世界金融危機 (2007年-)

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2006年1月–2008年11月までのダウ平均

世界金融危機(せかいきんゆうきき、Global Financial Crisis)は、サブプライムローン問題(サブプライム住宅ローン危機)をきっかけとした2007年アメリカ住宅バブル崩壊に端を発した国際的な金融危機のことである。これを発端とした経済不況の世界的連鎖は世界同時不況第二次世界恐慌[1]とも呼ばれる。

2008年9月29日アメリカ合衆国下院緊急経済安定化法案を一旦否決したのを機に、ニューヨーク証券取引市場ダウ平均株価は史上最大の777ドルの暴落を記録した[2]。金融危機はヨーロッパを中心に各国に連鎖的に広がり、さらに10月6日から10日まではまさに暗黒の一週間[3]とも呼べる株価の暴落が発生し、世界規模の恐慌への発展が危惧されている。日本でも日経平均株価が暴落したほか、生命保険会社の大和生命保険が破綻した。

アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞受賞者のポール・クルーグマンは2009年1月に、生産、金融、消費の世界的な縮小状況について「これは実に第二次世界恐慌(Second Great Depression)の始まりのように思われる」と評した[4]。また、国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロス・カーン専務理事(当時)は2009年2月に非公式のコメントとして「(日本を含む先進各国は)既に恐慌の状態にある」と述べた[5]

世界金融危機に至るまで[編集]

上段よりNASDAQ[6]ダウ平均株価[7]ローソク足(月足)、フェデラル・ファンド金利誘導目標[8][9](赤)、米国債10年物利回り[8](青)、JPY/USD[8](黄緑)、EUR/USD[8](紫)の月末値推移(1999年1月~2003年12月)

2000年ITバブルが崩壊し、インターネット・情報技術関連企業の上場が多い米国NASDAQ市場は大暴落を見せ[6]、その影響から2001年4–6月期からは米国GDPが3四半期連続のマイナス成長となり、失業率も増加の一途をたどり、米財政赤字は拡大を続け、米国経済は停滞していた。米国政府は経済対策として大規模所得減税を実施し、FRBは2000年末から利下げをくり返していた。

その中で2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生した。被害に遭ったワールドトレードセンターには多くの金融機関が入居していたことから業務の遂行に支障を来す恐れがあると判断したニューヨーク証券取引市場は太平洋戦争以来の市場閉鎖を行い、4日間休場した。

既にFRBは年初から7回利下げを実施していたが、事件後の9月17日に緊急利下げをおこない、12月までにさらに4回の利下げを実施して、本格的金融緩和政策を鮮明とした。この結果、2001年FRBの政策金利は誘導目標を年初の6.5%から12月の1.75%まで引き下げを行い、米国金融史上で最も低い低金利政策となった[8][9]。 最終的には2004年5月まで1%という低金利政策が続いた[9]。この低金利政策は当初は正当視されていたものの、その後、不動産、住宅、債券などの資産バブルが明らかになると、ITバブル崩壊後の行き過ぎた低金利政策が資産バブルの温床となったとして批判の的となった[10]

BRICsを中心とした途上国の経済発展を背景に、エネルギー需要、食料需要などの資源需要の高まりにより、原油価格の上昇も加速された。産油国は莫大な利益を上げ、その利益はヨーロッパや米国のヘッジファンドなどの金融部門へと流れ、結果世界的な金余り現象が発生する。また新興経済発展諸国の外貨準備高も増加し、その資金運用が米国に向かい、世界的な資金がアメリカ合衆国に集中するようになった。これが米ドル高となり、米国国内に流入した過剰流動資金が米国不動産市場にも流れてサブプライムローンに代表される住宅バブルを構築する土壌ともなった。

またイラク戦争において、これまで非公式に輸出されていた世界第2位の埋蔵量を誇ったイラク原油輸出が不可能となり、原油をはじめとした商品(先物)市場を通じた資源投機に拍車をかける材料となった。資源価格が上昇したと共に、豪ドルカナダドルに代表される資源国通貨も全面高となった。OPEC非加盟国であったロシアは原油価格の高騰で採算に難があった北極油田の採掘が可能となり、サウジアラビアを抜いて世界一の産油国となり、原油の輸出により、これまでの債務国から債権国に転じた。

原油取引は米ドル決済で行われていることから当初は基軸通貨として安定した米ドルでの取引においては産油国の量的な規制は緩やかなものであったが、高騰する原油価格によって、世界経済全体ではエネルギー価格や資源価格の上昇から、インフレーションの懸念や代替燃料としてバイオマスエタノール等の開発が促進されたことで家畜飼料となる穀物価格が上昇して食料危機の兆候が出始めた。各国はインフレ警戒感から金融引き締めに転じ、米国との金利格差が生じることになったことや、イラク戦争当時指導者であったサッダーム・フセイン大統領が2006年12月30日に処刑されたことから、イラクの政情安定の見通しが拡がり、翌2007年から為替市場では米国からより金利の高い通貨国への資金移動が起こり始め、米ドルは下落に転じるようになった。

元々、双子の赤字と言われる財政赤字と経常収支赤字を抱える米国経済にとって、それまでの米ドルの高騰は砂上の楼閣のような存在であり、戦費の出費は米国連邦政府の財政を蝕んでいた。米ドルの下落が進んだことで、米ドル決済で行う原油取引において原油売却代金の実質収入が減少に転じ、その対策からOPEC非加盟国であるロシアや中南米諸国は原油の量的規制を強化して価格の一段の上昇を図った。これにより新興経済発展諸国の経済成長による実需の増加や折からの商品市況への投機熱も相まって原油価格2008年7月には147.27ドル/バレル(WTI先物)まで上昇した[11][12]。産油国では余剰利益の資金滞留が起こり、資金の循環が進まず、また、各国の金融引き締めから景気の鈍化が起こり、世界経済の停滞が始まった。

米国では2004年6月30日のFOMCから政策金利の引き上げに転じ、また住宅価格の伸びが停滞しはじめた2006年頃からサブプライムローンの借り手の破綻が話題になり始めた。2004年–2006年にかけて米国では住宅ブームが生じ、金利が安いあいだに低利の2段階変額ローンにより募集された不動産担保ローンが大量に組成された。これは最初の3年は低利固定型の返済で残金は4年目以降に変額型金利ローンとなる契約のものが中心で、住宅価格が上昇する間は短期で住宅を転売することにより有利に住宅を購入でき、あるいは転売益が期待できるというものであった。また値上がりによる担保価値の上昇分を担保にさらにクレジットローンを提供するサービスなども登場し、少なからぬ利用者が住宅価格の上昇の恩恵を受けた。この住宅ローンの個別債権は証券化(不動産担保証券:MBS)され高利回りの金融商品として世界各国に販売された。MBSの販売には格付け機関が信用力の調査情報を提供し、貸し倒れに対する保証としてはクレジットデリバティブ債務担保証券:CDOやクレジット・デフォルト・スワップ:CDS)などの金融商品が利用された。

