反日感情

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第二次世界大戦中の反日感情を煽る米国のプロパガンダポスター。誇張されたステレオタイプを用いている。
日本人と犬は入場禁止中国広州市内のレストランにて。かつて上海租界にあった「中国人と犬お断り」をもじったもの

反日感情(はんにちかんじょう、英語:Anti-Japanese sentiment)とは、日本日本人日系人に対して抱いている反感を指す言葉である。

目次

[編集] 原因

アジアではBBC[1]が定期的に実施している世界各国を対象とした対他国感情に関する調査によれば、概ね日本に好意的な回答が示される中でいわゆる特定アジア2ヶ国である中国と韓国は日本を肯定的に考える回答より否定的にとらえる回答が多い傾向にある(ただし、最新の調査では韓国の回答は日本を好意的に捉える回答が否定的に捉える回答を上回っている)。また、アジアでは読売新聞韓国日報ギャラップが共同で行った[2] 世界各国を対象とした対他国感情に関する調査によれば、東南アジアを含め他の調査対象国における対日・対日本人感情は好意的な回答を示した一方で、中国と韓国では日本を肯定的に考える回答より否定的にとらえる回答が多くなっており、「特定アジア」の国が突出して日本に対して反日感情を抱いている結果が出ている。

特に中国と北朝鮮、韓国との間には現在でも歴史認識などで軋轢があり、日本への歴史的・政治的批判は日本国内でも頻繁に報道されている。東北アジア東南アジアにおける「反日」感情は、反日教育の賜物であるといわれている[3][4]

[編集] 特定アジアの民族差別的「反日」感情

中国や朝鮮半島では、組織的にあるいは突然に「反日」感情の噴出が見られる。このような動きを、第二次世界大戦の「被害」を材料にした日本人に対する民族差別として糾弾すべきとする人もいる。日本の右派・保守派は、中国・朝鮮半島の「反日」感情は自然発生的なものではなく、様々な教育によって人為的に形成・増幅された特殊な感情であるとする。このため、教育的な「反日」感情の露わな朝鮮半島と中国を「特亜(特定アジア)」と区別するなどして、その他の地域とを区別して取り扱うことがある。世界各国を対象とした各種の調査において「特定アジア」が日本を否定的に捉える比率は突出して多い[1][2]

韓国では「百済」というインディーズバンドが歌っている、日本人を「障碍者」と罵倒する曲[5]がヒットするなど、人種差別的な気分が蔓延している。中国では日本人留学生が殴られたり、日本人旅行者へのサービス提供を拒否するレストランや病院などが話題となった。

[編集] 旅行者

1960年代以降、海外渡航の自由化に伴い、日本人の海外ツアーが一般的になると、「旅の恥はかき捨て」的な一部の恥知らずな日本人ツアー客による迷惑行為に不快感を覚える現地の人たちも増えていった。西欧において「集団で押し寄せる日本人」のイメージが出来上がったのはこの時代による。渡航自由化から数十年を経た近年ではマナーやイメージが好転し、一般的には日本人旅行者はマナーが良く、たくさんお金を使うため現在ではアメリカ人やスイス人の旅行者と並んで歓迎される外国人旅行客という評価もある[6][7]

[編集] 企業活動

日本企業は、その投資行為によって世界各地で摩擦を引き起こしたことがある。象徴的な例としては、バブル経済最盛期に三菱地所ニューヨークのシンボルであるロックフェラー・センターを買収し、ニューヨーク市民の反感を買ってしまったという事例がある。三菱地所は、結局、ロックフェラーセンターを売却し、大損失を被った。

[編集] 日本の外国人政策

日本政府による外国人受け入れ問題や、外国人不法就労者に絡む人権問題から日本政府の対応を批判する活動がある。これらはヘイトクライムの側面こそもたないものの、広義の意味で反日感情を助長しているものと指摘する論者がある。

日本国内においては、本人の意志に反して売春させられている外国人女性たちの問題に対し日本国民がほとんど放置していたという問題に対しては、米国国務省[8]国際労働機関(ILO)[9]・各種NGO[10][11]・各種研究機関[12] などから人身売買と厳しく批判されている。このため、近年、入国管理を強化する一方で、不当就労を強いられている被害者の発見と保護を目的とした法改正が始まっている[13]

また、日本国の外国人労働者受け入れは、少子高齢化社会のため増加傾向にはあるものの[14]、世界各国の外国人労働者受け入れ動向と比較すれば極めて限定的であり、日本国内の労働者人口に占める外国人労働者の比率は先進国の中では著しく小さい[15]。これらのことは日本国内における外国人労働者の問題が軽視される原因ともなっており、政府同士によるFTA/EPA交渉や労働組合による交渉などを通じて積極的に改善されることが望まれている。

日本では外国からの単純労働力の受け入れを原則として拒否しており、外国人研修制度技能実習制度といった抜け穴を利用した就労を斡旋された外国人出稼ぎ労働者たちが日本国内の職場に不当に拘束され、日本人には強いられないような過酷な労働を強要され続けていたという事件が発生しており、外国人就労者の反発を招いている[9][12]。一部の外国人労働者は、言語的・経済的不利にもかかわらず、余りの人権侵害的な扱いに裁判を起こさざるを得ないような状況に追い込まれている[12]

[編集] 中華人民共和国における「反日」感情

かつて日本の侵攻を受けた中華人民共和国でも、南京事件 (1937年)日本軍の化学兵器遺棄、中国人強制連行などの歴史的背景が原因となって「反日」的な意識が存在しており、中には日本や日本人そのものへの敵意へと転化した例も存在する。

