サーキットブレーカー制度

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サーキットブレーカー制度( - せいど、Circuit Breaker)とは、先物取引において先物価格が一定以上の変動を起こした場合に、相場の安定化のために発動する措置のことである。主に値幅制限取引中断の措置がとられる。

日本のサーキットブレーカー制度[編集]

金融先物市場[編集]

東京証券取引所大阪証券取引所では、1994年2月14日から導入されている。

  • 株価指数先物取引
    先物価格が基準値に応じた一定の変動幅を超えて上昇または下落した場合、取引を15分間中断する(ただし、東京証券取引所の場合は11時15分から前場終了時までおよび14時45分から後場終了時まで、大阪証券取引所の場合は14時45分から日中立会終了時までおよび23時からイブニング・セッション終了時までの時間帯は発動しない)。なお、東京証券取引所では制限値幅は2段階、大阪証券取引所では3段階に設定されている。
  • 債券先物取引
    先物価格が基準価格(前日清算価格)から2円以上変動した場合に、取引を15分間中断する(ただし、14時35分以降の場合は発動しない)。なお、発動は1営業日中に一度である。

おもな発動事例

  • 2001年9月12日 - アメリカ同時多発テロ事件翌日。アメリカの国内取引が全て中止になった煽りを受け、株価が大きく値を下げ、日経平均先物(大証)の取引が中断。
  • 2008年
    • 9月16日 - 国債先物の取引が中断。リーマン・ブラザーズの経営破たんを受けてアメリカの金融システムの不安が増幅してリーマン・ショックが起こり、先物を中心に大きく買われる展開となったため。
    • 10月10日 - 世界的な金融不安で、9日のニューヨーク市場のダウ平均株価が9,000ドルを割ったこと(8,579.19ドル)などを受け、株の売り注文が殺到したため、TOPIX先物(東証)・日経平均先物(大証)の取引を中断。
    • 10月14日 - 世界各国の政府と中央銀行が発表した金融不安の回避策が好感され、世界的に株価が反騰した影響を受け、株の買い注文が殺到。取引開始直後に前週末比1,310円高の9,330円をつけた直後に、日経平均先物(大証)の取引を中断。
    • 10月16日 - 前日のニューヨーク市場のダウ平均株価が史上2番目の下げ幅(733.08ドル安)をつけ9,000ドルを再び割ったこと(終値8,577.91ドル)などを受け、株の売り注文が殺到。取引開始直後に日経平均先物(大証)の取引を中断。
  • 2011年
    • 3月14日 - 前週末に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災を受け、寄り付きから現物は売り優勢に。その結果ヘッジの動きが強まったTOPIX先物(東証)が取引を中断[1]
    • 3月15日 - 東日本大震災による福島第一原子力発電所事故について菅直人首相の国民へのメッセージを受け売り注文が殺到。日経平均先物(大証)、TOPIX先物(東証)がそれぞれ初めて2回取引を中断[2]
  • 2013年
    • 5月23日 - 日経平均先物(大証)でレギュラー・セッション(ザラバ)午後2時28分~午後2時43分(通常時制限値幅)の中断及びクロージング・オークション(第一次拡大時制限値幅)の板寄せ不成立の合計2回発動。「アベノミクス」への期待による5月からの過熱気味な急ピッチな上昇の反動などにより売りが殺到した。

商品先物市場[編集]

東京工業品取引所及び東京穀物商品取引所において、2011年12月30日までのCBの運用については、6限月のうち1限月でも設定した幅外で対当した場合、全限月でCBを発動(限月間連動)させていたが、2012年1月4日から、全商品において限月毎にCBを発動させる運用に変更された。

