クレジットカード

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クレジットカード

クレジットカードCredit card)とは、商品を購入する際の決済(支払)手段の一つ。又は、契約者の番号その他が記載され、及び記録されたカードである。 creditとは、後払いつけ払いのこと。

概要[編集]

クレジットカードは、利用代金を後で支払う後払(ポストペイ)である。この為、前払のプリペイドカードや即時払のデビットカードと異なり入会に際して審査が行われる(「#入会について」を参照)。

クレジットカードには、磁気ストライプによるものとICによるものがあり、ICで決済が行われた場合は、署名に代えて暗証番号の入力を行う事で決済を行う事が出来る。

ショッピングにおける仕組み[編集]

カード取引の流れ

クレジットカードは、利用できる加盟店で、商品の購入に際しクレジットカードを提示すると、いったんクレジットカード会社が加盟店への支払いを肩代わりし、後でカード利用者へ代金を請求する仕組みである。流れは以下のとおり。また、右図も参照されたい(ここではノン・オン・アス取引で説明する。また、信用照会(オーソリゼーション)は省略した)[1]

  1. カード利用者は、カード加盟店でクレジットカードを提示する。
  2. カード加盟店は、商品・サービスを、カード利用者へ提供する。
  3. カード加盟店は、商品・サービス代金の伝票を加盟店管理会社(アクワイアラー)へ回す。
  4. 加盟店管理会社は、商品・サービス代金から加盟店手数料を差し引いた金額を数日以内にカード加盟店へ一括で支払う。
  5. 加盟店管理会社は、取引情報を処理センターへ送る。
  6. 処理センターは、取引情報をカード発行会社(イシュアー)へ送る。
  7. カード発行会社は、手数料を上乗せして商品・サービス代金をカード利用者へ請求する。
  8. カード利用者は、商品・サービス代金をカード発行会社へ支払う(通常は月極め締めの一定期間(例えば25日)後)。
  9. カード発行会社は、商品・サービス代金からカード利用者紹介手数料を差し引いた金額を加盟店管理会社へ支払う。

カードの利用にあたってはクレジットカード発行会社へ信用照会が行われる。ここで承認が降りない場合(期限が切れている、限度額を超えている、支払いが遅れている等)、クレジットカードを使用することはできない。

米国や日本などでは、基本的にカード払い(但し1回払)でも現金払いでもカード利用者への請求額は同額であるが、イギリスデンマークスウェーデンオランダオーストラリアなどではカード取扱手数料(サーチャージ)の加算請求が認められている[2]

米国では、カード発行会社は銀行でなければならないので、窓口や通常の預金・貸付業務などを行わないクレジットカード専門の銀行が多数存在する。

米国や日本のようにカード払いでも現金払いでもカード利用者への請求額は同額の場合、利用者から見ると加盟店にとってカード払いも現金払いも同じに見えるが、加盟店に実際に支払われる金額は現金取引の場合の金額から手数料を差し引いた金額で、この手数料は結果的に加盟店管理会社、処理センター、カード発行会社で分配される。手数料は通常3%前後であるが、加盟店と加盟店管理会社の力関係(取引額)などにより異なる。その他にも、加盟店は加盟店管理会社から以下のような様々な名目の料金を徴収される。

  • 毎月の口座維持費
  • 毎月の端末使用料
  • トランザクション(販売・返品など)毎の固定料金

カードの不正使用(例えば他人のカードを使ってカード名義人になりすまして加盟店で買い物)がありカード名義人からカード発行会社に通報があると、加盟店はカードの裏の正規名義人の署名と同じ署名のあるカード使用スリップや、名義人がカード発行会社に登録した住所への購入物品の送り状などを加盟店管理会社に示して瑕疵のなかったことを証明しなければならず、それができなければ不正使用の損失はその商品・サービスを販売した加盟店が被ることになる。カード利用者は「不正使用は保険でカバーされる」と考えていることが多いが、実際に保険が適用されることは稀もしくはない。

入会について[編集]

クレジットカードを入手する為には、申込を行い審査を受ける必要がある。審査の基準はクレジットカードの種類やイシュアによって異なるが、特に米国においては、信用情報(クレジットヒストリー)が非常に重要となる。そのため、現金を多く持っていてもクレジットヒストリーが無い、あるいは返済状況が悪ければ、クレジットカードの取得は困難となる[3]。そのため、まずは与信を行わないデビットカード(チェックカードと呼ばれることもある)である程度クレジットヒストリーを築いた後、クレジットカードを取得することになる[3]

