ユーロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| ユーロ EURO (ラテン文字) ΕΥΡΩ (ギリシア文字) |
|||||
|
|||||
| ISO 4217コード | EUR | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 公式使用国・地域 | |||||
| 非公式使用国・地域 |
5か国・地域
|
||||
| インフレ率 | 4.0% | ||||
| 情報源 | ECB Statistical Data Warehouse(2008年6月) | ||||
| 指数 | HICP | ||||
| ペッグしている通貨 |
10の通貨
|
||||
| 補助単位 | |||||
| 1/100 | セント | ||||
| 通貨記号 | € | ||||
| 硬貨 | |||||
| 広く流通 | 1、2、5、10、20、50セント 1、2ユーロ |
||||
| 流通は稀 | 1、2セント | ||||
| 紙幣 | |||||
| 広く流通 | 5、10、20、50ユーロ | ||||
| 流通は稀 | 100、200、500ユーロ | ||||
| 中央銀行 | 欧州中央銀行 | ||||
| ウェブサイト | www.ecb.eu | ||||
ユーロ(Euro ISO 4217によるコードはEUR)は、欧州連合27か国中16か国が公式に採用している単一通貨である(2009年1月1日現在)。基本通貨単位はユーロであり、そのほかに補助通貨単位としてセント(Cent)がある。1ユーロは100ユーロ・セントに相当する。
ユーロには、紙幣と硬貨がある。硬貨の基本的なデザインは各国共通だが、裏面は各国が独自にデザインをしている(ユーロ硬貨を参照)。なお、ユーロ導入によりそれまでの各国の通貨(フランス・フランやドイツマルクなど)は現在は通用しない。ユーロ紙幣は各国共通。(ユーロ紙幣を参照)。
目次 |
[編集] 名称
記号についての詳細はユーロ記号を参照
ユーロとセントはそれぞれ € 、¢ がその記号であるが、¢ はあまり使われず、たとえば 12¢ よりも €0.12 を使う傾向にある。
Euro と書いて、日本語では英語に倣ってユーロと発音するが、圏内では、言語によってさまざまに呼ばれている。おおざっぱにカタカナで近似するなら、フランス語やオランダ語ではウロ、ドイツ語ではオイロ、ギリシア語やロシア語ではエヴロ、その他の多くの言語ではエウロのような発音である。 Euro の曲用については言語により、また言語によっては状況による。たとえばイタリア語では通常男性名詞の語尾 -o を -i に置き換えることで複数形とするが、euro は無変化名詞扱いで、euri という形は存在していない。
ギリシャではセントという単位を用いず、従来どおりにレプタと呼んでいる。すなわち 100レプタ=1ユーロ である。フランスでは cent (フランス語を近似すれば「サン」)に数字の100という意味もあるため、サン(cent)とともに、旧通貨フランス・フランの補助貨幣単位と同じくサンティーム(centime)という呼称も引き続きおこなわれる。なおフランス語でも、cent が1ドルの1/100を意味するときはセントと発音される。
当初は、ユーロの前身である欧州通貨単位の呼称「エキュ」(ECU, 英語:European Currency Unit の略語)を引き続き使用することが有力視されていた。これは中世フランスで使用されたécu貨幣と類似した呼称であり、フランスによって支持されていた。しかし、それに対抗するために、ドイツが「フランケン」という名称を提唱したため、驚いたフランスは自国の主張を引っ込め、無難な「ユーロ」に落ち着いたという経緯がある。[要出典]
[編集] 概要
ユーロは欧州中央銀行と各国の中央銀行から構成される欧州中央銀行制度において管理されている。構成する中央銀行のうち、欧州中央銀行だけが金融政策を策定することができる。各国の中央銀行は、紙幣や硬貨の印刷、鋳造、流通を行い、決済システムを運営する。
