり、やがて慣用化した。現在は国会やマスコミでも広く夫婦別姓と言われており、その反面夫婦別氏と言われることは司法や法学など専門的な分野に限られている。
[編集] 議論の歴史
制度としての夫婦別姓に関する議論は1950年代からすでに存在しており、1976年には内閣府の世論調査にはじめて夫婦別姓についての設問が見られる。この当時は女性労働者の便宜の問題として捉えられており、必ずしも民法の改正を主眼としておらず旧姓の通称使用の普及にも軸足があった。
その後論議が再燃したのは1990年代からである。民法を改正し婚姻時に夫婦が同姓か別姓かを選択する「選択的夫婦別姓制度」とする案が主流となり1990年代より国会に議員立法による民法改正案が提出されるようになった。1996年には法制審議会が選択的夫婦別氏制度を含む「民法の一部を改正する法律案要綱」を答申した。また男女共同参画社会基本法の成立および男女共同参画局の設立によりその政策の中心的課題と位置づけられ、政策的にさまざまな推進策が展開されてきた。しかしこの民法改正案に関してはいまだに賛否両論があって論争が続いており、決着をみていない。
1996年の法制審答申いらい政府与党および推進派は法案の国会提出を模索しているが、与党自民党内の事前審査で合意に達することができず国会提出が見送られ続けている。当初政府案は法制審答申の民法改正案を提案していたが抵抗が根強く、政府案は例外的夫婦別氏制度と呼称や内容を変更するも合意には達していない。さらに反対派に譲歩し、(西川京子が自民党法務部会にて発言した)家裁の許可を要件とすることを盛り込んだ例外的夫婦別氏制度を議員立法で自民党法務部会に提出するがまだ合意には達していない。 自民党内では民法改正案のほかにも旧姓続称制度や通称使用案といった独自の試案も議題に上ることはあったが、いずれも自然消滅している。
一方、野党は法制審答申いらい超党派で会期ごとに民法改正案を国会に提出し続けているが審議されないまま廃案と再提出を繰り返している。
国連に設置されている女子差別撤廃委員会より2003年8月に、婚姻最低年齢、離婚後の女性の再婚禁止期間の男女差、非嫡出子の扱いと共に「夫婦の氏の選択などに関する、差別的な規定を依然として含んでいることに懸念を表明する」との勧告を受けた[1]。これを受けて国は2008年4月に「選択的夫婦別氏制度について、国民の議論が深まるよう引き続き努めている。」と報告した[2]。しかし2009年8月に再度、「委員会は、前回の最終見解における勧告にもかかわらず、民法における婚姻適齢、離婚後の女性の再婚禁止期間、及び夫婦の氏の選択に関する差別的な法規定が撤廃されていないことについて懸念を有する」との勧告を受けている[3]。これに対して政府は対応を検討中である。
[編集] 関連する裁判や判例
- 国立大学夫婦別姓通称使用事件(東京地判93(平5)年11月19日 判時1486号21頁 判タ835号58頁)[4]
国立大学の女性教授が国に対して、自身の研究教育活動や人事記録その他の文書において旧姓名を使用することおよび戸籍名の使用を強制されることについての損害賠償請求をした裁判。
東京地裁は判決において、「通称名であっても、個人がそれを一定期間専用し続けることによって当該個人を他人から識別し特定する機能を有するようになれば、人が個人として尊重される基礎となる法的保護の対象たる名称として、その個人の人格の象徴ともなりうる可能性を有する。」としたが、「原告主張に係る氏名保持権が憲法13条によって保障されているものとは断定することはできない」、「夫婦が同じ姓を称することは、主観的には夫婦の一体性を高める場合があることは否定できず、また客観的には利害関係を有する第三者に対し夫婦である事実を示すことを容易にするものといえるから、夫婦同氏を定める民法750条は合理性を有し、何ら憲法に違反するものではない。」とし、「個人の同一性を識別する機能において戸籍名より優れたものは存在しないというべきであるから、公務員の同一性を把握する方法としてその氏名を戸籍名で取り扱うことは極めて合理的なことというべきである。」として、原告の請求を一部退けた。その後本件は控訴され、1998年、東京高裁にて旧姓使用を認める和解が成立した。
この裁判は、旧姓や通称に法的保護の対象となりうる可能性をある程度認めた点や、夫婦同氏を定める民法750条が客観的合理性を有し憲法には違反しないという判断をした点や、戸籍名で公務員の氏名を取り扱うことの合理性を認めた点などにおいて注目され、その後の旧姓使用や夫婦別姓の議論に大きな影響を与え、この裁判以降、国家公務員の旧姓使用や[5]、科学研究費補助金でも旧姓使用が広く認められるようになった[6]。
[編集] 年表
- 1947年 民法改正(翌年施行)、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」
- 1955年7月5日 法制審議会民法部会、夫婦異姓を認める案を論議
- 1959年6月29ー30日 法制審議会民法部会、夫婦異姓を認むべきか否かの問題はなお検討の必要があるとする
- 1976年 民法改正、離婚時の婚氏続称可能に
- 1984年 国籍法改正、国際結婚の際に外国姓への改姓(同姓)可能に
- 1985年 女性差別撤廃条約、日本国批准
- 1988年
- 5月9日 事実婚夫婦、住民票続柄記載差別訴訟、東京地裁(1991年敗訴、2005年最高裁棄却)
- 11月28日 国立大学女性教授通称使用を求める訴訟、東京地裁(1993年敗訴、1998年東京高裁で和解)
- 12月 富士ゼロックス、旧姓使用
- 1989年6月23日 別姓婚姻届不受理処分の取り消しを求める訴訟、岐阜家裁、却下
- 1992年12月1日 法務相民事局参事官室「婚姻及び離婚制度の見直し審議に関する中間報告(論点整理)」、夫婦同氏制度と夫婦が別氏を称することのできる制度との対比
- 1994年7月12日 法務省民事局参事官室「婚姻制度等に関する民法改正要綱試案」A案B案C案
- 1995年
- 8月26日 法制審議会民法部会、子の姓は婚姻時に統一するA案を軸にまとまる
- 9月12日 法務省民事局参事官室「婚姻制度の見直し審議に関する中間報告」pdf。
- 1996年
- 1月16日 法制審議会民法部会、「民法改正要綱案」決定
- 2月26日 法制審議会、民法の一部を改正する法律案要綱を法相に答申
- これより政府案としてこの民法改正案を軸に国会提出を与党内で模索する。
- 6月18日 長尾立子法務大臣、法案の提出を正式に断念
- 埼玉県新座市、市職員の旧姓使用を4月に遡って実施
- 1997年
- 3月4日 自民党家族法改正小委員会、旧姓続称制度導入試案
- 民主党と社・さ有志、それぞれ参議院に民法改正案を提出
- 自民党法務部会、旧姓続称制度を議論。自民党内で戸籍上の別氏に対する抵抗が根強く、旧姓を利用可能とする制度を模索するが立ち消えになる。
- 3月27日 法学者260人「選択的夫婦別姓制度の導入と婚外子相続分の平等化の実現を求めるアピール」
- 1998年
