全国労働組合総連合

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全国労働組合総連合
(全労連)
NATIONAL CONFEDERATION OF TRADE UNIONS(Zenroren)
Zenrouren Kaikan (1).jpg
平和と労働センター・全労連会館
全労連は3階と4階に入居する(3階は会議室)
組織形態 ナショナルセンター
加盟団体数 21単産
47地方組織
組合員数 119万5千人[1]
国籍 日本の旗 日本
本部所在地
〒113-8462
東京都文京区湯島2丁目4-4
加盟組織 なし
支持政党 なし
公式サイト 全労連

全国労働組合総連合(ぜんこくろうどうくみあいそうれんごう、英語National Confederation of Trade Unions)は、日本労働組合の全国中央組織(ナショナルセンター)である。略称は、全労連(ぜんろうれん、英語:Zenroren[2]。国際労働組合組織には加盟していない。

概要[編集]

行動綱領「希望に輝く未来のために」で、連合結成に反対する労組により結成された「働くものの利益をまもってたたかう労働組合の全国中央組織」であることを掲げている。連合は産別産業別全国組合(単産)のみを加盟単位として認めているのに対し、全労連は単産に加え都道府県別組合(地方組織)も加盟単位と位置づけている。この点について、行動綱領は「産業別のたたかいと地域のたたかいを結合して全国的な運動を展開」するための組織構成と説明している。

加盟組織の過半は、日本自治体労働組合総連合(自治労連)、全日本教職員組合(全教)、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)などの公務員組合で占められており、大手民間企業、特に基幹産業の多数派組合は加盟していない。そのため、毎年春闘などの賃上げ相場形成に影響力を発揮できないまま、今日に至っている。

最高議決機関は大会で、会費納入人員にもとづいて各加盟組合から選出された代議員により構成される。定期大会は2年に1度開催され、最近では2010年7月に第25回定期大会が開催された。中央機関には青年部、女性部、非正規センターなどの専門部会をおき、階層別の意見を反映させるため、大会で発言権をもつ特別代議員を割り振っている。ただし議決権は無い。

機関紙誌として『月刊全労連』(月刊機関誌学習の友社発行)と『全労連新聞』(月刊機関紙)を発行している。

健康で文化的な生活の実現を政府に求めている憲法の具体化をめざす運動として「福祉国家」の確立をめざすとしている。運動では、国際労働機関(ILO)が提起する「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の日本国内での実現も手がかりに進めるとしている。


組合員数[編集]

全労連が公表した2012年6月末現在の組合員数は、全労連に加盟する単産(産業別全国組合)組合員が82万3千人、地方組織(都道府県別組合)・地域組織のみへの加盟者が31万5千人の計113万8千人[1]である。一方、厚生労働省の統計[3]では、退職者が加盟する年金者組合や地域組織のみの加盟者を除外しているため、全労連への加盟者は83万7千人となっている。

いずれにしても、全労連への加盟者は全労連調査で対前年比8千、厚生労働省調査で同1万6千人の減少となっている。全労連も組織減を認め、「全労連の組織減の背景には、公務関係の定員削減と非正規への置き換え、指定管理者制度などの公共サービス切捨てが強行される中で、これを打ち破る運動と組織化に成功していないことにある。しかし、全労連の少なくない単産・地方組織で非正規労働者の組織化も進み、ローカルユニオンも含め全労連調査での組織の純増は8単産25地方組織に上っている。今後の本格的・意識的な取り組みの強化によって組織のさらなる拡大が可能であることを示している」[4]とのコメントを発表している。

沿革[編集]

前史[編集]

日本社会党(のちの社会民主党)を支持していた日本労働組合総評議会(総評)と民社党を支持していた全日本労働総同盟(同盟)の特定政党支持路線に反発し、1966年12月以降交流懇談を続けてきた38単産(単位産業別労働組合。個々の労働組合)は、1969年11月に「全民主勢力の統一のためのアピール」を発表。このアピールを切っ掛けとして1970年3月全民主勢力の統一促進労働組合懇談会(統一促進懇)が結成され、のち1974年12月統一戦線促進労働組合懇談会(統一労組懇)に発展した。

一方、これとは別に総評・同盟・全国産業別労働組合連合(新産別)・中立労働組合連絡会議(中立労連)の労働4団体による労働戦線統一の動きがあり、全日本民間労働組合協議会(全民労協)から日本労働組合総連合会(連合)結成へと動いた。「労働戦線統一推進会」による「民間先行による労働戦線統一の基本構想」(のちの連合の綱領路線、1981年)は、「自由にして民主的な労働組合」の路線と「西側の一員」論の立場に立ち、国際自由労連(ICFTU)加盟、批判勢力の排除を求めた。総評は、従来方針を変えこれを容認し、合流・解散を決めた。こうした動きを統一労組懇は、特定政党排除の「革新分断」、賃上げ自粛や人減らし「合理化」容認の「労使協調」路線など特定の運動路線を踏み絵に、これを容認する組合だけを結集する「労働戦線の右翼的再編」と批判した。