しかし、日本と現在の中国を見ると、日中戦争第二次世界大戦時の中国は中華民国であり、厳密には日本と中華人民共和国は戦争状態になったことはない。もっとも中華人民共和国の事実上の支配政党である中国共産党、その軍隊である中国人民解放軍との戦闘が中国大陸において行われたことは歴史的事実であり、このような説明は外交上の言辞的修辞以上の意味はない。また自国の歴史の重要な要素であるとして日中戦争における日本軍による残虐行為についても教科書で多く取り上げられているが、この教育については、「反西洋を愛国」とし、「野蛮な犯罪を革命」とする思想であるという指摘がある[16]

また尖閣列島の領有権や東シナ海の海底資源をめぐって対立も歴史問題に加えて「反日」感情を助長した。2003年9月に起こった珠海日本人買春事件では中国の多くのメディアは行為者の違法行為をもとに、連日の報道キャンペーンを展開し日本あるいは総体としての日本人にまで批判的な姿勢をとった。

「反日」感情から日本人が歴史・政治問題について謝らないとサービスの提供を拒否する店や病院がでてきている[17][18]

中国における反日感情は、おもに旧日本軍による中国大陸への侵攻(日中戦争)に焦点が集まっており、日清戦争から辛亥革命期、第一次世界大戦下における対華21ヶ条要求などが話題となることは少ない。当時は対華21ヶ条要求が大変な問題となり中華民国政府は大規模な反日キャンペーンを展開したが、現代の中国でこれが問題視されることは少ない。この背景には現政権である中国共産党の成立前の事件であること、あるいは日清戦争が朝鮮半島の領有権をめぐった戦争であるのに対し、日中戦争には日本の侵略で民間人を無差別に虐殺したと繰り返し指弾される「南京大虐殺」が含まれていることが影響しているのであろう[要出典][誰によって?]

しかし日本は仮想敵国ソ連の脅威があったために一貫として中国全土を植民地化また侵略する意図は持っていなかった。特に日中戦争で中国を刺激させたのは陸軍出先が推し進めた華北分離工作であり、これが広田弘毅が訴えた日中親善政策を挫折させる事となり、抗日意識を煽った[19]梅津・何応欽協定土肥原・秦徳純協定で中国と満州国の間に中国側の自治政府の冀察政務委員会と日本側の冀東防共自治政府が成立し、事実上満州国防衛のための緩衝地帯となった。1936年、広田弘毅が提案した「広田三原則」や有田八郎川越茂が提案した防共協定締結を蒋介石は拒否している[20]。同年に一致抗日を主張した張学良により西安事件が起こり、これにより反共路線から反日路線へと転換し日中の防共協定は破綻となった。1937年に林銑十郎内閣で佐藤尚武外相が華北分離工作を中止事を述べた[21][22]。しかし盧溝橋事件の際、7月11日に現地軍が停戦協定を結んだものの近衛文麿内閣が北支派兵を発表した事により、現地解決は困難となった。現地で宋哲元香月清司が和平したものの、結局刺激を受けた蒋介石は宋哲元に妥協を禁じ開戦を決意し、近衛文麿が8月に船津に華北分離工作を解消しようとした和平工作を行おうとしたものの第二次上海事変が勃発、トラウトマン工作で1度目の和平案を受諾を検討したものの2度目の和平案が過酷であったために失敗した。のちに様々な和平案を出すが、中国側が承諾できない過酷なものであった。

蒋介石の顧問にW・H・ドナルドがのちに証言したところによれば、日本は1938年から1941年の間に中国側に対し、12回も和平提案を行っていたとその条件は中国に対する領土的要求は含まれていていないと述べている[23][24]

中国政府は、日本との関係が良好な時には戦時中の日本軍による残虐行為などを取り上げている映画に対して、日本や日本人への敵意が表立って見られない場合でも圧力をかけることがあり、中国における「反日」感情は政権の都合により利用されたり抑制されるのが実情であるという意見もある。福田康夫政権は「親中」と見られていることから、中国は南京大虐殺を取り上げた映画などに圧力をかけているという報道もあった[25]。 しかし四川大地震では日本の 救援隊が派遣された際には歴史とは別に被災者から感謝の意を表した。

2007年新華社通信が中国人約1万2000人を対象にアンケート調査した結果、「好きではない隣国」の1位に韓国(40.1%)、2位に日本(30.2%)が挙げられた。一方、「好きな隣国」の1位はパキスタン(28.0%)、次いでロシア、日本が3位(13.2%)となった[26]。また、2007年12月に中国の大手ポータルサイト『天涯コミュニティ』の行った世論調査では、最も嫌いな国の1位は韓国、次いで日本が挙げられた。一方、最も好きな国の3位が日本となった[27]。また、中国のインターネット上で実施された「どの国が一番好きか?」という統計によると、中国人が最も好きな国の1位は米国、2位は日本だったという[28]。また人民日報の姉妹紙『環球時報』が中国の北京上海広州武漢重慶の5つの都市に在住する中国人、1350人を対象に「中国人が見た世界」と題する調査を行った結果、中国人が最も好きな国は順に米国、フランス、オーストラリア、シンガポール、日本だった[29]。中国人が一番嫌いな国は韓国であり、日本は「好き」「嫌い」双方の設問で上位に入っている。

2009年末の人民日報系の国際情報紙『環球時報』の世論調査では15〜20歳の若年層では「最も好きな国」の1位に日本を挙げている。国民全体でも「最も好きな国」「最も行きたい国」の区分で、日本は5位、3位に入っている。2010年2月に『北京晨報』が報じた大手旅行会社の調査によると、海外(中国本土以外)の人気旅行先は、日本が台湾と並んで3位だった。1位の香港、2位のマカオは中国領であるため、純粋な外国では実質的には日本が1位となる[30]