このローンは借り換え期の4年目以降に急激に金利が上昇する設計となっているため当初からその危険性は指摘されていたが、住宅価格が上昇する局面ではその警鐘はかき消される格好となり、住宅価格[13]かげりが見え始めた2006年1月頃(ちょうどブーム3年目にかかる)から不動産担保証券の貸し倒れリスクが注目され始めた。

危機の顕在化と金融危機[編集]

上段よりNASDAQ[6]、ダウ平均株価[7]のローソク足(月足)、フェデラル・ファンド金利誘導目標[8][9](赤)、米国債10年物利回り[8](青)、JPY/USD[8](黄緑)、EUR/USD[8](紫)の月末値推移(2004年1月~2009年12月)

2006年までアメリカでは住宅価格が上昇を続けていたが、同年に入りその伸びが急速に鈍化した。その影響が特に顕著に表れたのが、信用力の低い層のための住宅ローンであるサブプライムローンであった。このローンの債務者の一部は住宅価格の継続的な上昇を見込んだ返済計画を建てていたため、住宅価格低下の影響を受けて利払い延滞率が急激に上昇し始めた。債務者の利払い延滞が顕著となってくると、サブプライムローンの直接の貸し手である住宅金融専門会社に対する金融機関の融資が慎重になり、住宅金融専門会社の中には資金繰りが悪化して経営破綻する例が出始めた。さらにサブプライムローンは、貸し倒れの危険を分散させるために、分割・証券化され、世界中の金融機関の数多くの金融商品に組み入れられていたため、その金融商品そのものに対する信用リスクが連鎖的に広がることになった。このようなことにより、2008年にベア・スターンズの経営危機が明らかになると、金融危機が本格的に世界的に報道され始め、9月のアメリカ政府支援機関(GSE)のフレディマックファニーメイ2社の実質的破綻と、リーマン・ブラザーズの破綻により、ついには爆発的に世界中で信用収縮が起こり世界金融危機が顕在化した。

2008年10月3日に7000億ドル(70兆円)のアメリカ政府の公的資金を投入する緊急経済安定化法案が成立し、世界恐慌のおそれはとりあえず収まったが金融危機は継続し続けた。2008年のアメリカ大統領選挙を控えて、アメリカ政府は公的資金の資本注入に対する「自分たちの貧困と苦しみは『自己責任だから救済する必要はない』と放言してきたウォール街の金持ちを、なぜ自分たちの税金で助けるのか」というアメリカ国民の反対世論に配慮せざるを得ず、大規模な「金融機関への資本注入」に二の足を踏んだ。また、資本注入が必要な会社ほど、公的資金借り入れに伴う利払いによって株主への配当が減少し、経営者個人が損をした株主から訴訟を起こされる(そして、経営者自身もまた株主であり損をする)上、法案には公的資金を受けた企業の役員報酬を制限する(上記世論に配慮した)条項が明記されており、経営者はこれらの個人的なリスクよりも倒産を選んで公的資金を借り入れないのではないか、緊急経済安定化法は効果がないのではないかという疑問も提示されている。[要出典]

2008年8月の南オセチア紛争から、ロシアに対する海外の投資家離れも止まらず、ロシア株式市場の株価下落が続いた。中国上海株式市場は北京オリンピックを前に下落に転じた。12月にはヨーロッパの一部で、金融危機を背景として失業者ならびに、就職できない学生によって暴動が発生した[14]

基軸通貨としてのドルの信認は揺らぎ、アメリカに一極集中していた経済覇権にも少なからぬ影響を及ぼした。リーマンショックの直後には民間ドル資金の貸し出しが極端に不足し国際決済通貨が枯渇したため、2008年9月18日には日米欧の6中央銀行が通貨スワップ協定による大量のドル供給を開始した[15][16]。2008年11月にはタイとイランの両国政府はタイ産のコメとイラン産の原油を等価交換する契約を結ぶ事態となった[17]

世界の経済構造は先進国が中心となり運営するG7構造から新興国の成長力に依存するG20構造に急速に変化しており、米国と共にEU・日本・ロシア・中国・中東諸国などが世界経済を牽引してゆかなければならない状況になると言われている。

日本は90年代後半の金融危機で海外事業の縮小と、それに伴う外資系金融機関が日本市場へ攻勢をかけていたが、この金融危機では比較的損失が少なかった日本の金融機関に注目が集まり、野村證券によるリーマン・ブラザーズの一部買収や三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)によるモルガン・スタンレーへの9000億円出資など欧米金融機関の買収や資金拠出につながった。しかしその後の株価の急落と経済の急速な縮小により日本の金融機関も多額の経常損失と大規模な増資を余儀なくされた。サウジアラビアやドバイなどのオイルマネー、あるいは中国などの政府系金融機関もアメリカの金融機関などへの出資を行ったが、その後の株価の急落や経常損失の発生により多額の含み損を発生させた。アイスランドバルト三国のように国家規模での財政破綻を懸念される国も発生した。

日本経済の状況[編集]

日本では1990年代以降、国民の間で財政再建の機運やインフレを嫌う傾向が高まったことにより、政府は公共事業などの適切な財政政策や市場への資金供給などの適切な金融政策が行えず、消費の低迷や国内への投資を喚起できなかった。しかし2003年、小泉政権において大規模な為替介入が行われたことにより円相場の実質実効為替レートは低下傾向を示した[18]。結果、輸出系企業は国内に積極的な投資を行った[19]。この間、輸出系企業は米国およびBRICSNEXT11などの新興国、また、中東・オーストラリアをはじめとした資源国など、特に経済成長が著しい国家を主要販売先として、外需依存型の経営を行なっていた。

しかし、海外で好調であっても、国内ではインフレが起きなかったため、2000年代の雇用報酬は伸び悩んだ。また、失業率や有効求人倍率は改善したが、退職給与引当金の損金繰り入れが廃止されたことや、非正規雇用の規制緩和などにより、企業が正社員よりも低賃金・低待遇ですむ非正規雇用者の採用を進めたこともあり、個人消費は伸び悩んだ。そして企業がバブル崩壊後の借金経営に対する批判から、大規模な借金によるレバレッジ投資を控え、儲けた利益の範囲内で投資を行ったため、雇用報酬は伸び悩んだ。これらの現象は「実感なき経済回復」と総称された。