ユーロを導入するには、インフレ率、長期金利、財政収支、政府累積債務について、欧州連合、及び欧州中央銀行、欧州中央銀行制度の定める基準をクリアしなければならない。この条件を一定以上クリアした段階で、将来的にユーロを導入できる準備が整ったとされヨーロッパ為替相場メカニズム(ERM)が導入される。ユーロ導入予定国に対して適用される現在のERMは、ERMと称せられるものでは2番目のものでありERM-II(ERM II)と呼称される。ERM-II導入により、各国の独自通貨は対ユーロ相場において、一定の幅以内での為替変動に抑えられる。ERM-IIを導入して2年以上を経た時点でユーロの導入が認められる。ただし何らかの問題が存在する場合はこの期間が延長される。
導入当初はユーロ安傾向であった。2000年以降はドル・円などの主要通貨に対してユーロ高が進行した。ユーロは2006年末に発行量が6,280億ユーロ(当時のレートで8,270億ドル)に達しUSドルの7,827億ドルを抜き[1]、発行量においてドルを抜いたもののユーロ高は続いていた。しかし、08年にかけて、金融危機が深刻化する中でユーロは日本円に対してのみならず、金融危機震源地の通貨であるUSドルに対しても下げ続けており、過度のユーロ高期待がゆがんだものであったことを示唆している。これらの動きを俯瞰的に見た場合、ユーロ創設以来、その交換レート変動はハードカレンシーのうちでは変動幅の大きなイギリスポンドよりもやや少なく、日本円やUSドル、スイスフランなどと比べると極めて大きい。現在のところ、その発行規模と流通経済圏の大きさの割には変動幅の大きい通貨であるといえる。
2008年9月から起こったサブプライム問題によってユーロの価値は減少し続けており、東欧諸国等(特にアイルランド,オーストリア等)の脱退が起こればさらなる価値低下をもたらす恐れがある。
[編集] メリット
ユーロを導入することにより通貨交換が不要になる。つまり両替手数料が不要になるということでコストを削減できる(年間131-192億ユーロ…EU全体のGDPの0.4%に相当)。
[編集] 歴史
- 1992年 欧州連合条約(いわゆるマーストリヒト条約)内でユーロの導入が定められる。
- 1999年1月1日 ユーロが銀行間取引などの通貨として11か国で導入される。
- 2001年1月1日 ギリシャでユーロが導入される。
- 2002年1月1日 ユーロ紙幣、硬貨が導入される。
- 2005年 ユーロ紙幣の複製は不可能と考えられていたが、精巧なユーロ紙幣の偽札が出回りはじめる。
- 2007年1月1日 スロベニアでユーロが導入される。
- 2008年1月1日 キプロス、マルタでユーロが導入される。
- 2009年1月1日 スロバキアでユーロが導入される。
[編集] 参加国
詳細は「ユーロ圏」を参照
2009年1月1日現在、公式にユーロに参加しているのは、オーストリア、ベルギー、キプロス、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペインの16か国である。これらの国々は、しばしばユーロ圏と称される。
将来的にユーロ導入を目指す国は、前段階としてERM-IIを導入することになる。2009年1月1日現在でERM-IIを導入しているのは、デンマーク、リトアニア、ラトビア、エストニアである。
EU加盟国ではイギリスとスウェーデン、デンマークは2009年現在もユーロを使用せず、自国のイギリス・ポンド、スウェーデン・クローナ、デンマーク・クローネを用いている。上記3カ国については、ユーロ導入に対して保留権が認められている。ただしイギリスについては海外領土であるアクロティリおよびデケリアが2008年1月1日のキプロスのユーロ導入と同時にユーロへの切り替えを行っている。しかし、各国とも公式通貨でこそないものの、もともとユーロ圏に囲まれたスイスでは、空港などといった特別な場所ではなく、市中にユーロ硬貨が使用できる公衆電話やスーパーが登場するなど自国内でユーロによる取引が漸増傾向にある。デンマークは2008年10月、ユーロ導入の方針を発表、今後国民投票を行う考えを示した。