[編集] 2005年の中国における反日デモ・暴動

2005年日本の国連安保理常任理事国入りの可能性が濃厚になると、中国で反発が高まり、ネットで1,000万人を超える反対署名が集められた。4月9日には北京で日中国交回復以来最大となる1万人の学生が参加した反日デモが発生した。このデモ隊は日本大使公邸まで行進の後、一部が日本大使館や日本企業に投石を行うなど暴徒化した。4月10日には広州で2万人参加のデモが行われた。デモ隊はいっそう過激化して、日本人が中国人に殴られたり、中国人経営の日本料理店や中国人が乗る日本車に対して攻撃するなどした。北京政府の謝罪は無く、これらに対する補償はあくまで上海市当局や国営企業名義で行われた。これには小泉政権下での歴史認識をめぐる日中間の軋轢が背後にあるという指摘もある。また他の常任理事国は第二次世界大戦で日本の敵国であったために中国を擁護し日本の過去の戦争行為を批判する面も見られた。

[編集] 2010年の中国における反日デモ・暴動

2010年の尖閣諸島中国漁船衝突事件をめぐって中国各地で行われた反日デモに関して、中国政府の外務省スポークスマンは「一部の大衆が日本側の誤った言動に義憤を表明した」としていたが、香港のメディアは、その実態は各大学の政府系学生会が組織したものだと報じている。ある香港紙は、取材に対して「各大学の学生会が 1カ月前から準備を開始した」「校内で日本製品ボイコットの署名活動も行った」というコメントを得たとしている。 また、「デモに参加したある大学生がインターネット上で、デモは学生会が組織したことを明らかにした」とも報じられている。なお、中国の大学学生会とは自主的な政治活動は認められておらず、すべて政府や共産党の指導のもとで活動が行われる[31]

[編集] 台湾(中華民国)における対日感情

日本や日本人自体への反感はきわめて少ないとされており、日本文化も若者を中心に人気である。ただし、だからといって台湾人の多くが過去の日本の統治自体を肯定しているとらえるのは早計である。日本と中華民国が断交した際、「反日」意識が高まった時期もあった。本土化意識の強い台湾人の間では、中国寄りの姿勢を取り続ける日本政府に対して不満と失望感も強い。また、中華民国は日中戦争を戦った当事国であり、泛藍連盟系政党の支持派の中には「反日」意識を強く持つ人達も存在する。

尖閣諸島(釣魚島)の領有権を巡る問題や台中関係における日本の外交姿勢などが論じられる事があり、一部の団体にはこれに関して日本政府に抗議しているものも存在している。2008年6月13日劉兆玄行政院長は立法院の答弁で「問題解決の最終手段として開戦も辞せず」と戦争の可能性を示唆したが、その日の晩に行政院は、行政院長の発言の趣旨について、外交処理を優先し、日本と開戦するとは言っていないとする見解を出している[32]

また日本植民地統治時代の差別・圧迫を強く記憶している本省人、先住民や日本軍の慰安婦として性的搾取を受けたとする女性たちを中心に、日本植民地統治への反感も存在しており、日本政府に対する訴訟や抗議なども行われている。2007年安倍晋三首相の慰安婦問題に関する発言に関しては、台湾政府も元慰安婦たちの圧力に押されて抗議声明をだした[33]

また台湾人の中には、自国の「親日」的意見を日本の右派・保守派が過大に取り上げることを嫌う人物も存在している[34]。日本人研究者の中にも、台湾における「親日」的な植民地統治肯定・賛美論を安易に一般化することを批判するものもある[35]麻生太郎外相(当時)が2006年に講演で植民地支配下で台湾の教育水準が向上したなどと述べたことについて、台湾の英字紙『Taipei Times』は「麻生外相の発言(それ自体)はその通りであり、抗議するには及ばない。日本の為政者から発せられる冷淡で無思慮なコメントは(中韓以外の)日本の友人の好意を損ないかねないという点を東京は考慮すべきであろう」「日本の植民地時代を過ごした台湾人には、懐旧の念とほろ苦さのこもごもの思いを持つ人がよく見受けられる。これは自然なことである。日本人が国家として台湾の発展に貢献した多くの良い側面があるのは疑う余地がない」という社説を掲載した[36]

[編集] 世論調査

台湾における各種世論調査では反日感情は特に見られない。2009年の世論調査では、「日本に親しみを感じる」が69%で、「親しみを感じない」の12%を大きく上回った。「最も好きな国」としても38%が日本を挙げ、2位のアメリカ(5%)、中国・大陸(2%)を大きく上回った[37]2010年度の世論調査でも「日本に親しみを感じる」が62%で、「親しみを感じない」の13%を大きく上回り、「最も好きな国」として52%が日本を挙げ、2位のアメリカ(8%)、中国・大陸(5%)を大きく上回った[38]。2009年の台湾の学生の意識調査では、日本は「最も友好的な国」の第1位(44.4%)で、日本が首位になったのは3回目だった[39]

[編集] 台湾の政治における対日感情

国民党政権下においては、日本の中国侵攻による大陸の被害を重視した教育がなされていたが、李登輝元総統以降の台湾民主化による反動、および李自身が日本の植民地統治を肯定していたこともあり、「親日」的な学者の勢力が増大し彼らによる日本統治時代についての肯定・賛美などが表立って唱えられるようになった。李政権時代に採用されていた台湾の歴史教科書では、日本統治時代に台湾の経済・教育・建築等の近代化がなされたと記述されている(認識台湾)。2005年に李登輝は、「台湾と日本は生命共同体であり、その絆は決して揺るがない。台湾は台湾人だけのものではなく、日本も日本人だけのものではない。日本は台湾人の日本であり、世界の日本である」と発言した事がある。また、2009年の講演で「あなたたちの偉大な祖先の功績を知り、誇りに思ってほしい」と訴え、台湾が日本統治下にあった時代に、日本人技師らの貢献でインフラ整備などが進められたことを説明し、「公に尽くし、忠誠を尽くした偉大な祖先が作り上げてきた日本精神を学び、あなたたちも大切にしてほしい」と発言した[40]