最近20年間日本のコアコア CPI 前年同月比 (%) の推移

2006年以後、日銀はデフレを脱したと判断して、不況対策としての量的金融緩和政策を2006年3月に解除した。ところが、CPIコアCPIを見ると、インフレ傾向に見えていたが、生鮮食品と石油関連価格を除いた実体的な物価を表すコアコアCPIを見ると、日本はまだデフレ傾向にあった。翌年の2007年から景気の転換局面に入ってしまった[20]。これ以後、企業倒産件数は増加傾向にあり、さらに建築基準法改正や原油・原材料価格の高騰によるコスト増などで、景気後半でようやく盛り上がった建設・不動産・運輸業は低迷していた。

そのような時に、今回の金融危機が訪れた。そしてアメリカ向け外需のみならず、アメリカへの輸出を主な収益源としていた新興国や資源国向けの外需も低迷し、回復のメドは立っていない。日本以外の国の中央銀行は、総需要を増加させるために自国の市場に大量の資金を投入したが、日銀は「金融緩和余地が少ない」という組織の論理で量的金融緩和を行わなかったためコアコアCPIは0%を下回り、その後、約-1.5%まで下がった[21]。さらに金融商品に変わる投資先として通貨、特に日本円が注目されて急激に円買いが進んだ結果、予想外の急速な円高が生じた。円相場は一時は1ドル=87円にまで達し、その後も90円台を推移している。その結果、輸出企業は外需低迷ばかりか莫大な為替差損をも抱え込むことになり、2008年度の決算を大幅な黒字から赤字へと下方修正、そして赤字から大幅な赤字へと再度下方修正せざるを得なくなった。

企業は外需の収益悪化・受注減少、2009年問題などにより、派遣社員期間工、そして正社員の人員削減を進めざるをえない状況となり、2009年3月末までに失われた非正規労働者の雇用は19万人に達した[22]。この人員削減が個人消費を落ち込ませ、内需を悪化させることで更なる人員削減を招くという悪循環が生じるとの分析もある[23]

日本の2008年10–12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比3.3%(年率換算で12.7%)のマイナスとなり、第一次石油危機に次ぐ約35年ぶりの下落幅を記録した。これは危機の震源地アメリカをも超える大幅下落であり、外需の成長に依存し内需を軽視してきた日本経済が弱点を突かれた形となった。また、続く2009年1–3月期は前期比4.0%(年率換算で15.2%)減と第一次石油危機を超える下落幅となった。

しかし急激な円高は高騰していた原料・燃料の価格を下げる効果ももたらした。これに麻生内閣による自家用車高速道路優遇措置が加わり、日本国内における消費の低迷にはある程度の歯止めがかかった。もとより収益を国内販売に頼っていたスズキダイハツ工業トヨタとの連結前)、本田技研工業等は黒字に踏みとどまった。また輸入ブランド品の末端販売価格の引き下げが可能となりこれらを取り扱う流通業者では増収となった。このため一時期7000円台にまで落ち込んだ日経平均株価は2009年6月の段階で10000円台にまで上げており、先進国の中では素早い回復であった。米国ゼネラルモーターズ社破綻で起こり得ると予測されたショック安は日本では起こらなかった。失業率も米国を始めとする多くの先進国で倍増する中、2ポイント増程度で歯止めがかかりつつあった。しかし、現実の失業率は5%台という戦後最高の水準にあり、そして2009年7月の失業率は戦後最悪の5.7%、完全失業者数は359万人に達した[24]。結局、景気回復は「歯止めがかかりつつある」「きざしが見える」など単なるレトリックの域を出ていない。それに対し、企業内で不要とされる「過剰雇用者」、つまり失業者予備軍がさらに607万人(約7%)存在するという推計もあり、雇用環境の悪化が消費減退を招き、さらに企業に雇用調整を促すという悪循環さえも予想され[25]予断を許さない情勢が続き、さらに強力な財政政策による内需拡大、大規模な金融緩和による景気刺激策が求められた[26]

リーマンショック・緊急経済安定化法案の否決[編集]

2007年8月より表面化したサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機はその後も幾度か小康状態があったものの、継続していた。そのような中、リーマン・ブラザーズ証券が2008年9月15日連邦倒産法の適用を申請し、倒産した。さらに金融市場の混乱に対処するため策定された緊急経済安定化法が事前にアメリカ議会指導部と政府の合意があったにもかかわらず予想に反して9月29日アメリカ下院で否決されるとこの日のニューヨーク証券取引所のダウ平均株価は史上最大の777ドル下落した。

2008年10月第2週[編集]

恐怖指数の推移

結局この法案は修正を加え、2008年10月3日金曜日アメリカ現地時間の午後1時に合衆国下院を通過し成立したが、それにもかかわらずこの日の米国株は後場急落し(欧州の金融機関の危機やカリフォルニア州の州財政の危機などが市場で蒸し返されたとされる)、翌週10月6日から10月10日の1週間は世界の株式市場で大きく株価が下落した。この週で日本の日経平均株価は、10月8日10月10日には歴代上位[27]に入る下落率を記録したのを含め5日連続で2661円(24.33%)も下落した。ニューヨークロンドンなどの海外の主要市場も大きく株価が下落し、ロシアインドネシアなど新興国の株式市場では閉鎖に追い込まれるなど、深刻な事態となった。

これに対して10月8日には欧米の中央銀行が協調利下げに踏み切り、さらにアメリカのポールソン財務長官が記者会見で金融機関への資本注入を示唆したものの、株価の下落の流れが変わることはなかった。そして週の最終日の10日、ついに日本で日経先物の史上2回目のサーキットブレーカー発動、この日が特別清算指数算出日(SQ算出日)であったオプション10月限の全ての権利行使価格のプットがストライクしてイン・ザ・マネーとなり、米国市場ではボラティリティインデックス(VIX、通称恐怖指数)と呼ばれる、株価変動確率の激しさを表す指数が、1997年のアジア通貨危機の約38、2001年の同時多発テロの約45を遥かに上回る、75を一時超えるなど、市場の混乱は頂点に達した。

株価の回復動向[編集]

株価の推移については2008年11月から2009年3月をおおむねの底値圏として、各国の株式相場は上昇に転じ、2010年の3月時点では各国の株価はリーマン・ショック以前の水準に回復した。金融危機の発端であるアメリカでは、ダウ平均株価が2010年4月1日に1万0927.07ドルと、2008年9月26日の株価まで回復した。日経平均株価は2010年4月1日に1万1286.09円を記録し、2008年10月1日以来約1年半ぶりの高値水準となった。しかし同年5月には、ふたたび1万円を割り込んだ。

出口戦略[編集]

