阿比留瑠比

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阿比留 瑠比(あびる るい、1966年 - )は、日本新聞記者。『産経新聞』政治部編集委員男性

経歴[編集]

福岡県太宰府市出身。福岡県立筑紫丘高等学校早稲田大学政治経済学部を卒業後、1990年産経新聞社入社。仙台総局、文化部(生活班)、社会部を経て政治部へ異動。政治部では内閣記者会(首相官邸担当、キャップ)、外務省兼遊軍担当を務めたのちに再び首相官邸担当に異動。橋本内閣の末期から安倍内閣まで官邸担当記者を務めた。

発言・主張[編集]

歴史認識[編集]

  • アメリカ下院でのマイク・ホンダらの提出した慰安婦問題についての対日謝罪要求決議案を代表例として、韓国中国の対米ロビー活動があると指摘している。中韓に迎合するかのような発言をした人物を「反日日本人」と断ずる。
  • 現在[いつ?]太平洋戦争末期の沖縄戦における集団自決について主に取材を行っている(大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判は原告敗訴に終わっている)。阿比留は同問題に関して、沖縄の「村社会的な同調圧力」や米軍の占領政策のあり方に注視している。
    • 同問題が慰安婦問題における、本来の論点だった「軍の組織的な強制連行」から「狭義・広義の強制性」に論点がずれていったように、軍の「組織的な自決強要の有無」から「関与」に論点移動させる傾向があるので、この問題が鈴木内閣の際の近隣諸国条項作成や宮沢内閣の総辞職寸前に発表された河野談話と同じ轍(てつ)を踏まないよう警告している。自身の署名記事でも、河野談話の存在が慰安婦問題の解決を困難にしている原因であるとして、破棄を主張している[1]
    • 文部科学省が2007年3月、集団自決を強制とする記述について「軍が命令したかどうかは明らかといえない」との検定意見をつけた結果、「日本軍が配った手榴(しゅりゅう)弾で集団自害と殺しあいをさせ」との表記が「日本軍が配った手榴弾で集団自害と殺しあいがおこった」などと修正された(2007年10月4日産経新聞)ことについて、それによって軍の関与削除と他紙が伝える中、軍の関与自体はそのまま残されていると主張しているのは産経新聞一紙のみであり、2007年12月28日の産経抄においても修正された教科書内容を他紙が 「『軍の関与』復活」(朝日新聞)「『日本軍関与』が復活」(毎日新聞)「集団自決『軍の関与』記述」(読売新聞)「『軍の関与』認める」(日本経済新聞)「軍関与の記述復活」(東京新聞)と伝える中でも軍の関与は元々削除されていないと主張している。この一連の産経新聞のみの軍の関与報道について、2007年12月27日の自身のブログのコメント欄にて「「集団自決」にかかる主語の「日本軍」が削除されたので、日本軍の関与が無くなった」との指摘に対して「そういう部分もあるでしょうが、日本語では主語が明確でなくても、関与を否定・削除したということにはならないと思います」と反論している[2]
  • 映画「南京の真実」の取材を行っている[3][4]

対・東アジア[編集]

特定アジア」の呼称を広める運動を行う[5]としており、河野洋平を「江の傭兵(江沢民の手先、という当てこすり。日本で江と同音の、つまり共産主義にも掛けている)」と非難した[6]

政党[編集]

  • 例えば菅直人のことは講演やブログで「人もどき」と呼んでいる[9][10]
  • フリージャーナリストの上杉隆は「出版記念パーティーには安倍官邸の錚々たるメンバーが参加した。紙面に載せられないような内容もブログで堂々と公表している。民主党のような勢力を蛇蝎のごとく嫌っている。ブログにも頻繁に民主党への攻撃がエントリーされる。代わりに安倍に対しては驚くほどの共感を表明している。阿比留は、偏ることを恐れない。もはや他の記者とは違う世界に存在している。ペンの力で安倍政権を支えるという、政治的使命を抱いた「運動家」なのだ」と批判した[11][12]

テレビ出演[編集]

2008年1月には、日本文化チャンネル桜の一番組である「日本の自衛隊」にゲスト出演。首相の福田が自衛隊による栄誉礼を拒否したことを批判した。また同年11月および12月にも同番組に出演している[要出典]

政治記者として[編集]

メディア(マスコミ)観[編集]

新聞記者でありながら、現在の日本におけるメディアの報道姿勢には懐疑的である。チャンネル桜に出演(2008年12月9日)した際に「自分がメディアの中にいてこんなことを言うのは恥ずかしくて仕方ないが、メディアに良識を求めても仕方がない。メディアにそんなものはない」と述べている[要出典]

対人関係[編集]