馬英九総統の外交政策、対日戦略のブレーンで中華民国総統府国家安全会議諮問委員を務める楊永明台湾大学教授は、「一般的に言って、日台間では相互に友好感情が存在するという基本認識がある。台湾はおそらく世界で最も親日的な社会であり、日本でも台湾に対する好感が広範に存在するのである」と指摘している[41]。同じく中華民国総統府国家安全会議諮問委員(閣僚級、日台関係担当)を務める李嘉進は「日台は『感情の関係』だ。普通の外交関係は国益が基本だが、日台は特別。お互いの好感度が抜群に高い。戦前からの歴史が育てた深い感情が出発点となっている」と発言している[42]

台湾の陳水扁元総統は2006年に、国慶節祝賀記念式典に出席するため訪台した日華議員懇談会のメンバーと会見し、その席で北朝鮮が同日地下核実験を実施したことに触れ、これを強く非難するとともに、日米との軍事交流を強化し両国と準軍事同盟関係を構築する必要性を強調した事がある[43]

その他、台湾には日本人の警察官森川清二郎(神称を「義愛公」)や杉浦茂峰兵曹長などを神として祀っている2地方がある。

2011年3月における東北地方太平洋沖地震において、多額の義捐金を日本に送っている。(2011年8月現在で200億円超)

[編集] 朝鮮半島における「反日」感情

朝鮮半島では17世紀ごろから小中華思想が形成され、周辺国である満州や日本、琉球を夷狄とみなした。江戸時代に日本を訪れた朝鮮通信使たちは、日本に対して、「男子はみな半幅の青布でへそから下を被っている。はなはだしいのになると隠さない[44]」、倭国の草履は「前部に一本の縄があって、そこに足指を掛けて挟んで歩く。その形はひどく奇怪である。足袋は蛇の舌のようである[45]」などと日本の風習を夷狄視する記述を見せている。しかしその夷狄視していた日本人に国が併合されると、「小中華思想」をもとにした民族主義から、より強い反日感情へと繋がっているとも言われる[46]

韓国の初代大統領李承晩は強い反日感情を持っており「反日主義」一辺倒の民族主義を煽り「日帝に対する闘争」を掲げることで民族の紐帯を醸成していった[47]

韓国の朴正煕大統領は自著『国家と革命と私』で、次のような言葉を遺している。

  • 「我が半万年の歴史は、一言で言って退嬰と粗雑と沈滞の連鎖史であった」
  • 「姑息、怠惰、安逸、日和見主義に示される小児病的な封建社会の一つの縮図に過ぎない」
  • 「わが民族史を考察してみると情けないというほかない」
  • 「われわれが真に一大民族の中興を期するなら、まずどんなことがあっても、この歴史を改新しなければならない。このあらゆる悪の倉庫のようなわが歴史は、むしろ燃やして然るべきである」

朴は朝鮮史における事大主義属国性を自覚し、自著『韓民族の進むべき道』で韓国人の「自律精神の欠如」「民族愛の欠如」「開拓精神の欠如」「退廃した国民道徳」を批判し、「民族の悪い遺産」として次の問題を挙げている[48]

  • 事大主義
  • 怠惰と不労働所得観念
  • 開拓精神の欠如
  • 企業心の不足
  • 悪性利己主義
  • 健全な批判精神の欠如
  • 党派意識
  • 特権・エリート集団意識

朴正煕は独裁体制(維新体制)を確立すると、「国籍ある教育」を掲げ、歴史教育の目的として「民族の中興の使命を達成するための主体的民族史観」がうたわれるようになった。この様な韓国の公教育が反日感情を増幅させている側面がある。ただ、朴正煕は李承晩とは違い、終生親日家であった。

公式的な場では「反日」であるが、非公式な場では「親日」の面もあり、「昼は反日、夜は親日」と言われる[49][50]

[編集] 日本への敵意

韓国では1998年金大中大統領訪日以前には、日本の文化に対して否定的な風潮があった。韓国併合により一時朝鮮半島が日本の一部となっていたため、日本や日本人そのものへの敵意を抱く人もいまだに存在しているとされる。また在日コリアンの問題もあって、それらの人々の扱いを巡る感情的な問題が起こることもある。

特に1990年代やそれ以前には、日本文化に関する表現も、厳しく制限されていた。2010年9月10日にSKE48が「2010ソウルドラマアワード」授賞式で「強き者よ」「青空片想い」を日本語で歌う姿が韓国の地上波テレビで生中継された。韓国は、2004年1月の日本大衆文化第4次開放で日本語の歌の放送を許したが、放送局側で録画だけに制限していた。生中継されたのは、これが初めてである。事前に放送通信審議委員会を通した上で、放送が決定された[51]

一方、韓国は日本を通じて近代文化を摂取した側面を持ち、日本統治時代以降も一貫して日本文化の流入が続いている。韓国は現在も日本との関係の深い国であり、日本の影響は韓国社会に広く深く浸透している(後述)。本稿では記事の性格上、一部の韓国人の極端な反日行動を強調した記述となるが、全ての韓国人がこのような活動をしているわけではないことも留意すべきである。

[編集] 日本文化の搾取・隠蔽

近年まで、日本の映画や音楽の流通と広告は禁止されていた。しかし、実際には、韓国南部では日本語放送を傍受できたほか、日本国内で録音、録画したものが密輸入され、海賊版として流通していた。一部のアニメは日本から輸入され、スタッフ欄、作品内の表現や文字を書き換えたり日本国旗を塗り潰して韓国旗を上書きしたりして、あたかも韓国内で作られた作品であるかのように修正され、或いは和服などの日本を連想させる描写をカット、或いはそのようなシーンを含む回を隠蔽・放送しない形で放送されていた。これらのアニメ手塚治虫作品など、日本国内でも高い評価を受けた作品が中心であり、韓国では公的には日本の大衆文化を排除しつつ、一般的な韓国人が気がつかない形で日本文化の摂取が行われていた。また日本統治時代の名残である日本の武道が韓国式にアレンジされる例もあった。日本文化の露骨な模倣が行われることも多々あり、その結果、韓国の大衆文化は現在でも日本の大衆文化との類似性が高い。以前はこれらの事情を知らない韓国人の間で、日本の大衆文化が韓国のそれに似ているのは前者が後者を模倣したためだという誤解も生じていた。その一方、日本文化の起源そのものが韓国であるから、模倣とは言えないとする主張(韓国起源説を参照)も一部で活発に唱えられている。この主張は日本の文化人などもすることがある。