アメリカの全米経済研究所は2010年9月20日に、2007年12月からのアメリカの景気後退は2009年6月に終了していたとコメントした [28]。これはあくまでもアメリカ国内の景気循環について述べたものであり、世界各国での世界金融危機のショックによる余波(例えばドバイ・ショック2010年欧州ソブリン危機)がもたらしているさまざまな影響について述べているわけではない。世界金融危機以降の回復の過程あるいは経済の推移は、各国個別の事情が影響しており展開はまちまちな状況である。

その後の状況[編集]

世界金融危機による世界同時不況は日本を含め、2013年現在では終わったものと捉えられているが、この不況によって残された爪痕は極めて深く、特にヨーロッパ諸国では高い失業率(特に若年者)や国家レベルでの財政危機など、経済的な落ち込みから2013年現在も立ち直れていない。日本も、アベノミクスにより景気回復はなされているという報道も多いが、その効果を疑問視する声もあり、ショックから完全に立ち直ったとは2013年現在も言えない状況である。

更に、経済にようやく明るい兆しが見え始めた中でも「爆弾」は存在し、アメリカ合衆国の債務上限引き上げ問題は強く懸念されている。2013年10月に土壇場で債務不履行を回避したが、これは問題の一時的な先送りであり、2014年2月の段階で与野党の話し合いがまとまらなければ、3月頃にデフォルトを起こし[29]、その衝撃はリーマン・ショックとは比べものにならないものになるという。ただし、2013年現在これまで96年の歴史で、債務上限は75回引き上げられている[30]

また、世界経済で重要な位置にある中華人民共和国の経済の動向も極めて雲行きが怪しく、世界が注視している。世界同時不況の際、中国は多額の費用を投じ景気刺激策を行い、中国経済は「回復」した。ところが、これの実態はバブルであると言われ[31]、崩壊の危険性が2013年頃から多方面で指摘されるようになった。中国経済の崩壊は、いわば第二のリーマン・ショックとなり、世界に与える衝撃は計り知れないとされる[31]

略年表[編集]

(日付は、現地時間と日本時間が混じっています。また事件と報道がずれている場合があります。そのため事件の順番に矛盾があるので、利用の際はお気を付け下さい。=例えば、ある発表を受けて株価が暴落した場合でも、発表の方が1日後になっているところがありえます)

2006年まで[編集]

  • 1996年12月00日 - FRBグリーンスパン議長が米国株の上昇を「根拠なき熱狂」("irrational exuberance")と表現。しかしその後FRB内部での懸念にもかかわらず金融緩和を推し進め、住宅バブルを発生させた主要人物だとの証言がある。
  • 2001年09月11日 - アメリカ同時多発テロ事件発生。NYSEなどの株式が大幅に下落する。
  • 2003年04月28日 - 日経平均株価が、当時のバブル後最安値7607.88円を記録。
  • 2004年00月00日 - アメリカの金融緩和が終わり、公定歩合を上昇させ始める。

2007年[編集]

  • 02月27日 - 上海株式市場上海総合指数が前日比-8.84%の大暴落を起こす(上海ショック)。
  • アメリカで住宅価格の下落が始まる。
  • 06月8日 - G8首脳会議
  • 07月09日 - 日経平均1万8261.98円(ITバブル後最高値)
  • 08月09日 - 仏BNPパリバ傘下のファンドが資産凍結。サブプライムローン問題がクローズアップされる[32]
  • 09月14日 - 英中央銀行、ノーザン・ロックへ救済融資発表[33]
  • 10月00日 - メリルリンチのオニールCEOが引責辞任。
  • 10月00日 - 日本の経済では、暫定的にこの月が景気(第14循環)の山とされている[34]
  • 10月09日 - NYダウ史上最高1万4164.53ドル。
  • 12月00日 - 日経平均2007年年末終値1万5307円
    • アメリカ経済は、景気循環上ではこの月に景気の山を迎えている。

2008年8月まで[編集]

2008年9月[編集]

2008年9月15日、連邦倒産法第11章を申請したリーマン・ブラザーズの様子

2008年10月第1週[編集]

  • 10月01日 - 緊急経済安定化法がアメリカ合衆国上院で可決(下院で否決された案とは多少異なる。下院での採決に向けた援護射撃であり、オバママケイン両大統領候補(上院議員)も賛成した)。
  • 10月03日 - 緊急経済安定化法がアメリカ合衆国下院でも可決し成立。米国政府は7000億ドルの公的資金を投入して不良資産を買い取ることを決定。
  • 10月03日 - ウェルズ・ファーゴワコビアの株式約151億ドル(約1兆6000億円)の取得を模索。シティグループとの争奪戦になる(10日決着、シティが断念)。
  • 10月03日 - カリフォルニア州財政危機表面化。アーノルド・シュワルツェネッガー知事が連邦政府に資金援助を要請。
  • 10月03日 - ベルギー最大の金融グループのフォルティスFortis、総資産120兆円)をベネルクス3国で救済。公的資金300億ユーロ投入(フォルティスはABNアムロの買収のため資金不足)。
  • 10月03日 - 米労働省雇用統計で前月比15.9万人減、5年半ぶり。
  • 10月04日 - EU4カ国(英独仏伊)首脳会議開催。仏構想の3000億ユーロの銀行救済基金創設はドイツなどの反対で提案すらできず、欧州の危機意識不足と協調が取れないことに市場の失望を生む(メルケル首相はアイルランドの公的資金投入を批判)。
  • 10月05日 - ドイツ政府とドイツ連邦銀行が、ドイツHREに500億ユーロ(約7兆2000億円)の公的資金投入を決定。
  • 10月05日 - ドイツ、デンマーク政府、個人銀行預金全額保護を発表。
  • 10月05日 - イタリア最大手銀行のウニクレーディト・イタリアーノが66億ユーロ(9400億円)の資本増強計画を発表。
  • 10月05日 - 日銀、1兆円を即日供給。9月16日から14営業日連続供給で累計26.4兆円を供給した。

2008年10月第2週[編集]