これ以外のポーランド、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアは将来的に無条件でユーロを導入する義務を負っている。これらの国はERM-II導入には至っていない。但し、ブルガリア・レフはユーロ導入以前からドイツマルクとの固定相場制を採用しており、ユーロ導入後もユーロとの間で為替レートは固定されている。
モナコ、サンマリノ、バチカンはユーロのメンバーとして公式に参加していないが、ユーロを通貨として使用している。これらの国々はユーロを使用するにあたり、EU参加国(モナコはフランス、その他はイタリア)と条約を結んでおり、欧州議会の承認も得ている。
アンドラは、以前はフランスとスペインの通貨を使用していた。現在はフランス、スペインと条約を結んで、通貨としてユーロを使用している。
モンテネグロとコソボでは、かつてドイツマルクを通貨として使用していたが、現在ではユーロを使用している。
[編集] ペッグしている通貨
ユーロと相場が固定されている通貨にはERM-IIを導入している通貨としてデンマーク・クローネ、リトアニア・リタス、ラトビア・ラッツ、エストニア・クローンが、ERM-II未導入でユーロと連動している通貨としてブルガリア・レフがある。これ以外にフランスの海外準県・海外領土[2]で用いられるCFPフランがある。これらは全てEU加盟国の通貨である。
EUに加盟していない国や地域の通貨でユーロとの相場が固定されている通貨としてカーボベルデ・エスクード(カーボベルデ)、兌換マルク(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、CFAフラン(アフリカ14か国)がある。いずれもユーロ創設以前にユーロ参加国の通貨との固定相場を設定していた通貨である。
[編集] 旧通貨との換算レート
ユーロ導入前の各通貨における1ユーロあたりの換算レートは以下の通り。
| 国 | 換算レート | 通貨 | 導入時期 |
|---|---|---|---|
| 13.7603 | オーストリア・シリング | 1999年1月1日 | |
| 40.3399 | ベルギー・フラン | 1999年1月1日 | |
| 1.95583 | ドイツマルク | 1999年1月1日 | |
| 5.94573 | フィンランド・マルッカ | 1999年1月1日 | |
| 6.55957 | フランス・フラン | 1999年1月1日 | |
| 0.787564 | アイルランド・ポンド | 1999年1月1日 | |
| 1936.27 | イタリア・リラ | 1999年1月1日 | |
| 40.3399 | ルクセンブルク・フラン | 1999年1月1日 | |
| 2.20371 | ギルダー | 1999年1月1日 | |
| 200.482 | ポルトガル・エスクード | 1999年1月1日 | |
| 166.386 | ペセタ | 1999年1月1日 | |
| 340.750 | ドラクマ | 2001年1月1日 | |
| 239.640 | トラール | 2007年1月1日 | |
| 0.585274 | キプロス・ポンド | 2008年1月1日 | |
| 0.429300 | マルタ・リラ | 2008年1月1日 | |
| 30.1260 | スロバキア・コルナ | 2009年1月1日 |
[編集] 為替レート
| Yahoo!ファイナンスで計算: | 豪ドル 加ドル 瑞フラン 英ポンド 香港ドル 日本円 米ドル |
| Googleで計算: | 豪ドル 加ドル 瑞フラン 英ポンド 香港ドル 日本円 米ドル |
[編集] 関連項目
[編集] 注釈
- ^ 紙幣の市中流通量、ユーロがドルを抜く[リンク切れ] 日本経済新聞2006年12月30日
- ^ 詳細については欧州連合加盟国の特別領域#フランスの海外領域およびニューカレドニアを参照
[編集] 外部リンク
- ユーロと経済通貨同盟 - 駐日欧州委員会代表部 (EUによるユーロの日本語解説ページ)
- 欧州中央銀行 - (欧州中央銀行によるユーロ紙幣とユーロ硬貨についての詳細情報ページ)
- 5 Euro Coins