- 6月8日 超党派野党、衆議院に民法改正案を提出
- 7月25日 政府、女子差別撤廃条約実施状況第4回報告、選択制を「引き続き検討」
- 1999年12月10日 超党派野党、衆参両議院に民法改正案を提出
- 2000年
- 2001年
- 5月10日 超党派野党、参議院に民法改正案を提出
- 5月14日 政府、男女共同参画審議会の基本問題専門調査会を開き、選択的夫婦別姓制度の法制化を検討する方針を決定
- 8月4日 5月の内閣府世論調査発表
- 9月 反対派「日本女性の会」設立
- 10月1日 国家公務員の旧姓使用が可能に。以後、地方公務員、民間にもひろがる
- 10月、内閣府男女共同参画会議基本問題専門調査会、「選択的夫婦別姓制度に関する審議の中間まとめ」発表
- 11月5日 野田聖子ら自民党有志、夫婦別姓法案賛同署名を提出
- 11月15日] 自民党法務部会、戸籍法の一部を改正する法律案(通称使用案)を議論
- 高市早苗議員が戸籍に旧姓を併記する代案を推進するが法案は部会に提出されず、後に高市の落選もあり事実上は立ち消えになる。
- 2002年
- 1月10日 法務省、同姓が原則で別姓は例外とする修正案を作成
- 3月14日 自民党法務部会、例外的夫婦別氏制度の法務省試案を議論
- このころから政府案は「選択的」から「例外的」となる。反対派に譲歩して理解を求める。
- 4月 別姓問題を考える議員の会、反対
- 6月4日 森山法務大臣、例外的夫婦別氏制度の法務省試案の国会提出を断念
- 「例外的」とした政府案でも与党内の合意は得られなかった。
- 7月24日 自民党有志、家裁の許可を要件とする例外的夫婦別氏制度(いわゆる家裁許可制)の民法改正案を自民党法務部会に提出
- 自民党有志が政府案の例外的夫婦別氏制度に家裁の許可を要件に加えた案を議員立法で提出する。
- 9月13日 政府、女子差別撤廃条約実施状況第5回報告、選択制「制度の導入に向けて努力」
- 2003年
- 7月8日 女子差別撤廃条約実施状況第4回・第5回報告に対する国連女子差別撤廃委員会最終コメント、「夫婦の氏の選択などに関する、差別的な規定を依然として含んでいることに懸念を表明する」
- 2004年
- 3月 自民党、職業上の理由などで必要な場合に家庭裁判所の許可を得て別姓を認める改正案の国会提出を見送る
- 5月14日 超党派野党、衆参両議院に民法改正案を提出
- 2005年3月30日 超党派野党、参議院に民法改正案を提出
- 2006年
- 2008年
- 4月22日 超党派野党、参議院に民法改正案を提出
- 4月30日 政府、女子差別撤廃条約実施状況第6回報告、「選択的夫婦別氏制度について、国民の議論が深まるよう引き続き努めている」
- 2009年
- 4月24日 超党派野党、参議院に民法改正案を提出
- 8月7日 女子差別撤廃条約実施状況第6回報告に対する国連女子差別撤廃委員会最終見解、「夫婦の氏の選択に関する差別的な法規定が撤廃されていないことについて懸念を有する」
- 2011年
[編集] これまで提案されてきた試案
これまで提案されてきた夫婦別姓案導入のための民法改正の試案は概ね以下の6種に分類される。
- 原則夫婦別姓
- 別姓を原則とし、同姓も認める。1994年法務省「B案」はこの趣旨である。なおこのB案では子供の姓は出生時に決定するものとする[9]。
- 選択的夫婦別姓(子供の姓を統一しないもの)
- 婚姻時に夫婦同姓か夫婦別姓か自由に選択できるとし子供の姓は出生時に決め、兄弟姉妹の姓を別々にすることを認める案。夫婦同姓と夫婦別姓とを同列に扱うが同姓の場合、兄弟姉妹の姓を別々にすることを認めない。かつて民主党が提案していたが、鳩山由紀夫内閣以降は子供の姓を統一する案を受け入れた。
- 選択的夫婦別姓(子供の姓を統一するもの)
- 婚姻時に夫婦同姓か夫婦別姓か自由に選択できるとするが子供の姓は婚姻時に決め、兄弟姉妹の姓を別々にすることを認めない案。夫婦同姓と夫婦別姓とを同列に扱い、両者の間に形式的にも実質的にも差別はない。1995年「婚姻制度の見直し審議に関する中間報告」、1996年法制審議会で答申されたものはこれに相当する。但し第1子出生時に、婚姻時に決めた姓から変更可とする付則も後に検討された(2001年法務省、自民党法務部会へ提案)。
- 例外的夫婦別姓
- 夫婦別姓を望む場合には例外的に認めるとする案。夫婦同姓を原則とするがそれはほぼ形式的な差別であり、実質的には自由に夫婦別姓を選択できる。1994年法務省「A案」。2002年に法務省が提案。
- 家裁許可制夫婦別姓
- 夫婦同姓を原則とし、夫婦別姓は家庭裁判所による許可を得た上で認めるとする案。祭祀の継承や職業上の理由など、許可理由を限定する。2002年に自民党の一部の議員による「例外的に夫婦の別氏を実現させる会」が提案(提案者は本案を「例外的夫婦別姓」と称するが先に提案された上記の例外的夫婦別姓と明らかに内容が異なるため、「家裁許可制」として区別する)。
- 通称使用公認制
- 夫婦同姓の原則を堅持する代わりに、通称使用を法律で認めるとする案。1994年法務省「C案」。また夫婦別姓制度に反対する自民党の一部などの勢力による対案。
1996年の法制審議会答申で出された民法改正案[10]は、上記の分類のうち「選択的別姓(子供の姓を統一するもの)」に相当する。なお現在同姓婚を行っている夫婦が別姓に変更できる経過措置を1年設けている。
これらの案は同時に併存しているのではなく、ほとんどが1994年の法務省民事局参事官室「婚姻制度等に関する民法改正要綱試案」や1996年の法制審議会答申で出された民法改正案[10]から派生したものである。派生の系統としては主に2通りあり、自民党内の事前審査で法務省が反対派に譲歩して変更を加えたものと民主党・共産党・社民党の共同提出法案とである。
自民党内で審議されたもののほとんどは、上記法制審議会案に準じている。自民党内では政府提出法案であろうとも法案提出の前には党内の事前審査を通過しなくてはならないという慣例がある。法制審答申の民法改正案[10]ではあまりに抵抗が強く反対が多かったため例外的夫婦別姓制度に修正し、政府提出法案ではなく議員立法で家裁許可制夫婦別姓へと形を変えた[11]。その間に同じ自民党内の高市早苗が議員立法で通称使用公認制の構想を麻生政調会長に提出したものの却下された。
民主党・共産党・社民党が提出していた法案は、子供の姓を統一しない選択的別姓に相当する。なお経過措置を1年ではなく2年と定めている。
これら別姓を認める案では経過措置を除き、同姓⇔別姓間の変更は認められないものとされている。しかし、一部の議員[誰?]から、同姓⇔別姓間の変更を認めるように修正する意見が出されている。
[編集] 世論の動向
民法や女性問題に関する世論調査は1976年の「婦人に関する世論調査」など数年おきに実施されているが、1996年に選択的夫婦別氏制度を含めた法制審議会答申が出た後の3回は選択的夫婦別氏制度についての設問は同じ文言になっている。
- 1996年6月実施 家族法に関する世論調査