  • 10月06日 - FRBが9000億ドルに資金供給を倍増。
  • 10月06日 - フレディマックファニーメイCDS精算価格が決定。フレディマックは94%、ファニーメイは91.51%に決定。劣後債はそれぞれ98%、99.9%。市場推計は5000億ドルのため数百億ドルが損失となった。大手金融機関やCDOの損失が心配される。
  • 10月07日 - ロシアRTS市場が19パーセント下落。一時取引停止。
  • 10月07日 - アイスランド・クローナが対ユーロで30%暴落。アイスランド政府が同国の全金融機関を事実上国有化する法案を可決。
  • 10月07日 - 6日のNYSEでダウが1万ドル割れ(終値9955.50ドル)。円ドル相場一時100円台(中央値102円)。原油一時90ドル割れ。
  • 10月07日 - 7日の日経平均が4日連続続落、合計1200円。一時1万円割れ。(終値1万0155.90円)。(PERが約13倍、解散価値を示すPBRが約1.1倍、年間配当利回りが2%と割安感にもかかわらず、底が見えない)
  • 10月07日 - オペルが生産の一時停止を発表。BMWダイムラーも追随。
  • 10月07日 - 英大手銀行ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)の株価が30%下落。ポンドも下落。
  • 10月07日 - FRBがこれから社債を買い取ることを発表。
  • 10月07日 - イングランドのサッカー・プレミアリーグは合計30億ポンド(5300億円)の巨額負債があると発表。特にウェストハムはオーナーがアイスランドの銀行と関係があるため心配されている。
  • 10月07日 - 国際通貨基金(IMF)が国際金融安定性報告書(GFSR)を発表。欧米主要銀行の資本増強額を6750億ドル、米国の損失額を1.4兆ドルとした。まだ6400億ドル残った計算になる[38][39]
  • 10月08日 - 7日のNYダウはさらに暴落(終値9447.11ドル、-508.39ドル)。
  • 10月08日 - BNPパリバが、フォルティスのベルギーとルクセンブルクの銀行業務と、ベルギーの保険部門の経営権を総額145億ユーロ(約2兆円)で取得を決定。
  • 10月08日 - 日経平均が史上ワースト3位の暴落。前日比952.58円安(9203.32、-9.38%)を記録。為替は1ドル99円台に。
  • 10月08日 - ロシアRTS指数は8.4%下落。
  • 10月08日 - イギリス政府が国内銀行向けに500億ポンド(872億ドル)の公的資金注入計画を発表。大手8行に250億、英国内の希望する外銀に250億を注入する。また2000億ポンドの流動性を銀行に供給することを発表(いくつかの銀行は受け入れない方針)。
  • 10月08日 - ポールソン財務長官が記者会見で資本注入を示唆(法律上微妙な上に、議会の反対は必至-良いニュースではあるが、株は続落した)。
  • 10月08日 - アイスランドが銀行国有化。必要な援助をEUから断られ、ロシアからの予定(「冷戦時代に西側の生命線と言われたGIUKギャップにほころび」、と言う意味で軍事上大きな意味合いを持つ。その後11日に日本の麻生太郎首相がIMFの融資を提案)。
  • 10月08日 - FRBがAIGに追加融資枠設定、総計1228億ドル(「当初設定では不足」ということで市場の憂慮を生む)。
  • 10月08日 - 欧米6中銀が0.5%協調利下げ(米FFレート1.5%、ECB3.75%)。
  • 10月08日 - LIBORドル翌日物が5.38%、CP1ヶ月もの5.5%。LIBORは表面金利で、資金の出し手がほとんどいない。
  • 10月09日 - ソウル市場でウォン下落、1ドル=1400ウォン台へ。1月950ウォン台。昨年からは5割減。
  • 10月09日 - スイス3大銀行の一つクレディスイス第3四半期赤字と有力紙報道。
  • 10月09日 - ECBが過去最大規模の10兆円の資金緊急供給。
  • 10月09日 - ニューシティ・レジデンス投資法人が東証上場REITとして初の破綻。負債1123億円。個人投資家8600人へ影響。
  • 10月09日 - 8日のNYダウが再び暴落、終値8579.19ドル(-678.91ドル、-7.3%)。GMの欧州での販売不振よりS&P格下げの可能性から経営不安が広がり、実体経済への影響を懸念した。
  • 10月10日 - 積極投資で知られる中堅保険会社大和生命保険が経営破綻。債務超過114億円、負債2695億円。
  • 10月10日 - この日算出される日経平均オプション10月限のSQ値が、7992.60となった。通常、オプションではATM(アット・ザ・マネー)を中心として上下それぞれ最低8種類の権利行使価格が存在するように権利行使価格の見直しが日々行われるが、規定により、SQ週はこの見直しが行われない。よって、10月限の権利行使価格は9000円未満が存在しないこととなった(前週10月3日のITM 1万1000円を中心とし、最低値は9000円)。一方、日経平均はこの週も下落を続けた。最終的に先述のようなSQ値となり、10月限のプットオプションはすべてがITM(イン・ザ・マネー)となる異常事態となった(プットオプションの売り手が、損失を回避するため、この週、日経平均先物のヘッジ売りを大量に行ったことが、この週の日経平均の下落に拍車をかけたと見る市場関係者もいる)。
  • 10月10日 - 日経平均が暴落。終値は前日比881.06円安(-9.62%、過去3番目)の8276円(5年5ヶ月ぶり)。欧米ヘッジファンドの換金売りと言われるが、日本国内からのドル売りも考えられる。日経平均先物にはサーキットブレーカーが発動。アジア株も大幅下落。円高一時97円。
  • 10月10日 - 東京株式市場時価総額268兆円、1年前530兆円のほぼ半額。
  • 10月10日 - ロンドン、パリ、フランクフルト、ロシアの株式約10%下落。
  • 10月10日 - 日銀が4.5兆円を市場に供給。
  • 10月10日 - ブッシュ米大統領が声明を発表。新味なしで売り材料に。
  • 10月10日 - 前日12ドル台のモルガン・スタンレー、MUFGの出資取りやめ予想で7ドル台で推移。ジャンク級のGM、フォードをさらに格下げ予定。フォードはマツダ株を売却報道。GM、クライスラー合併交渉中の報道。
  • 10月10日 - NYダウは小康状態。終値8451.19ドル(-128.00ドル)(ザラ場最安値は7882.51ドル)。原油相場77.09ドルへ下落。金859ドルに下落。
  • 10月10日 - リーマン・ブラザーズCDS精算価格が元本の8.625%に決定。推定想定元本は4000億ドル。ほぼ全額が失われるため、影響が大きい。日本国内への波及も懸念されている[40][41](バーナンキFRB議長の議会証言の「(証券会社への公的資金投入の枠組みがなかったので)金額が大きすぎて救済のしようがなかった」[42]という意味がはっきりした。当時財務省などが緊急査定しており、金額はほぼ確定していた)。後の市場予測は、相殺されるため数千億円規模の損失。
  • 10月11日 - 先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)をワシントンで開催。5項目の行動計画を発表[43]。続いてロシア中国を含むG20を開催。
  • 10月11日 - ポールソン財務長官が公的資金投入を明言。
  • 10月11日 - サンデータイムズが英公的資金申請額を報道。RBS(総資産300兆円)が最大150億ポンド(時価総額120億を上回る)を申請。英住宅金融最大手のHBOSが100億、HBOSを買収するロイズTSBが70億、バークレイズが30億。総計350億(約6兆円)前後になる[44]
  • 10月12日 - IMF世界銀行が「米国発の金融危機は最貧国の人々に深刻で取り返しの付かない損害を与えるリスクがある」との共同声明を発表[45][46]
  • 10月12日 - MUFGとモルガン・スタンレーが出資条件巡り再交渉中[47]と報道。