国際ブランド[編集]

Visa[編集]

VISAの公式名は、Visa Issuer Service Area[要出典]。各国地域の市場ニーズに合わせた貨幣価値を国際決済サービスを提供する。世界通貨を意味する。これが公式名称である[要出典]。査証のイメージとは無関係である。世界的にはMasterCardと並ぶ2大ブランド。日本においてはJCBの後塵を拝しており、現在もJCBに次ぐシェアは2位である。当初は住友クレジットサービス(現在の三井住友カード)を始とするVISAジャパン協会(現在のVJA)のみがカード発行及び加盟店の開拓を行っていたが、1987年のスペシャルライセンシー制導入後はVJ協以外の銀行系や信販系・流通系等の多くの企業と提携を行っている。

MasterCard[編集]

世界的にはVISAと並ぶ2大ブランド。EMV仕様の先駆けの「Euro Card」と提携から始まり、2002年7月にドイツ・フランクフルトで統合(USA商品開発本社とEU本社に分かれる。)しているため、ヨーロッパ圏などで強いと言われていたが、現在では両陣営に同時加盟しているカード会社が加盟店開拓を行う事が多く、VISAが使える店舗ではMasterCardも使える為に、どちらも大きな差はない。日本においては、VISAが原則として直接加盟を認めていない非銀行系のカード会社へのブランド供与、CM攻勢などを積極的に推進する事によって勢力拡大を図っている。

American Express[編集]

「Amex」(アメックス)の通称でも知られる。アメリカホテル組合会社が発行権を買収して現在に至る。カードのグレードに合わせ用意された豊富なサービスが特徴。「ゴールドカード」、「プラチナカード」、「ブラックカード(正式名称は「アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード」)」の元祖といわれている。また、自社発行のカードにグレードに応じた利用限度額を設定していない[4]。実質の限度額を増やす条件には、支払い実績を作るか、資産の裏付けに応じること等があげられる。自社でカード発行を行うとともに、日本ではMUFGカードクレディセゾンに、香港ではイオンクレジットサービスの現地法人に対してもライセンス供与を行っている。ローマ兵士のカードフェイスで知られる。日本国内では自社加盟店の他、提携先のJCBの加盟店でも使用できるために、日本国内における利用可能店舗数は上記の2社にほぼ並ぶ。

JCB[編集]

日本発の国際ブランドであり、また中国銀聯登場までは長らく世界で唯一米国系ではない国際ブランドだった。アジア各国を中心に加盟店を増やし、韓国台湾香港シンガポールマレーシアタイなどではVISAやMasterCard並みの加盟店がある。また米国などでは加盟店開拓業務でAmerican Expressとの提携を行っている。ただし完全な相互開放ではない(加盟店側がオプションとして選択する形式)ので、加えて後述のDISCOVERとの相互開放提携を行っている。日本最大のカード会社のため日本での利用店舗数は最大規模を誇り、地方にカードはJCBしか使えない店も散在する。日本では自社およびJCBグループフランチャイズ)以外のカード会社にもライセンス供与(加盟店開放・ブランド発行会社)を行い、提携先を通じたカード発行も行われている。これらのカードも含め、2007年現在は日本でトップのシェアがある。

Diners Club[編集]

「世界で最初に登場した」とされる汎用型のクレジットカード。殆どの自社発行カードの利用限度額には一律に制限を設定していない[5]。また、ゴールドカード以下のグレードに値するカードは発行しておらず、入会時には高い属性が要求される。このためステータスが高いブランドの1つといわれている。長きにわたり独立系で加盟店は少なかったが、近年シティグループに属したことで、米国・カナダにおいてMasterCardとの提携が実現、また日本においてはJCBと加盟店開放契約(Amexと同様、完全開放ではなくオプション扱い)を締結、北米地域・日本における利用可能店は急速に拡大している。2008年4月、シティグループは(経営不振により)傘下のダイナースクラブ・インターナショナルをディスカバー・フィナンシャル・サービシスに売却。ディスカバーの傘下となった[6]

DISCOVER[編集]