- 2001年5月実施 選択的夫婦別氏制度に関する世論調査
- 2006年11月実施 家族の法制に関する世論調査
[編集] 2010年「時事通信世論調査」“過半数が夫婦別姓に反対”
夫婦別姓、反対が55.8%-時事世論調査
時事通信社が3月5~8日に実施した世論調査結果。選択的夫婦別姓制度に賛成が35.5%に対し、反対は55.8%。民主支持層で賛成が33.6%(反対が59.4%)、自民党支持層で賛成が24.3%(反対69.3%)。
[編集] 2006年「家族の法制に関する世論調査」
内閣府が2006年11月に実施した「家族の法制に関する世論調査」(2007年1月27日発表)によると、選択的夫婦別氏制度に関する設問については以下の結果となった。なお本調査は2006年11月23日から12月10日にかけ、全国5,000人以上の成人男女を対象に実施。有効回答率は55.3%であった。
Q11〔回答票17〕 現在は、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗らなければならないことになっていますが「現行制度と同じように夫婦が同じ名字(姓)を名乗ることのほか、夫婦が希望する場合には、同じ名字(姓)ではなく、それぞれの婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めた方がよい。」という意見があります。このような意見について、あなたはどのように思いますか。次の中から1つだけお答えください。
- (ア)「婚姻をする以上、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきであり、現在の法律を改める必要はない」=「法改正には反対」が35.0%
- (イ)「夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望している場合には、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めてもかまわない」=「選択的別姓制度への改正を容認」が36.6%
- (ウ)「夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望していても、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが、婚姻によって名字(姓)を改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては、かまわない」=「通称使用を認める法改正には賛成」が25.1%
結果については日本経済新聞や東京新聞はじめ新聞報道では「賛否拮抗」という評価が目立った。これに加えて2通りの意見分類ができる。すなわちまず1つは「選択的夫婦別姓制度(=戸籍上の別氏)に反対の人は(ア)と(ウ)を合計した60.1%であり、容認する人(イ)の36.6%を大きく上回った」という意見である。一方「婚姻前の氏を利用可能にするための法改正に容認する人は(イ:選択的夫婦別氏制度)と(ウ:通称を利用可能に)を合計した61.7%であり、いずれの法改正も必要ない(ア)とする35%を大きく上回った」という意見である。
他の設問を見ると、婚姻前からの仕事を継続する場合など改氏で何らかの不便があると考える人の割合は全体で46.3%であった。過去の調査結果から推移を見ると回を追うごとに増えている。
- 41.1%(1996年6月実施)
- 41.9%(2001年5月実施)
- 46.3%(2006年11月実施)
また夫婦の名字(姓)が違うと夫婦の間の子供に何か影響が出てくると思うかという設問に関して「子供にとって好ましくない影響があると思う」という回答が66.2%であり、過去の調査からほとんど上下していない。逆に「子供に影響はないと思う」という回答は30.3%ではあるが、過去の調査結果から推移を見ると回を追うごとに増えている。
- 25.8%(1996年6月実施)
- 26.8%(2001年5月実施)
- 30.3%(2006年11月実施)
類似の設問には家族の一体感がある。「家族の名字(姓)が違うと、家族の一体感(きずな)が弱まると思う」との回答は39.8%、「家族の名字(姓)が違っても、家族の一体感(きずな)には影響がないと思う」との回答は56.0%となっている。
[編集] 各政党の姿勢
おもに「選択的夫婦別氏制度」についての、国会議員を擁する各政治団体の賛否の状況は以下のとおりである。
- 党として賛成を表明している政党
- 党としての賛否が明確でない政党
- 党として反対を表明している政党
[編集] 論点
賛成論・反対論双方の主張とその反論を以下に記す。
[編集] 賛成論から
- 長年月、社会生活を行ってきた者が、その姓を変えることは、多大の社会的損失をもたらす。職業上、氏の変更が業績の連続性にとって損害となる場合もある。改姓を望んでいない者にまで、このような負担をかける必要はなく、結婚制度の利用促進を図るべきである。
- 「各業界や組織・団体、あるいは個別法規の改正で足り民法改正の必要性とするには足りない」とする反論がある。
- 今日、氏名は個人を表すものとして重要な人格権である。氏名は自己を表すものとして、氏にアイデンティティを感じる人がいる。婚姻によって氏が変わると自己を否定された感覚を持つ人がいる。婚姻するために氏名という人格権を剥奪する合理的理由が示されていない。一方の姓の変更を強要する現行民法は、「婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」とする憲法に違反する。
- 「氏が変わったからといってその人を否定しているわけではない」という反論がある。
- 配偶者の父母と同じ氏となることにより、配偶者の実家に組み入れられたように感じると同時にそのように扱われることが苦痛である
- 「すでに廃止された家父長制との混同によるもので一方的な思い込みによるのだから、民法改正の必要性とするには足りない」とする反論がある。また夫婦別姓ならば結婚をあきらめるという人の精神的苦痛を考慮する必要があるとする反論がある。
- 妻の側が改氏する割合が全体の97%といわれており、男女平等に反する
- 「法律の規定は夫婦いずれかの氏を名乗るとなっており平等である」という反論や「選択的夫婦別氏制度となった場合でも婚氏統一するかどうかは相変わらず夫婦の協議による選択であるから、結果が均等になるとは考えにくい」という反論がある。
- 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約により夫婦別氏の推進が要求されている
- 「条約では妻の氏を選択できることが要件の一つとなっており、日本の現行民法はすでに満たしている」とする反論や「文化や歴史に依存する問題であり文化によって氏の持つ意味や指す対象が異なっているので、そういった差異を無視して一概に形式面のみを統一すべきというのは暴論である」とする反論がある。
