ディスカバーカード

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ディスカバー・フィナンシャル・サービス
業種 金融サービス
設立 1985
創業者 シアーズ
事業地域 アメリカ合衆国(プライマリ)

ディスカバーカード(Discover Card)は主にアメリカ合衆国を中心に日本を除く世界各国で発行されているクレジットカードであり、約5千万人のカード会員を擁する。1985年百貨店運営企業のシアーズ(Sears)によって設立され、後にモルガン・スタンレーに売却された。2007年以降の運営会社ディスカバー・フィナンシャル・サービシスは独立企業となっている。

ディスカバーカードのブランドで発行されているほとんどはディスカバー・バンク(Discover Bank)から発行されている。これは米国においてクレジットカードの発行が銀行業務(日本でいう為替業務・貸金業務)であることによる[1]

利用可能状況[編集]

ディスカバーカードは5千万人を超すカード保有者と4百万以上の利用できる店舗(加盟店)を保有する。また全米4千以上の金融機関のATMも利用することができる。しかしVISAMasterCardのようなメジャーな国際ブランドと提携しない独立系のカードであった為、当初アメリカ以外ではカナダ内においてシアーズ他のアメリカ発の小売業者の一部で利用できる程度であった。

しかし近年では、メキシココスタ・リカミクロネシアマーシャル諸島等の中南米やカリブ海の諸国で加盟店開拓をしている。 また2005年5月に中国の中国銀聯(China UnionPay)と相互に加盟店を開放することで合意し、中国での利用可能店が広がると共に、UnionPayの加盟店があるシンガポールタイ韓国でも利用可能となった。更に、2006年8月にはJCBとも加盟店の相互開放で合意、日本及び台湾グアムでも2008年以降利用可能となり、またJCBとCitibank,N.A.2011年8月に加盟店業務に関するライセンス契約を締結した事で香港ベトナムフィリピンマレーシアインドネシア(以上、UnionPayとの重複分を除く)での利用も可能になる等、アジア圏における利用範囲を大きく拡大している。

またJCBとの提携でヨーロッパ圏においてはスペインブルガリアベネルクス、中東・アフリカ圏においてはエジプトでの利用が可能となっているが、アメリカ・アジア圏に比べると利用範囲は未だ狭く、今後はこれらの地域での加盟店拡大が課題となっている。

沿革[編集]

1985年、当時アメリカで最大の小売業者であったシアーズ(Sears)が顧客サービスの一環としてファイナンシャルサービスを提供することを目的に「ディスカバーカード」を設立。年会費無料であることと、ライバルであるVISAやMasterCardに比べ高いショッピング利用限度額設定のため、瞬く間に顧客を獲得していった。また、カード保有者は購入金額の1%がキャッシュバックされた。

その後、カテゴリー・キラーと呼ばれたウォルマートトイザらスとの競争にさらされたシアーズは本業回帰のため、1993年に「ディスカバー・カード」を発行しているファイナンス・ビジネス会社をディーン・ウィッター([:en:Dean Witter|Dean Witter]] Financial Services、後にモルガン・スタンレーに吸収)に売却した。

発展[編集]

  • 2004年10月、VISAとMasterCardがカルテルを組み、加盟する銀行に対してディスカバーやAMEX他ブランドのカードを発行しないよう圧力を掛けていたとして、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反として両社を相手取り起こしていた訴訟に対し、アメリカ最高裁は契約規定の撤廃を命じる判決を下した。
  • 2005年、銀行間ネットワーク協会の「Pulse」に加入しデビットカードATMカードの発行を開始。ウォルマートサムズ・クラブのカードシステム業務を請け負っているGEコンシューマー・ファイナンスはディスカバーのネットワークを利用。
  • Metris Companiesはディスカバーのネットワークを利用するクレジットカードの発行を始めると2005年に発表。その他にも、既にVISA、MasterCardを発行している金融会社数社がディスカバーカードを発行することを発表。
  • モルガン・スタンレーは長い間、ディスカバーカード事業の売却を考えていたが、上記の新契約で再評価し、2005年には売却しないことを発表。
  • 2006年8月、日本のJCBと加盟店・ATMネットワークの相互開放を中心とした業務提携に合意。カード会員のアジアにおける利便性の向上・JCB会員の米国内の利用における手数料収入などを視野にいれている[2]
  • 2008年4月、ディスカバー・フィナンシャル・サービシスはシティグループ傘下のダイナースクラブ・インターナショナルを買収した[3]

備考[編集]

  • 2013年の時点において、日本において利用は可能だが、国内でカード発行はされていない唯一の国際ブランド。
  • 「ディスカバージャパン」を名乗り、ダイレクトメールなどで『VISA・MasterCardと提携したディスカバーカードが作れる』[4]などと勧誘する業者が存在する[5]が、これは同カードの日本法人(※現時点では存在しない)を装った、いわゆる「ヤミ金融」業者なので、連絡は一切取ってはならない

脚註[編集]

  1. ^ 銀行以外にもクレジットカードを発行する与信業者も存在する。
  2. ^ JCB (2006年8月23日). “ニュースリリース JCB、米国大手カード会社ディスカバーと提携、日米両国での加盟店ネットワーク相互開放へ”. 2011年2月23日閲覧。
  3. ^ MarketWatch (2008年4月7日). “Discover to buy Diners Club for $165 million”. 2011年2月23日閲覧。
  4. ^ ISO/IEC 7812規定上、番号が「6」で始まるディスカバーと、「4」で始まるVISAや「5」で始まるMasterCardはそのまま1枚のカードで兼ねる事は不可能(Diners Clubがシティ傘下だった時代にMasterCard加盟店で利用可能なカードが北米地域のみで発行された事はあるが、この際はMaster側の番号フォーマットに合わせられている)。
  5. ^ 関東財務局 悪質な貸金業者の情報 平成20年3月6日

外部リンク[編集]