アメリカ発、カード会員5千万人、加盟店4百万店以上。大半の加盟店はアメリカであるが、一部カナダ、メキシココスタリカミクロネシアマーシャル諸島カリブ海の諸国で加盟店開拓をしている。またJCB及び中国銀聯と加盟店を相互開放しており、日本、中華人民共和国、シンガポール、タイ、韓国などアジア地域での利用可能店を急速に拡大している。

2011年現在、日本国内の会社から発行されていない唯一の国際ブランドである。

中国銀聯[編集]

中華人民共和国(中国)を中心に広がっている決済ネットワークシステム。国際表記は「China UnionPay」(ロゴ上では「UnionPay」)。クレジットとデビット[7]の二種類がある。中国以外にもアメリカ合衆国、日本、シンガポール、韓国、タイ、ドイツフランス、オーストラリアなど約20カ国で利用できる。前述のディスカバーカードと加盟店の相互開放を行っている。

銀行によってはVISA/MasterCard/JCBとの複合タイプも発行されているため、それらについては当該ブランド加盟店での利用も可能。

BINナンバー(カード番号)[編集]

  • クレジットカードの番号は、VISA、MASTER、JCBなどでは16桁、AMEXは15桁、ダイナースは14桁となっている。
  • カード番号の番号体系はISOで決められている。
  • 国内専用カードの場合はISOではなく、その国の機関によって決められている[8]

限度額[編集]

通常、使用者の属性に応じてカードごとに利用限度額が定められており、日本では一般カードで5万~50万円、利用実績などによっては50万円超~100万円程度、富裕層を対象としたゴールドカードでは50万~300万円程度となっており、属性や利用実績などによって開きがある。諸外国のカード会社では、限度額を月給のX倍相当額迄などと設定しているケースもある。

利用限度額と未払い債務(未請求の債務を含む)額の差が、その時点でのクレジットカードによる立替払いが可能となる金額となる。クレジットカードによって異なるが、小額なら利用限度額を超える利用ができる場合もある。 なお、事前の利用限度額を設けないとしているカードもあるが、カード会社側では実際は規定の限度額(与信枠)を管理しており、多額の利用をしようとすると承認が求められる。

なおコールセンター等に利用限度額を上げるように申請すると、改めて審査が行われて利用限度額が増えることもある。このことを与信枠を増やす事から、「増枠」と呼ぶことがある。

また、海外旅行に行く場合や、国内であっても大きな買い物をする場合(一例としてはリフォーム費用、自動車修理費用など)、一時的に利用限度額を上げてもらうこともできる(申し込みの際は用途や期間を聞かれることが多い)。これは「臨時増枠」、「一時増枠」などと呼ばれる。

なお、一部のカードでは目的別(店舗別)に複数の限度額が設定されている場合がある。過去には国際ブランドと提携したばかりのハウスカード(ハウスカードについては後述)で、自社店舗利用分と国際ブランドでの利用が分かれていたものも多かった。現在では決済システムの統合のために殆どなくなっている。

支払方法[編集]

クレジットカードにはさまざまな支払い方法が用意されている。

一括払い
その名の通り、1回で支払ってしまう方法である。最も一般的な支払方法。一括払い専用のカードは、「チャージカード」と呼ばれる[1]。初期に生まれたクレジットカードは、一括払いであった[9]
分割払い
手数料がかからない2回分割払いと、3~36回程度の分割払い(アドオン払い:利用額に利率を掛け、その総額を分割払いする方法)。高額商品を購入するときに有用な支払い方法である。カードが対応していても、店舗によっては取り扱えない場合もある。
リボルビング払い(リボ払い)
毎月決められた一定金額を支払う方法である。買い増ししても毎月の支払い金額が変わらないのが特徴。その代わり支払い回数が増えていく。加盟店が消極的なことがあるため普及していないが、逆にカード発行会社では増収を期待して、利用者向けにキャンペーンなどで奨励する傾向がある。また、店舗で一括払いと指定しても、支払いは全てリボ払いとなる「リボ専用カード」や、後日、ウェブや電話連絡によってリボ払いへ転換できるものもある。
ボーナス払い
ボーナスを当てにして支払う方法。ボーナス一括払いであれば最長6ヵ月、ボーナス2回払いであれば最長1年間も支払い猶予期間がある。なお、ボーナス払いを指定できる期間は決まっているので注意が必要(ボーナス時期の直近はボーナス払いができないなど)。
フレックス払い
フレックス払いはリボ払いの一種であるが、クレジットカード会社が定める最低の金額以上であれば返済額を自由に定めることができる。リボ払いに柔軟さが加わったと考えると分かりやすい。
前払い方式
プリペイドカード方式のクレジットカードで、性質的には前払い式電子マネーに近い。一般的には使い捨てのギフト用プリペイドカードとして販売されている。日本ではギフト用としては発行されておらず、海外旅行用やネット決済用として発行されている[10]