- 国民の意識が変化しつつあり別氏が選択できないため事実婚で我慢している人たちがおり、彼らにも平等に婚姻の権利を与える必要がある
- 「別氏のため事実婚している人の実数統計がなく、どの程度存在するのか未確認」とする反論がある。また長年続いた同姓制度を変えるという重要な問題であるにもかかわらず、一部のフェミニストの意見を尊重し、国民の多数派の意見をないがしろにするのは、民主主義に反するとの反論もある。また「氏の指す対象やその意味などを考慮せずに形式面での好みや志向だけで『意識の変化』と断ずるのは適切でない」とする意見もある。
- 中国や朝鮮半島など東アジアでは夫婦別姓の国が多く、同じ文化圏として日本も考慮すべき
- 例えば、佐藤博美と鈴木博美という男女が結婚したときに不都合が生じる[16]。
- 全く同姓同名の男女が結婚する場合も無いとは言えないのだから、夫婦別姓に問題を解決させるのは話の筋が違うという反論がある。
- 夫婦同氏が強制されるようになったのは明治民法によるものであり、本来の日本の伝統ではない。女性が結婚後も生家の姓を名乗る、日本古来の伝統を復権させるべき
- 江戸時代以前にはそもそも名字自体は男性が名乗るものであり、女性は公式に名字を名乗ることはなかった(中世における別姓の例として挙げられる「北条政子」や「日野富子」などが生家の名字で呼ばれるのは便宜的な呼称であって、当時そう呼ばれていたわけでは必ずしも無い[17])。「氏・本姓」と「苗字・名字」の混同。庶民が名字を名乗るようになったのは14-15世紀で、それ以前は夫婦で異なる氏・本姓を称していた[18]が、現代使われているのは名字であり古代氏姓制度時代の氏姓ではないとの反論がある。なお名字の使用は数百年にわたって続いてきてすでに文化として定着しており、氏・本姓は中世からすでに形骸化して形式のみとなり、明治民法の施行後はまったく使用されなくなった。そのため「夫婦別氏」が現代につながる「伝統」である、とはいえない。
[編集] 反対論から
- 別姓を選択した場合、「核家族」を指す名称がなくなりかねない
- 別姓を選択した家庭でそれを必要と考えるかどうかは各家族で異なるだろうし、必要と考える家庭では、戸籍筆頭者の氏をファミリーネームとして通称的に使用すれば足り、世界的にはそれが常識だとする反論がある。
- 選択的夫婦別氏制度にしなければならない切実な理由がない
- 別姓を望まない者が理解しないからといって、別姓を望む者の苦痛がなくなるわけではないとする反論のほか、職業上の不便の項を参照。
- 夫婦別姓ならば結婚をあきらめるという人の精神的苦痛がある
- 選択的である限り、そのような批判はあたらない。また、「そもそも、同氏にしなければならない切実な理由が示せない限り、別氏を禁止する理由がない」という反論がある。
- 職業上の不便などはおおむね旧姓の通称使用で解決が可能である
- 役員登記をはじめとした各種登記登録、公的証明書(運転免許証など)は戸籍上の氏名である必要があり、それに関連して銀行口座等で通称は使用できず、職業上の不便があるとの反論の他、同姓の弊害は職業上の不便を契機に社会に認知され始めたが、本質的には、結婚する際に、必ずしも必要ではない氏の変更を強いることが問題だとする反論がある。また、そのような通称使用で足りるというなら、夫婦は同姓であるべきだとする主張は通称としての同姓を名乗ることで全て解決できるはずであるとする反論もある。
- 各業界や組織・団体、あるいは個別法規の改正で足り民法改正の必要性とするには足りない
- 姓を変えない結婚を認めた方が単純明快でコストがかからないという反論がある。
- 2001年の世論調査によると夫婦別氏の実践を希望する人の割合は7.7%しかない
- 「たとえ少数であっても、その少数が希望する選択が可能な制度のほうがよい」あるいは「希望者は少数でも他者の夫婦別氏を容認する割合は40パーセントを超えている」という反論がある。
- 夫婦同氏は日本の伝統である
- 日本におけるかつての別氏や中国や韓国の別姓は古い氏族制度の伝統に基づいた家父長的なものであり、別氏の伝統を復活させた場合女性差別に繋がりかねない。別氏は女性を家に入れない女性蔑視の制度である。
- 別姓か同姓を選択できる制度と、東アジア及び日本古来の父親の氏を引き継ぐことしかできない制度は全く異質なので、選択できない中国や韓国を引き合いに出して比較すること自体がおかしいとか、アメリカやイギリスはもちろん、フランスなども原則として夫婦別氏であり、夫婦別氏を認めることが必然的に古い氏族制度に結びつくわけではないとの指摘がある。また、家に入れるとか入れないとかいう思考には、女性蔑視が垣間見られるという指摘もある。
- 現行の制度は近代的な理念に基づき夫婦一体性を強調したもので、別氏にすると女性の実家との結びつきを優先する傾向に拍車をかけることになる。氏は家族の絆である。別姓主張の理由が家族・家庭より個人を過度に優先する思想であり、現今問題となっている家庭崩壊を促進する惧れがある
- 確かに夫婦同姓は新しい制度だが、それを強制した国では、出生氏保持の権利を侵害することが問題となり、日本を除いて強制をやめていることからも明らかなように、それは失敗した制度であるとの反論のほか、すでに現今でも家庭崩壊が見られるのであれば、夫婦同氏制度であっても家庭崩壊の要因は別にあると考えられるのではないか、実際に別氏を採用する国家で家庭崩壊が顕著というデータはないとする反論がある。また、戸籍上の氏という外部との関係で同一性が問題となる場面と違って、家族の一体性という内部的関係における一体感は、家族の通称を使用することで同じ効果が得られるのではないかとの反論がある。
- 夫婦別姓が認められれば婚姻時に夫婦間で同姓にするか別姓にするか意見が対立する可能性があり、対立した場合は結婚を諦めるケースも出てくると思われ夫婦別姓で結婚をする夫婦以上に夫婦別姓で結婚を諦める夫婦の方が多くなり、かえって婚姻数が減少する可能性がある
- 別姓にすることについて対立する場合は同姓だけしか選べない現状では結婚に至らないのであるし、別姓にしたいという希望の実態は結婚に際して姓を変えたくないということであるから、同姓にしたい配偶者がしたくない配偶者の姓を選択して同姓にすれば足りるはずであるとする反論がある。現実に、夫婦の双方が自分の姓を捨てたくないという理由から婚姻しなかったり、法律婚をあきらめて事実婚しているカップルがいる以上、夫婦別姓を選択できるようにすることで婚姻に至り、むしろ婚姻数が増加する可能性が強いとの論がある。
- 家族という、氏が指し示す対象を変更する必要性がない
- 「氏が指し示す対象はそれぞれの個人の考え方でよい」とする反論や、「氏は名と一体となった氏名として個人を指す名称であることは、家族のいない者にも氏があることからも明らかである」とする反論がある。また、古来より、日本では氏は血統を表すものであり、家族の姓や屋号は氏とは別であったので、氏と家族の姓を一体化するプロテスタントあるいはゲルマン的な現行制度に違和感を抱く人もいる。
- 氏の指す対象やその意味などを考慮せずに形式面での好みや志向だけで『国民の意識が変化しつつある』と断ずるのは適切でない