[編集] 戦後補償

1991年従軍慰安婦問題において、韓国でも実際に拉致されたと主張する人が名乗り出始め、この問題がマスコミで取り上げられた。この名乗り出に、当時の日本政府は当初、戦後補償に含まれて居たとしてこの申し出に関して取り下げさせようとしたが、逆に事態を悪化させる結果を招き、韓国国内における「反日」感情の高まりへと発展した。ソウルの日本大使館への侵入やデモ、国旗を焼き捨てるなどの暴動が発生した。この事態を重く見た日本政府は同年12月に調査を指示、1995年には同女性らに対する補償を目的とした財団法人「女性のためのアジア平和国民基金」(略称:「アジア女性基金」)を設立したが、この問題はいまだに全面的な解決に至っていない。また、慰安婦については日本側には、実際は職業売春婦だったという学説も存在し、反発している韓国人も存在する。

[編集] 盧武鉉政権

2003年に発足した盧武鉉政権は当初は日本との関係改善に積極的であったが、小泉政権との対立が深まるにつれ日本政府との距離を置く政策を採った。また歴史問題に関しても積極的な姿勢を見せるようになった。2005年に韓国政府が日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約交渉議事録を公開し、韓国国民個人への補償は韓国政府が行うので日本政府は韓国政府へ一括して経済援助金を支払うという文言が存在していることが報道された。しかし、その後盧武鉉大統領は日本側に一部補償義務が残されているという演説をおこなった。2005年3月には島根県議会竹島の日条例を制定したことから韓国政府や地方自治体レベルの抗議や交流停止が相継ぎ、これに抗議する10人程度の小規模なデモが今も頻繁に起きている(竹島の日参照)。

日本側では、1998年には同国大統領金大中の訪日や、日韓合同のワールドカップ開催、また2000年代の韓国製テレビドラマ日本国内放映による親韓ムードや日韓間の文化交流などが関係改善に貢献している(⇒韓流ブーム)。[要出典]その一方で日本の特に右派・保守派の間には日本による韓国統治を肯定する歴史認識やそれに基づいて韓国政府の歴史姿勢を批判する「嫌韓」の動きも存在している。しかし近年では韓国の反日感情は薄くなっているようである。おそらく1998年の日本文化開放により日本アニメや漫画、小説、芸能人が韓国に浸透した影響であると思われる[要出典]

しかし、韓国人の(一部の)極端な反日感情は全く収まっていない。韓国の反日作品は大衆文化開放後も盛んに刊行され、人気を呼んでいる。また、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、韓国内で日本チームを応援するために日の丸を振った韓国人がいたが、即座に周りの韓国人に取り囲まれ、こづかれた。この様子は、Youtubeにて全世界に公開されている。反日デモでは、一部の団体が日の丸日本の首相の写真を焼く事は日常茶飯事であり、このような行動で結果として日本人の対韓感情を悪化させている。

最も過激なのは日本の国鳥であるキジを大使館前で白昼堂々残酷な方法で屠殺する事態も発生しており、日本人はもちろん海外のニコニコ動画ファンも韓国人のキジ屠殺に激しく非難し、『日本はもう韓国に謝る必要はない』『日本を敵に回していいのかい?』などと反韓的な発言が見られ、対韓感情をより悪化させた。

[編集] 李明博政権

経済界出身の李明博大統領は「実用主義」=現実主義の政策アプローチを標榜しており、対日外交政策においても硬軟おりまぜた現実的スタンスを採用している[52]。李大統領の就任以降、靖国神社参拝を行わなかった福田康夫との日韓シャトル外交が復活している。また韓国では日本文化、日本食が売れ、さらに韓国企業に退職日本人技術者を招くなど、対日感情は良好化している。

[編集] 北朝鮮

北朝鮮では、国家の樹立者である金日成朝鮮独立運動の民兵司令官であったこと、および自国の独裁政権への不満をそらすために、アメリカと並んで日本への侮蔑意識をあおるプロパガンダが随時流されている。北朝鮮国内で反日ドラマ・反米ドラマが放映しており、内容は現実で起こらなかった虐殺描写なども描かれている。教育においても金日成の朝鮮独立運動における役割をきわめて誇大化した内容が教えられている。反日宣伝の一方で、金日成・金正日親子を崇拝するプロパガンダも流されている。

『北朝鮮の七日間』では日本人拉致問題を正当化するために『日帝の罪を暴露断罪する歴史の告発場』という番組が北朝鮮国内で放送し、なんとはるか400年前の豊臣秀吉の朝鮮出兵を非難している。

[編集] 親日派に対する制裁

日本の支配下であった台湾と日本の交戦国である中国は政府が反日的であっても親日派に対する制裁は近年では行われていないが、韓国・北朝鮮は朝鮮戦争の交戦国よりも宗主国日本に好意的な親日派に対する制裁が厳しい。北朝鮮で親日派は終身収容所送りとなり、韓国では親日派は社会的に抹殺され、2005年に歴史問題、竹島問題や小泉純一郎首相の靖国神社参拝などで反日感情が高まった際には日本統治時代の親日派の子孫の財産を没収する親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法の制定など、反日的政策が実行されている。これによりいかに朝鮮民族が反日的なのかが捉えられる。ただし朝鮮族は韓国・北朝鮮と違い政府による親日派弾圧を受けず、たとえば親日派の在日中国人金文学の本は中国批判で出版禁止になっても呉善花と違い日本での「反韓国的な活動」が理由で親日派としての入国拒否の対象となっていない。