  • 漫画家小林よしのりの作品は、同郷ということもあり、幼少時からファンだったと告白している。それゆえ、産経と小林が親米反米、「親小泉」・「反小泉」を巡り対立関係にある状況を嘆いている。また、中学時代に小林のアシスタントに誘われたエピソードがあり、小林から「阿比留君へ」と書かれた『東大一直線』の色紙をプレゼントされたこともある[16]

現状[編集]

  • 外務省兼遊軍担当から再び内閣記者会へ異動となった[要出典]
  • 最近のブログでは自社の経営の行く末を懸念している[要出典]

誤報・捏造[編集]

阿比留が書いた記事には,虚偽が含まれていた為に問題視されたものがいくつか存在する。

辻元清美に対する虚偽情報を記載[編集]

2011年3月16日[17]および同21日付産経新聞朝刊[18][19]掲載の論評記事の中で、辻元清美が1992年のカンボジア視察で復興活動をしていた自衛官に侮辱的な発言をし、阪神大震災の被災地では反政府ビラをまいたと、一部インターネット掲示板上でのみ流布している虚偽情報を、あたかも事実であるかのように書いた。辻元はこれについて事実無根の記事を掲載され、名誉を毀損されたとして産經新聞社と阿比留に対し3300万円の損害賠償を求めて提訴した[20]。 阿比留は産經新聞社と共に、「当時広く知られていた」「本を引用した」「論評記事だから辻元への取材は必要ない」と抗弁した[21]が、2013年3月22日に出された東京地裁の判決では、これらはいずれも事実でなく、また辻元らに一切取材しておらず事実であると信じるに足る理由もなく、政治論評欄の記事だとしても免責されないとして、社と自身に対し、80万円の賠償を命じた[22](原告被告とも控訴せず確定)。阿比留はこれまでのところ、この件についてのコメントはしていない[要出典]。なお阿比留は宮嶋茂樹の著書にその記述があったと書いている[23]が、実際のところ宮嶋の本には、辻元がそのような発言をしたとは書かれていない[24]

慰安婦問題[編集]

2007年に行われた日米首脳会談において、慰安婦問題についての意見交換が行われ、首相(当時)の安倍が大統領(当時)のブッシュに対し慰安婦に対しての謝罪の意を伝え、それを受けてブッシュが共同記者会見でその謝罪を受け入れる旨を表明した、と各種メディアで報道された件について、自身のブログ[25]や署名記事[26][27]で、独自の取材網から当該発言がブッシュの一方的なものであり、安倍側からはそのような発言はなかったという事実を掴んだとしてその事実関係を否定している。

しかし、安倍が謝罪したとする発言の事実は後の第2次安倍内閣において、民主党の辻元が提出した質問主意書に対し、「元慰安婦の方々に、首相として心から同情し、申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と発言したとの答弁書を決定し、追認された[28]