- それなら形式的に氏が同じでないといけないという発想もやめるべきだとの反論がある。
- 子供の姓も選択制であることから子供・孫の姓の取り合いになり、場合によっては深刻な対立に発展する可能性がある。特に一人っ子同士の結婚の場合、両家の両親が「孫をうちの姓にしてくれないと家が途絶える」と主張するケース、由緒・名誉・財産など両家の比較によって子供の姓を決めるケース、対立を解決する為に金銭の授受が起きるケースなどの弊害が発生する可能性が指摘されている。また金銭の授受が発生するケースでは「お金のある方の家が子供・孫の姓を手にすることができる」ようになることで、「子供・孫の姓の選択にまで格差社会にするつもりか」といった批判がある。
- 「同姓だと結婚の時点で子だけでなく親の姓も『途絶える』ことを見逃している反対論」であり「問題が、結婚する時点から子どもが生まれる時点まで持ち越されるにすぎない」とか「夫婦同姓は、夫婦と子供の両方の姓を一方の姓にするものであり、他方が婚前の姓を維持できる方が、当人と子の両方の姓まで取られる同姓の場合より妥協しやすい」といった反論がある。
- 別姓の親の子供が可哀想だ、いじめられる。
- 結婚時に同姓か別姓かの選択、子供の出生時に子供の姓の選択、などの精神的な負担を万人に負わせる可能性がある
- 「女性側の姓を結婚後の姓として選択できるようになってから60年が経つが現代でも女性改姓するのが一般的であり、その選択における精神的な負担が問題になっていない。夫婦別姓も制度上可能となったからといって直ちに多くの夫婦が検討するものではなく、その精神的負担が問題になるとはいえない」といった反論がある。
- 別姓だと「○○家の墓」に入れない。
- 「○○家の墓」は普遍的なものではないし、「○○家の墓」には「○○」以外の氏の人の遺骨を納めてはいけないという規制はない。
- スウェーデンなどのように離婚率の高い国は夫婦別姓を選べる。夫婦別姓が諸悪の根源である。
- イタリアは夫婦別姓であるが離婚は少ないように、離婚率と同姓か別姓かに関連性は見出せない。そもそも、日本を除いて世界中のほとんどの国で別姓が認められているのに、特に離婚率の高い国を持ち出し、それを別姓のせいにするのは、あまりに恣意的ではないかとの批判がある。
- キリスト教の教会論において、福音派の指導者マーティン・ロイドジョンズは、キリストの花嫁であるキリスト教会がキリストの名前を与えられ、クリスチャンがキリストの名で呼ばれる神秘と特権から、女性も結婚した時に自分の名字を放棄して、夫の名前を与えられるのは、花嫁に与えられた特権であり、これが聖書的であるとし、非聖書的なフェミニズムを退けている[22]。
- これに対しては、「フランスのように文字通り特権としての改姓の権利があるキリスト教国家でも、改姓せず夫婦別姓が基本である」とか「そもそも、日本はキリスト教国家ではない。それどころか、憲法は政教分離を要求している」という反論がある。
- 法律の規定を嫌って独自の方法を採用する人に合わせて法律の規定のほうを変更すべきという考え方は適切ではない
- その人の氏名を保持することは人格を尊重することであって独自の方法ではない。そもそも制度は人の幸福に合わせて人が作り人が変えるものであり、ただ単に変更すべきでないというこの意見は根拠を示していないという指摘がある。
[編集] 夫婦創姓論・結合姓論
同姓制度と同様に「家族の姓を定めて名称夫婦・家族の一体性」を「夫妻平等」に実現するなら、夫妻とも氏を変えるべきではないか、あるいは反対に、選択的夫婦別姓制度は「旧姓にこだわりすぎた制度である」、「そもそも選択をみとめるならば、夫婦いずれかの姓以外の選択肢(創姓など)もみとめるべきではないか」といった反対意見や指摘があり、それらを解決するためのものとして、婚姻時などに新たに姓を決める夫婦創姓や、夫婦の旧姓を結合して姓とする夫婦結合姓を含めた制度が、選択的夫婦別姓制度に代わるものとして提案されてもいる[23]。 しかしながら、創姓は夫妻共に不便を強いる点で合理的でないとか、創姓、結合姓いずれも「氏名保持」の要求に応えていないといった不都合が指摘されている。
[編集] 世界の氏名制度
[編集] 各文化における氏名制度の違い
世界のさまざまな文化においては人の名をどのようにあらわすか、人は何を指す名前を持ちどのように名乗るかということがそれぞれに異なっているが、国家がそれを規制するようになったのは、比較的最近のことであり、英米法系の国家では現在でも規制はないところが多い。規制はまず、姓を含めた生来の氏名の変更を許さないという形で現れたが、女性は結婚時に夫の姓を称することができるという権利が認められた国もある(フランスなどラテン法の国家に多く、女性が夫の姓を名乗るかどうかは社会情勢によって変化する。)。ドイツでは、民法制定時から婚氏統一であり、オーストリア、スイス、インド、タイ、日本もこのゲルマン法グループに属するとされる[24]。その後、結合姓の導入、そしてドイツやタイで婚前の姓を保持する権利が認められる法改正がなされた結果、改姓による同姓を強制する国家は日本だけになったと見られている。
各国の姓のありようについては[4]を参照。何らかの所属または関係性を示す名称と本人個人を示す名称の2種類以上を持つ場合が大半であるが、前者を欠くところもある。
世界のさまざまな文化における家系や家族を示す名称に関しては、大きく2つに分けると以下のように分類できる。
- 父系、家系を示す名前(日本の「氏」、中国や韓国の姓にあたるもの)
- 同族集団、生活集団、世帯などを示す名前(日本の「名字」にあたるもの)
所属や関係性を示す名称は、文化ごとにさまざまな差異がある。たとえばスラブ語圏に見られる父称(父親の名前を用いて「~の子」という意味を表す名前。父を同じくする兄弟姉妹間では同一になる)や一部の文化に見られる出身地名、氏族名、部族名といったものもある。これらは「姓」とは違うものとみなされる。 なお、日本の名字は中世において居住地の地名を使用する場合が多かった。
したがってこのような名称の文化的な差異を論じる場合、同姓か別姓かのみを抽出して論じることは難しい。但し別姓や結合姓など、何らかの手段で結婚前の姓を結婚後も名乗ることができるところがほとんどである[25]。
[編集] 各国の氏名制度