[編集] 韓国国民の対日意識

韓国国民の対日感情と密接な関係があるので以下にアンケート調査結果を示す。

2004年

韓国中央日報社が調査期間は2004年8月19日〜9月10日、20歳以上の男女1200人を対象をとした世論調査を2004年9月22日に発表した資料を下に示す(括弧内の数字は100分率を示す)。

項目 1位 2位 3位
好きな国 米国(14%) 豪州(14%) スイス(14%)
嫌いな国 日本(41%) 米国(24%) 北朝鮮(11%)
見習うべき国 日本(33%) 米国(14%) 中国(11%)
経済協力すべき国 中国(44%) 米国(29%) 日本(15%)
2005年

2005年04月18日 (月) 中央日報が報じた最近の世論調査(CBSラジオ「時事ジョッキー今日と明日」が世論調査機関リアルメーターに依頼し、全国の成人男女526人を対象に)によると、「韓国の安全保障を脅かす国」として以下の結果となっている(出典 [4])。

項目 1位 2位 3位 4位 5位
韓国の安全保障を脅かす国 北朝鮮(30.8%) 日本(29.5%) 米国(15.5%) 中国(11.4%) ロシア(0.8%)
2008年

2008年のアンケートでは

2008年「中央日報」に掲載された世論調査の結果 [5]
  • 「最も嫌いな国」1位は日本(57%)、2位は中国(13%)、3位は北朝鮮(10%)。
  • 「最も好きな国」1位は米国(18%)、2位はオーストラリア(14%)、3位スイス(9%)。
  • 「最も見習うべき国」1位は日本(24%)、2位は米国(18%)、3位はドイツ(9%)。
  • 「経済的に最も協力すべき国」1位は米国(42%)、2位は中国(38%)、3位は日本(6%)となった。
2008年「京郷新聞」が世論調査機関に委託した調査の結果 [6]
  • 「最も好感を持つ国」1位は米国(45.4%)、2位は中国(15.2%)、3位は日本(11.7%)、4位はロシア(8.1%)、5位は北朝鮮(4.0%)。
  • 「最も脅威となる国」1位は日本(35.1%)、2位は米国(23.8%)、3位は北朝鮮(20.1%)、4位は中国(19.2%)。
  • 「韓国の国益のために親しくすべき国」1位は米国(49.8%)、2位は中国(22.9%)、3位は北朝鮮(9.3%)、4位は日本(3.3%)。

2009年のアンケートでは鳩山由紀夫首相のアジア重視路線で「靖国神社は参拝しない」と公言したためか、天皇訪韓に6割以上が「問題ない」日本に対する好感度では「嫌い」との回答は35.9%で「好き」の10.8%を上回り、「好きでも嫌いでもない」は52.0%だった。北朝鮮に対しては「嫌い」が33.8%で、「好き」は9.2%にとどまった。

2010年

2010年NHKKBSによる共同世論調査[53]では、日本を「嫌い」「どちらかといえば嫌い」の合計(a.)が、1991年1999年の過去のNHKの調査と比較して、年を経るごとに増えている。しかし、その内訳では、「嫌い」が減少して、「どちらかといえば嫌い」が増加し、(a.)の8割を占めている[54]

項目 2010年 1999年 1991年
好き 2% 5% 6%
どちらかといえば好き 26% 31% 33%
わからない/無回答 1% 0% 3%
どちらかといえば嫌い 57% 44% 37%
嫌い 14% 19% 21%

また、日本を「好き」「どちらかといえば好き」と答えた年層別の割合(b.)は、40代から60代で減少している。一方で、20代と30代の若者層では、(b.)は、調査年による変化がほぼ無く、他の年層より比較的高い[55]

年層 2010年 1999年 1991年
20代 42% 40% 37%
30代 35% 36% 41%
40代 25% 37% 37%
50代 20% 33% 38%
60代 17% 25% 37%
70代以上 17% - -
2011年

韓国青少年未来リーダー連合などが韓国国内の400校以上の中高校生を対象に実施した『青少年の国家観と安全保障観』調査。現在韓国の敵対国について[56]

項目 日本 北朝鮮 アメリカ 中国 ロシア
韓国の敵対国 44.5% 22.1% 19.9% 12.8% 0.6%

[編集] 東南アジアにおける「対日」感情

一般的には日本や日本人への感情は良好な国々ではあるが[1][2]、第二次世界大戦における日本軍の東南アジア侵攻と占領統治の影響で、東南アジアの住民の間にも日本による占領統治への批判や感情的軋轢も存在する。教科書でも、第二次世界大戦中の日本軍の行為を具体的に記述している場合もある[57]。軍政への批判としては、いわゆる慰安婦問題、捕虜や現地住民に対する大小の虐殺・虐待、皇民化教育、ヨーロッパ宗主国(イギリスオランダフランス)と日本軍による二重支配がしばしば提示されることもある。

フィリピンは、国土が大規模な戦場となりマニラ大虐殺(マニラ市街戦)など戦争の直接の被害を受けたこともあり、他の東南アジア諸国と比較すると日本軍の統治や戦争被害への反感がある。フィリピンはアジアの中では例外的にカトリックが古くから定着し(約8割、キリスト教で9割以上)第二次世界大戦前のスペイン・アメリカ支配が圧政を伴いながらも浸透していたこと、侵攻した日本軍が国土の約3割しか制圧できなかったこと、27万もの反日ゲリラが組織され存命中の彼らやその家族が日本を受け入れがたい心情を抱いている事、また旧ケソン政権の通貨を廃止し軍票を大量に発行して貨幣経済を混乱に陥れたことなど統治軍政に失敗したこともあり、旧日本軍に対する評価は高くない。また、戦前、フィリピンで建設業等に従事した日本人労働者と現地女性との間に生まれた日系フィリピン人は、戦後、数十年にわたり強い反日感情の中、身を隠して厳しい環境の中で生活を余儀なくされてきた[58]。しかし80年代までには戦後の反日感情は緩和し日系人会の運動は表立って活発化することが可能となった[58]。近年では、前述のBBC等の調査によればフィリピン国民は概して日本・日本人へ好感を持っている結果(「日本は好影響約70%」対「日本は悪影響約10%」)が出ている。マニラ市街戦については米軍の無差別爆撃や艦砲射撃が被害の多数を占めていたとする主張もある[59]

