林道晴

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林 道晴(はやし みちはる、1957年8月31日 - )は、日本の裁判官最高裁判所判事東京都出身[1]

略歴[編集]

東京教育大学附属駒場中学校・高等学校(現筑波大学附属駒場中学校・高等学校)を経て1980年3月に東京大学法学部卒業[1]司法研修所事務局長、最高裁判所事務総局民事局長兼行政局長、経理局長、静岡地方裁判所長、最高裁判所首席調査官東京高等裁判所長官などを勤めた[1]

東京高裁判事だった岡口基一に対して2018年9月11日、最高裁にて分限裁判が行われた際、申し立ての責任者たる東京高裁長官としてこれを申し立てた。岡口に対して、ツイッターのツイートを辞めるように、そうでなければ分限裁判にかけると言ったが、岡口判事がこれを拒否した結果としての申し立てであった。裁判官の表現の自由を巡る問題として社会的に、特に法曹界で大きな話題を呼んだ。最高裁は岡口を懲戒処分に処したが、憲法学者、弁護士の中には反対の意見もあり、裁判官の自由な意見の表明がどこまで、許されるのか という問題がある[2]

年譜[編集]

著作[編集]

  • ステップアップ民事事実認定(土屋文昭、林道晴/編) - 2010年12月 有斐閣
  • ライブ争点整理(林道晴、太田秀哉/編) - 2014年5月 有斐閣

担当訴訟[編集]

  • 2020年9月8日、前橋市連続強盗殺人事件の上告審判決公判の裁判長を担当。被告人側の上告を棄却し、被告Tの死刑が確定する判決を宣告した[4]
  • 2020年12月23日、「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌の第2次再審請求について、再審・裁判のやり直しを認めなかった東京高等裁判所の決定を取り消し、高裁で再び審理するよう命じる決定をした[5]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c 令和3年10月31日執行最高裁判所裁判官国民審査公報の記載による。
  2. ^ 岡口基一裁判官、独占インタビュー「言論の自由を封殺した最高裁へ」 2018年10月29日、2020年12月23日閲覧
  3. ^ 令和3年10月31日執行衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調
  4. ^ 前橋連続殺人、死刑確定へ 最高裁、31歳男の上告棄却”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2020年9月8日). 2024年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月6日閲覧。
  5. ^ 袴田事件、再審巡る審理を高裁に差し戻し 最高裁”. 日本経済新聞社 (2020年12月23日). 2023年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月6日閲覧。
  6. ^ 朝鮮学校無償化訴訟、敗訴が確定 最高裁”. 産経新聞 (2021年7月29日). 2021年7月29日閲覧。

外部リンク[編集]


先代
金井康雄
最高裁判所首席調査官
2014年 - 2018年
次代
尾島明