諸外国の氏名制度を比較したものを以下に記す。海外で法律上の夫婦が選択する氏・姓等の名称に、どのような選択肢があり得るかどうかであるが、実際上同姓・別姓のどちらが多いかという事実の問題と、法律で同姓以外の選択肢がないかどうかという法規範の問題とは別である。これについて立命館大学教授の二宮周平は「氏と名の組み合わせで個人を特定する制度ないし習慣を持つ国々では、周知のように、夫婦別氏あるいは旧姓の併用を認める国がほとんどである」と指摘している[26]。夫婦別姓推進派の小宮山洋子(民主党)は「(夫婦別姓の)選択の自由が全くないのは、世界広しといえども日本だけ」と国会で発言している[27]。多くの国が父系の姓を名乗るのを原則として別姓を例外的に認める制度か、別姓とともに複合姓・結合姓が存在する制度であるか、別姓のみで同姓を認めない制度であるかのいずれかであり、日本で導入が検討されているような、原則・例外の区別がなく、複合姓・結合姓もない、100%の選択制である選択的夫婦別姓制度を導入している国はむしろ少ないという指摘がある[28]。 以前は、日本以外にも同姓を強要する国があったが、その多くの国で法改正が行われている。トルコやタイなどドイツ法の影響が強い国ではかつて法律上に婚氏統一が明記されていたが、ともに法改正があり法律上に婚氏統一の規定はなくなった。ドイツでは特に申し出がない限り夫の姓を用いる同姓とされていたが、この規定が違憲とされ、夫婦の姓を定めないと別姓になるように改正された(ドイツ民法1355条)。もっとも、夫婦の氏を定めない夫婦は少ないとされる。オーストリアでは同姓を定めるが旧姓を併置することができるとされ、旧ドイツ法のままである。
[編集] ヨーロッパ・南北アメリカ
- アイスランド
- 法律上、姓にあたる名前がなく、規制もないが、父称を用いるのが伝統。
- アメリカ
- 州によって制度が異なる[29]。法律上は氏の変更はせず、事実上、夫婦同姓を名乗ることが多いとされる。仕事上の都合などにより女性が特定の場所では婚姻前の姓をそのまま名乗っていたり、元々の姓をミドルネームのように加え名乗る場合もあれば、家庭関係では同姓の場合もある。また、同性同士の結婚においてはお互いの姓のままであることが多い。
- イギリス
- 法的には規定がなく、同姓・複合姓・別姓を用いることができる。夫の氏を称するのが通例[29]。
- オーストリア
- 夫の氏が優先。夫又は妻の氏(その決定がない場合は夫の氏)を称する(同氏)。自己の氏を後置することもできる[29]。
- オランダ
- 夫の氏は不変。妻は夫の姓(同姓)又は自己の姓(別姓)を称する。妻は自己の姓を後置することもできる[29]。社会的には家族名としての姓を用い、夫婦で統一されることが多い。vanが前につく姓は出身地を表す名前が由来であったが、現在ではその意味はほとんど失われている。
- スウェーデン
- 以前は父姓に統一するのを原則とし、例外的に別姓とする慣習法があったとされるが、1982年に同姓・複合姓・別姓が選択できることが明文化された婚姻法が施行された。日本で提案されている制度に近い制度とする主張もあるが[28]、複合姓も認められているので異なる。また、婚姻法以前に別姓婚が禁じられていたわけではないし(同性婚は認められていなかった)、それ以降に離婚が増えたというデータもない。
- デンマーク
- 同姓・別姓の選択は全くの自由(1980年明文化)。
- スペイン語圏
- 婚姻によって氏が変わることはない。「名、父方の祖父の姓、母方の祖父の姓」や「名、父方の祖父の姓、父方の祖母の姓、母方の祖父の姓」、「名、父方の祖父の姓、父方の祖母の姓、母方の祖父の姓、母方の祖母の姓」という名乗り方をする。女性は結婚すると「名、父方の祖父の姓、de+夫の父方の祖父の姓」で名乗るのが一般的。[要検証]
- ポルトガル語圏
- スペイン語圏とほぼ同じだが、順序が異なり「名、母方の祖父の姓、父方の祖父の姓」となる。婚姻によって姓の変更がないのが原則だが、従来の姓に相手の姓を加えることができる。
- スイス
- 夫の氏が優先。正当な利益があれば、妻の氏を称することもできる(同氏)。自己の氏を前置することもできる[29]。
- スラブ圏
- 個人の名は、名+父称+姓となる。父称は父親の名を用いて~の息子、~の娘という意味を表す。姓は夫婦で統一することが一般的。但し男性形と女性形で語尾が異なるため、結果的に表記や発音のうえでは異なる(例:姓がПавловであれば夫や男性家族はパブロフ Павловとなり、妻や女性家族はパブロワ Павлова)。
- ソビエト連邦ロシア共和国・ロシア
- 1924年政令において登録婚でも夫婦同姓の義務がなくなり、1926年の「婚姻・家族・後見法法典」において同姓(夫又は妻の姓)、別姓(婚姻前の姓の保持)の選択が可能になった。但し結合性は廃止された。この時の家族法は事実婚を大幅に認める「事実婚主義」のものであった。しかし1944年法令において事実婚が否定され、登録婚主義となったが、姓については従前通りであった。44年のこの改正は、戦争中の困難に対し、家族の強化と母子の保護を目的とするものであった[30]。1995年家族法典では同姓、別姓、結合姓が選択できる(第32条1項)[31]。
- ポーランド
- 婚姻後の姓はどちらかの姓に統一しても良いし(同姓)、変えなくても良い(別姓)し、婚姻前の自分の姓の後に結婚相手の姓をつなげても良い(別姓、複合姓)[32]。ただし複合姓にする場合、3つ以上の姓をつなげてはいけない[33](1964年)。同じ姓でも男性形と女性形で活用語尾が異なることがあるのは上記の通りスラブ語圏共通である。
- ドイツ
- 選択的夫婦別姓である。伝統的に家族名としての姓を用い、日本の夫婦同姓のお手本になったとされるが(1957年までの条文は、妻は夫の氏を称するとされており、明治民法案と全く同じである。)、1957年、妻が出生氏を二重氏として付加できるとする改正が行われた。次に、1976年の改正では、婚氏選択制を導入し、婚氏として妻の氏を選択する可能性を認めたが、決定されない場合は夫の氏を婚氏とするとされた。しかし、連邦憲法裁判所1991年3月5日決定が両性の平等違反としてこの条文を無効とし、人間の出生氏が個性又は同一性の現れとして尊重され保護されるべきことを明言した。その結果、1993年の民法改正で[34]、夫婦の姓を定めない場合は別姓になる形で選択的夫婦別姓となった(ドイツ民法1355条)。
- フランス
- 法的には規定がなく、「氏名不変の原則」が唱えられるようになり、婚姻によって姓が変わることはない(別姓)。但し、妻は夫の姓を称する権利も持つとされ、慣習的には妻は夫の姓を名乗るが、従前の姓を名乗る例も増加している。また相手の姓を加えることもできる[35]。
- イタリア
- 別姓で、子は父の姓を称するが、結合姓も認められている。イタリアは極めて離婚が少ない国として知られているが、カトリックとの関係が指摘されており、別姓だからとは断定できない。
[編集] 東アジア
- 中国
- 1950年の婚姻法(1980年改正)において男女平等の観点から「自己の姓名を使用する権利」が認められ、夫婦双方が自己の姓名を用いることができる。これは相手方の家族の成員になった場合でも妨げられない。また夫婦自らの意志で夫婦同姓や複合姓を用いることもできるという指摘もある[36]。子供の姓は1980年婚姻法において両親のいずれかから選択することになり、2001年改正でより夫婦平等な文言になったが、漢民族の伝統によりほとんどの場合父の姓が使われる[37]。香港では20世紀まで冠姓(一種の複合姓)も多かった。例えば政治家の陳方安生は本名が「方安生」で結婚時に夫の姓「陳」を追加している。
- 台湾