独自のナショナルセンターの結成か純中立の道をすすむのかが問われるなか、日本の労働運動の積極的なたたかいの伝統を引き継ぎ、総評や統一労組懇・純中立労組懇加盟および中立の組合が、労働者の団結を最大限に保障する「資本からの独立」「政党からの独立」「共通の要求での行動の統一」という3つの原則を堅持し、働くものの生活向上と権利の確立、国民春闘再構築、平和民主主義をめざして、1989年11月21日全国労働組合総連合(全労連)を結成した。この3つの原則を大切にする全労連は、「多数の力」を本当に結集できる生命力をもち、日本の労働戦線統一の母体となるものとしている。結成当時の組織人員について、公称140万人と発表していた。

理論[編集]

全労連の労働組合運動に関する見解は以下のとおり[要出典]

革新統一運動[編集]

全労連は、思想・信条の違いをこえて要求実現のために自主的・恒常的に団結するという労働組合の原点を大切にすることから、原則の一つに「政党からの独立」を確認している。しかし、そのことは、全労連が政治的に中立の立場をとるということではない。もともと政治は中立的なものではなく、特定の利益を重視し、利益団体の圧力を強く受ける。その結果、労働者の利益とは異なる政治が行われることも少なくない。

全労連は、行動綱領で「私たちは、国民本位の政治・経済と、非核非同盟中立民主の日本を実現する統一戦線の樹立をめざします」と運動の基本目標を明記し、政治的な取り組みを積極的に行うことを明らかにしている。なお、そのような政治への積極的な姿勢を全労連が取るとしても、加盟する労働組合や組合員に、特定政党や候補者の支持を強制することはない。

全労連が目標とする統一戦線は、労働組合だけでなく、広範な国民のみなさんとの共同で実現をめざすものである。多くの人びとと、現状を語り、問題点を語り、解決策を語ることで共同を大きく前進させる「総対話と共同」を全労連が重視するのは、そのこととも関連している。

1980年代以降、政党の動向に左右されない、政治革新の目標で思想・信条の違いをこえて力を合わせる革新統一運動が取り組まれはじめた。全労連は結成時から、そのような革新統一運動に積極的に参加し、その前進のために奮闘している。

組合員の政党支持・政治活動[編集]

全労連は、特定の政党を支持も排除もせず、組合員の思想信条自由と政党支持・政治活動の自由を保障する。政党とは、一致する要求・課題にもとづいて協力し、共同行動を推進する。

全労連は、選挙活動などで特定政党支持を組合員へ押しつけることをしない。特定政党の支持あるいは排除を多数決で決めたり、政党の選挙に動員したりするのは、労働組合と政党とを混同し、組合を政党の下請け組織にすることであり、誤りである。

活動[編集]

男女共同参画・選択的夫婦別姓制度導入等の活動[編集]

  • 男女差別解消をめざし、選択的夫婦別姓制度導入、再婚禁止期間・婚姻最低年齢等の男女差別解消の法改正、出生届に嫡出子、非嫡出子の記載を義務付ける戸籍法改正などを求めている[5]

政党との関係[編集]

全労連は特定政党の支持を決議したり、選挙時の動員は行わない。政党の活動は、労働組合としてではなく、有志が自主的に後援会活動を進めている。現議長の大黒作治は、個人として全国労働者日本共産党後援会の代表委員を務めている[6]

加盟単産[編集]

全労連に加盟する産業別全国組合は以下の通り。

組合名 略称 組合員数[7] 産業・企業
日本自治体労働組合総連合 自治労連 179,402 地方公務
日本医療労働組合連合会 日本医労連 143,680 医療
全日本教職員組合 全教 99,595 教育
日本国家公務員労働組合連合会 国公労連 85,084 国家公務
全国生協労働組合連合会 生協労連 65,191 生活協同組合
全日本建設交運一般労働組合 建交労 30,340 建設、道路貨物運送、鉄道
全労連・全国一般労働組合 全労連・全国一般 26,052 一般
全国自動車交通労働組合総連合会 交通労連 21,731 道路旅客運送、道路貨物運送
全国福祉保育労働組合 福祉保育労 11,363 福祉
全日本金属情報機器労働組合 JMIU 8,439 機械、情報通信
全国金融労働組合連合会 金融労連 5,072 金融
全国印刷出版産業労働組合総連合会 全印総連 4,270 印刷・出版
特殊法人等労働組合連絡協議会 特殊法人労連 1,960 特殊法人
郵政産業労働者ユニオン 郵政産業ユニオン 1,663 日本郵政
全国検数労働組合連合 検数労連 1,267 検数事業
通信産業労働組合 通信労連 606 日本電信電話
全繊維産業労働組合 繊維産労 288 繊維
映画演劇労働組合連合会 映演労連 1,631 映画、演劇
映像・文化関連産業労働組合 映産労 24 映像
全日本年金者組合 年金者組合 100,275 年金受給者

