物価

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物価(ぶっか:price, price of commodity)とは、「ある家庭が1年間生活していく上で必要な、さまざまなサービスの値段を合計したもの」のこと[1]

以下では特に断り書きがない限り、日本での事例について述べる。

目次

[編集] 品質変化について

物価は、品質の向上も考慮に入れている。例えば、テレビの値段が同じままで、画質が上がったりしたとする。この場合、価格は下がったと見られる。なぜなら、旧型テレビと新型テレビが並存している場合、旧型テレビが同じ価格のままなら、新型テレビは価格がより上になるはずである。だから、旧型テレビから新型テレビへと市場が入れ替わって、なお価格が同じであれば、旧型テレビの価格は下がるだろうから、テレビは実質値下がりを起こしたと見られるのである。

[編集] 物価指数

物価指数(ぶっかしすう:price index)とは、物価の変動を指数にしたもの。価格の情報だけをもとにして計算するのではなく、サービスの量と価格をもとに計算される。企業間での商品取引価格を指数化した企業物価指数と、消費者が日常購入する商品やサービスの価格を指数化した消費者物価指数の2つがある。

[編集] 物価指数の計算方法

物価指数を計算するには、種々のサービスが消費された数量の推移のデータと、それぞれのサービスの価格の推移のデータが必要である。物価指数の計算方法には以下のものがある。

[編集] ラスパイレス指数

ラスパイレス指数の計算式は、次の通り。基準年をいつにするかは、計算式の中では決められていず、任意である。

(ある年の)ラスパイレス指数 (%) = (Σ(サービスのある年の価格 × サービスの基準年の購入数量)) / (Σ(サービスの基準年の価格 × サービスの基準年の購入数量)) × 100

種々のサービスのそれぞれの購入数量をセットにまとめたものをバスケットと呼ぶ。基準年のサービスの購入数量のバスケットは、年を経るごとに少しずつ変わっていくのは必然である。そのため、ラスパイレス指数の数値が基準年から離れるほど、物価指数としての目的を果たさなくなる。例えば今から50年前を基準年だと決めた場合、50年前に人々がどんな物をどのくらいの数量買っていたのか、つまり50年前のバスケットは、今年のバスケットとは大きく違うであろう。そのような場合、最近の2~3年のラスパイレス指数の数値は、物価を的確に表す指数とはいえないものになってしまう。

サービスの今年の購入数量がわからなくても計算できるので、パーシェ指数よりも速報性が高い。

計算方法としてラスパイレス指数が採用される物価指数の例は、次のようなものがある。

[編集] パーシェ指数

パーシェ指数の計算式は、次の通り。基準年をいつにするかは、計算式の中では決められていず、任意である。

(ある年の)パーシェ指数 (%) = (Σ(サービスのある年の価格 × サービスのある年の購入数量)) / (Σ(サービスの基準年の価格 × サービスのある年の購入数量)) × 100

もし今から50年前を基準年だと決めた場合、現在なら購入できる商品でも50年前には売られていなかったような商品がある。そのため、基準年をあまり昔にしすぎると、物価を的確に表す指数とはいえないものになってしまう。もし今年を基準年だと決めた場合は、今年のパーシェ指数は常に100%になり、また基準年を毎年変えることになるが、これでは具合が悪い。

サービスの今年の購入数量がわからないと計算できないため、ラスパイレス指数よりも速報性に劣る。

計算方法としてパーシェ指数が採用される物価指数の例は、次のようなものがある。

[編集] フィッシャー指数

フィッシャー指数を計算するには、パーシェ指数とラスパイレス指数を掛け合わせたものの平方根を求める。

[編集] 物価指数の種類

[編集] 企業物価指数

国内の企業間取引の価格を対象とした国内企業物価指数 (CGPI) と、海外に輸出される価格を対象にした輸出物価指数 (EPI)、海外から輸入される価格を対象にした輸入物価指数 (IPI) とに分かれる。

調査機関は日本銀行。1887年より調査を開始しており、日本で最も古い統計。2000年基準に改定されるまでは、卸売物価指数として発表されていたが、生産者段階での価格調査の割合が高くなったことから企業物価指数に名称が変更された。

[編集] 調査方法

  • 国内企業物価指数は、かつては主に第一次卸売業者の販売価格を調査していたが、次第に価格決定に対する生産者の影響力が拡大したことや、生産者からユーザーへの直売が増加したことなどによって、生産者段階での価格が調査されるようになった。国内企業物価指数では、生産者段階の価格を採用しているもののウエイトが約85%(2002年現在)となっている。
  • 輸出・輸入物価指数は、輸出物価指数が日本から積み出される段階の価格(FOB価格)、輸入物価指数が日本へ入着した段階の価格(CIF価格)を調査。

※調査価格が外貨建ての場合には、調査対象月における銀行の対顧客電信直物相場により円換算。

調査した個別の品目価格から個別の指数を作成し、ウェイトと加重平均する統合化で全体の指数を作成している。

[編集] 品質変化への対応

パソコンなどの技術進歩による機能の高機能化が進む品目については、ヘドニック・アプローチという手法によって品質変化が指数に盛り込まれている(簡単にいうと、1年前と今とでパソコンの値段は同じでも、処理速度が倍になっていれば実質の指数は半分になるという考え方。ただし、高性能になるにつれて、逆に品質変化を効かせすぎるという問題点が指摘されている)。

[編集] 消費者物価指数

調査機関は総務省。1946年8月より調査開始。

[編集] 調査方法

小売物価統計調査(総務省調査)の小売価格の平均から個別の指数を作成し、家計調査(総務省調査)を元に個別の指数を統合して全体の指数を作成している。

  • 小売価格調査:全国から167市町村を選び、小売価格はその中で代表的な小売店やサービス事業所約30,000店舗、家賃は約25,000世帯、宿泊料は約530事業者を対象として調査している。価格は実際に販売している小売価格(特別セール売り等は除外)。

詳細は消費者物価指数を参照。

[編集] 備考

日本においては、国民の主食であるの価格(米価)が全ての物価の基準と考えられ、江戸時代には、米以外のその他全ての価格(諸色)はこれに連動すると考えられてきた。また、その後も米価は「物価の王様」と呼ばれて高度経済成長期の消費低迷によって米価と一般の物価の間に乖離が見られるようになるまで物価を見る上で重要視されていた。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

  1. ^ 『歴史が教えるマネーの理論』飯田泰之 ダイヤモンド社 2007年7月