2008年10月第3週[編集]

  • 10月13日 - 日米欧5中銀はドル資金を無制限供給すると発表(担保が必要)[48]
  • 10月13日 - G7週明けの市場が再開。各市場8–11%前後上昇(台北を除く)。
  • 10月13日 - MUFGがモルガン・スタンレーに90億ドル出資。全額優先株、配当10%、一株25.25ドル、出資比率20%[49][50]
  • 10月13日 - 麻生太郎首相が中川昭一財務・金融担当相に地銀への公的資金注入検討を指示。3月失効の金融強化法を基礎に。同じく麻生首相の指示で年内に限り自社株買いを緩和[51]
  • 10月13日 - 独仏が合計8600億ユーロ(約100兆円)を金融支援に投入すると発表[52]
  • 10月13日 - NYダウ始値8462.42ドル、終値9387.61ドル(+936.42は過去最大、+11.08%)。
  • 10月14日 - 日経平均が過去最大の上昇9447.57円(+1171.14円、+14.15%)、TOPIX956.30(+115.44)(13日は休日)。
  • 10月15日 - 米国財政赤字が過去最大の4550億ドル[53]
  • 10月15日 - 米小売り売り上げ高が1.2%減(市場予測0.6%の2倍) 金融危機で消費抑制[54]
  • 10月16日 - FRBのバーナンキ議長が「金融市場が安定したとしても景気回復には時間がかかる」と発言。株価急落の原因の一つとされる。
  • 10月16日 - 景気後退懸念から急落。NYダウ 8577.91ドル(-733.08ドル、-7.87%)、英FTSE 4079.59(-314.62、-7.16%)、他独DAX -6.5%、西IBEX35 -5.1%、仏CAC40 -6.8%。
  • 10月16日 - 日経平均暴落、8458.45円(-1089.02円、-11.41%。ブラックマンデー以来2番目)。
  • 10月16日 - UBS経営危機に対し、スイス政府が60億スイスフラン(5220億円)投入、6兆円の基金設立。ベルギー、アイスランドのように小国にありながら規模の大きい銀行に市場の疑惑の目。クレディ・スイスカタールなどから9000億円調達[55]
  • 10月16日 - 原油価格WTIが70ドル割れ、69.85ドル。2007年8月23日以来、約1年2カ月ぶりの安値[56]
  • 10月16日 - NYダウ乱高下、終値8979.26ドル(+401.35ドル、+4.68%)(高値 9013.27、安値 8197.67)。
  • 10月16日 - FRB発表の鉱工業生産指数は前月比2.8%低下し、1974年12月以来ぼ34年ぶりの大きな下落[57]。シカゴとサンフランシスコ連銀総裁が景気後退を示唆。
  • 10月17日 - ロイター集計による、世界中の公的資金注入状況。米国は2500億ドル(約25兆円)、英国は500億ポンド(約9兆円)、ドイツは800億ユーロ(約11.2兆円)、フランスは400億ユーロ(約5.6兆円)。米国と欧州で総額6000億ドル(60兆円)を超える[58]
  • 10月17日 - 米ミシガン大消費者信頼感指数が前月の70.7から大幅悪化し、57.5に。また景気現況指数も大幅悪化し、前月の75.0から58.9に低下し過去最低となる[59]
  • 10月17日 - 商務省発表の9月の住宅着工・許可統計着工件数が前月比6.3%減少し、1991年以来の水準、住宅着工許可件数も前月比8.3%減少し、1981年以来の低水準となった[60]
  • 10月18日 - 米大手金融機関が金融安定化法の公的資金資本注入を受け入れる。シティグループとJPモルガン・チェースが250億ドル、モルガン・スタンレーが100億ドル、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが30億ドル[61]

2008年10月第4・第5週[編集]

  • 10月20日 - FRBのバーナンキ議長が下院予算委員会で証言。追加的財政出動を支持すると表明[62]
  • 10月23日 - FRBのグリーンスパン前議長が下院政府改革委員会で証言。議長時代の政策の誤りを認める[63]
  • 10月23日 - ワコビアのCDS精算価格決定予定。
  • 10月27日 - 日経平均がバブル崩壊後最安値を更新、終値7162.90円[64]
  • 10月28–29日 - FRBが連邦公開市場委員会(FOMC)を開催[65]

2008年11月・12月[編集]

  • 11月04日 - アメリカ大統領選挙で民主党のバラク・オバマが当選。
  • 11月9日 - 中国、4兆元の景気対策を発表[33]
  • 11月14–15日 - 第1回20か国・地域首脳会合(金融サミット)開催。
  • 11月18–19日 - GM、フォード・モーター、クライスラーの各首脳が公的支援を求めてアメリカ上院、下院の公聴会に出席したが、自家用ジェット機で来たことに対して議員から非難が集中[66][67]
  • 11月23日 - FRBがシティグループに対し追加で200億ドルの資本注入、および不良資産3600億ドルの政府保証を発表。
  • 11月25日 - FRBが最大8000億ドルの追加金融対策を発表。
  • 12月11日 - 自動車大手3社に対し総額140億ドルの政府融資を行う救済法案がアメリカ上院で交渉が決裂、事実上廃案となる。その後、緊急経済安定化法による公的資金の一部を活用しつなぎ融資を行うことを決定。
  • 12月11日 - バーナード・L・マドフ(ナスダック元会長)、巨額投資詐欺の容疑で逮捕。被害総額は500億ドル超と見られる。

2009年[編集]