リチャード・アーミテージは、「世界でどの国が優れているか聞いた調査によると、アジアの人々の82%が『日本』と回答しました。彼らは(第二次世界大戦の)日本軍による占領は独立への機会になったと考えています。日本は文化政治安全保障の面でも優れた模範を提供でき、その役割は高まっているのです」と指摘している[60]

[編集] 欧米における「対日」感情

第二次世界大戦では、旧日本軍イギリスオランダフランス植民地を攻撃し、アメリカ合衆国とも戦闘状態に陥った。そして日本に対する反感は日系人に向けられ強制収容された。この際、同じく枢軸国で大戦を戦ったドイツおよびイタリアに起源を持つドイツ系アメリカ人、イタリア系アメリカ人の強制収容は行われなかった(日系人の強制収容)。日本側における連合国軍側兵士の捕虜の取り扱いについては、戦後の東京裁判において捕虜への虐待や必要以上の重労働への動員などが取り上げられた。今日でもイギリスを始めとする関係国では、戦時博物館などに於いて日本軍との戦闘に関する資料が展示され、学校教育の一環で見学者も絶えない。高齢者を中心として、一定のネガティブな印象を持つ者が居る。

歴史認識だけではなく、悪化した自国の経済状況の原因を日本の技術や製品に擦り付け反日感情を煽ることもある(ジャパンバッシング[要出典]

オランダは、江戸時代からの長い交流関係を持っているにもかかわらず、現在のヨーロッパでは反日感情が見られる国の一つである。1971年昭和天皇オランダ訪問の際に卵が投げつけられたり、手植えの苗を引き抜かれたりした。1986年にはベアトリクス女王の訪日が国内世論の反発により中止され、昭和天皇崩御後の1991年の来日の際には、宮中晩餐会で『(日本のオランダ人捕虜問題は)お国ではあまり知られていない歴史の一章です』とのスピーチがあった(→オランダ#歴史)。

ヨーロッパに限らず、第二次世界大戦に巻き込まれた国家の反日感情の心底には、天皇制が残された事や、昭和天皇が新憲法のもとで天皇の地位にあった事も要因に挙げられることがある。第二次世界大戦当時、昭和天皇は大日本帝国の国家元首で大元帥であり、1941年9月6日の御前会議で戦争回避策を求めたが結局は回避ができず、最終的に敗北にいたった。外の敗戦国である枢軸国のトップを見ると、ナチス・ドイツアドルフ・ヒトラーは戦争末期に自殺し、イタリア王国でも戦争末期に民衆がベニート・ムッソリーニを処刑、終戦の翌年である1946年には国民選挙により王制が廃止され、王家たるサヴォイア家は国外に追放された。イギリスオーストラリアソビエト連邦中華民国などの政治家や民衆は、昭和天皇の戦争責任を主張していたが[61]ダグラス・マッカーサーの政治的思惑で昭和天皇の訴追が却下された[62]近衛文麿元首相や昭和天皇の弟宮である三笠宮崇仁親王は、天皇制は維持するものの、昭和天皇自身は退位して皇太子に譲位するような工作を検討したが、マッカーサーや吉田茂は昭和天皇の退位に反対し、そのまま天皇として在位させ続ける事を主張した。マッカーサーが占領政策に天皇を利用すべきと、アメリカ議会や他の戦勝諸国の反対を押し切って戦犯に指名されなかった。この経緯から、朝鮮半島台湾、中国、東南アジア、アメリカ、イギリス、オランダのような諸外国や日本国内では、天皇に対して敵意や憎悪を持つ者も存在する事が明らかになっている。

2005年の中国のデモと同時期に、中国系、韓国系アメリカ人により国連本部前でのデモが行われた。


しかし、アメリカにおける各種世論調査では反日感情は特に見られない。ギャラップによる「アメリカ人の最も好ましい、好ましくない国」アンケート2008年度では1位のカナダ92%、2位のイギリス89%、3位のドイツ82%に次いで日本は80%が好ましいとする回答結果が出ている[63]2010年度調査では1位のカナダ90%、2位のイギリス87%、3位ドイツ80%に次いで日本は77%が好ましいとする回答結果が出ている[64]2009年外務省が米国で実施した対日世論調査では、日本を「信頼できる」と答えた人が一般市民で80%、行政財界などに関係する有識者で91%、「アジアで最も重要なパートナー」を質問したところ、日本を挙げたのは一般市民と有識者でそれぞれ46%と44%でいずれも1位であり、2位の中国もそれぞれ39%と42%だった[65]。また、若年層においては、財団法人日本青少年研究所2006年に日本、米国、中国、韓国の高校生計約7300人を対象に行ったアンケート調査の結果「日本が好き」と答えたのは米国がトップで45.2%、次いで中国24.5%、韓国24.0%。一方、日本の生徒が「好き」と答えた国は米国が39.6%で最も高く、韓国16.7%、中国10.2%で、日米は双方で好感度が高かった。

2010年のBBCの「日本が世界に与えている影響」についての調査[66]では、「積極的(ポジティブ)」と答えたのが、アメリカ(65%)、カナダ、ブラジル、イギリス(58%)、ロシア、ドイツ(50%)などで、「消極的(ネガティブ)」と答えた国は、37%のフランス、次いでドイツ34%、イタリア31%、スペイン29%と、欧州主要国が上位を占めており、アメリカは欧州主要国に比べ11%と低かった。