東京工業品取引所では、2009年5月7日から導入されている。

先物価格が毎月設定される一定の変動幅を超えて上昇または下落した場合、取引を5分間中断する。なお変動幅は3段階(ゴム市場は2段階)に設定されている。

  1. 1回目、2回目及び3回目のCBが発動したときは、CB発動時刻から5分間立会を中断し、また、立会再開時はCB幅を拡張し(直前のCB幅に拡大値幅を加算した幅とする)、立会を開始する。
  2. 4回目以降のCBが発動したときは、CB幅を拡張せず、 CB発動時刻から5分間中断した後、立会を開始する。ただし、本取引所が必要と認めるときは、中断時間及び拡大値幅を変更することがある。

東京穀物商品取引所では、2011年1月4日から導入されている。

コメ、小豆を除く商品の運用
  1. 1回目及び2回目のCBが発動したときは、CB発動時刻から5分間立会を中断し、また、立会再開時はCB幅を拡張し、立会を開始する。直前のCB幅に拡大値幅を加算した幅とする。
  2. 3回目以降のCBが発動したときは、CB幅を拡張せず、CB発動時刻から5分間中断した後、立会を開始する。ただし、本取引所が必要と認めるときは、中断時間及び拡大値幅を変更することがある。
コメ、小豆の運用
  1. 1回目のCBが発動したときは、CB発動時刻から5分間立会を中断し、また、立会再開時はCB幅を拡張し、立会を開始する。直前のCB幅に拡大値幅を加算した幅とする。
  2. 2回目以降のCBが発動したときは、CB幅を拡張せず、CB発動時刻から5分間中断した後、立会を開始する。ただし、本取引所が必要と認めるときは、中断時間及び拡大値幅を変更することがある。
コメの運用2011年12月30日まで)
  1. 1回目のCBが発動したときは、CB発動時刻から10分間立会を中断し、また、立会再開時はCB幅を拡大(直前のCB幅に拡大値幅を加算した幅とする)し、立会を開始する。
    1回目のCB発動後 = 300円(当初値幅) + 300円(拡大値幅) = 600円
  2. 2回目以降のCBが発動したときは、CB幅を拡大せず(600円のまま)、CB発動時刻から10分間中断した後、立会を開始する。
  3. 翌計算区域の当初値幅及び拡大値幅については、帳入値段が拡大後のCB幅の上限値段又は下限値段に達した限月(当月限は除く。)が2以上の場合は、次のとおり 拡大する。
    (a) 当計算区域の当初値幅が300円のとき→400円
    (b) 当計算区域の当初値幅が400円のとき→500円
    (c) 当計算区域の当初値幅が500円のとき→500円
  4. 上記 3 により当初値幅及び拡大値幅が拡大している場合における翌計算区域の当初値幅及び拡大値幅については、帳入値段が拡大後のCB幅の上限値段又は下限値段に達した限月(当月限を除く。)が1以下の場合は、次のとおり縮小する。
    (a) 当計算区域の当初値幅が500円のとき→400円
    (b) 当計算区域の当初値幅が400円のとき→300円
  5. ただし、本取引所が必要と認めるときは、中断時間及び拡大値幅を変更することがある。

サイドカー[編集]

サイドカー (Side car) は、サーキットブレーカー制度の一種だが、取引を完全に中断するのではなく、一部の取引に制限を加えるもの。

シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME) では、S&P 500先物が前日終値よりも12ポイント以上下落した場合、プログラム取引に基づく成り行き注文の執行を5分間停止する。

韓国証券先物取引所では、総合株価指数(KOSPI)及びKOSDAQ指数の先物が基準価格から1分間以上にわたり5%以上乖離した場合に、プログラム売買を5分間停止する。

脚注[編集]

  1. ^ “ドキュメント東京市場 日銀、市場と駆け引き”. 日経QUICKニュース. (2011年3月14日). http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9381949EE3E6E296838DE3E6E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;bm=96958A9C9381949EE3E6E296878DE3E6E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2 2011年3月15日閲覧。 
  2. ^ “日経平均が大幅続落、原発事故への懸念強まる”. ロイター. (2011年3月15日). http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20041120110315?sp=true 2011年3月15日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]