  • 1月28日-2月1日 - ダボス会議
  • 2月13-14日 - G7財務相・中央銀行総裁会議(ローマ)
  • 03月00日 - 日本の経済では、暫定的にこの月が景気(第14循環)の谷とされている[68]
  • 3月13-14日 - G20財務相・中央銀行総裁会議(英ホーシャム)
  • 3月23日 - 中国人民銀行総裁の周小川が国際通貨改革で論文を発表[33]
  • 04月02日 - 第2回20か国・地域首脳会合開催。2010年の世界経済の成長率を2%に回復させることなどを宣言[69]
  • 04月10日 - 日本政府が過去最大の56兆8000億円規模の追加経済対策(経済危機対策)を決定[70]
  • 04月24日 - G7,G20財務相・中央銀行総裁会議(ロンドン)
  • 04月30日 - クライスラーが連邦倒産法第11章適用を申請。
  • 05月07日 - 米財務省とFRBがアメリカ大手金融機関19社の資産査定(ストレステスト)を実施。その結果、バンク・オブ・アメリカやシティグループなど10社で総額746億ドルの資本不足になる恐れがあると公表[71]
  • 06月01日 - GMが連邦倒産法第11章の適用を申請し、経営破綻した。
  • 06月10日 - クライスラーが連邦倒産法に基づく再建手続きを完了。
  • 06月16日 - BRICs首脳会議(エカテリンブルク)
  • 07月8-10日 - G8首脳会議(イタリア・ラクイラ)
  • 07月10日 - GMが再建手続きを完了。
  • 08月30日 - 総選挙で民主党が勝利、鳩山政権誕生へ
  • 09月4-5日 - G20財務相・中央銀行総裁会議(ロンドン)
  • 09月24-25日 - 第3回20か国・地域首脳会合開催。
  • 010月3日 - G7財務相・中央銀行総裁会議(イスタンブール)
  • 011月6-7日 - G20財務相・中央銀行総裁会議(英セントアンドルーズ)
  • 011月17日 - 米中首脳会談(北京)
  • 11月25日 - アラブ首長国連邦ドバイの政府系金融企業の債務支払い繰延べの要請が明らかとなり金融不安が生じた(ドバイ・ショック)。ドルとユーロが下落し27日には1ドルが一時84円台に14年ぶりに突入、また金の価格が高騰し1オンス1194.50ドルを記録した。

2010年[編集]

  • 1月27-30日 - ダボス会議
  • 2月5-6日 - G7財務相・中央銀行総裁会議(イカルイト) 共同声明発表を取りやめ[33]
  • 4月15日 - BRICs首脳会議(ブラジリア)
  • 4月22-23日 - G7,G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
  • 5月2日 - EU,IMF,財政危機のギリシャに1100億ユーロ金融支援で合意[33]
  • 6月4-5日 - G20財務相・中央銀行総裁会議(韓国・釜山)
  • 6月25-26日 - G8首脳会議(カナダ・ムコスカ)
  • 6月26-27日 - 第4回20か国・地域首脳会合
  • 9月27日 - マンテガ・ブラジル財務相の「通貨戦争」発言[33]
  • 10月8日 - G7財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
  • 10月22-23日 - G20財務相・中央銀行総裁会議(韓国・慶州)
  • 11月11-12日 - 第5回20か国・地域首脳会合(ソウル)
  • 11月15日、EU統計局はギリシャの対GDP赤字比率を2009年は15.4%(前回13.6%)、2008年は9.4%(同7.7%)と拡大修正した。目標は8.1%なので歳出削減追加を求められている。2009年度のユーロ圏16カ国の赤字は6.3%(前年2%)、EU全体では6.8%(前年2.3%)と拡大している[72]
  • 11月22日、アイルランドは、総額7500億€(約85兆円)のEUとIMF「ユーロ防衛基金」金融支援800億–900億€を要請した[73]。原因はアイルランドが全金融機関を救済したため、財政赤字がGDPの30%以上となり、公債がGDPの176%になったため。[74]
  • 11月22日、フィナンシャル・タイムズはバークレーズ・キャピタルの発表として、バーゼル3の適用(自己資本比率コアTier1規制7%+余裕1%)で米国の上位銀行が資本不足となり、リスク資産の売却を迫られるだろうとした。バーゼル2(欧州は適用済み)の米国への適用の影響は予測が付かないとした[75]

脚注[編集]