オブザーバー加盟等[編集]

なお、国鉄労働組合(国労)の一部地方組織や全国建設労働組合総連合(全建総連)の一部なども、全労連の地方組織・地域労連に加盟しているところがある。

加盟地方組織(都道府県別組合)[編集]

  • 北海道労働組合総連合(道労連)
  • 青森県労働組合総連合(青森県労連)
  • 岩手県労働組合連合会(いわて労連)
  • 宮城県労働組合総連合(宮城県労連)
  • 秋田県労働組合総連合(秋田県労連)
  • 山形県労働組合総連合(山形県労連)
  • 福島県労働組合総連合(福島県労連)
  • 茨城県労働組合総連合(茨城労連)
  • 栃木県労働組合総連合(栃木県労連)
  • 群馬県労働組合会議(群馬県労会議)
  • 埼玉県労働組合連合会(埼労連)
  • 千葉県労働組合連合会(千葉労連)
  • 東京地方労働組合総連合(東京労連)
  • 神奈川県労働組合総連合(神奈川労連)
  • 新潟県労働組合総連合(新潟県労連)
  • 山梨県労働組合総連合(山梨県労)
  • 長野県労働組合連合会(長野県労連)
  • 富山県労働組合総連合(富山県労連)
  • 石川県労働組合総連合(石川県労連)
  • 福井県労働組合総連合(福井県労連)
  • 岐阜県労働組合総連合(岐阜県労連)
  • 静岡県労働組合評議会(静岡県評)
  • 愛知県労働組合総連合(愛労連)
  • 三重県労働組合総連合(みえ労連)
  • 滋賀県労働組合総連合(滋賀県労連)
  • 京都地方労働組合総評議会(京都総評、全国労働組合連絡協議会にも加盟)
  • 全大阪労働組合総連合(大阪労連)
  • 兵庫県労働組合総連合(兵庫労連)
  • 奈良県労働組合連合会(奈労連)
  • 和歌山県地方労働組合評議会(和歌山県地評)
  • 鳥取県労働組合総連合(鳥取県労連)
  • 島根県労働組合総連合(しまね労連)
  • 広島県労働組合総連合(広島県労連)
  • 岡山県労働組合会議(岡山県労会議)
  • 山口県労働組合総連合(山口県労連)
  • 徳島県労働組合総連合(徳島労連)
  • 香川県労働組合総連合(香川県労連)
  • 愛媛地方労働組合連合会(愛媛労連)
  • 高知県労働組合連合会(高知県労連)
  • 福岡県労働組合総連合(福岡県労連)
  • 佐賀県労働組合総連合(佐賀県労連)
  • 長崎県労働組合総連合(長崎県労連)
  • 熊本県労働組合総連合(熊本県労連)
  • 大分県労働組合総連合(大分県労連)
  • 宮崎県労働組合総連合(宮崎県労連)
  • 鹿児島県労働組合総連合(鹿児島県労連)
  • 沖縄県労働組合総連合(沖縄県労連)


全労連は、全労連未加盟単産の単位組合や上部団体未加盟の単独組合でも、地方組織(都道府県別組合、および同傘下の地方単産・地域組織)に加盟することで全労連加盟の組合になることができる。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 全労連事務局長の【談話】09年厚生労働省「労働組合基礎調査」について
  2. ^ “全労連の中央メーデー”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年5月1日). オリジナル2013年5月2日時点によるアーカイブ。. http://megalodon.jp/2013-0502-1406-26/www3.nhk.or.jp/news/html/20130501/t10014299931000.html 2013年5月2日閲覧。 
  3. ^ 厚生労働省による「労働組合基礎調査」
  4. ^ 全労連事務局長の【談話】09年厚生労働省「労働組合基礎調査」について
  5. ^ 2013年12月5日 事務局長談話
  6. ^ しんぶん赤旗2007年1月6日
  7. ^ 2009年労働組合基礎調査。ただし、年金者組合は全労連発表による。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]