[編集] ジャパンバッシング(貿易摩擦)

アメリカ合衆国自動車産業は、1980年代、小型低燃費な日本車の輸入がオイルショックの追い風もあり壊滅的打撃を被っていた。アメリカの農家からは日本の農家保護を目的とした輸入制限措置により、不満が噴出していた。そのため次第にアメリカ内の国民対日感情は悪化していった。また1987年に東芝機械がソ連技術機械輸入公団への取引の件について、対共産圏輸出統制委員会(略称「ココム」。1994年解散)の協定に違反したことが問題視された。尚、当時、日本の商業捕鯨を停止させる目的で自然保護団体と環境ロビイストに押された議員などが日本批判のキャンペーンを実施、これに貿易不均衡に不満を持つ業界団体を加えて、大規模な反日キャンペーンが方々で開催された。この中には、日章旗を燃やしたり、日本製乗用車をハンマーで叩き潰すといった過激なパフォーマンスが行われた。ただし、これらのパフォーマンスは反日の個人の行為であり組織的なものではないという指摘もある[67]。(→捕鯨問題

[編集] オーストラリアにおける「反日」感情

日本は第二次世界大戦当時、オーストラリアにも攻撃を加え、北部・西部沿岸部に空爆潜水艦による攻撃を行った。この際、医療船セントールを攻撃した事件(戦時活動中の医療関係への攻撃は、特に問題視される)においても、第二次世界大戦中の悲劇として伝えられている。また東南アジア方面で活動していたオーストラリア兵2万2000名が日本軍によって捕虜とされたが、内1/3が収容所で死亡しており、捕虜の扱いに関する非人道性が問題となった[68]

近年では、オーストラリアは捕鯨問題をめぐって日本を特に強く非難している国の一つであり、オーストラリアにおける反捕鯨運動の盛り上がりとともに反日感情の増大が一部で見られ、2008年7月には、親日家が多いケアンズにおいて、レンタカー会社がレンタカーのキャンピング・カーに「Save a Whale,Harpoon a Jap(クジラを救え、ジャップに銛を打ち込め)」という反日的な反捕鯨スローガンをスプレーで書き付けていたことが発覚した[69]クイーンズランド州首相アンナ・ブライは、このスローガンを人種差別的だと非難した[69]

また、オーストラリアのテレビでは、太った日本人が寿司を食べようとすると、銛が飛んで来て刺さって死ぬという内容のビール会社「Blue Tongue」のCMが放映されている[70]。このCMについてビール研究者のブライス・エディングス(Bryce Eddings)は、「ブルータン社以外のビールを飲むと、クジラの殺害に加担するというのか」として、同社の「安っぽい」販売戦略を批判している[71]

[編集] 注釈

  1. ^ a b c 27カ国のうち韓国を含む25カ国が日本は「主として世界に好影響を与えていると感じる」と回答した人の数が「主として悪影響を与えていると感じる」と答えた人の数を上回っている(全体平均は「好影響」57%対「悪影響」20%)。メキシコと中国の2カ国では日本について「主として悪影響」が多数であった(メキシコ24%対34%中国16%対71%)。Views of US Continue to Improve in 2011 BBC Country Rating Poll (PDF)”. BBC (2011年3月7日). 2011年7月6日閲覧。
  2. ^ a b c 1995年5月29日 読売新聞
  3. ^ [1]
  4. ^ [2]
  5. ^ インディーズバンド百済の日本人罵倒曲「fUCk zAPAN」については、日本国内における一部ネットユーザーの間で、韓国で有名なラッパー「DJ DOC」の作品として大ヒットしたと言う誤報があったが、単なる誤報であり決して意図的に流された悪質なデマでは無い。
  6. ^ Japanese are Simply the Best (Press Release British tourists amongst worst in the world by Expedia.co.uk)
  7. ^ "最も好ましい観光客"は日本人、では最下位は? - エクスペディア調査
  8. ^ "Japan" from "Country Reports on Human Rights Practices - 2005"
  9. ^ a b Efforts mount in Japan to counter human trafficking
  10. ^ 外国人女性被害者を犯罪者扱い…人身売買実態で報告書 (ACE児童労働メールマガジン vol.31、読売新聞、国際労働機関駐日事務所とILO本部)
  11. ^ Trafficking Alert International Edition, May 2005 (Vital Voice)
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  15. ^ 世界各国の外国人労働者 (社会実情データ図録)
  16. ^ 中国の歴史教科諸問題(袁偉時著、2006年、日本僑社)
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  18. ^ 深センのバーで 「日本人の入店お断り」」(人民網日本語版、2002年5月23日)
  19. ^ その影響で土肥原賢二は華北分離工作を計画した罪でA級戦犯として絞首刑にされた。
  20. ^ 広田、有田、川越は三者とも日中両国で防共協定を締結する事で日中関係を改善しようとしたのである。
  21. ^ 更に児玉訪中団のメンバーであった藤山愛一郎(大日本製糖社長)は岳父の結城(豊太郎)蔵相のメッセージを新任の外交部長王寵恵らの国民政府首脳に伝えた。それは日中経済提携の実績によって出先の関東軍や支那駐屯軍を抑制し、両国の関係安定化を図りたいとの趣旨であった。
  22. ^ 松浦「再考・日中戦争前夜」142-143 頁。
  23. ^ ヘレン・ミアーズ『アメリカの鏡・日本』メディアファクトリー刊
  24. ^ つまり、日本の要求は、満州国の独立の承認、華北の経済と開発に関する何らかの権利、「外蒙古から及ぶロシアの影響力の伸長を阻止するための内蒙古の政治的調整」だけだった。ドナルドは「日本はこれらの提案の中で、領土的要求は一切していない」と語った。
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  70. ^ "whale-safe beer" campaign
  71. ^ [3]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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