使用代金の支払サイト(締め日から引き落とし日までの期間)は、カードの種類や発行会社によって異なるが、月末締め翌月27日引き落としや、15日締め翌月10日引き落としなどの形がある。会社によっては(あるいはカードによっては)複数の支払日から選択可能な会社もある。

日本以外の国では、アドオン払いまたはリボルビング払いがあるものをクレジットカードとし、毎月の利用額を月ごとに全額払う(一括払い)カードをチャージカードと呼んで、クレジットカードと区別することがある。アメリカにおけるアメリカン・エキスプレスダイナースクラブの主要カードは、チャージカードである。チャージカードにおいては、利息ではなく、加盟店からの手数料、カード利用者からの会費や手数料(外国為替手数料など)、付帯サービス(旅行代理店業など)の売上などから利益を得ている。

法人カード[編集]

コーポレートカード[編集]

法人(主に大企業)を対象に発行される経費決済カード。利用極度額は法人または部署単位で設定されており、契約形態によるが法人側が任意にカードの発行枚数(利用者)を指定できる様になっている。また、キャッシング機能を付帯させる事も可能。

法人によっては社員にこのカードと後述の福利厚生カードの2種類持たせ、公私混同させないようにしている所もある。

主に接待費出張費消耗品購入など法人の経費を決済する際に用いられ、それらの費用はカード会社が立て替えるため、法人側は支払日まで現金を用意する必要が無く、カード利用分は経理担当などが明細によって利用者毎にどの加盟店で幾ら使ったか確認出来る。特にコーポレートカードは運送会社にとってメリットがあり、車両ごとにコーポレートカードの子カードを発行できるため、どの車両でいくらガソリンを使ったのか把握するのが容易になる。また、ゴールドカードに準ずるサービスの為、出張時の空港ラウンジや旅行傷害保険が無料付帯される等の利点がある。

ビジネスカード[編集]

個人事業者向けカード
日本の一部のカード会社による独自のカードで、先のコーポレートカードをアレンジして個人事業者向けに発行するもの。個人カードと同じく一般とゴールドのグレードが選べる様になっており、年会費が無料の場合もある。
福利厚生カード
福利厚生の為に法人に所属する者や職域生協の組合員に対し発行されるカード。ゴールドカードに準ずるサービスが付帯しているが、個人で契約するゴールドカードより限度額が低く一人当たり50万円~80万円程度である。また、法人の契約形態によってカード利用分は翌月の給与から直接天引きされるパターンも有る。
有名なものでは、ジェーシービー及び三菱UFJニコス国家公務員共済組合連合会(KKR)と提携し、組合員(退職者を含む)に発行する「KKRメンバーズカード」がある。
住信カードは、朝日新聞社と提携し、同社のアスパラクラブの会員にビジネスカードを“切り売り”し、年会費2500円で発行している。

歴史[編集]

「クレジットカード」の語自体は、1887年にアメリカ合衆国の著作家エドワード・ベラミーが、2000年(100余年後)を舞台にしたユートピア小説、『顧みれば』("Looking Backward")で用いたのが最初とされている。この小説では"credit card"という語が11回用いられている。

クレジットカードの出現は19世紀にその起源を求められ、20世紀に入って特定の業種を中心に発達した。プラスチックカードの普及は1950年代からであり、他のカード先進国では1960年代に入って普及した。米国では高額紙幣の信用が低く使いにくいこと(100ドル札が偽造される事が多い。偽札参照)、社会生活に必要不可欠な信用情報(クレジットヒストリー及びクレジットスコア)を構築する手段や、使用者自身の信用を証明する手段としてクレジットカードが最も一般的であること、日常的な消費に当たりごく少額の支払いであってもクレジットカードによる支払ができる等の理由により、クレジットカードの保持及び使用が多い。

米国[編集]