- 選択できるが、別姓が多い。その背景には、改姓する事は親を蔑ろにする事だと非難される社会風潮があるともいわれる。1985年民法において、冠姓が義務づけられていたが、当事者が別段の取り決めをした場合はその取り決めに従うとされていた[38]。その後1998年の改正で、原則として本姓をそのまま使用し、冠姓にすることもできると改められた。職場では以前から冠姓せず本姓を使用することが多かったという[39]。子供の姓は、原則的に父系の姓が適用されていた(入夫の場合は逆)が、1985年の改正で、母に兄弟がない場合は母の姓にすることもできるようになった。この結果、兄弟別姓が可能である[40]。これも男女平等原則の違反とされ、2008年の戸籍法改正で父の姓か母の姓か両親が子供の姓を合意し、両方の署名を入れ役所に提出することとなった。合意に至らない場合は役所が抽選で決める[41]。
- 韓国
- 男女問わず婚姻後もそれぞれの父系名を名乗る父系制のため夫婦別姓である。子に関しては、原則的に父親の姓を名乗っていた。しかし、2005年改正により、子は、父母が婚姻届出の時に協議した場合には母の姓に従うこともできるようになった[42]。
[編集] 中東・南アジア・東南アジア
- トルコ
- かつては同姓のみだったが、2001年の法改正により女性が複合姓や別姓などが認められるようになった。
- サウジアラビア
- 姓名は出自を表す意味があり生涯不変が原則であるため結婚や養子縁組などによって姓が変わることは無い。
- 生まれた子供は原則として父親の姓を名のる。
- インド
- 地域・文化によってさまざまな種類の名称が存在し統一性がない。姓にあたるような名前としては家族名や氏族名がある地域がある。家族名は夫婦で統一されるが、法律上の規定はなく、統一の仕方も家族によって異なるようである。
- タイ
- 1913年の個人姓名法により国民全員が名字(姓)を持つことが義務化された。同12条では妻は夫の姓を用いると定められていたが2003年にタイの憲法裁判所は「夫の姓を名乗るとする条項は違憲である」との判決[43]を出し、2005年に同12条が改正された。現行の同12条では夫婦の姓は合意によりいずれの姓を選ぶことができ、またそれぞれの旧姓を選ぶことも可能となった[44]。
- ベトナム
- 父系名を名乗り、夫婦で異なる。
- フィリピン
- 家族名(ファミリー・ネーム)を用い、婚姻時に夫婦で統一する。女性は旧姓をミドルネームとする場合が多い。
- モンゴル
- 家名にあたる名は存在しないが、氏族名が姓に近い役割を持つ。しかし名前の表記としては個人名と父親名を併記する(父親名は当然、夫婦間で異なる)。
[編集] 日本の近代以前の氏名の実態
- 飛鳥時代 - 平安時代初中期 : 氏姓制度と古代戸籍
- 「氏」(うぢ)・「氏名」(うじな)と「姓」(かばね)があった。「藤原」が氏であり「朝臣」が姓である。大宝2年(702年)美濃国加毛郡半布里戸籍、同年豊前国仲津郡丁里戸籍、養老5年(721年)下総国葛飾郡大嶋郷戸籍、延喜2年(902年)阿波国板野郡田上郷戸籍等には夫婦同氏と別氏が見られるが、寛弘元年(1004年)讃岐国入野郷戸籍・同年国郡未詳戸籍では19夫婦の全てが同氏となっている。日本には「同姓不婚」の習慣はなく、養老令の戸令にも改姓規定がないため、この同氏は同族婚とする見方がある。なお同氏の増えた理由は不明[45]。女性名には「刀自売(とじめ)」「二子」「定子」「犬子」などの型があった[46]。
- 平安後期 - 中世前期 : 氏姓に加え名字が発生
- 氏・姓が引き続き用いられるが、「氏姓」はいつしか「姓」(セイ)と呼ばれるようになった。一方で名田の名が「名字」となった。「源」は氏であり「足利」が名字である(足利左馬頭源朝臣直義)。氏姓は公的な名であり名字は私的な名である。また氏姓は夫婦別氏姓であり名字は夫婦同名字である[47]。但し「北条」の子がそのまま「北条」を名乗るわけではなかった[48]。鎌倉時代までは貴族・武士・庶民とも氏(姓)の使用の方が一般的であり、夫婦別氏であった[49]。女性名は「刀自売」型から「鶴女」型へ移り、13世紀に比率が高まる。「二子」型は13世紀までは半分以上を占めるがやがて減少する。また「紀氏女」型が11世紀後半に現れた[46]。男性名は「源次」のように氏(姓)を含む字(あざな)、「和泉大夫」「左衛門」のように国名や役職名を用いる字、「犬次郎」のような童名の字、「西念」のような法名、その他「孫太郎」のような字などがあった[47]。
- 中世後期 : 名字の家名化
- 江戸時代 : 庶民の氏・苗字の使用は不許可
[編集] 日本の近代以降の氏名制度
- 1870年10月13日(明治3年9月19日 太政官布告:苗字の使用が許可
- 平民でも苗字を使用してもよいとされる。
- 1872年3月9日(明治5年2月1日 戸籍法施行:壬申戸籍
- 全国統一の中央集権政治を実現しようとするなかで、国内総人口を把握するものとして戸籍法を制定し、世帯を単位とする住所や身分登録が行われた。明治5年の干支が壬申だったので明治の戸籍を壬申戸籍と呼ぶ。
- 1875年(明治8年)2月13日 太政官布告:苗字の使用が義務化
- 苗字の使用を許可したものの、平民は「余計に税金を徴収されるのでは」などと警戒し苗字の使用が広まらなかった。そのため、苗字の使用が義務づけられる(兵籍取調べの必要上、軍から要求されたものといわれている。出典:法務省HP 我が国における氏の制度の変遷より)。
- 1876年(明治9年)3月17日 太政官指令:夫婦別氏の制定
- 苗字・氏が義務化されると婚姻後の氏をどうするかが問題となったが、婚姻後の妻の氏は「所生ノ氏」(=実家の氏)とされた。ただし、今日とは逆に、妻が夫の氏や屋号を家族の苗字として通称することがあったとされる。
- 1898年(明治31年) (旧)民法成立:夫婦同氏の制定
- 明治民法では夫婦同姓案が示され、我が国古来の家父長制度に反するとして反対が強かったが、家制度(または戸主制度または家父長制など)を導入し、戸籍は家を示すものとした上で「妻は婚姻によりて夫の家に入る」とされた(明治民法788条)。これによって、夫婦が家を同じくすれば氏を同じくすることとされたが、ドイツ民法の影響が強いと言われる。
- 1947年(昭和22年) 改正民法成立:夫婦同氏制の残留
- 戦後、明治の家制度は廃止された。婚姻は(かつて戸主の同意を必要としていたものが)当事者の同意があれば可能となった(憲法24条)。夫婦の氏は夫または妻のもの、いずれかを選べるようになったが夫婦同氏の原則は残った(民法750条)。
- 1948年(昭和23年) 改正戸籍法施行:現行戸籍の開始
- 全面的に改正された戸籍法が施行となる。戸籍は戸主と家族を記載する家の登録から、個人の登録へと変わった。ただし編成基準を一組の夫婦と氏を同じくする子(戸籍法6条)とした。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 内閣府男女共同参画局「我が国の女子差別撤廃条約実施状況報告に対する最終コメントについて」35.