著書[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “【土・日曜日に書く】政治部・阿比留瑠比 やはり河野談話は破棄すべし”. 産経新聞 (産業経済新聞社). (2012年8月19日). http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120819/plc12081903120001-n1.htm 2013年5月2日閲覧。 
  2. ^ 沖縄集団自決・新聞各紙の見出しに疑問を感じます
  3. ^ 完成間近・映画「南京の真実」のセットを見てきました
  4. ^ 映画「南京の真実」完成披露記者会見で政治家が語ったこと
  5. ^ 靖国問題は放っておけばいいのに 2006/07/27 16:46 コメント欄
  6. ^ 突っ込みどころ満載の朝日夕刊と江の傭兵 2007/03/27 17:00
  7. ^ 報告・昨夜のパーティーと安倍首相の「足」
  8. ^ 短信・安倍氏の自民党総裁就任について
  9. ^ 平成23年末のごあいさつ。来年もよろしくお願いします2011/12/31 17:09
  10. ^ 産経阿比留記者の講演録 前編 @2011年10月4日福岡中央市民センター
  11. ^ 上杉隆『官邸崩壊』 新潮社、2007年、ISBN 978-4103054719
  12. ^ 上杉について「なぜか、私について面識もなく知りもしないのに事実に反することを書いたり、しゃべったりしていて(ずっと)迷惑を被っている」と批判している(週刊朝日・上杉隆氏の記事に反論します。」2008年10月30日 )。
  13. ^ 昭和天皇を政治利用する人たち
  14. ^ 私自身の責任ラインも決められていたようです 2007/07/28 10:32
  15. ^ 人権擁護法案と山崎拓氏の選挙をめぐる「密約」
  16. ^ 小林よしのり氏についての思い出
  17. ^ 『産経新聞』2011年3月16日
  18. ^ “【政論】首相は自衛隊員の気持ちを分かっているのか (1/2)”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2011年3月20日). http://megalodon.jp/2011-0328-1631-45/sankei.jp.msn.com/politics/news/110320/plc11032021460029-n1.htm 2013年12月2日閲覧。 
  19. ^ “【政論】首相は自衛隊員の気持ちを分かっているのか (2/2)”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2011年3月20日). http://megalodon.jp/2011-0325-1558-01/sankei.jp.msn.com/politics/news/110320/plc11032021460029-n2.htm 2013年12月2日閲覧。 
  20. ^ “辻元衆院議員が産経新聞を提訴 「虚偽報道で名誉毀損」”. 共同通信社. 47NEWS. (2012年1月19日). http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011901001540.html 2013年12月2日閲覧。 
  21. ^ 朝日新聞は同判決を次のように報じている。http://www.asahi.com/national/update/0322/TKY201303220346.html産経新聞に賠償命令 辻元議員の批判記事、名誉毀損認定 東日本大震災の直後に災害ボランティア担当の首相補佐官だった辻元清美衆院議員が、「根拠のない話をもとに批判記事を書かれた」として産経新聞社と執筆した記者に3300万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は22日、80万円を支払うよう同社側に命じた。 斎藤清文裁判長は「辻元氏らへの取材を一切せず、真実と認められない内容の記事を掲載した」などと述べ、名誉毀損(きそん)による賠償責任を認めた。 問題とされたのは、2011年3月16、21日付朝刊に掲載されたコラム。辻元氏がかつて阪神大震災の被災地で「反政府ビラをまいた」などと指摘。辻元氏を災害ボランティア担当の首相補佐官に任命した菅直人首相(当時)の判断を「ブラックジョーク」と批判した。 同社は記事の根拠について「当時広く知られていた」「本を引用した」と主張。「論評記事だから辻元氏への取材は必要ない」と訴えたが、判決は退けた。 同社は「主張が認められなかったことは遺憾だ。判決内容を検討し、今後の対応を考える」としている
  22. ^ “辻元衆院議員、産経新聞に勝訴 名誉毀損認め賠償命令”. 共同通信社. 47NEWS. (2013年3月22日). http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013032201002324.html 2013年12月2日閲覧。 
  23. ^ 阿比留は当該記事の中で「カメラマンの宮嶋茂樹氏の著書によると、辻元氏は平成4年にピースボートの仲間を率いてカンボジアの自衛隊情勢を視察し、復興活動でへとへとになっている自衛官にこんな言葉をぶつけたという。『あんた! そこ(胸ポケット)にコンドーム持っているでしょう』」と書いている
  24. ^ 実際に宮嶋の著書『ああ、堂々の自衛隊』双葉文庫にあるくだりは次の通り。 •引き続き、駐車場で、ピース・ボートのメンバーと隊員との対話集会が開かれた。なんだか、その内容はオフレコとのことで、辻元さんはピリピリしていたが、結局この時のピース・ボートの方々の質問は産経新聞が書いてしまったので、私も記念に書いておこう。 「従軍慰安婦を派遣するというウワサがあるが」 どうして私のひそかな計画が露顕してしまったのであろう。 「隊内でコンドームを配っているとか。(相手の隊員を指差して)あなたのポケットにもあるんでしょう」 いつもコンドームを持ち歩く軍隊も珍しいと思う。ちなみに、湾岸戦争のときは米軍は銃に砂が入るのを防ぐためにコンドームを使った。自衛隊もそれを応用せよというスルドク軍事的な質問か。ありがたいことである。 •つまり、自衛隊とピースボートの対話集会の中で、その参加者から「隊内でコンドームを配っているとか。(相手の隊員を指差して)あなたのポケットにもあるんでしょう」という発言があったと宮嶋は書いているのに対し,阿比留はその発言を「あんた! そこ(胸ポケット)にコンドーム持っているでしょう」と変形して紹介している。また宮嶋は、その発言をしたのが辻元本人であるとは書いていない。阿比留のこの記事は,宮嶋が実際には書いていないことを書いていると述べ、辻元だけでなく宮嶋に関しても事実を歪曲したものであった。
  25. ^ 安倍首相は慰安婦問題で米大統領に謝罪などしていない [リンク切れ]
  26. ^ “【阿比留瑠比の極言御免】「慰安婦謝罪」の意外な真相(1/2ページ)”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2013年5月23日). http://megalodon.jp/2013-0523-1353-57/sankei.jp.msn.com/politics/news/130523/plc13052313320011-n1.htm 2014年4月23日閲覧。 
  27. ^ “【阿比留瑠比の極言御免】「慰安婦謝罪」の意外な真相(2/2ページ)”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2013年5月23日). http://megalodon.jp/2013-0523-1354-32/sankei.jp.msn.com/politics/news/130523/plc13052313320011-n2.htm 2014年4月23日閲覧。 
  28. ^ 安倍首相:「元慰安婦に申し訳ない」 07年日米首脳会談、当時の発言認める 毎日新聞 2013年05月18日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]