  • 19世紀後半 フランクという、紙製の通信、荷物の料金支払いなどのためのペイメントカードが発行され普及した。
  • 1910年代初め 石油会社、タクシー会社などにより、紙製のクレジットカードが発行された。
  • 20世紀前半 金属製のカードが流通業界を中心に多数発行された。紙製、セルロイド製などもあった。
  • 1950年 - 最初のクレジットカード専業会社ダイナースクラブが米国で設立。当初は手帳の様なチケット型であった。設立動機は、創業者が「財布を忘れても惨めな思いをしなくていい支払い方式があればいいのに…」という経験から誕生したとされる[9]。がこれは企業の宣伝であり、クレジットカードはそれ以前より多数発行されていた。
  • 1951年 - フランクリン・ナショナル銀行がクレジットカードを発行。
  • 1958年 - アメリカン・エキスプレス (Amex) がクレジットカード業務を開始、バンク・オブ・アメリカカード(VISAの前身)設立。
  • 1966年 - インターバンク・カード・アソシエーション (ICA) 設立。ICA加盟銀行が発行するカードが、マスターチャージカード(マスターカードの前身)。
  • 1985年 - ディスカバーカード設立。

日本[編集]

1960年に高島屋が導入したクレジットカード(見本)

英国[編集]

  • 1961年 - イギリスダイナースクラブ設立
  • 1966年 - バークレイズ銀行がクレジットカードを発行

アメリカにおける事例[編集]

2005年のカード情報流出騒ぎ[編集]

VisaやMasterCardのメンバー銀行(アクワイアラー)がデータ処理を委託(アウトソーシング)していたアリゾナ州のデータ処理会社CardSystemsから約4000万件のカード情報が外部に流出した問題が2005年6月18日に発覚、両社と提携している日本のカードでも流出データが発生し、流出情報を基にしたカードの不正使用も発生し、被害が出ている。影響はVisaやMasterCardに限らず、Amex、Diners、日本のJCBも情報流出、不正使用があった可能性があると発表され、これらのカード被害が世界中に広まっていることが分かった。

この問題の原因は、本来ならデータ処理会社が「保存してはいけないデータ」を保存していたことにあるとされ、そのデータをクラッキングされて流出したことが分かっている。

利用者側からの方策としては毎月の利用明細書をきちんと照合し、万一不正利用があった場合にはカード会社に申し出ることが必要となる(不正利用と認められれば代金は請求されない)。紛失の場合と同様に新たな番号のカードへ切り替え再発行の依頼も検討する。

2007年のサブプライム問題の影響[編集]

2007年サブプライム問題は、クレジットカード業界にも影響を与えた。サブプライム問題以降、カードの未支払いは増加し、貸し倒れは増加している[11]

原因[編集]

貸し倒れ増加の背景には、「個人の返済能力の低下」「カード利用額の増大」が指摘されている[11]

個人の返済能力の低下
サブプライム問題によって住宅の資産価値が失われたことは、
  • 住宅ローン等の個人の抱える債務の増加
  • 住宅を担保にお金を借りて、カードの支払いに充てる方法がとれなくなった
といった事態を招き、個人の返済能力は低下した[11]
カード利用額の増大
2000年代の住宅バブルにより、個人が消費活動に対して寛容になった結果、カードの限度額いっぱいまで借金をすることさえも普通に行われるようになった。2000年代前半における、中流家庭の収入に対する債務の割合は、平均141%にまで上昇した。加えて、サブプライム問題以降は、日用品の買い物等の当座の資金繰りのために、クレジットカードを使用する人が増えているという[11]

貸し手の対応[編集]

貸し手の企業には、貸し倒れの拡大を防ぐディフェンシブな対応と、防衛的な対応が増えたためにカードが作れなくなった人へ高利でお金を貸し付けるというアグレッシブな対応が出てきている[11]

  • 貸し倒れの拡大阻止
銀行などの既存のカード業者は、「貸し付け金利の引き上げ」「貸付限度額の引き下げ」「新規申込者の審査の厳格化」によって、貸出額を制限し、これ以上の貸し倒れの拡大を防ごうとした。
  • カードを作れなくなった人への積極的な貸し付け
カードを作れなくなり、日々の生活における資金繰りが悪化した人のために、高利で貸し付ける企業が増えている。給与を担保に高金利(例:500%)で貸し付けるペイデイローン業者は、急速に業績を伸ばしている。銀行も20%前後の金利で預金の範囲内に限り貸し付けを行ったりするケースもある。また、質屋も繁盛しているという。

カード犯罪防止[編集]