- ^ 女子差別撤廃条約実施状況第6回報告、第16条1.
- ^ 女子差別撤廃委員会の最終見解17.
- ^ 働く女性に関する判例検索 国立大学夫婦別姓通称使用事件 判決
- ^ 人事院 国家公務員 採用情報 *旧姓使用について
- ^ 独立行政法人 JSPS 日本学術振興会 平成13年度科学研究費補助金の配分について
- ^ 時事ドットコム 2011/02/14-18:34(2011年3月29日閲覧)
- ^ 時事ドットコム 2011/02/24-18:26(2011年3月29日閲覧)
- ^ 井戸田(2004)。
- ^ a b c 1996年2月26日 法制審議会総会決定 民法の一部を改正する法律案要綱
- ^ 野田聖子ホームページ 平成14年7月24日 「民法の一部を改正する議員立法案~例外的夫婦別姓制度」
- ^ 政策INDEX2009。選択的夫婦別姓制度の導入へ 民法の一部改正案を参議院に提出 2008/04/22。選択的夫婦別姓制度の導入へ 民法の一部改正案を参議院に提出 2009/04/24。一方民主公約、夫婦別姓明記見送り asahi.com。
- ^ 夫婦別姓 家族の絆を壊しかねない
- ^ 2009年政権政策および政策・主張一覧には言及がなかったが(2010年4月10日閲覧)、その後亀井静香代表は再三に渡って反対を表明した(選択的夫婦別姓「絶対に反対」 亀井代表、改めて表明(2010年4月10日閲覧))。2010年には党の政策と明記された[1](2010年7月12日閲覧)。
- ^ 「たちあがれ日本」結党 打倒民主で政界再編 平沼代表ら5議員
- ^ http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1029
- ^ 「村の戦争と平和 (日本の中世12)」中央公論新社 / 坂田聡ほか著 ISDN978-4124902211
- ^ 坂田(2006)152-4ページ。
- ^ 久武(1988)。
- ^ 現存する日本最古(世界最古)の戸籍『半布里戸籍』(正倉院所蔵)も、庶民の戸籍が夫婦別姓で記録されている。半布里戸籍を読もう!を参照。
- ^ 後藤(2009)。
- ^ マーティン・ロイドジョンズ『結婚することの意味』いのちのことば社
- ^ 鎌田 明彦『夫婦創姓論―選択性夫婦別姓論に代わるもうひとつの提案』 マイブック社 2007年
- ^ 大村敦志「家族法 [第3版]」有斐閣、2010年。
- ^ 「第4回 家族とライフスタイルに関する研究会 議事概要」(内閣府 平成13年(2001年))
「夫婦・子の姓に関する各国比較」 - ^ ジュリスト No.1336 2007.6.15 15頁
- ^ 2007年2月21日 衆議院内閣委員会
- ^ a b 夫婦別姓論議・なぜ「スウェーデン」は語られないのか
- ^ a b c d e 平成13年10月11日男女共同参画会議基本問題専調査会 選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ 資料15 夫婦の氏に関する各国法制
- ^ 福島正夫『福島正夫著作集第5巻社会主義法』勁草書房、1994年(初出1961年)。
- ^ 原隆(訳)「ロシア連邦家族法典(邦訳)全」『札幌法学』9-2、1998年。
- ^ Dz. U. z 1964 r. Nr 9, poz. 59 Kodeks rodzinny i opiekuńczy(家族および保護者に関する法律)第25条2
- ^ Dz. U. z 1964 r. Nr 9, poz. 59 Kodeks rodzinny i opiekuńczy(家族および保護者に関する法律)第25条3
- ^ 富田哲『夫婦別姓の法的変遷 ドイツにおける立法化』八朔社
- ^ 田中通裕「フランス法における氏について—「使用の氏」(nom d'usage)概念を中心として—」中川淳先生古稀祝賀論集刊行会(編)『新世紀へ向かう家族法: 中川淳先生古稀祝賀論集』、1998。
- ^ 塩谷弘康「中国の家族法」、黒木三郎(監修)『世界の家族法』敬文堂、1991年、208頁。加藤美穂子『中国家族法の諸問題』敬文堂、1994年、130頁。
- ^ 加藤美穂子「家族法」西村浩次郎編『現代中国法講義〔第2版〕』法律文化社、2005年、160頁。
- ^ 林秀雄「台湾の家族法」黒木三郎(監修)『世界の家族法』敬文堂、1991年、239頁。
- ^ 清水秋雄「台湾の家族法の改正について」『二松学舎大学国際政経論集』13、2007年。
- ^ 清水秋雄「台湾の家族法の改正について」『二松学舎大学国際政経論集』13、2007年。
- ^ 笠原俊宏・徐瑞静「中華民国戸籍法の改正(下)」『戸籍時報』634、2008年。
- ^ 柳淵馨「大韓民国における新しい家族関係登録制度の概要」『戸籍時報』特別増刊号640、2009年。
- ^ Summary of the Constitutional Court Ruling No. 21/2546[2]
- ^ 第49回国連婦人の地位委員会 タイ代表の報告より[3]
- ^ 久武(1988)。
- ^ a b 飯沼賢司「女性名から見た中世の女性の社会的位置」『歴史評論』443、1987年。
- ^ a b c d 坂田(2006)。
- ^ 加藤晃「日本の姓氏」井上光貞ほか(編)『東アジアにおける社会と風俗』東アジア世界における日本古代史講座10、学生社、1984。
- ^ 坂田(2006)、『鎌倉遺文』の調査による。
- ^ 坂田(1994)、坂田(2006)。
- ^ 後藤(2009)。
- ^ 坂田(1994)、坂田(2006)。
[編集] 外部リンク
[編集] 推進論、肯定論
[編集] 反対論、慎重論
[編集] 中立的資料
- 基本的法制度に関する世論調査(1994年実施)
- 家族法に関する世論調査(1996年実施)
- 選択的夫婦別氏制度に関する世論調査(2001年実施)
- 家族の法制に関する世論調査(2006年実施)
- 法務省民事局 「選択的夫婦別氏制度」について
[編集] 参考文献
- 井戸田博史『夫婦の氏を考える』世界思想社、2004年
- 鎌田 明彦『夫婦創姓論―選択性夫婦別姓論に代わるもうひとつの提案』マイブック社、2007年
- 後藤みち子『戦国を生きた公家の妻たち』吉川弘文館、2009年
- 坂田聡「中世の家と女性」『岩波講座日本通史第8巻中世2』岩波書店、1994年
- 坂田聡『苗字と名前の歴史』吉川弘文館、2006年
- 長谷川 三千子(他) 『ちょっとまって!夫婦別姓』日本教育新聞社、1997年
- 久武綾子『氏と戸籍の女性史:わが国における変遷と諸外国との比較』世界思想社、1988年
- 久武綾子『夫婦別姓—その歴史と背景—』世界思想社、2003年
- 八木 秀次, 宮崎 哲弥(編) 『夫婦別姓大論破! 』洋泉社、1996年