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  1. ^ "The Second Great Depression : Why the Economic Crisis Is Worse Than You Think". Retrieved 8 May 2014.
  2. ^ NYダウ最大の下げ、終値777ドル安 下院が金融安定化法案否決、日本経済新聞、2008年9月30日11時38分。
  3. ^ この呼称は神奈川新聞2008/10/12付社説[1]で用いられた。
  4. ^ "Fighting Off Depression", by Paul Krugman, The New York Times, January 4, 2009
  5. ^ 時事通信, 2009年2月9日
  6. ^ a b c NASDAQ Historical Price”. Yahoo! Finance. 2010年1月11日閲覧。
  7. ^ a b Dow Jones Industrial Average Historical Price”. Yahoo! Finance. 2010年1月11日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i Economic Data”. セントルイス連銀. 2010年1月11日閲覧。
  9. ^ a b c d 主要国・地域の中央銀行政策金利”. 日本銀行. 2010年1月11日閲覧。
  10. ^ 篠原・櫨(2008)
  11. ^ 経済産業省・資源エネルギー庁 平成19年度 エネルギーに関する年次報告書(エネルギー白書2008)
  12. ^ WTI原油先物チャート[2]
  13. ^ S&Pケースシラー住宅価格指数[3]
  14. ^ ギリシャ暴動、全土に 不況で社会不安…欧州各地にも飛び火(MSN産経ニュース、2008年12月9日)
  15. ^ MSN産経ニュース「日米欧の6中央銀行 大量のドル供給は危機感の表れ」[4]。6中央銀行はFRBのほか日銀、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(BOE)、カナダ銀行、スイス国立銀行。
  16. ^ その後個別にドル資金供給をおこなっていた9中央銀行をふくめドル供給を10月末まで延長。47NEWS(共同通信)「ドル供給を10月末まで延長 市場緊張で各国中央銀行 」[5]。FRB、日銀、欧州中央銀行(ECB)、英国、スイス、カナダ、デンマーク、ノルウェー、オーストラリア、スウェーデン、ブラジル、韓国、メキシコ、ニュージーランド、シンガポール
  17. ^ 日本経済新聞2008年11月13日付記事「世界で2.4兆円不足、貿易金融滞る モノ・サービスの流れ縮小」[6]
  18. ^ 日本銀行「実効為替レート(名目・実質)」の解説」[7](表1、表2)
  19. ^ 朝日新聞 民間設備投資(実質季調値)93SNA
  20. ^ 田中秀臣・上念司 『震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!』 宝島社、2011年[要ページ番号]
  21. ^ 田中秀臣・上念司 『震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!』 宝島社、2011年[要ページ番号]
  22. ^ 非正規労働の失業、9カ月間で19.2万人 内定取り消し1845人(NIKKEINET2009年3月31日)[8]
  23. ^ (2009年2月17日「しんぶん赤旗」)[9]
  24. ^ 失業率:過去最悪5.7% 有効求人倍率も最低更新…(毎日新聞)[10]
  25. ^ <失業率>予測超す悪化速度 消費減退、悪循環も(毎日新聞)[11]
  26. ^ 2009年度の実質成長率マイナス2.8%に・NEEDS予測(NIKKEI-NET2009年2月16日)[12]
  27. ^ 日経平均プロフィル[13]
  28. ^ http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959CE0E2E2E2908DE0E2E2EBE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=ALL
  29. ^ 来年3月にもデフォルト危機=債務上限問題で米議会予算局時事通信 2013年11月21日
  30. ^ ニュースの深層 債務上限問題で政府機関閉鎖でも安易に増税に走らない米国と日本、どちらの財政事情が本当は悪いのか現代ビジネス 2013年10月7日
  31. ^ a b 特集 中国は大動乱情勢に突入バブル経済の崩壊が切迫激発する労働者階級の闘い国際労働運動 2014年1月1日号
  32. ^ BNP Paribas Freezes Funds as Loan Losses Roil Markets”. Bloomberg. 2010年2月11日閲覧。
  33. ^ a b c d e f g 藤井彰夫 『G20 先進国・新興国のパワーゲーム』 日本経済新聞出版社 2011年 年表・G20をめぐる主な動き
  34. ^ 景気動向指数研究会 議事概要内閣府 2009年1月29日
  35. ^ 2008年8月29日 日本経済新聞のスクープ記事
  36. ^ 米証券大手リーマンが身売り交渉、銀行大手バンカメが予備交渉に。MSN産経ニュース、2008年9月12日8時16分。
  37. ^ AIG救済へFRBが9兆円融資承認 事実上の政府管理下へ Markets”. 産経新聞. 2010年2月11日閲覧。
  38. ^ 国際金融安定性報告書(GFSR) 2008 年10 月 要旨 日本語仮訳
  39. ^ 焦点:欧米の公的資金注入策に懸念の声、不良債権の全体像見えず。ロイター通信、2008年 10月17日22時36分。
  40. ^ リーマン対象の金融派生商品CDS、残高の大部分損失の公算。日本経済新聞、2008年10月11日13時22分。
  41. ^ 米リーマン対象のCDS清算、国内に損失波及も。日本経済新聞、2008年10月12日18時07分。
  42. ^ 対リーマン公的支援「巨額すぎ使えず」FRB議長。日本経済新聞、2008年10月9日17時45分。
  43. ^ 「7か国財務大臣・中央銀行総裁の行動計画」(742字)
  44. ^ 欧州金融再編が加速 主要行、公的資金受け入れへ。日本経済新聞、2008年10月13日07時00分。
  45. ^ 最貧国で深刻な損害も=金融危機の波及懸念-世銀・IMF。時事通信社、2008年10月13日11時18分。
  46. ^ Communiqué of the International Monetary and Financial Committee of the Board of Governors of the International Monetary Fund。国際通貨基金、No. 08/240 October 11, 2008(英語)
  47. ^ 三菱UFJとモルガン、出資条件巡り再交渉 米紙報道。日本経済新聞、2008年10月13日10時19分
  48. ^ 米ドル短期金融市場における流動性向上のための更なる対策。日本銀行、2008年10月13日。
  49. ^ 三菱UFJ発表、モルガンへの出資を優先株に 投資額は変えず。日本経済新聞、2008年10月13日21時24分。
  50. ^ 三菱UFJ フィナンシャル・グループによるモルガン・スタンレーへの出資実行について
  51. ^ 首相、地銀に公的資金注入など検討指示 中川財務・金融担当相に。日本経済新聞、2008年10月13日20時58分。
  52. ^ 独、銀行支援に68兆円 公的資金と政府保証、仏伊も支援実施へ。日本経済新聞、2008年10月13日00時31分。
  53. ^ 08会計年度の米財政赤字、過去最大の4550億ドル。読売新聞、2008年10月15日13時00分。
  54. ^ 9月の米小売売上高 1.2%減 金融危機で消費抑制。日本経済新聞、2008年10月15日21時56分。
  55. ^ WRAPUP2: UBSに公的資金注入、クレディ・スイスは民間から資金調達。ロイター通信、2008年10月16日19時18分。
  56. ^ NY原油:急落、70ドル割る 1年2カ月ぶり安値。毎日新聞、2008年10月17日11時06分。
  57. ^ 世界同時不況の様相 9月の米鉱工業生産34年ぶりの下げ幅。日本経済新聞、2008年10月17日07時00分。
  58. ^ 焦点:欧米の公的資金注入策に懸念の声、不良債権の全体像見えず。ロイター通信、2008年10月17日22時36分。
  59. ^ 10月米ミシガン大消費者信頼感指数が大幅悪化。ロイター通信、2008年10月18日02時19分。
  60. ^ 9月米住宅着工件数は17年半ぶり、許可件数は約27年ぶり低水準。ロイター通信、2008年10月18日00時52分。
  61. ^ シティなど米大手金融機関、公的資金の受け入れ発表。ロイター通信、2008年10月18日08時42分。
  62. ^ FRB議長が追加的財政出動を支持。MSN産経ニュース、2008年10月20日23時49分。
  63. ^ 融資規制せず「過ち犯した」グリーンスパンFRB前議長。MSN産経ニュース、2008年10月24日11時24分。
  64. ^ 【金融危機】東証終値7162円90銭 バブル崩壊後最安値。MSN産経ニュース、2008年10月27日15時50分。
  65. ^ 景気判断を大幅下方修正 実体経済にダメージ。毎日新聞、2008年10月16日14時49分。[リンク切れ]
  66. ^ 【金融危機】支援訴えビッグスリー 米上院銀行委。MSN産経ニュース、2008年11月19日10時24分。
  67. ^ 救済求めるビッグ3の首脳、自家用機で議会に乗りつけ非難の嵐。MSN産経ニュース、2008年11月20日14時38分。
  68. ^ 景気動向指数研究会 議事概要内閣府 2010年6月7日
  69. ^ 2010年「世界2%成長」へ協調(日本経済新聞、2009年4月3日)
  70. ^ 追加経済対策 景気下支え最大の56兆円(日本経済新聞、2009年4月11日)
  71. ^ 資本不足10社で7.4兆円 米金融資産査定結果(日本経済新聞、2009年5月8日夕刊)
  72. ^ “ギリシャの09年財政赤字比率を拡大修正、ユーロ圏は前年比3倍に=EU”. ロイター. (2010年11月15日). http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK879190520101115 2011年1月12日閲覧。 
  73. ^ 毎日新聞:<アイルランド>EUとIMFに金融支援申請へ…財務相表明
  74. ^ IBTimes:アイルランドの財政危機、なぜ問題なのか
  75. ^ 日本経済新聞 2010年11月22日夕刊2面

参考文献[編集]

関連項目[編集]