クレジットカードは、使用の際には信用照会が行われる。

また、クレジットカード加盟店において詐欺、もしくは不正なカードではないか考えるに足るクレジットカードが行使されたとき、もしくはそう考えるに足るカード持参者が現れたときに、持参者になるべく気づかれないようにカード会社に通報できるようカード会社が定めた符牒が存在する。

この符牒で通報を受けたカード会社は、加盟店の保護を最優先に処理を行い、専門のオペレーターが対応を行う。その際、なるべく持参者に気づかれないよう状況の把握(Yes/No形式の質問)を行い、また必要な場合は、オペレーター経由で警察への通報などを行う。また、カード会社が直接カード持参者またはカードホルダーに電話で質問する場合もある。

なお、加盟店から警察に通報することはまれであり、不審者を店舗が拘束する事はない。通常は「申し訳ないがこのカードは受け付けられない」と断られる程度である。但し、その時点で情報は全国・全世界の加盟店に通知される。

犯罪の実例:2006年7月、JCBの子会社であるJCS(日本カウンターサポート社)の派遣社員がクレジット機能付き郵貯カードの受付の際、顧客から暗証番号を聞き出し、現金を引き出し逮捕された[12]

その他[編集]

会員(カードホルダー)になると、決済(先延ばし払い)以外にも特典がつくことが多い。例えば、利用実績に応じたポイントサービス、国内・海外旅行傷害保険チケットの優待販売などである。また、海外渡航の際は身分証明書の一つとして支払能力の保証や信用保証が得られる場合もある(現金払いの場合は支払能力の証明にデポジット―保証金の前納を要求するホテルが一部にある)。カード会社によっては、累積ポイントの無期限化や交換景品、付帯サービスを拡充することによって会員サービスの向上を図っている。決済サービスそのものだけでは、他社との差別化ができないゆえの施策だが、その原資は会員から徴収する年会費や加盟店からの決済手数料によって賄われているに過ぎない。

短期に高利回りの運用が可能な場合には、クレジットカードで支払った代金の決済日までその資金を運用し、運用益を稼ぐ事もできるため、日本でもバブル崩壊期までは財テクの一つだった。日本の業者では少ないが、欧米ではFXCFDなどにおいても、クレジットカードによる入金が可能な業者がある。

盗難や紛失などの場合は、発行のクレジットカード会社へ連絡すれば利用が停止され、被害の発生を最小限に抑えることができる。また、カード会社によってはカード盗難保険などをあらかじめ付帯しているカードも多い。これは被害者の利益を考えてのサービスではあるが、過去にクレジットカードやローンカードの第三者による不正使用が、特定の条件下ではカード所持者の責任ではないとの判決が出た[13]ことや、預金者保護法が2006年に施行されたことなどの周辺環境要因により、カード会社側が未然に損失の限定を狙ってのことである。

日本では1990年代インターネットサービスプロバイダへのアカウント使用料の支払のために欠かせないものだった。これは当時、口座振替や払込書払いなどの決済手段が充実していなかったためである。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 『クレジットカード用語辞典』株式会社民事法研究会 2008年5月30日発行
  2. ^ 海外でショッピングお支払方法 オリコ
  3. ^ a b 岩田昭男『「信用力」格差社会』東洋経済新報社、2008年11月 ISBN 9784492222935
  4. ^ 実際には顧客ごとの設定はされている。問い合わせにより、限度額の確認は可能。
  5. ^ 制限は一律ではないという意味。
  6. ^ 日本国内においてはディスカバーからのライセンス供与により、引き続きシティカードジャパンがカード発行及び加盟店開拓を行っている。
  7. ^ 三井住友カードや三菱UFJニコスから発行されているものは、家族カードやETCカードポストペイ型電子マネー等と同様、既存クレジットカードの子カードとなるクレジット式である。
  8. ^ ISO 7812(ウィキペディア英語版)
  9. ^ a b c 『わが国クレジットの半世紀』社団法人 日本クレジット産業協会
  10. ^ Visaプリペイドカード Visa Worldwide Tokyo
  11. ^ a b c d e 「不気味に迫るクレジットカード危機 個人消費を支えてきたカード業界にサブプライムが波及」『日経ビジネスオンライン』2008年2月18日付配信
  12. ^ 業務委託先スタッフによる不正行為について JCBリリース 2006年7月21日
  13. ^ 消費者金融等に関する判例集(カードの不正利用と責任)[リンク切れ]

関連項目[編集]